進撃の亜人   作:薩摩芋

3 / 17
1話です、原作開始は次回からです。
今回はほのぼの日常編です


1話

ドンッ!!!

 

大きな音がイェーガー邸に響き渡る、だが誰もその事を驚かない、普通朝急に大きな音がすれば誰でも飛び起きるものだが、いや起きるには起きるが飛び起きるというよりは、モソモソとゆっくり起きてくる、何故誰も驚かないというと最早イェーガー一家にとって、この朝ドンは1日のスタートを知らせる目覚ましになっているからだ。が、一家の長男エレン=イェーガーだけは例外でありほぼ毎日この音がする度に  

 

「巨人か!?」

 

と言って飛び起きる、そしてすかさず隣で寝ぼけているミカサを起こす

 

「起きろミカサ!巨人が攻めてきたかもしれねぇ!」

 

「落ち着いてエレン、この程度の音でいちいち巨人を危惧していたら、巨人に食い殺される前に全人類がノイローゼで死んでしまう」

 

まったくの正論である。常に最悪を想定して動く、長男としては正しいが、今回ばかりはミカサが正しい、そも毎日のようにこんな反応していて未だに元気一杯のエレンは凄い。

ちなみに慌てるエレンを落ち着かせているのはミカサ=アッカーマン、イェーガー家の次女である。

 

「そういえば姉さんはどこだ?」

 

「ここだ」

 

「うぉっ!」

 

声がしたが肝心の姿が見えない、辺りを見渡すがやはりいない、そしてベッドをおりてみるとニョキッとベッドの下から白いナニカがはえてきた、思わずたじろぐエレン、そしてある程度落ち着くとその白いナニカに冷たい視線を向けて言う

 

「おはよう、なにやってんだ、姉さん、、、」

 

「あぁ、おはようエレン、ベッドの下で寝てしまったのだ」

 

あっけカランと言う彼女こそこのイェーガー家の長女であり、毎朝の朝ドンの常習犯、リュカ、リュカ姉、姉さん、変態、ことリュカ=プレゼンチェカそのひとである。

 

ちなみに朝ドンの原理はリュカがベッドの下で目を覚まして、起き上がった際にベッドの底に頭をぶつけた時の音で、起きた時の精神状態によって音の強弱が変わる、ちなみに今回は1~10で言えば間違いなく10で、普段は3~5つまり朝ドンをしない日などないのだ。

 

「あら?、エレン、ミカサ、リュカ、おはよう」

 

「おはよう!母さん」

 

「「おはようございます」」

 

耳に良い声が聞こえたかと思えば、そこに居たのは黒髪の女性、一児の母とは思えないくらい美人でリュカが将来成人したらこんな女性に成りたいと密かに憧れている人、イェーガー家の母カルラ=イェーガーが優しげな目で三人を見て尋ねる

 

「三人とも、朝ごはんまでまだ時間あるけどどうする?」

 

「俺は走ってくる、二人は?」

 

「愚問だな、そもそも私が始めたのをエレンが真似したのではないか?だから私も走る」

 

「エレンが行くなら私もいく」

 

「なら三人とも走りにいくのね?最近は特に物騒なこと聞かないけど転ばないようにね、特にエレンあなたよ、明日調査兵団が帰ってくるからってまるで落ち着きが無いんだから」

 

「わ、わかってるよ!だいたいそれ言うならリュカ姉だって…」

 

後ろで何やら言い合いを始めたエレンを置いて、リュカとミカサは既に走る準備を終えていた。

 

「エレン何してる、あまり遅いと置いてくぞ?」

 

「エレン準備急いで」

 

「お前らいつの間に…」

 

そんな仲の良い三人を見ながらカルラは、この幸せをめいいっぱい噛み締めた、何が会ってもこの三人だけは守り通す、そんな誓いを心の中でたてて朝食の準備を始めた。

 

 

 

 

フッフッ!

規則良く呼吸しながら必死に足を前に出す、なるべく早く走れるように、ただひたすら同じ作業を繰り返す、この走り込みは、リュカがお腹周りを気にして始めたもので、最初は一人でやっていたのだが途中からエレン、ミカサが加わり現在は三人で競争するように走っている。

 

「背中が痛い、なぁお前達どうしてベッドの下はあんなに寝心地が悪いのだ?」

 

「たしかに、何でなんだ?」

 

「エレンあなたそれ本気で言っているの?、答えは簡単、ベッドは下で寝るようには出来ていないから」

 

「?それがわからないんだよ、女の子は皆ベッドの下で寝るって姉さんが言ってた」

 

「エレン私はお前のそうゆう純粋なとこ大好きだよ」

 

「じゃーアルミンもベッドの下で寝るのか?」

 

「エレンその理屈で言うとアルミンが女の子に成ってしまう」

 

「違うのか?」

 

「え?」

 

「アルミンは根暗だからな、ベッドの下どころか床の下で寝てるんじゃないか?」

 

「なんだそれ!すげぇ!アルミンまるでキノコじゃんか!もしかしてあの髪型もキノコ意識してんのか?、、、てゆうか姉さん、どさくさ紛れて近道使うな」

 

リュカはミカサやエレンのように同年代ではなく歳が4つ上なので、お姉ちゃんの意地で負けるわけにもいかず、三人の中で一番力を入れているのだか

 

「やった!俺一番!!!」

 

「ゼェー、ゼェー、な、なぜだ!何でミカサ、お前汗一つかいていない?!」

 

「それは当たり前、私はエレンのペースに合わせたから」

 

「え?」

 

「だそうだ、良かったなエレン一番おめでとう、嬉しいか?」

 

「台無しだよ!チクショウ!!!」

 

と、下らないやり取りをしている間に三人は柔軟体操を始める、実は母カルラには内緒で走った後は組み手をしているのだ、これはエレンが町のチンピラに喧嘩で負けて悔しい、と言ったのでリュカがじゃー三人で強くなろうと提案したのだ、怪我防止のため打撃禁止の投げと、締めだけで行うため、まだカルラにはバレていない、ちなみにこの組み手で一番強いのはなんとミカサを置いてリュカである、

打撃有りの場合は、1ミカサ、2リュカ、3エレン、になる。

 

「くぁ~クソまた俺が最下位か」

 

「残念だったなエレン、まぁ走り込みが一番(笑)だったから良いだろ?」

 

「まだ、それ引っ張るの!?」

 

「納得いかない、やっぱり打撃は有効にすべき」

 

「この間、それでガードした私の腕をへし折ったのを忘れたのか?」

 

そうである、実は一度リュカはミカサのパンチをガードしたせいで腕を折られている、ちなみにその腕を治療した父グリシャ=イェーガーはこう言っている

 

『ハンマーにでも殴られたのか?』と。

 

このやり取りの後、三人は無事家に帰り、カルラの料理に舌をうった、エレンとミカサはアルミンと遊びに行くらしく、リュカも来ないか?と言われたが、リュカはこの後カルラに料理を教えてもらう予定なので断腸の思いでこれを断った、去り際にエレンがアルミンに家の何処で寝てるか尋ねてみるそうだ、ここで対応を間違えれば二人の関係が非常に気まずくなるが、それはそれで面白いと思ったので、リュカは笑顔でエレンとミカサを見送った。

 

 

 

 

カチャカチャと食器を片付ける音がキッチンに響く、お料理教室の方は概ね成功した、もともと物覚えが良く頭の良いリュカに教え上手のカルラが教授したのもあって、グイグイとリュカは料理の腕を上げていった、唯一不安があるとすれば

 

「リュカ、そのお皿片付けたらおやつにしましょう」

 

「……あぁ、昨日貰ったパイがあったな、エレン達には悪いが腐るともったいない、食べてしまおう」

 

これである、普段なら考える間もなく出る答えに、不自然な間があるのだ、何か悩んでいるようなら相談して欲しいが、頭の良い子だ手に負えないと判断すれば迷わず聞いてくる、ここは親として信じて待つとしよう。そう思いしばらく黙るとする。だか子供は皆勘が鋭い、それはリュカも例に漏れず、黙ってもカルラが発している雰囲気を察してその重い口を開いた

 

「、、、エレンが調査兵団に憧れているのは知ってるだろう?」

 

「えぇ」

 

即答である、最早聞くまでもない家族の周知だ、ちなみにカルラは猛反対であり、リュカも、消極的だがミカサも反対している、理由は一つ危険だからだ。

 

「あれ、私のせいかもしれない……」

 

「、、、」

 

漏れ出した本音は止まらない

 

「実は私達は走り込みをした後三人で組み手をしているのだ」

 

知らなかった、だが今は何も言わない

 

「あれは、私がエレンの自信を折るために提案したのだ、自信を無くせば諦めると思っていた、だがエレンは決して折れない、寧ろかなりの早さで強くなってる、まだ、私の方が強いが、いつか抜かれる、そしたらあいつは、エレンは、ち、調査兵団、に行ってしまう、そしてエレンが調査兵団に行けばミカサも、それに付いていく…」

 

「、、、」

 

いつもの凛々しい姿は何処えやら、洗い終わった皿を握りしめ必死に皿に落ちた自分の涙を拭いている。

 

「どうすれば、良かったのだ、、、?どうすれば、あいつは私達から離れない、、、」

 

名前のを見ればわかるがエレン、ミカサ、リュカには血が繋がっていない、だからこそ、他の絆を強くしなければ安心出来ないのだ、少なくともこの少女は、故にリュカが強く意識した絆は、良き姉であること、気さくで親しみやすく、明朗でしっかりしたそんな完璧な姉、故に弟(エレン)や妹(ミカサ)に無様な姿は見せられない、ましてやこんなこと相談出来るはずもない、それでも最後は私を頼ってくれた、不謹慎だがカルラはその事が嬉しくて堪らなかった。だからこそ半端な慰め何てしない

 

「、、、無理よ」

 

「え?」

 

「だから、無理って言ったの」

 

「うちの家族でエレンの調査兵団に反対していないのは二人、エレンとグリシャよ、二人の共通点わかる?」

 

「、、、二人とも男だ」

 

「その通り、これは男性特有の考え、私達女には理解出来ないのよ、たがらリュカとエレンのわだかまりは多分一生消えない、それでも一緒にいたいと思うなら、せめて足手まといにでもなってあげなさい」

 

「足手まとい、、、」

 

ふわふわの銀髪に自分のあごを乗せる、髪の匂いが心地良い。

 

「そう、足手まとい、勝手に死んで行こうとする男の足を引っ張ってなるべく長生きさせる、そして死ぬ時は共に逝く、素敵でしょ!」

 

「、、、(あぁこの人には一生敵わない気がする)」

 

一歩成長したにもかかわらず、未だにそびえ立つ自分の憧れを前にリュカはただ頭が上がらないばかりであった。

 




リュカの愛称です↓

リュカ グリシャ  リュカ姉 エレン  
    カルラ   姉さん  
    ミカサ
    アルミン

変態 ミカサ


こんな感じです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。