ツイテル話 作:笹鉄砲
説明不足ですみませんでした。
第十話
俺たちは今、森の中で任務を遂行している。獲物を生きて確保と言うモンスターハンターなら簡単に感じるような任務だが、現実では非常に難しい。なぜなら、獲物はこちらに向かってくるのではなく逃げるからだ。
俺たちは逃げる獲物をじわじわと追い詰めていく。
「こちらカカシ、ターゲットの方はどうだ?」
「ばっちり見えてるってばよ」
「私も行けます」
「よし、なら行け」
カカシ先生のGOサインによりナルトが獲物に飛びかかった。そして無事に獲物であるガラの悪い猫を確保することに成功した。
こんな任務に5人もいらないだろ、てか下忍の任務ってアルバイトみたいなのばかりである。忍者になって分かったがこの世界の忍者は前の世界の忍者のイメージに何でも屋を付け加えた感じなのだろう。
俺が忍者になりたくないと思ったのは正解だった。正解だからって辞めることができないんですけどね。
俺たちはそのまま任務を受ける場所に行き飼い主に猫を渡した。猫よストレスで禿げてしまえ。
俺が呪詛を送っていると次の任務が言い渡されようとしている。
いいよ、もっとたくさん入れてもらってもいいよ。修行の時間が減るなら最高だよ。
下忍試験に受かったということで我が家の修行は苛烈を増した。そして憑依される回数も増やされている。元気な時ならいくらでもシールドを張り撃退できるが、修行が終わって疲れきっている時に憑かれたら防ぎようが無い。……ダジャレじゃないよ。
さらに、最近の悩み事は自分の意思でだが目に黒子を出せるようになったことだ。あんな恥ずかしいもの見られたら切腹ものである。
昨日も目が覚めたら俺の家に置いてないはずのホワイトボードに「最強忍者計画、育てたのは俺たちだ」と書かれていた。俺の寝ている間にも勝手に人の体を使っていたようだ。
他にも憑依された俺をナルトが見たらしく「なんか口調もおかしかったし独り言も大きかった」とあのナルトに頭の心配までされた。
我が人生最高の屈辱である。しかもあの面倒なナルト夫妻にも俺が見えることがばれてしまった。なんでも火影同士で熱く語り合ったらしい。やばいよ、絶対に変な奴が増える気がするわ。勘弁してほしいわ。
心の中で愚痴っていると簡単な任務は嫌だとナルトが言って難しい任務に変更された。
ナルト黙れと叫びたい。
『さすがだ、ナルト。その向上心を大切にね。ウツロもそう思うだろ』
話しかけるな、人前で返事できるわけないだろ。
その後、依頼主と顔合わせをしたが俺の不幸探知機がこのじいさんと関わると駄目だと警報を鳴らしている。
やっぱり、面倒事を運んでくるのはナルトだったな。