ツイテル話   作:笹鉄砲

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第二十九話

 

「ちなみに大蛇丸ってどんなかんじだ?」

 

 ふと、大蛇丸のことを知らずに飛び出したので相手の情報が全くないことに気付いた。

 

『ふむ、まず舌が伸びたな』

 

 舌が伸びたということはやっぱり試験の前にクナイを渡していたあの不気味な奴だろう。

 

『そして首も伸びた』

 

 ……ん?

 

『あいつの性別は男だと思うからオカマ口調でもあったな』

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

 移動していた足を止めて柱間を見る。

 

「ガチの化物じゃねえか! お前ら忍者はどんだけ人間やめたら気が済むんだよ! 俺、心の中で妖怪みたいとか思ってたけど完璧に妖怪だよ!」

 

 もう、この世界の忍者嫌だ。

 

『忍者をあんな気持ち悪いのでひとくくりするな! 俺らの時代でも化物みたいに強いやつはいたがあんな妖怪は知らん!』

 

「やっぱり化物がいたんじゃねぇか! しかもお前も今はその妖怪にカウントダウンされてるんだよ。マジで俺今からそんなやつと戦うの!?」

 

『当り前だろう。しかも奴の強さはちゃんとは分からなかったがお前よりも上の可能性があるな』

 

「じゃあ下手したら俺はオカマの妖怪に殺されちゃうの!? てか勝てないのにどうすればいいの!?」

 

『そこは俺に任せろ。お前が一人で勝てなくても十分勝つ方法はあるぞ』

 

「……その方法は?」

 

『それはだな……』

 

 柱間にその方法を聞いて少し考えたがその方法しかないのだろう。

 

「分かった。お前の言う方法でやろう。じゃあ妖怪退治に行くか。古今東西妖怪を殺すのは霊が見える奴の役目って決まっているしな」

 

 そして俺は大蛇丸の元へ向かった。

 

 

 

 大蛇丸は気分が良かった。それはうちはサスケという目的の人物に対して呪印を付けることに成功したからだ。彼の中ではすでにサスケは手に入ったと思っている。

 

「そこの、動くな」

 

 先ほどから二人、自分の後を追いかけている者がいることに気づいていた大蛇丸は声をかけた相手の方を見た。

 

 長い黒髪の男と灰色の髪をした男であった。長い黒髪の男、ウツロに憑依して変化した柱間と扉間に変化したウツロは大蛇丸を睨む。

 

「私に何か用かしら?」

 

 この二人がただ者ではないことを見た瞬間に感じた大蛇丸は警戒しながらも返事をする。

 

「うちはの小僧に付けたあの痣が一体何なのか教えてもらおうか」

 

「ああ、あれね。あれはプレゼントよ。サスケ君が強くなるためのね」

 

「……死にかけていたが?」

 

「確かに死にかけるわ。でも生き残ったら素晴らしい力が手に入るのよあれは」

 

「ほう、つまり殺すために付けたのではないと」

 

「ええ、彼を殺すのはもったいないもの」

 

「それを聞いて安心した」

 

「話は終わりかしら?」

 

「ああ、話は終わりだ。後は貴様を殺すだけだからな」

 

 ウツロが返事をした瞬間、大蛇丸の元へ大量の木が彼を潰そうと押し寄せてくる。

 

「これは……木遁!?」

 

「死ね」

 

「くっ!?」

 

 大量の木から飛んで逃げた瞬間、ウツロは瞬身の術で大蛇丸の目の前まで移動するとクナイを顔に振り下ろした。しかし間一髪のところでその手を掴んだ大蛇丸だがウツロの逆の手で大蛇丸を殴り飛ばす。

 

「うぐっ」

 

 空いた方の手で受け止めようとしたが想像以上に強い力で殴り飛ばされた大蛇丸は空中で反転して木に着地する。だが、着地した瞬間再び木が襲いかかってくる。

 

「休んでる暇が無いわね」

 

 木の中に紛れ込み殴ろうとした柱間を見つけると大蛇丸は先ほどと同じように飛ぶと火遁で木を焼き払う。

 

 全てを焼いて中にいる柱間を警戒する大蛇丸はその場から動かずに睨みつける。するとすぐ横に気配を感じて距離を取る。そこにあったのは自分の姿が映る浮いた鏡であった。不気味に思いクナイを投げて割ろうとする。しかしクナイが当たった鏡は少し欠け破片が地面に落ちただけであった。そして大蛇丸はそれを見て鏡の正体を知る。

 

「これは……氷?」

 

 その瞬間氷の鏡の中から高速で迫ったウツロに腹を刺される。

 

「がふっ!? これは氷遁か!」

 

 思いもよらない攻撃と術に驚きながらも腹を突き刺していた相手を蹴り飛ばし後ろにさがる。そこに柱間が飛び込んできて横腹に蹴りを入れさらに顔を殴る。一発一発が気が飛びそうになるほどの威力で気絶しそうになるがなんとか意識を保つ。

 

 そして投げ飛ばされた大蛇丸は地面に激突する。その大蛇丸を見下ろす二人。

 

「ふふ、ふふふふ、ふははははははは。まさか、こんなところで二つの血継限界を見ることになるなんて。……欲しい、あなたたちが欲しい」

 

 その言葉に怯えるウツロ。

 

「もっと見せて頂戴!」

 

 言うと同時に走り出す。それを迎え撃つつもりで構える二人の内ウツロの方に狙いを定めると大蛇丸はウツロに舌を伸ばす。予想外なことに体が動かなくなるウツロの足に舌が巻きついた。

 

「ぴぎゃあああああああああああああああああああああああああ!」

 

「その姿で情けない声を出すな!」

 

 扉間の姿で無様な悲鳴を上げるウツロに注意する柱間の目の前でウツロはそのまま持ち上げられ地面に叩きつけられ頭から血を流す。少し現代の忍者に対して恐怖を覚えた柱間だがすぐに大蛇丸に攻撃を仕掛けるがそれを避けられ反撃に蹴りを食らう。

 

「舌で攻撃したことを後悔させてやる!」

 

 頭を打ったことによって軽く眩暈を起こしながらウツロは必死に印を結んで大蛇丸の舌を掴むと一気に凍らせた。

 

「うぐっ!」

 

 舌が凍らされたことにより悶えながらウツロへの拘束をとく大蛇丸。それと同時に柱間の拳が大蛇丸の腹に突き刺さる。その瞬間ウツロはクナイで攻撃した時につけたマーキングに飛び大蛇丸の背中から心臓にクナイを刺しそのまま地面に叩きつけた。

 

 激しい地響きとともに大蛇丸は地面にのめりこんだ。動かなくなった大蛇丸を見て安心するウツロに柱間が話しかける。

 

「やったか?」

 

「たぶん、心臓にクナイを刺したし死んだだろ」

 

 二人で大蛇丸を見ると確かに動かなくなった死体があった。しかし、ウツロには違和感があった。大蛇丸は死んだはずなのに霊体になっていない。そのことに警戒しながら周りを見ていると声が聞こえてきた。

 

「危なかった、もう少しで殺されているところだったわ」

 

 死んでいるはずの大蛇丸の口から新たな大蛇丸が出てくる。その姿に戦慄しながらも今度こそ殺そうと動こうとした瞬間、それよりも速く大蛇丸は口寄せをして大蛇を呼び寄せた。それによって大蛇丸の姿を見失う二人。

 

「邪魔だ!」

 

 柱間が木遁により大蛇を串刺しにする。しかし、大蛇を殺した瞬間にはすでに大蛇丸はいなかった。

 

「あなたたちとこのまま戦ったら殺されそうだから今回は逃げさせてもらうわ。でも決めた、あなたたちは絶対に私の物にしてみせる。うふふふ、ふふふふふ、あははははははは」

 

 不気味な笑い声だけが辺りに響き渡った。

 

「くそっ」

 

「やめておけ」

 

 追いかけようとするウツロの肩を持ち抑える柱間。

 

「離せ!」

 

「どこにいったのかも分からんし、このまま追ったら殺されるかもしれんぞ。お前さんは影分身に俺を憑依させたことに加えて何度も術を使ったからチャクラもギリギリだろう?」

 

「ああ」

 

 確かに柱間の言う通りすでにウツロのチャクラは限界であった。

 

「今回は殺せなかったが目的の一つである呪印とやらのことは少し聞けたんだ。ここまでやったら十分ぞ」

 

「……ふぅ、そうだな」

 

 ウツロは柱間の話に納得して一息つく。

 

「では、ウツロ少しでも安全な場所に移動するぞ。おそらくこの影分身を解いたらお前さんは倒れるからな」

 

「分かった。一日で戻るって言ったけど無理そうだな。サクラみんなを頼むぞ」

 

 そしてウツロが移動すると柱間が術を解いたことによってウツロは溜まった疲労により気絶した。

 

 

 

 大蛇丸はぼろぼろになった身体を引きずり逃げながら先ほどの戦闘で見た木遁で新たに思いついたことににやけながら走っていた。

 

「そうだわ、木の葉崩しをする際には歴代の火影を蘇らせましょう。猿飛先生の歪む顔が楽しみだわ」

 

 再び、不気味な笑い声が響いた。

 


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