紐野郎と人形使いの百物語   作:刹那 久賀

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投稿づす。


33話 コンセン物語

「取り敢えず落ち着こうか。ここで、暴れたら負けだ。そう思わない・・か?」

 

わぁお、体全体でプルプルしていらっしゃる。あ、もうこれ確実に殴られるな。

 

「で・・で・・」

 

「ひぃ・・!」

 

案山子の動きに身構え両目を瞑る。だが、殴られでもするのかと思っていたがいつまでたっても来る様子がない。

 

「出てけぇ・・バカやろぉ・・!」

 

「あれぇ?」

 

その場に座り込み胸を隠して顔を真っ赤にしている。

と、取り敢えず助かった。今の内に出て行こう。風呂場から出て脱衣所へ戻り扉を閉める

 

「失礼しましたぁ〜・・」

 

あ、でも俺全裸じゃん。取り敢えず何か着ないと。少し気が引けるがさっき着てた奴を

 

「あるぇ〜?」

 

無いし。だが、ここで誰が持ってたかなんて考えたら負けだ。出来る奴が多すぎる。

えー、どうすんのこれ?つか、着替え自体持って来るの忘れたし。

天狗のスピードで取りに行けば見えないかな。いや、でもここ化け物揃いだからな。見えちゃうかもしれない。それはそれで嫌だな。猛スピードで全裸の男が人ん家を駆け巡るって色々とヤバイ。しかも、ここ女しかいないし。

 

「おい、いつまでそこにいる。早く出て行け。そろそろ出たいんだ」

 

そう言われましても〜・・。一体どうすれば・・

 

「ん?」

 

籠に女物と思しき衣服が入っているのを見つける。そこで、俺はひらめいた

 

「そそそそ、そうか‼︎無いなら作ればいいんじゃ無いか‼︎(錯乱)」

 

腕が無いため顔で衣服に触れ霊力で糸をほどく・・

 

「おい、いつまでそこに居座るつ・・も・・・・り」

 

風呂場から、出てきた案山子ちゃんに見られてしまいました。きっとこの衣服の持ち主であろう本人に。

 

「あ、いや、その、これは、あの、決してクンカクンカとかペロペロとかそういう変態行為じゃなくて俺自身の衣服の調達で・・」

 

「死ねぇぇぇぇ‼︎」

 

「ギャン‼︎‼︎」

 

凶悪な殺人蹴りが、顎を捕らえ後方に吹っ飛ぶ。そのため、顔面から壁に突っ込む

 

「・・・・おい‼︎俺じゃ無かったら死んでるぞ‼︎馬鹿野郎‼︎」

 

壁にめり込んだ顔面を外し案山子に怒鳴り声を上げる。全く、蹴られる瞬間に天狗になったから良かったものの・・

 

「死ぬようにけったのにまだ生きてるのかこの変態野郎。私といえど、もう我慢の限界だ!」

 

「まあ、俺も悪かったけどさぁ、せめて話を聞いてから蹴ってくれよ」

 

「変態に死、以外の道は無い」

 

「だから、違うんだって‼︎つか、お前服着ろよ」

 

「〜〜〜〜ッッ⁈」

 

顔を真っ赤にしてまた、胸を隠してうずくまる案山子。ま、俺も人の事を言えた義理じゃなく全裸なんだが。

 

「ほれ」

 

案山子の衣服を案山子の頭に乗っける。それを受け取ると無言のまま素早く着る案山子

 

「うわっ‼︎」

 

素早く着替えようとしていたためか謎にバランスを崩しひっくり返りそうになる案山子

 

「え、ちょ危ない‼︎って、うわぁ‼︎」

 

案山子の身体を支えようと近寄るが、残念‼︎支えるための腕が無いんだ‼︎案山子に身体を掴まれ二人でその場に倒れこんでしまう

 

「っ、痛たた・・」

 

二人して、倒れこんだため案山子の上に覆いかぶさるように倒れてしまった。

ま、マズイマズイマズイ‼︎‼︎これはよくある、誰かが入って来て誤解されちゃう奴だ‼︎

 

「大丈夫ですか?氷坂さ・・ん・・」

 

危ない予感が的中

 

俺→全裸

 

案山子→半裸

 

鈴仙視点→二人が抱き合ってるように見える

 

「に、逃げるなよ?ちゃんと、話し合おう。逃げるのはそれからに

 

「しししししし、失礼しましたぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎」

 

「待てぇぇぇぇ‼︎‼︎鈴せぇぇぇぇぇぇぇん‼︎‼︎」

 

顔を真っ赤にして、ドアを乱暴に閉め出て行く鈴仙。パニックを起こしているのか走りながら壁にドコドコ体当たりして居るようだ。

 

「お前はぁ‼︎‼︎そこをどけえええええ‼︎」

 

「ゲフッ‼︎バッ‼︎ブッ‼︎」

 

腹を蹴り上げられ天井にぶつかり地面に落下する。

案山子は、服を着終えると逃げるように出て行ってしまう。

 

「うぅ・・ぐす・・災難だ・・」

 

 

 

 

 

 

 

「すみません・・すっかり勘違いしてしまって・・」

 

いやぁ・・本当大変だった・・。

あの後、鈴仙を全力で追いかけ抑え込み鈴仙が悲鳴をあげる中、無理矢理事情を説明し納得させたのだ。悲鳴を上げていたのは、まあ俺が全裸で追いかけたからだろう。普通、悲鳴あげるわ。俺だったら正気じゃいられん。

でもさ、俺自身全裸見られるの初めてじゃないし正直、羞恥心ってものが段々薄れて来てるんだよね。

 

「あはは・・まあ、悪いのは俺だから謝らんでいいよ」

 

明らかに疲労した顔で笑みを作る。

今俺は風呂場、鈴仙は脱衣所におり一枚の扉を挟んで会話している。

 

「あ、そうだ。俺の糸、持って来てもらえるか?俺の服とともに行方不明になっててさ」

 

「分かりました。糸を置いておけばいいですよね」

 

「ああ、あったの?」

 

「はい、あっ」

 

ん?今、あって言わなかったか?

 

「どこにあったんだ?」

 

「え?あ、えっと、その、あ、そこに、そう、そこに落ちてたんですよ!」

 

あれ?おっかしいな、そこら変には無かったはずなんだが・・・・

 

「なんで、そんな焦ってるんだ?」

 

「え⁈あ、なんでも無いです!そ、それより早く出て来て下さい!ご飯、温め直しておきますから‼︎」

 

「え、お、おう」

 

⁇⁇⁇一体、お前に何があった・・

 

 

 

「ふぅー、キィ持ち良かった〜〜」

 

久し振りの風呂は、格別だね。疲れが吹き飛ぶ。手が無いからかなり不便だったけど。風呂から出て、さっと身体の水気を落とし糸で服を縫う。

 

「あい、出来た」

 

見た目ジャージだけどいいよね。人里行ったら凄い浮きそうだけど。

さて、飯にするかな。脱衣所を出て、食事をしに向かう。廊下を裸足でペタペタと歩く。

 

「ううっ、寒っ!そろそろ、冬かぁ。冬服新調しないと・・」

 

窓から吹く風に当てられ、身体をぶるっと震わす。足を止め窓から外の景色を見る。

こっちに、来てからはや数ヶ月。目が回る程色々な事があった。それに、良し悪しがあろうと俺はこっちに来たことを後悔していない。外の方がよっぽど酷かったからな。

 

「オ十う・・オ母さ、、ひ」

 

ん?ま、いいか。飯だ、飯。寒さから逃げるように、足早に食事へ向かう。

 

「上がったぞ〜、飯、頼む〜。あれ?」

 

いつも通り、皆で食事をとっていた部屋に来たつもりなんだが・・。鈴仙、どこ行った?

 

「あ」

 

「・・・・」

 

卓袱台で飯を食っている案山子を発見。どうやら、ここで間違ってないようだ。

着てる服は、輝夜のものか?中々様になってるな・・

 

「・・・・」

 

「(きまずい・・)」

 

取り敢えず、案山子の向かいに座る。な、何か話さねば・・

 

「さ、さっきは悪かったな・・」

 

「・・・・いい。もういい。兎さn・・兎様から話は聞いた。気をつけてくれればいい」

 

今、兎さんて言おうとしたぞこいつ。可愛いな、おい

 

「しかし、許してくれるなんて随分愛想がいいな。ぶっ殺したく無いのか?」

 

そう言うと、食事の手を止めハァと一つため息をつく案山子

 

「私は、情があついんだ。一度受けた恩は、私を殺そうとした相手だろうと忘れない」

 

言い終えると、食事を再開する。

と思ったが、またピタリと手を止める。すると、少し言いにくそうな顔をして、顔を背ける。

 

「その・・あの、魔女の事・・何も知らないのに悪く言ったこと、その・・ごめん」

 

「・・え?」

 

「だから・・ごめん。謝るよ」

 

え?今、ごめんって言った・・?

 

「・・・・」

 

「・・な、なんか言えよ」

 

「案山子ぃぃぃぃぃん‼︎」

 

「うわっ、何すん、はなれろ!」

 

大号泣して、卓袱台を飛び越え案山子に突っ込み頬ずりをする。これでは、足りん‼︎この溢れ出る気持ちを何としても案山子に伝えなければ‼︎糸で腕を作り、その腕で案山子を抱く

 

「ど、何処さわって、あっ、あっ、やめ、んっ」

 

「案山子ぃぃぃぃぃ‼︎お前に分かってもらえて、俺は・・俺は・・」

 

「おい、あっ、いい加減に、んっ、」

 

「嬉しいぃ、よぉ、おおおお⁈」

 

「いい加減にしろぉぉぉぉ‼︎‼︎」

 

腹を蹴り上げられ、天井と地面を三回ほど往復する。バウンドマンとは、まさにこのこと。

 

「悪い・・悪ノリが過ぎた・・」

 

「気をつけろって言ったばっかだろ」

 

返す言葉もございません。

少し案山子と距離を取った所で座り直す。

 

「てか、知ってるような口振りだが誰から聞いたんだ?」

 

「魔理沙から教えてもらった。知ってるだろ?」

 

「ほお、面識があるのか」

 

なんか、意外だな。全く人と関わらないような奴だと思ってた。こう、いつも妖怪やら霊夢とつるんでるイメージだからな。

 

「あいつも、元は里の娘だ。まあ、あいつが父親と絶縁して里を出てってからめっきり会わなくなったが。会うのも久振りだった」

 

へー、これまた意外だな。まあ、魔理沙も人の子だ。ある話といえばある話か。

 

「私は、何も知らなかったんだな。井の中の蛙とは、正にこの事だ」

 

ハハっと、自分を嘲るように笑う案山子。そして、遠い目をする。

 

「周りより強くて、周りに持ち上げられて、有頂天になってたんだ。私は、強いんだって」

 

「・・・・」

 

「そんな時にお前に村の皆の前でボコボコにされてさ。悔しくてしょうがなかった。私の取り柄を潰されたみたいで」

 

いちいち俺に突っかかった理由はそれか。

 

「魔理沙と話して分かった。お前は、『誰か』のために戦っている。なのに、私は自分のために戦っていて・・」

 

「・・・・?」

 

肩を震わせ、俯く案山子。若干声も震えている

 

「そこで、気付いた。私には、守ってくれるものも守るものも無い・・」

 

「お前、泣いて・・」

 

「私は・・惨めだ・・」

 

ポタポタと涙を流し、詰まりながらも必死に話している。口振りから察するにきっと家族がいないのだろう。その上、頼れるものも居ないようだ。

守ってくれるものも、守るものもないたった一つの命を必死に今まで守って来たんだ。

確かに惨めだ。惨めで・・惨めで

 

「前の俺とよく似てるよ、お前は」

 

案山子の頭に糸の手をおき撫でる。

 

「・・・・?」

 

気安く触るな、という具合に睨む案山子。まあ、まだ思うところもあるだろう。

 

「まあ、そう睨むなよ。俺は、殺そうとした以上許してくれなんて言わない。ただ」

 

「?ただ?」

 

「世話ぐらい焼いていいか?」

 

「え?」

 

「・・・・あ」

 

あ・・勢いで言っちまった・・。うわぁぁぁぁ‼︎恥ず‼︎恥ずかしいいい‼︎‼︎何が恥ずかしいかって、絶対こいつ「虫唾が走る」とか「死ね」とか言うじゃん!そんな奴にこんな、くっさいセリフ吐いたかと思うと・・あぁ、穴掘って埋葬されたい。

 

「・・悪い、忘れてくれ」

 

恥ずかしくて真っ赤になっているであろう自分の顔を糸の手で隠す。

案山子は、そんな俺を見て唖然としている。

 

「お前、ひょっとしていい奴か?」

 

先程泣いていたからか、少し鼻声で言う。それでも、意地があるのか最後に(笑)がつきそうな口調だ。

しかし、意外な返答だ。てっきり、罵倒されるかと思っていたんだが。

 

「お前は悪いやつに、いい人ですか?って、きくのか?」

 

「ここで、お前が俺はいい奴だ、とか言おうものなら殴ってたけどな。自分で自分をいい奴だなんて言う奴なんぞ信用出来ない」

 

「成る程、違いないな」

 

ふふふ、と涙目のまま笑っている。どうやら、俺に対する敵意が薄れているようだ。なによりなにより。

 

「しかし、両腕が無い奴に世話を焼かせろなんてな。思ってもみなかった」

 

「む、今更それをいじるかよ・・」

 

笑う案山子を少し軽く睨む。全くいいムードになってたっていうのに。

 

「でも・・ありがどう。私は、もう一人で頑張らなくてもいいんだな・・」

 

「責任持ってずっと、世話焼いてやるよ」

 

そう言うと、顔を真っ赤にする案山子。・・・・何故?

 

「よ・・よろしく・・お願いします」

 

「おう」

 

再び糸の手を置き頭を撫でてやる。先程とは違い、穏やかな顔だ

 

「さて、鈴仙何処行ったか知ってるか?俺も飯食いたいんだが」

 

「兎様なら、そこに居るだろ」

 

そう言って俺の後ろを指差す案山子。あれ?居なかったよな?どいうことだ?あれこれ疑問を抱きながら後ろを振り向く。

 

「うおっ⁈って、近⁈」

 

振り向くと、すぐそこに鈴仙がおり鼻先同士が当たる。驚き、後ろに跳ぶ

 

「少し前からずっとそこに居たじゃないか」

 

「え?居た⁈」

 

「居ましたよ?」

 

驚いて鈴仙に確認するが軽く流されてしまう。おかしい・・確かに居なかったはずなんだが。

 

「ご飯出来てますから。さぁ、どうぞ」

 

「え?お、おう」

 

おっかしいなぁ・・。居たということならそうなんだろうが・・。おっかしいなぁ・・。

取り敢えず、飯食うか・・

 

 

 

 

 

「フラン、起きたか?」

 

「まだ、起きませんね。随分と疲労していたようでお師匠も手を焼いていました」

 

飯を食べ終え、一段落したところで鈴仙に話をふる。鈴仙も食事を、済ませて居なかったようでまだ、飯をほおばっている。

後でフランの様子、見に行くかな〜。いや、今行くか

 

「フランって、何処で寝てんだ?」

 

「案内しますよ?」

 

食事の手を止め立ち上がる鈴仙

 

「いやいや、お前が食い終わってからでいいよ」

 

つか、何処か聞いただけだろ・・。こいつも、尽くしてないといられない性分なのか?

あ、でも永琳の弟子っていうぐらいだし、こき使われてるうちにこき使われてないと、いられなくなってしまったのかもしれないな。中々あり得る話だな・・。

もし、そうだとしたら鈴仙に合掌したい。

 

「なぁ、フランって誰だ?」

 

「ん?そこらへんは、魔理沙から聞いてないのか?」

 

「聞いてないな。魔理沙からとなると、異変絡みの奴なのか?」

 

おぉ、この娘中々鋭い

 

「まあ、そうだな。紅い霧、知ってるだろ?その、主犯の妹」

 

今、思い返すとこいつが気絶してる時にフランに腹ブチ抜かれたんだっけ?今、考えると中々笑える話だ。こういうのなんて言うんだ?意識の入れ違い?

 

「ということは、吸血鬼か?」

 

「ああ、それそれ」

 

「そんな奴がなんでまたこんな所に居るんだ?治療で来てるわけじゃ無いんだろ?」

 

「色々あって、そいつらの家ぶっ壊しちまってな。輝夜の厚意でここに住まわせてるんだよ。まあ、俺もそうなんだが」

 

何かまだ聞きたげな顔だが、敢えて色々と言ってボカしたのを察してくれたのだろう。

本当に鋭い娘だ。

 

「さて、行きましょうか」

 

食べ終わったかと思うとスッと立ち上がる鈴仙。ちっ、ミニスカの癖に何故見えない・・

 

 

「こうやって、見るとまるでお人形だな」

 

ベッドの上で静かに寝息をたてているフランを見ての率直な感想。

これ、マジで生きてんの?って感じでもある。

 

「冗談抜きでお人形になるところだったみたいですけどね、アハハ・・」

 

中々不謹慎な事を言う、この兎は。

 

「ん?」

 

眠るフランを見て固まっている案山子に気づく。

 

「どうしたんだよ」

 

「吸血鬼って、こんな顔してるんだな」

 

「全員が全員こういう顔をして居るわけじゃない」

 

「・・・・」

 

複雑な顔をする案山子。概ね里の人間から吸血鬼の事でデタラメを吹き込まれていたのだろう。

 

「まだ、起きそうにないか?」

 

「そうですね・・はっきりとは言えませんがまだ当分は」

 

「そうか・・」

 

「・・・・?何か音が聞こえませんか?こう、何かが近づいてくるような・・」

 

鈴仙がうさ耳をピクピクさせ窓の方に耳を傾けて居る。

 

「おい、バカ。不吉なこと言うな。白黒魔女を想像しちまっただろ」

 

「その通りだぜ〜」

 

窓を轟音とともに蹴破り入ってくる魔理沙。鈴仙が見事に下敷きになっている。完全にのびちゃってるよ。

こいつ実際に登場すんの久しぶりだな

 

「おお、案山子に氷坂じゃないか」

 

『何の用だよ』

 

こいつに普通に入って来いと、言うのが無駄だというのは皆悟ってるんだな。証拠にほら、案山子と声がハモった。

 

「なんだよ、つれない反応だな。そうだ、それより大変なんだぜ!」

 

「どうせ異変だろ?」

 

「うん、どうせ異変」

 

「おい⁈」

 

「まあ、いい。どうしたんだよ」

 

やや、魔理沙が不満そうな顔をしているが無視しといていいだろう。こういう奴は、一度痛い目にあわせておかないとな。こんなんじゃ、気にすら止めないと思うが。

 

「大変っていうのは、異変が二つ同時に起きてるんだぜ」

 

「二つ?」

 

「そうなんだぜ。まず一つ目なんだが、外からやって来た神社の人間が博麗神社の譲渡を迫って来たんだぜ」

 

それは、異変なのか?ご近所付き合いの延長線上みたいなもんだろ。

 

「んで、二つ目は?」

 

「二つ目は、博麗神社の局地地震なんだぜ」

 

「何者かの能力による干渉ってことか?」

 

「ああ、そう考えて間違いないぜ」

 

局地地震なんてものを起こすことが出来る奴がいるのか。流石、化け物じみてる。まあ、永琳見た後じゃそんな驚かないけどな。

 

「んで、なんでここに来たんだよ」

 

「は?そんなのお前達に異変解決をしてもらうために決まってるんだぜ」

 

ハハ、何言ってんだこいつ。

 

「私と霊夢は神社の譲渡の件で話し合いに行かなきゃならないんだせ。その間もう一つの異変をほっとく訳にもいかないだろ?」

 

「他に頼める当てがあるだろ?なんで、俺達なんだよ」

 

そう言うと、フッと笑う魔理沙。

 

「残念だがそんな奴いないんだぜ」

 

その顔面ひっぱいでやろうか。ドヤ顔出来るもんじゃ無いだろ。

 

「異変解決にど素人を突っ込むバカがいるか。命がいくつあっても足りゃしない。他を当たってくれ」

 

「そこを何とか頼むぜ〜」

 

「袖を掴むな。嫌だったら嫌だ。大体博麗神社を狙ったとなると、そいつの狙いは巫女だろ?俺が行った所でどうにもならないだろ」

 

「退治すりゃ、解決だぜ?」

 

「それでも嫌だ。案山子も何か言ってやれ」

 

「いいじゃないか、別に」

 

「おい⁈」

 

こいつ、さては魔理沙とグルだな⁈あ、でもこいつの本職って妖怪退治だっけ?やっぱり、妖怪退治っていうのはこいつらのサガなのかもしれないな・・。

 

「でもなー・・」

 

んな簡単に了承出来るものでも無いんだけどなぁ・・。

 

「丁度いいじゃない。行きなさいよ」

 

後ろから声がするから、振り返ると輝夜が腕を組んで立っている。

あ、さては寝起きだな?髪が少し乱れてる。

 

「もし、封印が解けたらどうすんだよ・・」

 

「今回は、そこの娘も行くんでしょ?なら大丈夫よ」

 

一体何の根拠があって、そんなに自信ありげに言えるんだか・・。輝夜が言うならそうなんだろうが。

 

「何の話をしてるんだ?彼奴らは」

 

「まあ、色々あるんだぜ」

 

「取り敢えず、そういうことだから行くよ。異変解決」

 

「おお‼︎助かるぜ!じゃあ、明日また詳しい事を説明しに来るぜ!」

 

「おう」

 

破壊された窓から飛んで行く魔理沙。その後ろ姿にプラプラと手を振る。

はぁ、憂鬱とまではいかないがいい気分にはならないよなぁ。なんで、あんなに異変に対して嬉々として挑めるんだか・・・・。若いっていいねぇ・・。あ、俺も若いか。いや、実年齢結構いってるらしいしどうなんだ?

 

「また、面倒ごとだ・・って顔してるわよ?」

 

「異変に喜ぶ奴の方が少ないだろ」

 

ふふっと、袖で口を隠して笑う輝夜。だが、直ぐに真顔に戻る。

 

「でも、ひーくんにはこなす義務があるわ」

 

「そうだな・・・・」

 

俺の意志に関係なく、望む者がいる。本来ならこうやってのんびりしている方がおかしいのかもしれない。

 

「そういや、お前は良かったのかよ。背中を預けるような相手が俺で」

 

「なんだ?世話を焼くとか言った手前、怖気付いちゃったのか?」

 

「おっほほほほ、ご冗談を!おー?どんとこイヤー‼︎」

 

「あはは、なんだそりゃ」

 

「じゃあ、俺らは明日に備えることにするわ」

 

「ええ」

 

輝夜に一言いい、案山子と部屋から出て行く。

 

「・・・・鈴仙」

 

「はい」

 

「もしもの時は、頼むわよ」

 

「勿論です」

 




あっはは、なんだこれ。長ったらしくしたら駄目ですね。慣れてないことは良くないですね。はい。やめます。
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