進撃の亜人   作:薩摩芋

13 / 17
10話です。
またまた謝罪。
自衛官のテストがあるので、少なくとも20日、下手をすれば27日までは更新どころか執筆すら出来そうにないです、すみません。



10話

10話

 

 

 

ムクッ

 

一枚だけあるタオルケットのような薄い掛け布団をどけてリュカは起きる、二段ベッドの上の方に寝ているため、日課だった朝ドンはしない、何の感触も無い自身の額に物足りなさを感じつつも辺りを見渡す

 

「ん?(向かいのベッドが満員だな、サシャのベッドは私の下だから、この部屋は全員揃っているのか)」

 

リュカは昨日エレンをぶん殴った後、真っ直ぐ自分のベッドに向かってそのまま寝てしまったため、結局サシャ以外の同室者との面識を持っていなかった、向こうはまだ寝ているため起こすのも悪いので挨拶は後にして、リュカは新品の制服のベルトの部分の整備を始める、そう今日は、ある意味最初の一年で最も大事なイベント、立体起動の適性検査があるのだ。

 

 

 

 

 

「これから貴様等の適性検査をおこなう、これに合格出来ん奴は囮にも使えん」

 

相変わらずキースの声は威圧感たっぷりであり、怒鳴っている訳ではないのに皆額に汗をかいている、例外がいるとすれば、リュカはまた別の種類の汗をかいていた

 

「サシャ」

 

「何でしょう?」

 

「お前ホントに人間か?」

 

失礼過ぎるこの問いに、僅かに機嫌を損ねるサシャ

 

「何ですか?いきなり」

 

「いや、だってなぁ……」

 

リュカだって自分がした質問がとれだけ失礼な事かくらい分かってる、それでも問わずにはいられない、何故なら

 

「さっきまで散々、筋肉痛で死にそうです、なんて言ってたのに、何でもう当たり前みたいに立っているんだ!?」

 

そう、サシャは朝、あまりに酷い筋肉痛のせいで立つことすら出来なかったのだ、5時間以上ぶっ通しで走れば誰でもそうなる、しかし朝御飯を食べ終わると、サシャの筋肉痛はドンドン和らいでいって、今では何事も無かったかのようにリュカの隣に立っている

 

「そんなの、リュカが朝御飯をくれたからに決まってます」

 

リュカは昨日結局サシャを介抱もしないで寝てしまったので、朝はそのお詫びを兼ねて食事をサシャに譲ったのだ、

 

「それ、関係無いだろ」

 

確かに栄養補給は大切だが、こんなに早く効果が出るものだろうか?

 

「逆にそれ以外何があるのですか?」

 

「それは、そうだが、ん~」

 

いまいち納得いかないリュカであった、とゆうか二人はこんなに喋っていて大丈夫なのだろうか?キースの話はまだ終わっていないと言うのに

 

「先程からベラベラと喋っているのは誰だ!?俺が話している最中に会話するとは良い度胸だな、誉めてやるから前に出ろ!!!」

 

「「す、すみません!!」」

 

怒られてしまった

 

「!また貴様かサシャ=ブラウス、余程俺の頭突きをくらいたいらしいな!ならば望みどうりのご褒美だ!ありがたく受けとれ!!」

 

「わ、私だけ!?~ッ!!」

 

ゴチンッ!!

 

 

 

 

 

適性検査と言ってもやるとは案外シンプルで、両腰に付いている金具にワイヤーを引っ掻けてぶら下がるだけ、単純だかそれ故に得手不得手がより顕著に表れる、リュカの番はまだなためキョロキョロと辺りの様子を見ていた、するとリュカはふとエレンたち三人人の事が気になり、そちらに足を運ぶ、見れば、アルミンは多少グラついてるが問題なく合格を貰ってる、一方ミカサは

 

「見ろよあの女、全然ぶれてない」

「凄いな」

「あれが天才と言うものだな」

 

全く揺れていない、何をすべきか感覚で全て分かるようだ、あれが天才と言うものなのだろう。そして肝心のエレンはと言うと、ちょうど今からのようである、自信満々の表情で吊られているワイヤーが上げられ、エレンの体が持ち上がった瞬間

 

ぐるんっ! ドン!

 

「……ブッフォッ!!クッハハハハ!」

 

「…………」

 

まっ逆さまにひっくり返った、そのあまりに情けない姿に思わず吹き出すリュカ

 

「な、なんだエレンその面白すぎる体制は?!し、死ぬ、これはヤバい!もしかして昨日私が殴った事に対する仕返しか!ならば喜べ、大成功だ!腹がよじれて苦しい!アッハハハー!!」

 

「…………」

 

リュカは腹を抱えて地面を転げ回っている、失敗して落ち込んだ弟に対する態度とは思えないが一応リュカなりに気遣いをしているつもりなのだ、リュカの大爆笑のおかげで周りがエレンに発している嘲りや呆れの声をかき消している、まぁリュカも全て気遣いで笑ってると言えば嘘になる、本気で笑ってるリュカもいるのだ、割合で表すなら9:1くらいだろう、どちらが9で、どちらが1かはリュカのみぞ知る

 

「リュカ=プレゼンチェカ お前の番だ」

 

「アッハハハ~ッはい」

 

どうやらリュカの番が来たようだ、キースに呼ばれた瞬間、一瞬で真顔に戻るリュカ、ワイヤーから降ろされて表情の死んだエレンにすれ違ったときに、エレンの肩に手をポンと置いて言う

 

「まぁ見ていろエレン、お手本を見せてやる」と

 

しかしリュカは気付かない、その台詞が超一級のフラグであることを

 

 

 

ぐるんっ! ドン

 

「……プッ、プッハハハハ!」

 

「…………」

 

両腰にワイヤーを付けた状態でリュカがひっくり返る、まるでエレンと同じフォームで転び、最終的な体制まで同じである、違う所があるとすればエレンは無表情だったのに対しリュカの顔は真っ赤になっている、エレンは先程の仕返しとばかりに盛大に吹き出し、腹を抱えて地面に転がり回る

 

「さ、さっき姉さん何て言った!?お手本を見せてやるって言ったよな!し、死ぬ、これはヤバい!もしかして昨日の事まだ根に持ってんのか?それじゃぁ謝るゴメンって!だからもう起き上がってくれ!これ以上見てたらたら俺の腹筋が崩壊する!プッハハハハ!」

 

「黙れイェーガー訓練兵」

 

「お、俺だけ!?」

 

意味の分からない理不尽がエレンを襲う

 

 

 

 

所変わって食堂、怒涛の適性検査が終わり、ほとんど者は合格して互いに喜び合いながら食事に舌をうっている、例外がいるとすれば一番右奥の四人席、そこには怒気を超えた殺気を纏わせた二人がいた、もう二人はその関係者である、分かってると思うが殺気を放っているのがエレン、リュカで、関係者とはミカサ、アルミンの事である

 

「二人とも、もう仲直りしなよ」

 

この場の空気に耐えきれなくなったアルミンが言う、しかし二人の返答は

 

「「「エレン」「姉さん」が、先に謝ったなら赦す」」

 

「「……ふざけるな」」

 

見事なユニゾンである、普段ならば互いに笑い合うような事でも、今の二人には逆効果だった

 

「ふざけてるのは姉さんだ、そもそも先に笑ったのは姉さんだ、だから姉さんが先に謝るのが筋だろ」

 

「ふん!笑われたくらいで拗ねるとは小さい男だなエレン、そもそも私のような美少女の笑顔が見れたのだ、スッ転んだ甲斐があるとゆうものだろう」

 

(自分で言うか)

エレンはそう言おうとするも事実であるためそこは指摘しない、代わりに変化球をお見舞いする

 

「男を一撃で気絶させられる人間を少女とは言わないだろが」

 

この一言にリュカがキレる、ドン!と片手でテーブルをついた状態で席を立ってエレンの方に身を乗り出す

 

「良く吠えたエレン、ならばもう一度食らってみるか?言っておくが昨晩の一撃は手心を加えてやったのだ、一度カルラさんの所に逝って女の子との話し方を学んで来ると良い、一撃で送ってやるからそこを動くな」

 

リュカの宣戦布告にエレンが応える

 

「昨日は油断してただけだ、それと女の子との話し方なら問題ない、“女の子”なら俺は優しく接する、もう一度言ってやる、相手が“女の子”なら俺は優しい」

 

開戦の火蓋は切って落とされた

 

(知らない間にエレンは随分と皮肉が上手くなったものだ)

リュカは内心そう思いつつ、足取りはしっかりエレンに向かっている、同期の訓練兵達はヒソヒソと話しながら皆固唾を飲んで二人の行方を見守っていた

 

 

「どっちが勝つと思う?」「教官呼んできた方が良いんじゃない」「こりゃ銀髪が勝つな」「それじゃぁ俺は男の方に今晩の飯をかける」「私はリュカが勝つ方に明日の朝御飯まで賭けても良いですよ」「どっちも適性検査失格した落ちこぼれだろ」

 

 

二人を心配している者もいれば、どちらが勝つか賭けている者もいる、そんな同期に見守られながら状況は進んでいく、リュカがエレンの目の前に立ち、あわや一触即発の状態になった時、しかし事態は急変する

 

「そこまで」

 

いきなり声を掛けられてリュカが振り向いた瞬間

 

「ハッ!」ドヒュ!

 

バタン「ッ!!きゅぅ~」

 

リュカの鳩尾に拳がめり込む、リュカは倒れて奇妙な呻き声をあげてその場に崩れ落ちる、起き上がる気配がない、予想外の事態に誰もが言葉を失う中、リュカを殴った少女ミカサは、そんなこと気にも止めず、ひょいっとリュカを肩に担いで何処かに行ってしまった

 

しーん…………

 

余りに唐突な出来事にその場にいる誰もが言葉を失う、最近の食堂はどうしてこんなに頻繁に人が気絶するのだろう、ここは本当に食堂なのだろうか?

 

 

 

 

 

 

リュカを無力化したミカサは一直線に女子寮に向かっていた、すると今まで無言だったミカサが突然声をだす

 

「リュカ、起きてるのなら降りてほしい」

 

その声は肩に担いで気絶しているはずのリュカに向けられている、普通気絶しているのなら返事は出来ないが

 

「バレたか、このまま私の部屋まで運んでくれたら楽だったのにな、残念だ」

 

どうやらリュカは気絶しておらず狸寝入りをしていたようだ、リュカは言われたとおりミカサから降りて自分の足で歩きだす、残念だとは言っているがその歩調は実に軽快で、先程までエレンと大喧嘩寸前だったとは思えない、いや、むしろ良いように見える。

ミカサはそれを疑問に感じて聞いてみることにする

 

「リュカ貴女はどうしてそんなに機嫌が良いの?さっきまでエレンと喧嘩して怒っていたのに」

 

ミカサがそう尋ねると、リュカはキョトンとした顔をしながらミカサの問いに答える

 

「?私は別に怒ってないぞ、いや、むしろ良いくらいだ、なんたってエレンが初めて私に目を合わせて会話してくれたんだからな!」

 

「え?だってあんなに脅すような言葉をエレンに言ってたのに」

 

「あのなぁ私これでもお前達より年上だぞ、しかも結構、もしかして本気で怒ってると思ったのか?弟に笑われて怒る程私の器量は狭くない、私はてっきりエレン達が茶番に付き合ってくれたと思って演技につい熱が入っただけだ」

 

どうやら先程の喧嘩はエレンの一人相撲だったようだ。

 

こうしてエレンとリュカの姉弟喧嘩は呆気なく幕を閉じた、しかしエレンはリュカの話を聞いても納得せず最後まで

『姉さんはあの時絶対本気だった』と、

言い張って、少しリュカを困らせた、しかしリュカが

『私の言うことを信じられないなら別にそれでも良い、だが、もし私がまだ本気で怒ってるいると思うなら、精々夜間の外出や寝ている時は気を張る事だな、何故なら私が本気なら、狙うのはそのタイミングだからな、良い夢見ろよエレン=イェーガー』

こう言われては流石のエレンも納得せずにはいられない、誰だって夜はゆっくり眠りたい、それが疲れた訓練のあとなら尚更である。

ちなみにエレンとリュカの適性検査は後日無事終了した、二人ともベルトに不具合が見つかった、エレンは単純にベルトが破損していて、リュカは適性検査前に自分で勝手に整備したのがいけなかったらしい、それを直すと面白いくらいあっさり合格できた、特にエレンはブレが少なく、なかなか将来は有望だ。

検査は合格できたエレンであったが、2年前より凶暴化した姉の事を考えると、少しゲンナリするエレンであった。




10話終了です。
自分はリュカを書くときに目指しているのは、読んだ瞬間読者の皆さんが『コイツ良いキャラしてるなぁ』と思ってくれることです、どうでしたか?
次の更新は前書きで書いた理由で遅れそうです、大変申し訳なく思いますが、試験が終わればまた頑張ろうと思いますので、懲りずに見てくれればうれしいです。
では、試験頑張ってきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。