艦隊これくしょん -鹿屋基地第六〇三戦闘大隊の日常-   作:リュウ@夕立提督

3 / 28
2話です。
こんなサブタイで、「サブタイに合ってるか?」って言われそうですが勘弁を。ええ、サブタイが思いつかなかったんです。割とマジで。
メインが提督/菊月に代わってたりしますが・・・次は戻ります。

この鎮守府の望月は菊月に対してだけ攻めになる子です。みかきくともちきくいいですよねぇ・・・


2話「過去」

「さて、準備万端だ。」

 

俺は支度を終えると執務室へ向かう。

 

「お、夕立も準備できたか―」

 

執務室の扉を開けて目に入ったのは、まず夕立や菊月、時雨に村雨。

そして、何故か居る春雨。しかも私服だ。

 

「え、春雨?何故お前が・・・?」

 

俺が聞くと、春雨は申し訳なさそうに答える。

 

「えっと、夕立姉さんに『一緒に出かけないか』と誘われて・・・はい。」

 

春雨は第4艦隊の旗艦のため、抜けるのは少し困る。

 

「提督さん、だめ?」

 

悩んでいる俺に対して夕立が頼み込んでくる。

 

「・・・仕方ないな。菊月、頼めるか?」

 

夕立の頼みを断れず、俺は菊月に訊ねる。

嗚呼、嫁には勝てないな、俺。

 

「わかっているさ。第4艦隊旗艦を三日月に変える。」

 

流石は菊月、鋭い。

 

「時雨、三日月に伝えてきてくれ。私はやる事がある。」

 

「了解。村雨、暫く頼むね。」

 

「はいはーい。」

 

3人のやりとりを暫く見ていると、夕立が「はやく」と言わんばかりの視線を送ってくる。

 

「夕立、慌てなくても店は逃げないぞ。」

 

「だけど時間は過ぎて行っちゃうの!」

 

確かに、時間は止まらないな。

 

「夕立、春雨、行こうか。」

 

「っぽい!」

 

「はい!」

 

さて、二人と楽しんでくるか。

 

――――――――――――――――――――――――

 

司令官たちが出かけてから数時間が経った。

 

「菊月、疲れてない?」

 

時雨が不意に私に尋ねてくる。

 

「いや、まだ大丈夫だ。」

 

私がそう答えると時雨は「そう」と言いながら少し心配そうに私を見る。

本当は相当疲労しているのだろうと私自身もそう思った。何時間も続けているのだから。

だが、休んでいる余裕は無い。

すると三日月がノックをして執務室に入ってきた。

 

「艦隊が帰投しました。」

 

第四艦隊が遠征から帰投したようだ。

 

「お疲れ。報告を頼む。」

 

「燃料・弾薬を各210、鋼材・ボーキサイトを各24手に入れました。」

 

第四艦隊には大発動艇を装備したあきつ丸が居るため少々だが持って帰る資材が増える。

 

「では、10分後に再び海上護衛任務についてもらうが問題ないか?」

 

「はい。大丈夫です。」

 

5人は補給に向かったが、三日月だけは何故か残った。

 

「どうした?」

 

私が訊くと三日月は心配そうに答える。

 

「菊月姉さん、無理は良くありませんよ?」

 

三日月は私が思っている以上に鋭かった。

 

「このくらい、無理には入らん。」

 

そうは言うものの、結構無理をしているのは事実だ。しかし、司令官に頼まれた事でもあるため休むわけにはいかない。

その直後、三日月が執務机を強く叩く。

 

「菊月姉さんはいつもそうです!周りのことを優先して自分の事を隠してる…姉さんは周りに心配をかけさせたくないからそうしているのかもしれませんが、それが逆に心配させている事を解ってください!」

 

三日月は目に涙を浮かべながら私に言った。なるほど、逆効果だったか。

 

「仕方ない。暫く休息としよう。遠征も一旦中止だ。」

 

私は椅子にもたれかかり、付け加えるように言う。

 

「村雨、第四艦隊の皆に伝えてくれ。」

 

村雨は「りょうか~い」と言いながら執務室を出て行った。

 

「しかし三日月は私の想像以上に鋭いな。」

 

私が言うと三日月は涙を拭いながら答える。

 

「当然ですよ。私だって元第二三駆逐隊所属艦です。姉さんの状態だってある程度わかります。付き合いも長いんですから。」

三日月は涙を拭うと右手を左手で擦る。全力で叩いたようで、痛いのだろう。

まあ、この執務机は金属製だから当然か。

 

「……ッ!」

 

先ほどからの疲れからなのか、めまいが起き、私は意識を失った。

 

 

 

「ここ、は…?」

 

気がつくと、私は海上に一人立っていた。

目の前にはさび付いた鉄の塊。艦船の成れの果てと思わしきものが浮いていた。

 

「…!」

 

それを見た瞬間、私の脳裏を様々な記憶がよぎる。

 

これは、かつての戦争か。隣には敷設艦「沖島」、それから末妹の「夕月」か。

 

―マルロクフタマル、40機以上の敵艦載機による空襲が開始される。それにより「沖島」「夕月」供に損傷、同時に「菊月」にドーントレスの放った爆弾が命中、第563号駆潜艇「第三利丸」が曳航し、「菊月」の擱座を試みる―

 

その記憶が流れた後、私は思い出した。

そうだ、目の前に浮かんでいる鉄の塊はかつて睦月型駆逐艦九番艦「菊月」だった艦艇…つまり私だ。

 

それを思い出した瞬間、私の体が指先から少しずつ光となって消え始める。

 

「消える…のか…?」

 

何が起こっているのかはわからないが、私が消滅するであろう事は予想ができた。しかし、私には受け入れがたいものだった。二度と司令官たちと会えなくなるのは嫌だから。

 

「まだ、消えたくない……!」

 

その直後、私は再び意識が無くなった。

 

 

 

「…ぅぁ……」

 

意識が戻ったようで、目を覚まし、体を起こすとそこに居たのは司令官に夕立、三日月に望月。

鎮守府のメンバーだ。

 

「菊月、随分とうなされていたが大丈夫か?」

 

司令官が私に訊く。

それに私は答える事ができなかった。いや、『できなかった』というよりは『余裕が無かった』が正しいか。

 

「…もしかして、『あの記憶』?」

 

察したように望月が私に尋ねる。それに対して私は無言で頷く。

望月は確信したのか、口を開く。

 

「あー、それならうなされるのも無理はない、かぁ…。」

 

「望月、何かしってるのか?」

 

司令官が望月に訊くと、望月は私を見る。話しても問題ないかを確認したいのだろう。

 

「…別に構わないさ。」

 

「1から説明してると長くなるから端的に説明するよ。」

 

私が答えると、望月は司令官に話し始める。

 

「姉さんは艦娘になる前、所謂『前世』ってやつで爆撃で沈んだんだけど、その後米軍に引き上げられて隅々まで調べられた後にそのまま放棄されたんだよ。」

 

そう、私にとってはトラウマも同然の出来事だった。

 

「で、今もその亡骸は海上に残ってる…多分、それを夢で見たんじゃない?」

 

望月はそう言いながら私の方を向く。

 

「…わざわざ確認しなくてもいい。わかってやっているだろう。」

 

望月は少し笑いながら言う。

 

「バレた?」

 

「当然だ。最初に目で私に確認をとっただろう、全く…」

 

私がそう言うと望月は私に言う。

 

「ヘタレな姉さんも可愛いからちょっと意地悪したくなるんだよねぇ♪」

 

私は時々望月が何をしたいのかがわからない。とりあえずこれは言っておかねば。

 

「望月…後で工廠裏に来い。いいな?」

 

「あー、今日は深夜遠征があるから…」

 

望月が言い訳をしようとするが、私は立ち上がり、続けて言う。

 

「なら、今から来い。」

 

「あ、えぇぇ!?」

 

私は望月を引きずりながら医務室を後にした。




いよいよ夏イベが始まりましたね。
菊月がルート固定要員になる日が来るとは思ってもいませんでしたよ。99で待機させていて正解でした。
速い人はもうE4突破してるんでしょうね・・・自分はまだE3で格闘中ですが。戦艦棲姫に続いて空母棲姫まで分裂してるんでしょうねぇ・・・辛い。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。