ツイテル話   作:笹鉄砲

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第八話

 

 正直な話、俺はカカシ先生が戦っている間にいろいろ罠を仕掛けておいた。ただの下忍が上忍に無策で勝てるはずが無いからだ。

 

「しかし、最後まで隠れていたのに急に出てきたってのはなんか作戦でもあるのかい?」

 

「どうでしょうね。案外他のメンツのように自分の力に過信して何も考えずに出てきたかもしれませんよ」

 

「そんなことはしないだろう、天才少年君。入学時は主席、その後は試験は赤点でも補修では毎回満点だったそうじゃないか」

 

「補修なんて簡単なもんですよ。これみたいに」

 

 俺の挑発に対してカカシ先生が少し反応した。

 

「この試験が簡単って俺から鈴を取るのが簡単だってことか?」

 

「いいえ、この試験はみんなで協力すれば合格になる試験でしょカカシ先生」

 

「……何故そう思った?」

 

「少しでも考えれば誰でも考えつきますよ。わざと仲間割れをさせようとする鈴の数。他にもわざわざ班分けで一人多くねじこんだんですよ。誰か一人を落とすつもりならこんな面倒ことを上層部はしないでしょ?」

 

 嘘です。本当は金髪の背後霊のタレこみです。

 

「例えば、お前の考えがあっていたとして何故それを他の奴に言わない?」

 

「おそらく、協力しないと合格できないと言えばみんな協力するでしょう。けど、その場だけの仲間にこれから命を預けることなんかできないでしょう?」

 

「まあ、その考えは当然だな。やっぱお前は今年の卒業生で飛びぬけて優秀だわ」

 

「ありがとうございます。けど、もう一つ言わなかったな理由があるんですよ」

 

「……何故だ?」

 

「俺一人であなたに挑みたかったからですよ!!」

 

 叫ぶと同時に俺はカカシ先生に殴りにかかる。

 

「お前は意外に積極的な奴だな」

 

 しかし、カカシ先生は普通に俺の手を受ける。そこから空いた手で張り手をするが先生も空いた腕でガードする。

 

 狙い通りだ。これでカカシ先生にマーキングできた。

 

 俺たちが掴み合っている所で木の上に隠れさせておいた影分身に攻撃させる。しかしカカシ先生は俺を掴むと思いっきり投げ飛ばし上からの攻撃をガードする。

 

 残念、その影分身は爆発するんだよ。

 

 カカシ先生がガードした瞬間爆発を起こし辺りを吹き飛ばす。

 

「やったか?」

 

 一度でいいからしてみたかったフラグを建築する。

 

「そう簡単に勝てるわけないでしょ」

 

「ですよねー」

 

 上の方を見るとカカシ先生が木の枝の上から余裕そうに俺を見降ろしている。

 

「まさかいきなり殺しにかかってくるとは思ってい無かったよ。俺は何か恨まれることでもしたかな?」

 

「俺は遅刻には厳しいから諦めてください」

 

「遅刻は俺の人生を見つめるうえで大切なことなんだよ」

 

「違う方法で見つめてください」

 

 俺の後方に待機している影分身が木遁を発動する。先生に目に見えて変化は無いが足元では動けば躓く程度に足に枷を作る。そして別の影分身にもう一度襲いかからせる。

 

「お前も懲りないね……な!?」

 

 カカシ先生は動こうとした瞬間に木に躓きながらも上に対して迎撃態勢を取る。それと同時に俺は飛雷神の術を発動してカカシ先生の懐に飛びこんだ。

 

「どこを見ているんですか?」

 

「なに!?」

 

 俺は言ってみたかったセリフを言いながら鈴を奪いとった。そして俺に気を取られている間に影分身がカカシ先生に拳をぶち込んだ。

 

 俺はカカシ先生に完全勝利をしたのである。一先ず修行からは逃げれそうだ。

 

 

 

 


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