それでは、どうぞ。
エピローグ
コヒューー コヒュー
冷たい夜風が平野を駆け抜ける、そこには草と、ポツポツと生えている木、そして3メートルくらいの高さの肉の塊があった、前者2つはともかく、最後の肉の塊だけは、明らかに異質だ、たがこの異物の異質さは、これだけにとどまらない
モゾモゾ モゾモゾ
肉塊の一角が少しだけ蠢く、その蠢きは段々大きくなっていき、そして遂に中からナニカが現れた。
「寒っ!、しかもなんだこれ?酷い臭いだな」
どうやら、ナニカとは人間のようで、自分の今の状態と後ろの肉塊の放つ異臭に悪態をついている。
「しかも、何だ?この全身に付いたズルズルとした液体は?髪の毛が背中にくっついて鬱陶しい、あぁそう言えば全裸だったな、道理で寒いわけだ」
月夜に照らされた濡れ髪は銀髪で、まだ起伏の乏しい肢体からして、どうやらこの人間は少女のようだ。
それにしても今の少女の状態はかなり危うい、全身にズルズルの液体を纏った全裸の少女、それに本人の容姿も相まって、とある特殊な趣味を持った男性が見れば、さぞ目に良い光景だろう、だが少女にとっては幸運なことで、この場には少女以外の動物はいないようだ。
少女の独り言は続く
「それにしても本当に何だこれ?」
どうやら今まで自分が埋まっていた物体には全く心当たりが無いらしい。
「たしか私は巨人に食われて、、、ん?」
少女はここらで考える事を止めるべきだった、
「じゃあ、私は、ヤツらの、、、!」
ここで少女は最悪の事態に気づく、具体的には言えない、ただこの日から『クソ野郎』『クソアマ』といった言葉は少女にとって地雷になった。まぁ何の慰めにもならないが、少女の考えは間違っている、巨人は満腹になると食べた人間を‘口から’吐き出す、だが、少女にとって食べた物を出す所は基本的には1つしかない、自分もそこから出たと考えるのも無理はない。
少女は絶望を瞳に宿らせて、乾いた声で笑う
「アハハハ、はぁー」
やがて笑声が止む、そして両手を顔に被せて、しくしく泣きながら一言
「ごめんなさい、エレン、お姉ちゃん汚されちゃったよ、、、」
全裸の少女が言って良い言葉ではない、少なくとも今の状態で街中で同じ事を言えば、間違いなく憲兵団が飛んで来る、だが、ある意味少女の今の格好は自然である、何故ならこのウォールマリアの中に服を着ているのは人の死体だけであるからだ。
この後、落ち着いた少女は死体を漁り、ナイフとマント、ボロボロの服とブーツを身に付けて歩き出した、普通なら、何の食料も無しに少女が何もない広大な平野歩くなんてを命取りの行為だ、だが少女は普通ではない、少しでも空腹を感じると、すぐさま身に付けたナイフで自分の喉を切り裂く、気が狂ったのではない、その証拠に切り裂いた喉から黒い霧が出てきて少女を包み込む、霧が止むと、そこには服装以外健康体の少女がいた。
こんな事を繰り返しながら、少女はひたすら歩いた、そんなある日少女は地面に寝っ転がった、別に疲労でも空腹でもない、ただこれから少し、お昼寝をしようと思っているのだ、日々を歩く、死ぬ、しかない少女にとって、夢の中は家族がいて幸せだった時を思い出せる唯一の娯楽だった。
そんな訳で、今回も服を脱ぎ丸めて枕にして夢の世界に旅立とうとしていた、だが今回はいつもと違い、なにやら遠くからドドドッ、ドドドッと、なかなか質量のある物体が多数近づいて来るのを感じた、それでも少女は気にせず眠る、別に今までだって野生の馬に会ったことくらいある、ただいつもと違うのは、寝る直前に
「キース団長!全裸の少女が寝ています!」
そんな声が聞こえた気がしたことだろう。
プロローグ
ドンッ!!
大きな音が調査兵団の兵舎に響き渡る、だが誰もその事を驚かない、普通朝急に大きな音がすれば誰でも飛び起きるものだが、いやキース団長が調査兵団を引退する前までは、この音がする度に、毎日血相変えて「どうした!?」と驚いていたが、彼はもう引退していない、故に団長が彼女を引き取ってから、毎日のように鳴るこの音に今更驚く者など一人もいない、むしろこの音を合図に調査兵団は動き出す。
ある者は起床して、
ある者は朝のトレーニングをやめて、
ある者は馬の世話をやめて、
ある者は朝食の仕込みを始める
皆やることはバラバラだ、だが、皆この音を聞くたびに思うのだ、
我らの小さい家政婦が目を覚ました、と
はい、6話終了です。
次はいよいよ訓練兵団編です、が、夏期講習が本気を出しはじめて課題がキツいです。次の投稿は遅れると思います。
感想待ってます。