進撃の亜人   作:薩摩芋

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また謝罪。
ウェブで調べたら、一般的な亜人とは、エルフや人魚、狼男を指すそうです、誤解してしまった人には申し訳なく思ってます。この作品の亜人はマンガ『亜人』をモデルにしてます、今更ですが読んでくれている方はそのつもりでお願いします。
それでは、どうぞ。


5話

『お前は弱いな、エレン』

 

その言葉を言われた時、正直凄いムカついた、ちょっと前にチンピラとの喧嘩で負けた時の比じゃないくらいに、でも、姉さんの顔を見たらそんな感情もすぐに消えた、

 

笑ってた

 

そりゃ~もう、嬉しそうに、今まで見たこと無いくらい口を緩めて、何がそんなに可笑しいのだろう?組手で弟に勝ったことがそんなに嬉しいのか?

分からないまま、姉さんは続けて言った

 

『だが、お前はいつか強くなる、誰よりもきっと

 

何でそんなこと分かるんだろう?、分からないことだらけだ、でも、その時の俺は、姉さんにも負けないくらい口を緩めていたに違いない、下げといて上げる、姉さんはテクニシャンだ。

 

だから、仕方ないから、それまで私が守ってやろう』

 

ニカッと、この日一番の笑顔だった、結局最後まで姉さんがご機嫌になった理由は分からなかった、でも、強くなりたいと思った、この笑顔を守れるくらい強くなれば、自分もこんな笑顔が出来ると思ったから。

 

 

 

 

 

シガンシナの人々は、何をされたか分からなかっただろう、突如として壁よりも頭一個分デカイ巨人が現れたと思ったら、いきなり壁門が吹き飛んだ、そして吹き飛んだ壁門の瓦礫が雨のようにシガンシナに降り注ぐ、町のあちらこちらに粉煙が昇る、だが、誰もがこの惨状を前にしても皆唖然としている、分かっているのだ、この惨状がこれから起きる悪夢の序章でしかないことを、壁が壊された、それはつまり

 

「巨人が入って来るぞ!!!」

 

誰かが叫んだ、この声を合図に皆一斉に動き出す、我先にと壊された壁門とは逆方向に向かって走り出す、そんな中一人の少年が、フラフラとした足取りで歩みを始めた

 

「こっちには、母さんが、姉さんが、、、」

 

「エレン!?」

 

少年エレンの様子の急変に慌てて後を追うミカサ、そんな親友達の姿を見ながらアルミンは確信する。

 

「もう、おしまいだ、この町は、無数の巨人に占領される!」

 

それは、抗いようのない事、今も壊された壁門から止めどなく巨人が入って来ている、心なしか、嗤うように口を歪めた彼らの笑顔は、獲物を前にした獰猛なモノではなく、どちらかと言うと四散してゆく人間を面白がって愉しんでいるかのようだった。

 

 

 

 

ハッ、カハッ、、、ハァッ!、

呼吸が乱れ、脇腹がズキズキ痛む、だがそんなことは気にしてられない、辺りの凄惨な光景が更にエレンを焦らせる、エレンは見てしまったのだ、家の方角に大岩が飛んで行くのを

 

 大丈夫だ、家に当たる筈がない。

 

何の根拠もないが、普通はそう考える、家から壁門までは結構な距離があるからだ、だが現実は残酷だった、いつもの角を曲がると、大岩が家に直撃してペシャンコになっている。エレンは叫ぶ

 

「母さん!、姉さん!」

 

「エレンか!手伝ってくれ!」

 

姉の声がして思わず安堵する、助けを求めているようなので急いで駆け上がると、そこには

 

「来たか、エレン、ミカサ」

「カルラさんが家の下敷きになってしまったのだ。」

「瓦礫をどかすから、手伝ってくれ」

「早く!」

 

大きな血溜まりの上で、必死に家の柱を持ち上げようとしている姉の姿だった。

 

大きな血溜まり、それは、誰の血だろうか?、リュカ?いや違う、あの血の量は明らかに致死量だ、なら今も必死に頑張っているリュカの筈がない、では誰だ?そんなの決まってる、カルラだ、つまりカルラはもう、、、

そう結論を出したエレンの行動は早かった

 

「?!、何する!離せエレン!、」

 

「行こう、姉さん、ここは危険だ」

 

腕を掴んで、引っ張って行こうとする

 

「ふざけるな!カルラさんがまだ下にいると言っただろう!」

 

リュカは混乱している、そんなリュカにエレンは言い放つ

 

「母さんはもう、死んでる」

 

自分で言っといて、なんて非道いやつなんだ、と思う、傷ついた姉に更に辛い言葉をかけたのだから、だがエレンはリュカに対する認識を誤っていた

 

「だからどうした!生き返るかもしれないだろう!」

 

リュカは混乱していたのではなく、狂っているのだ、血は繋がってないとはいえ、いや、だからこそ狂おしいほど愛した母を目の前で失って、平気でいられる筈がない。むしろ平気でいる方がオカシイ、エレンはそんな自分に吐き気がした、そして同時に罪悪感がエレンを襲う、リュカは怒号と同時にエレンの方へ向いた、当然エレンにはリュカの顔全体が見える、リュカの頬には青い痣がある、エレンはそれを見ると引っ張る手に力が入らなくなった、堪らずミカサに助けを求める

 

「ミカサも手伝え!、ここにいたら3人ともヤツらに食われちまう!」

 

「わ、わかった」

 

ミカサだってカルラを愛していた、エレンもだ、リュカの気持ちもわかる、痛いほどに、だからこそリュカまで失う訳にはいかない、先程からズンズンと大きな足音がこっちに近づいて来ている、今は心を鬼にして抵抗するリュカを無理やり連れ出す

 

「ッ!やめろ!ミカサまで、、、、あ」

 

抵抗していたリュカが突然その場に座り込む、不審に思ったエレンがリュカの全身を見渡す

 

「どうしたんだ?姉さ、、、!」

 

酷いものだった、上半身は問題ない、多少泥が服に付いているくらいだ、だが下半身が、右足が大変な事になってる、ガラスや木片がいくつも突き刺さっていてとても歩ける状態ではない、今も巨人の足音が更に近づいている。

ここでリュカが正気に戻る、エレンとミカサが危機に瀕しているのに自分が二人を困らせる訳にはいかない、リュカは瞬時に今の、場の状況、自分の状態、最悪と最善を思考する、そして二人に言う

 

「エレン、ミカサ、私を置いて「ミカサ!姉さんを担いで逃げるぞ!手伝え!」

 

「わかってる!」

 

リュカが何かを言い切る前に、エレンとミカサがリュカの両腕に肩を掛けて歩き出す。

二人はまだ子供だ、捨てられる情にも限りがある、ましてエレンはリュカをこんな状態にした片棒を担いでいる、もし、あの時エレンがリュカを殴り飛ばさなければ、3人はアルミンと遊ぶ約束をしていたのだ、あの時エレンがリュカを殴ったから、リュカは家に引きこもり家の倒壊に巻き込まれてしまったのだ。姉をこんな状態にしといて、その上見捨てる?そんなことをすればエレンは確実に自責と後悔の念で潰れる、だが、このままでは3人仲良く巨人に食われる、絶体絶命だ、その時

 

「3人とも無事か!?」

 

ハンネスが立体起動で助けに来てくれた、

 

「ハンネスさん、姉さんが、、、」

 

「リュカがどうかしたのか?!、、、クッ、こりゃ酷ぇー、リュカは俺が背負って行く、二人は付いてこい!」

 

ハンネスはそう言うとリュカをおぶって走り出した、だが子供二人を引率しながらもう一人背負った状態では全くスピードが出ず、それを嘲笑うかのように後ろの巨人がジリジリと距離を詰めて来た。

 

 このままでは、追い付かれる。

 

そう判断したリュカはハンネスの頬をペシペシと叩いて提案する

 

「ハンネス、ハンネス、二手に別れて逃げよう、私はこの角を右に曲がる、3人は真っ直ぐ逃げてくれ」

 

エレンは最初リュカが何を言っているのか分からなかった、二手に別れるのに何故人数が三対一なのだろう?だがハンネスは直ぐにその案の意味を理解した

 

「ふざけんじゃねぇーぞ!リュカ!!」

 

「ふざけているのは貴様だ!ハンネス、兵士なら何が最善かくらい分かるだろう!このままじゃ逃げ切れない」

 

「クソッ!、、、どうして俺は」

 

ハンネスはそう言うとリュカを降ろして、エレンとミカサを担いで走り出した、堪らずエレンが叫ぶ

 

「おい!ハンネスさん!何で姉さん置いてってんだよ?!、あれじゃ姉さんが巨人に、、、!」

 

そこでようやくエレンはリュカの案の意味を理解した、巨人は生きた人間にしか興味を示さない、リュカは怪我をしているが生きている、それは、つまり

 

「ふざけんじゃねぇーぞ!ハンネス!お前姉さんを囮にしやがったな!今すぐ降ろせ!俺が姉さん担いで逃げる!」

 

だが、ハンネスはエレンを降ろす気配がない、いやむしろ先程よりもきつく抱えられている

 

エレンは姉の小さい背中に必死に手を伸ばす、が届かず、むしろどんどん離れていって、それは、とても悲しくて、気付けば声に出していた

姉さん!! 姉さん!! 姉さん!!

 

やがて姉の背中が見えなくなると、ふと幻聴がした、

 

 

 

『お前は弱いな、エレン、だから私が守ってやろう』

 

それは、もういない大好きな姉の声だった。




はい、5話終了です。
頑張りました、次回はエピローグとプロローグです。
感想待ってます。待ってます。
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