騎士と獣と二つのコア   作:kouma

2 / 44
第二話

自己紹介を終えた二人、しかしその二人に向けられる視線は驚きと興味。

おそらくISのパイロットでも、双子というのは滅多にいないのではないだろうか?

もしくは、人生で初めて双子を生で見たというものだろうか?

 

「え、えっと……もう少し自分のこととか、何か目標とかないですか?」

 

「「そうですね……」」

 

クラス中の視線にさらされながらも、牙狼と狼牙は共に山田を見る。

そして、牙狼から口を開く。

 

「俺は……ISで最強の座に就きたいですね」

 

「相変わらずだな、牙狼は……俺は、宇宙に出たいです」

 

次いで狼牙が言う。

二人の言葉を受け、山田とクラスは一瞬固まっていたが

 

「まあそれはそれとして……俺らの席はどこでしょうか?」

 

「このままでいるというのも、時間がもったいないですし」

 

「へっ!? あ、はい……えっと」

 

しかし、山田も同じ顔の二人に話しかけられ少しだけ迷ってしまったようだ。

先ほど自己紹介を終えたとはいえ、まだ慣れていないのだろう。

 

「不動兄は教室の窓側最後方、不動弟は廊下側最後方だ」

 

と、そこに凛とした声。

教室の一番後ろに座っている、長い黒髪にスーツ姿の女性。

 

「お、織斑先生」

 

「山田先生、授業の時間も押している……二人とも、早く席に付け」

 

「「はい、ありがとうございます」」

 

織斑と呼ばれた教師の言うとおり、二人はそれぞれの席に座る。

クラス中が二人のことでひそひそ話していたが、織斑教師の威圧に似た何かを感じ一気に静かになる。

 

(あれが噂の、か)

 

(恐ろしいな……なあ、牙狼)

 

(そうだな、狼牙)

 

その中で、不動兄弟は……視線を交わさぬまま、会話をしていることに誰も気付かず。

教室が静かになったところで、授業が始まるようだ。

牙狼と狼牙も、カバンを置き授業の用意を始める。

 

 

 

そんな中、織斑先生こと織斑千冬がそんな二人を一瞬見ていたのだが……正確には、牙狼をだが。

 

 

 

そして何事もなく授業は進む……だが、終わった瞬間。

不動兄弟の元に女子生徒が押し掛けてきた。

 

「ねえねえ不動君!」

 

正反対の場所からそう聞こえてくる。

同じ名字なので仕方ないとは言え……牙狼と狼牙は苦笑していた。

二人は浴びせられる質問を答える。

 

 

 

ここに来た経緯については、少し前にあった他の男性適性者を探すための検査で引っ掛かったこと。

 

そのため、身の危険も考えられ政府の指示によりこの学園に入れられたこと。

 

 

 

ここに来るまでにあったことを話していく二人。

と、チャイムがなり休み時間は終わったようだ。

彼女らは他にも聞きたげだったが、休み時間は長くないためあまり話せない。

しぶしぶ女子生徒たちは戻っていく……が、不動兄弟はある一人を見ていた。

 

((俺たち以外の男子、織斑一夏))

 

この兄弟より早くISを起動させた最初の男性。

彼はまた……自分らとは少し違うにしても、仲間である。

そのため、不動兄弟は早く一夏と話したかった。

 

その後、授業は進み……昼休み。

 

不動兄弟は、一夏の元へ向かっていった。

彼の周囲には……数人の女性も集まっていたが。

 

「やあ、織斑君」

 

「こんにちは」

 

「あっ……よ、よお」

 

牙狼から声をかけ、次いで狼牙が。

一夏は驚きはしたが、軽く返事をする。

と、一夏の周囲に来ていた数人の女性らにも二人は笑顔で口を開く。

 

「朝も言ったけど、はじめまして……俺は不動牙狼」

 

「で、俺が狼牙。まだ右も左もわからないが、これからクラスメートとしてよろしく!」

 

そう言うと一夏や周りの女生徒も自己紹介を始める。

不動兄弟から見れば黒髪、金髪、銀髪と……色とりどりではある。

 

「こちらこそな! 俺は織斑一夏だ」

 

「篠ノ之箒だ、こちらこそよろしく」

 

「ご丁寧にどうも……私はセシリア・オルコットですわ」

 

「僕はシャルロット・デュノア、よろしくね」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

それぞれがはっきりとした声で返してくれた。

と、牙狼は一夏と……その周りの四人を見て首をかしげる。

 

「ん? どうしたんだ不動?」

 

「あ、名字は弟と被るから名前にしてくれ……男同士なんだしよ、堅苦しいのは抜きだ」

 

「そっか、じゃあ俺も一夏って呼んでくれ……で、どうしたんだ一体?」

 

「いやさ……気を悪くしたらすまない、先に謝っておく。篠ノ之さんやオルコットさん、デュノアさんやボーデヴィッヒさんにも」

 

牙狼は一夏らを見てそういう。

言われた五人は頭に?マークを浮かべていると

 

 

 

「誰が一夏の彼女なんだ?」

 

 

 

そう、言いきったのである。

すぐそばで狼牙は額を押さえあきれ顔。

牙狼は事情を知らないとはいえ、すぐ近くで聞き耳を立てていた女生徒らも口を紡ぐ。

混乱を生み出す、爆弾を投下してしまったということだ。

 

「な、な、な」

 

「き、きゅきゅ急に何を」

 

「言うのかな……うん」

 

「彼女ではない、一夏は私の嫁だな」

 

最後の言葉を聞き流そうと瞬時に牙狼は判断し、どうやら惚れてると言う直感は当たってたようだ。

しかし

 

「あはは、何言ってるんだよ。俺には彼女なんていないって」

 

それに気づかないのが一人。

当の本人である。

牙狼は……おもむろに目頭を押さえ、他の女性ら四人に同情の視線を向ける。

しかし

 

「この馬鹿兄貴!」

 

スパンッと軽い、それでいてキレがよさそうな音が響く。

見ると狼牙が牙狼にハリセンを振るっていた。

 

「ってえ!? 何しやがる!」

 

「うるせえこのアホ! そういったことをホイホイ口に出すなって言ってんだ!」

 

「あぁっ!? 兄に対して随分偉そうじゃねえか……」

 

「たった数分差生まれの違いだろうがこの馬鹿!」

 

「また馬鹿言いやがったなおい!」

 

一夏達から視線を互いに向け、額をこすりつけるぐらいに接近しガンつけ。

同じ顔のため、正直見分けがつかない。

 

「「表出ろやっ!」

 

不動兄弟は声を荒げ……廊下に出ていった。

それを茫然とした顔で見ていた一夏達、と……

 

「な、なにさっきの? 噂の双子?」

 

ドアからひょっこり顔を出したのは、二組にいる女生徒のようだ。

置いて行かれた、というより途中から無視されていた一夏達は……苦笑し、お昼に行くようだ。

そして、出ていった双子はというと

 

 

 

「廊下を走るな、馬鹿者」

 

 

 

千冬に捕まっているようである。

しかし、どこか様子がおかしい。

 

「ちょうどいい、お前たちに少し話があってな……それと、つまらん演技もやめていいぞ?」

 

「…………さすがだ」

 

「本当、まあ今さらごまかせそうにないですからいいけど」

 

先ほどまでのいがみ合っていた二人とは思えない。

だが、あっさりとごまかしをやめた二人に対しむしろ千冬は警戒していた。

不動兄弟の笑みが、まるで心を見透かされているような感じに見えていたのだから。




ISすら出てない、すみません。
頑張ります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。