ツイテル話   作:笹鉄砲

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第三十四話

 三代目火影の解散の声でみんなが分かれる中、俺は修業期間が与えられ絶望の淵にいた。今までは任務のおかげで修業期間も短かったが一気に1か月もするとなると死んでしまうかもしれない。どうにかするしかない。

 

 俺がなんとか対策を練っていると隣ではナルトがサクラにカカシ先生の居場所を聞いていた。

 

「カカシ先生の元へ行くのか?」

 

「ああ、先生に修業をつけてもらうってばよ!」

 

 その時、俺に雷が落ちた! そうだよ、修業ってあいつら以外に頼めば逃げられるじゃないか。その発想が抜け落ちていた当たり俺は洗脳されていたのかもしれない。

 

「俺も一緒に行くよ」

 

「え、ウツロも行くのか?」

 

「ああ、サスケも気になるしな」

 

「じゃあ、行くってばよ!」

 

 こうして俺は自分の命を懸けた修業頼みをしに行くことにした。その後ろで悪魔が叫んでるのを無視して。

 

 

 病院でカカシを無事に発見したウツロとナルトは早速、修業をつけてくれるように頼み始めた。

 

「カカシ先生修業をつけてくれってばよ!」

 

「先生、修業着けて下さい。お願いします、死にたくないんです」

 

「すまんが、俺はサスケの様子を見ないといけないから無理なんだ。代わりと言っては何だがナルトは別の先生にお願いしておいたよ」

 

 そう言ってカカシの横に現れたのはサングラスをかけた男である、名前はエビスである。彼はエリート専用の家庭教師みたいなものである。

 

 彼と因縁があるナルトが文句を言ったが説得された。一方でウツロは……。

 

「先生、俺にも誰か先生を。カカシ先生じゃなくてもいいです。本当に誰でもいいですお願いします」

 

 切実に訴えかけてくるウツロに対してカカシは困り顔になる。なぜなら、ウツロが自分に修業をつけてくれと頼みこんでくると思っていなかったからだ。実際にウツロは自分で修業をしていることが多く、下忍の中でも一番強いといっても過言ではないからだ。

 

 そんなウツロに修業をつける方法を持っていないカカシは困り果てた。

 

「お前は十分に強いし、自分で特訓してみたらどうだ?」

 

「そんなこと言わねぇでけろ、おら死にたくないんだぁ、このままじゃ本戦にでることもできなくなっちまうだ!」

 

「え…ええ?」

 

 急になまり出した言葉に少し引くカカシ。死にたくないとは中忍試験で危険な目に合うということだろうと考えたカカシはウツロに真実を伝えることにした。

 

「ウツロ、正直に言うとだな、お前は強い。下忍だけならお前に勝てる奴は絶対にいないだから……」

 

 そこまで言っていると急にウツロが叫んだ。

 

「甘やかすな!」

 

「え…ええ?」

 

 本日二回目、今度はドン引きである。

 

「こいつが強いのは認めよう。だからと言って絶対なんて存在しないのだ! 分かったか!」

 

「……はい」

 

 急になんで怒られてるの俺?と意味の分からなさに疑問を覚えるカカシ。しかしウツロは一人で‘これだから最近の若者は’と言っている。

 

 お前よりも長生きしてるよ。そう言いたいけど言えないカカシ。

 

「ではな俺は今から忙しいから1か月に会おう。それと気をつけろよ。少しきな臭いものがある」

 

「え、ええ。分かりました」

 

 なんで教え子に敬語使ってるの俺?と本日何度目か分からない疑問を浮かべながら、言っていることは正しいので納得はしておく。

 

 そして走っていくウツロを見ながら盛大にため息を吐いたのだった。

 

 

「HA・NA・SE-!」

 

 ウツロです。カカシ先生と話していたら知らないうちに体を乗っ取られてました。最近になって気づきました。俺が幽霊に対して強くなっていると思ったらこいつらも強くなっていました。もう泣きそうです。

 

 そうこうして柱間が影分身の体を乗っ取てホワイトボードに今回の計画を書き込んでいます。

 

 ちなみに私は体を縄で縛られている上に金縛りの術を食らっています。逃がさない気満々だな。

 

「さて、意見をまとめよう今回の修行だが砂漠でしようと思う」

 

「賛成」

 

「反対!」 

 

「それでだ、面白いことを考えた」

 

 あれ、俺の意見は?

 

「それはいったい何ですか?」

 

「この前、夜中に滝を作らせただろう」

 

「ああ、あれは見事なものだ。木の葉の芸術家(幽霊)に頼み完璧なものを作り上げたからな」

 

 扉間が言っているのは中忍試験前に作ったものである。土遁や木遁、水遁、風遁などあらゆる術を行使して作った大変すばらしいものである。

 

 しかし、木の葉では1日、しかも夜中にいきなり完成した滝だから大きな騒ぎとなった。今も作った犯人は捕まってないらしい。俺だからな!

 

 なんか幽霊に‘君、芸術の才能あるよ’とか褒められながら作ったのである。ちょっと褒められて嬉しかったです。

 

 ちなみにその滝は竜神の滝と名づけられ木の葉名瀑布に数えられ観光客が絶えないそうだ。しかも奇跡みたいに1日でできたことからその滝には神様が宿っているとかなんとか。そこで告白すると絶対に成功するなんて噂もある。

 

 俺としては観光客に言いたい。‘ごめんなさい、作ったのは普通の下忍で、その滝に宿っているのは怨霊ですよ’と。

 

「それでその滝がどうした?」

 

「いや、滝のことはどうでもよい。ただ、砂漠に作ってみたくないか。オアシスを」

 

「……それはいいな」

 

 お前、真面目に考えてないだろ扉間。他の木の葉の忍びも‘それだ’とか言ってやがる。オアシスとか忍術で作るのは無理だろ。……できる気がしてきた。

 

 しかし、俺を無視してどんどん決めっていく計画。このままでは貴重な1か月が砂漠の地獄ツアーへと変貌してしまう。

 

「待ってくれ、俺はすでに一人の忍者だ。ならいつまでもみんなに頼っているわけにはいかない。だから自分でやらせてくれないか?」

 

「一人でオアシスを作るのか?」

 

「ちげぇよ! なんでオアシス作るのが普通になってるんだよ。違う修業をしたいんだよ」

 

 俺のセリフに少し考える、幽霊ども。すると扉間が言った。

 

「お前の言うことも一理ある。しかしだ、下忍とはまだまだ他人に師事してもおかしくないはずだ。ならばまだまだ頼ってもいいだろう」

 

 なんでこんな時だけ、大人らしいこと言うのぉ。

 

「でも……」

 

「まあ、待て。それならば少し試してみようではないか」

 

「何を?」

 

 いやな予感がビンビンするぜ。

 

「兄者に聞いたところお前は、指からチャクラの塊を出して攻撃したらしいな」

 

「そうですけど」

 

「なら、人差し指だけで我らと鬼ごっこをしよう」

 

 その理屈はおかしい。

 

「そうだな、我らから2時間逃げきれたら、一人での修業を認めよう」

 

 ええ…。普通に走ってもしんどいのに人差し指は無理じゃね。

 

「せめて手のひらは認めてください」

 

「認めよう」

 

「ありがとうございます」

 

 感謝しながら思った。どっちにしろ厳しくね?

 

「さて今日からやりたいことだがさすがに中忍試験明けに厳しいだろうから今日は休みとしよう」

 

 ほっとした俺だが、明日には地獄が来ると思うと泣きたくなる。

 

「それと……」

 

 まだ何かあるのかと、見てみるとみんなが俺のほうを見ながら言った。

 

「本戦出場おめでとう!」

 

 ……なんだかんだこの人たちのことが俺は好きらしい。みんな頭のネジを無くしてるけど。

 

「ありがとう!」

 

 この日はみんなに褒められながら笑い過ごしたのだった。

 

 ちなみに夜中に逃げ出そうとしたが失敗したのだった。


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