「ぁぁぁぁぁぁ・・・・」
隣でこの世の終わりでも見たかのような顔をしている少女、文。椛は、夕食の支度をしている。かくいう俺は、居間でのんびりしている。ん?なんで文さんがこんな事になってるのかだって?まあ、少し遡る訳だが。
あの後俺は、歩いて椛の家に帰りのんびりしていた訳だがその直後宣言通り文さんが来たわけで。勝手に人ん家に上がって来たが椛との知り合いらしく何時ものことらしい。始め会った時ほどハイテンションじゃなかったから俺の状況を話したら最初こそ勇儀や清涼みたいな反応をしてたが俺の記憶が無いと分かるとこの有様だ。
「お兄さんお兄さん言ってるが俺とお前って兄妹かなんかなのか?」
絶望した顔をだらりとこちらに向けてくる。
「いえ、そういう訳じゃありません。私がそう言ってるだけですよ。そもそも私はお兄さんと違い鴉から天狗になりましたから。ハァァァ・・」
そんな大きな溜息つくなしこっちの気分まで沈むわ。ていうか鴉からなるってそんなこともあんのか。じゃあ、椛とかは、大方狼からなったのだろうか。
「お夕食で来ましたよ〜。」
奥の台所から椛の声が聞こえてくる。ちょ、けも耳にエプロンとか萌えぇ。
「わーい」
椛の声が聞こえるとさっきのような暗い雰囲気は消え子供のような笑みを浮かべている。
「って、お前帰れよ。」
「えー、別にいいじゃ無いですかー。そう固いこと仰らずに〜。」
「ハハ、いいんですよ氷坂さん。いつものことですから。」
いつもこいつに椛は、飯食わせてんの?こいつって、とんだ糞鳥だな。
「さって、今日はもう寝るかな。」
飯食って、風呂入って寝る!それが一番!
「お休みなさ〜い。」
「お前は、帰らんのか。」
「え?」
え?なんで?って顔すんな。はて、俺は間違った事を言っているか?当然のように寝る準備してるし。まあ、ここは俺の家ってわけでも無いし俺がとやかく言う事じゃ無いんだが。取り敢えず寝よう。
目が覚めたのは、早朝だった。妙に体がスッキリしている。何か特別なことをしたわけでは無いがいい事に越したことはない。はて、布団を掛けて寝た覚えは無いが椛が親切に掛けてくれたのかな。そこで、ふと違和感に気づく。今、俺、全裸。そして、右腕が妙に暖かく重い。
「まま、まさかねぇ。」
恐る恐る布団を捲るとそこには、全裸の文がいた。
「さて、遺言は?」
「いだだだだだだ‼︎すみませんでしたぁぁぁ‼︎」
全裸の文を糸できつーくきつーーく縛り上げ天上に吊るす。相当痛いようでさっきっからずっとこの言葉を繰り返している。昔の俺と文の関係ってどうなってたんだよ・・。
「ご飯できましたよ・・って何やってるんですか?」
「ああ、これは俺の男としての沽券に関わる重要なことなんだ。俺は、こいつを殺らなきゃならねぇ。」
「はい?」
状況と俺の言っていることの噛み合いが分からず一層疑問を浮かべドン引きの椛。全裸の女の子縛り上げて男としての沽券とかほざいてたら、そりゃなるわ。
「兎に角ご飯で来ましたから来てください。冷めちゃいます。」
「はいはい。じゃあ、食べるとしますか。」
「ちょ、ちょっと⁈放置はやめてくださぃ‼︎お願いします‼︎」
そんな言葉は、無視して食卓へ。
「これ、食い終わったら博麗神社に送ってくれないか?そろそろ、帰らないと心配されそうだからさ。」
「ええ⁈もう帰っちゃうんですか⁈久し振りに会ったんですからもう少し語り合いましょうよぉ。」
「あ?」
なんで文がここに?さっき縛って放置してたはずなんだが。
「むふふー。私を舐めてもらっては困りますねぇ。あの程度の糸なんてちょちょいのちょいですよ。」
「ほほう、我の糸を愚弄するか。天狗風情が。」
おふざけ半分文を見下す。
「いくら、お兄さんでも記憶が無い上、力をコントロール出来ないんじゃあお話になりませんよぉ。」
嫌味ったらしく見下すように吐き捨てる文。
「やんのか、コラ?」
「やってやりますよ、コラ」
「ここで暴れないでくださいねー。」
火花を散らす両者と、呆れたように両者を見る椛。ここまで、来たからにはもう引けないな。
「んじゃあ、ルールは簡単。相手を参ったって言わせればおk。弾幕ごっことか言う奴は、俺が出来ないから却下な。負けた方は、罰として、うーんどしよ。」
「勝った方の好きにしていいってどうですか⁈ね⁈ね⁈」
ベタなのがきたな。まあ、簡単でいいしそれでいいや。
「じゃあ、それで。椛審判頼む。」
「はいはい。」
そんな面倒臭そうな顔しないでよ椛さん。
「では、始め‼︎」
後方に思い切り飛び結界を一瞬で張
「ゴフゥ⁈」
れず文の拳をもろに腹に喰らい血を吐く。いくらなんでも速すぎんだろ⁈ていうか容赦ないな。
「人間レベルの体となると脆いですねぇ。試しに軽く打ってみましたがこの程度で血を吐いてしまうなんて。」
手加減してたんかい。腹に拳を喰らった反動で大きく体が後ろに飛ぶ。
「今のうちに結界を
「やらせませんよぉ?」
「ゲホォ‼︎」
真上から足蹴を食らう。真上から受けたことにより地面に叩きつけられる。
「遅いですねぇ。まあ、幻想郷一早い私に速さで叶うはずありませんが。」
スッと俺が倒れている目の前に降り立つ文。
「ゲホ‼︎ガハッ‼︎」
もう一発喰らったら死ぬ‼︎
「さ、参ったって言ってください。また、喰らったら死んじゃいますよ?まあ、殺せないんですけど。」
「ゲホ‼︎お前、案外にぶちんだな。」
「え?」
ゴキッと景気のいい音が響く。
「ああああああ⁈⁈」
文の悲痛な叫びが響く。
「黙ってずっと殴られてる訳ねぇだろ。ゲホ。殴られる瞬間、お前の手足を糸で縛っておいた。その糸を引っ張れば切断は出来なくとも折ることくらいは出来る。」
してやったりという表情を文に向けると同時に結界を張り終える。
「やってくれましたねぇ・・‼︎」
あ、激おこぷんぷん丸だ。手足を縛る糸を素手でブチブチと切っている。瞬間扇を取り出し此方を仰いで来る。
「(風・・?)」
ブワッと風がきた瞬間結界の糸が此方に向かって切れて来るのが分かった。
「カマイタチか⁈」
ギリギリのところでカマイタチを躱す。切れた糸の隙間から物凄いスピードとともに結界内で文が接近して来るのが分かった。手足片方ずつ折られたせいかさっきほど動きは速くない。それでも文の動きは視認出来ないため文の攻撃を予測し躱す。
目前に文の左足が掠める。
「な⁈」
さっきまで当たっていた攻撃が当たらなかった事に驚いたのであろう文が目をむく。そして、左足を糸で縛り、折る。
「ああああああああああ‼︎」
両足を折られた事により地面に倒れ込む。直ぐ浮いて体制を立て直そうとするがそんなことは、させない。すぐさま、結界の糸を数本解き文に絡みつける。
「よし、捕まえーーッッ‼︎」
瞬間、文が唯一動く左手で扇を仰ぐ。
「また、カマイタチか‼︎」
すんでのところで躱すが文を拘束していた糸を切られてしまう。
「チッ、最初から切れない糸使っときゃよかったな。だが、結界の外には出さねぇ‼︎」
糸を切り飛んで逃げようと浮いた文の体を足を霊力で強化し蹴り落とす。
「ッグ‼︎」
大してダメージは与えられないがバランスが取れなくなったらしく地面に落下してしまう。続けざまに扇を使われないように左手を折ろうと足を振り下ろす、が足を逆に掴まれる。俺の右足を掴む文の手に力が入りミシミシいいながら俺の足が折れて行く。
「痛っってぇな、コンチクショォォ‼︎」
頭に血がのぼってしまい、左足で文の肩を踏み抜いた。
「ギャァァァァァァ‼︎」
踏み抜かれた文の肩から血が吹き出す。
「アハッ、アハハハハハハハ‼︎」
次は、腹次は、腕と人間にはあり得ない力で踏み抜いていく。気分が高揚していき足が止まらなくなるのが分かった。
「アガッ・・あ・・ああ」
文の口からは、もう悲鳴すら出ていない。
「氷坂さん?氷坂さん⁈貴方の勝ちです‼︎もう、やめてください‼︎」
「はっ」
椛の悲痛な声とともに我にかえる。
「あ、ああぁ・・また・・また・・」
また、俺はやってしまった。ただただ自分の力を制御出来ない自分自身をひたすら呪った。
「文さん‼︎文さん‼︎しっかりして下さい‼︎」
ダメだ。もう意識が無い。左腕は千切れ肩、脇腹からは血が吹き出している。椛は、もう動揺のあまり呆然としている。俺は、俺はまた罪を重ねるのか・・?また、取り返し用の無い罪を。
「繰り返して・・溜まるか・・‼︎俺は、前とは違うんだ‼︎死なせなんてしない‼︎」
震える声でそう言いただ熱く強く手が握っていたのは、糸だった。
「救ってみせる‼︎」
戦闘シーン難しいです。ホント難しいです。私の脳内のボキャブラリーの過疎化は、どうすれば止まるのでしょう。
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