ツイテル話 作:笹鉄砲
第二十一話
無事に波の国の任務も終えてから数日、俺たちは無事に波の国から帰宅した。あの戦いが終わった後、再不斬はタズナさんの家に運び込まれ白が付きっきりで看病したおかげか数日で無事に回復した。
その間、イナリ君はみんなと仲良くなったのに俺には話しかけてくれなくなった。他にも俺を見て逃げる人も出てきた。
波の国が俺をいじめてきやがる。ナルト達も初めの数日は俺から距離を取ってきやがった。寂しいです。
そして目覚めた再不斬とこれからどうするかという話し合いが俺たちとの間で設けられた。ちなみに俺には関係無いのでカカシ先生に全て任せた。
その結果、俺の想像とは大きくかけ離れた結果となってしまった。まず、再不斬と白についてはこの戦いで死んだことにすることに決まった。なんでも追忍から逃れるのには死んだことにした方が楽だそうだ。
ちなみに再不斬はこれから少し考え事がしたいと、旅に出ると言っていた。
再不斬の墓を作るときにお礼参りをしたり綺麗にたたんだ服を置いて、「裸はダサいもんな」と言っていたら、再不斬に蹴り飛ばされた。
「死人がでてくんじゃねぇ!!」
「それが死人の墓に対してすることかぁ!!」
と殴り合いの喧嘩をしたがそれ以外は滞りなく進んだ。
次に白だが、これが面倒なことになった。なんと俺たちと共に木の葉に来ることになった。俺たちの里は比較的安全な里になので、そこに連れて行ってほしいと再不斬に土下座されたのだ。
初めはもちろん再不斬と離れるのが嫌だと揉めに揉めたが、再不斬がお前は優しすぎると、忍者として道具のように生きるのではなく人として生きてほしいと泣きながら言うのを見て白もまた泣きながら納得した。
この会話を見ていたナルトは忍者とは何か、自分はこれからどうするかを真剣に考えたようでこれから自分の忍道は進むと決意したようだ。他のみんなも考えさせられることがあったようだ。
俺はどうなのだろうか? 特に忍者とは何かと考えたことはないし。そもそもこの世界の忍者はおかしいという考えしか思い浮かばない。ただ俺が言えることは道具で終わる俺ではないと言うことだけだろう。
さて、話は戻すが再不斬の剣だが俺が使うことになった。その方が死んだということに現実味があるからである。
そんな感じで話がまとまり里に着いてきた白だが俺の家に居候することになった。
ちょっと待て。と喚いた俺だがカカシ先生に無理やり抑え込まれた。白はサスケとナルトを殺そうとしたことから一緒に住ませるのは都合が悪いと。そしてサクラは家に家族がいるから駄目だと。
ならカカシ先生の家にしろと言ったら「お前があの子の命を救ったんだろ。なら責任を持て」と言われ完敗した。
そんなこんなで白は俺の家に居候してバイトでも見つけて忍者とは離れた生活をしている。
死ぬほど羨ましい話だ。
だが、ここでカカシ先生が見落としたことがあった。それは我が家には幽霊どもがいるということだがそれも居候が始まって数日で解決した。
なんと白に幽霊が見えることがばれてしまったのである。なんでそうなったかと言うとこんな感じである。
俺が任務も終わり家に帰ってきて白と適当に会話して寝ようとした瞬間、女の人が俺の枕元でしくしく泣き始めたのだ。
『うう、私のかわいい娘、白。あなたがこうやって幸せに生きられるなんて母は嬉しいです。ただあんな不幸な生活をさせてしまったことを謝りたい。謝りたいのです!!』
凄くうるさい。こいつは確か白の後ろにいた女の幽霊だ。無視しよ。……娘?
空耳だね。
後になって分かったことだがこの泣き脅し+疲れてる時にやれと言ったのは我が家の幽霊どもであったらしい。親としてこの母親の気持ちが痛いほどわかったらしい。
それでなんで俺を苦しめる方で追い詰めるのかなこいつらは。
そんな裏切りがあったこともあり、やつらはひたすら俺を疲れさす修行をして帰ってきたら夜は枕元でしくしく泣かれた。無視していたらギャン泣きへとシフトした。
そんなことが三日続いて我慢できなくなった俺はついに憑依させた。
三日もよく頑張ったよ俺。
そこで白とそのお母さんとの会話が行われたが寝不足だった俺は全て無視して寝た。
すると次の日にあのお母さんは白に全てばらしたことが発覚した。そのことで泣きそうになった俺に白が泣きながらお礼を言ってきた。
どういたしましてとしか言いようがないじゃないか。
それから、白は俺が異常なほど疲れている理由が分かったらしく。修行が終わって帰ってきた時はそっと助けてくれたりとありがたいことになった。俺の生活にもついに癒しが生まれたのである。
しかし、また俺の体に異常が出てきた。今度は水を凍らすことが出来るようになったのである。犯人はあの女だ。
俺が憑かれないように頑張ったことはさらなる面倒事を持ってきたのである。ちなみに俺が一番の面倒事だと思ったのは扉間の修行が水龍から逃げることから凍らすことに悪化したことである。