ツイテル話   作:笹鉄砲

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第二十七話

 

 翌日、試験官の人に案内されて到着したのは不気味な森であった。樹が大きかったり薄暗かったりと雰囲気がものすごい。

 

「ここは第二試験会場、別名死の森よ。ここが死の森と言われる由縁すぐに分かるわ」

 

 甘ったるそうな名前の試験官によりこの森が雰囲気だけではなく中身も危険であることが良くわかった。

 

 そしてナルトがまたカラ元気でも発動したのか試験官を挑発するようなことを言いだして試験官のクナイにより攻撃されてほっぺたが切られた。ナルトはほっぺたから血を流し、そしてナルトの背後に移動していた試験官さんに「あんた、死ぬわよ」宣言を食らっている。

 

 森だけではなく試験官も危険とはちょっとこの中忍試験は頭がおかしい。しかも、その試験官の背後に現れた人らしきものが試験官に投げたクナイを蛇のように長い舌で返している。俺はあれを人ではなく妖怪と断定する。いくらこの世界の忍者がいろいろおかしいからってあんなに舌が長いやつは見たことがない。

 

 ……実は俺の周りにも普通にいたりしないよね? それと舌で渡すより手で渡した方が絶対に良いと思う。

 

「どうやら今回の試験には血の気の多いやつが集まってるようね。楽しみだわ」

 

 血の気が引いた俺は今から逃げ出したい。

 

 その後、死んでも責任は取らないと書いてある同意書にサインさせられ、この試験のルールが説明された。

 

 班のメンバーと共にサバイバル形式でやるらしい。普通は三人であるが俺たち7班は4人いる。その事に対して不満が周りから出たが、特例としてすでに認められているのであきらめろとのこと。おそらく後ろで暗い取引でもあったのだろう。

 

 天・地と書かれた巻物を片方だけ渡され、この試験中に違う班から強奪して天と地の両方を揃えて試験の目的地である塔に五日以内に到達すれば合格とのこと。26チームにそれぞれ片方ずつ渡すから合格できるのは半分のチームだけだ。巻物の中身は見てはいけないらしい。

 

 他にもいろいろ説明があったが大体こんなもんだろう。そして最後にアドバイスとして全く役に立たない「死ぬな」という言葉をもらって試験が始まった。

 

 

 

「今、人の悲鳴よね」

 

 

 試験が始まってからのんびり歩いていると遠くから悲鳴が聞こえてきた。さっそく誰かが襲われた様だ。お願いだから俺の目の前に化けて出てくるなよ。

 

「なんか、緊張してきた」

 

「どうってことねーってばよ、サクラちゃん」

 

 声が震えているぞ、ナルト。

 

「俺ってばちょっとしょんべん」

 

「この馬鹿! レディーの前で何しようとしてるのよ! 向こうでやりなさい!」

 

 ションベンしようとしたナルトにサクラが殴りかかりナルトはトイレをキャンセルさせられた。こんな所で仲間から離れてトイレするの怖いよなー。

 

 向こうでやれと言われたナルトがトイレして戻ってきた。 ……別人になって。これだけ聞くと昔見たホラー映画を思い出す。

 

「いやー、すっきりしたってばよ!」

 

「だから、レディーの前で……」

 

 ナルトが偽物だと気づいたサスケがいきなりナルトを殴ったことによりサクラが最後まで言葉を言いきることができなかった。この様子ではサクラはナルトが偽物だと気づいていないのだろう。

 

 そしてサスケが追撃する。それに対してなんとか防御をする偽ナルト。それを見てハラハラするサクラ。死んだナルトがいないことに安心する俺。

 

「サクラ、あれが偽物だって分かる?」

 

「え?偽物なのあのナルト」

 

「そうそう、さっき試験官に切られた傷が無いし、武器が左利き用になってるし」

 

「本当だ」

 

 頑張って戦ってる横でサクラに解説してあげる。戦闘中ずっとハラハラしてるサクラが不憫だったからだ。

 

「本物のナルトはどこだ?」

 

「アンラッキー、ばれちゃ仕方ねぇ。巻物持ってるのはどいつだ?」

 

 変化が解けて現われたのは不健康そうなやつだった。変化が解けた瞬間に襲い掛かって来たがサスケの反撃により後退していった。

 

 この間に俺は他にも敵がいないかを索敵中。

 

『盛り上がって来たな!』

 

 戦闘が始まったことによりテンションが急上昇した柱間。こっちは違う意味でテンションが上がってきたわ。

 

 索敵していたが敵はいないらしいので俺も追撃にまわる。丁度ナルトも救出されているし。

 

「ボケボケすんなサクラ、こいつ一人とは限らないんだ! 気を抜いたら死ぬぞ!」

 

 サスケが空中できっちりと敵の左腕をクナイで刺した。しかし敵はサスケを突き飛ばして逃げようと後ろに飛んだ。

 

「こいつはアンラッキー、単独で来たのが仇となったか」

 

「知ってる? 本当のアンラッキーって片腕だけで終わることじゃないんだよ」

 

「は?」

 

 敵が驚いて振り向き俺と目が合う。

 

「今から起こることが本当のアンラッキーだよ」

 

 そして思い切り顔面を殴り飛ばした。敵はくるくると回転しながら飛んでいき地面に衝突した。

 

『いっぱーつ。スカッとする一撃だったな』

 

「そだね」

 

 ビールを飲んだ後のおっさんのようにかーっと叫ぶ柱間。気楽そうで羨ましい。

 

 俺はそのまま地面に降り他の三人の方に向かって歩いた。

 

「あいつはどうなった?」

 

「大丈夫、ちゃんと仕留めたから」

 

「ちくしょー、油断しなければあんなやつ」

 

「こんな森で油断するなよ」

 

「本当よ。私びっくりしちゃったじゃない!」

 

「まあ、何とかみんな無事でよかった」

 

 軽く会話してナルトが無事であると確認して殴り飛ばした奴の所に行く。奇跡的に命は助かったらしく生きてはいるがまさしく死にかけの状態である。

 

「こいつ巻物もってないな」

 

「単独行動していたっぽいしさすがに持ってないだろ」

 

「じゃあ、どうするのこいつ?」

 

「死にかけてるしほっといたらいいだろ?」

 

「それもそうね」

 

 俺たち4人は敵の身ぐるみを剥いで置いておくことにした。森に入って全然時間がたっていないのにこんな目に合うのだ、油断せずにこの試験をクリアしたいもんだ。

 


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