艦隊これくしょん -鹿屋基地第六〇三戦闘大隊の日常- 作:リュウ@夕立提督
見直してたら白露型上5人は1回以上メインになってたでござる
「夕立姉さん、起きてくださいよぉ!」
起床すると、春雨が夕立を起こそうと揺すっていた。
夕立は二段ベッドの上で寝ている。因みに、一段目は春雨のベッドだ。
「春雨、どうかしたの?」
僕は春雨に訊く。
「時雨姉さん、夕立姉さんがなかなか起きてくれなく・・・」
春雨がそう言いかけた瞬間、夕立がはっと飛び起きる。
「いたっ!?」
春雨は夕立とぶつかって、そのまま転落する。
僕はすぐさま春雨の真下に入り、春雨を受け止める。
「春雨、大丈夫?」
「時雨姉さん、すみません・・・」
春雨の帽子はゆっくりと落ちてくる。
「ナイスキャーッチ♪」
村雨が落ちてくる帽子を掴み取る。というか村雨はいつの間に・・・。
村雨は楽しそうに春雨の帽子をかぶっている。起床直後だからなのか髪は結っていない。
「村雨、それ春雨の帽子だから返してあげてね?」
僕は春雨を降ろし、顔を上げて夕立を見てみると顔色が悪い事に気付いた。
「夕立・・・?」
僕ははしごを上り、夕立の近くまで行く。
「夕立、大丈夫?」
夕立は答えない。『答えない』というよりは『答える余裕がない』という感じがした。
「夕立?」
その直後、夕立が辛そうに答える。
「だ、大丈夫…ちょっと嫌な夢を見ただけだから・・・・・・」
・・・明らかに大丈夫そうじゃない。呼吸も乱れてる上に顔色も悪いままだ。
「本当に大丈夫?」
「大丈夫だって。あ、私急いで提督さんの所に行かなきゃ・・・」
夕立が慌てていると、その直後夕立がベッドから転落し、しりもちをついた。
艤装が無くても艦娘は艦娘。普通なら良くても捻挫だけど、夕立は無傷だった。
「いたた・・・」
「何を慌てているの?」
僕ははしごを下りながら夕立に訊く。が、夕立はせっせと着替えて部屋を出てしまった。
思わず首を傾げた僕を見て春雨が呟く。
「夕立姉さんの見た嫌な夢って・・・まさか・・・・・・」
何かわかったようで、春雨は走って夕立を追いかけていった。
「村雨、何かわかる?」
「さあ?夕立と一番長い付き合いだから春雨は何かわかったようだけど・・・」
同じ第二駆逐隊の村雨もわからないようだ。
「でも、『本当の悪夢を見た』って感じだったわね。」
「本当の悪夢?」
本当の悪夢、とはどういう意味で言っているのだろう?
そう思っていると、村雨が続けて言う。
「ほら、私達って『かつての記憶』があるでしょ?その記憶の中でも一番思い出したくない事を夢で見たんじゃないかしら?」
・・・推測とはいえ、わかってるじゃないか。
「じゃあ、夕立にとって思い出したくない事って・・・」
「自分が沈んだ時か…由良さんの雷撃処分か・・・・・・」
村雨は僕が思っている以上に鋭かった。
なるほど、確かにその辺りの夢ならああもなるか。
「ちょっと追いかけてみましょう。」
「え・・・?」
そう言うと村雨は僕の手を引いて急ぎ足で春雨たちを追った。
というか村雨、パジャマのままなんだけど・・・。
執務室で書類の処理をしていると、夕立がばん、とドアを開けて急ぎ足で入ってきた。
「どうした?任務はまだだが・・・」
俺が訊こうとした時、夕立が涙目で言う。
「提督さん、その・・・」
よく見ると夕立が小さく震えているのがわかる。
恐らく、悪夢でも見たのだろう。
「大体はわかった。だが、その前に・・・」
俺はそういいながら立ち上がり夕立の前まで来る。
「制服が乱れてるぞ。」
夕立のスカーフを締め、襟を直す。
「て、提督さん・・・!?」
「服装の乱れは心の乱れ、とはよく言ったものだな。」
夕立は顔を真っ赤にしている。
「お前が言いたい事は大体わかる。だから今日は休め。」
俺がそう言うと夕立は驚いた表情を見せる。
「え・・・でも私が動かないと・・・」
「今日の第一艦隊旗艦は三日月にする。お前は今日一日休みだ。」
そう言った直後に春雨が叫ぶようにして俺に言いながら入ってきた。
「司令官!夕立姉さんを非番にしてくださーい!」
「俺はそのつもりだが・・・?」
「へ・・・?」
春雨はきょとんとして俺を見る。
「さっき夕立に言ったところだが、今日一日は夕立は非番。代行は三日月だ。」
「という事は・・・私、盛大な勘違いを・・・?」
春雨は帽子で顔を隠す。だが、耳まで真っ赤にしているのがわかる。
すると村雨が時雨を連れて入ってくる。
「面白そうな事にー・・・ってもうお仕舞い?」
村雨は髪を結っておらず、パジャマのままだ。
「村雨、ちゃんと着替えてこい。」
「え?あ、着替えてなかった・・・」
そう言うと村雨は着替えに戻った。
次回、白露vs時雨
・・・演習じゃないですよ?