紐野郎と人形使いの百物語   作:刹那 久賀

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投稿づす。


38話 修行、日常、変態物語

「よし、じゃあ始めようか」

 

神奈子と諏訪子と俺とで外にでる。

案山子と早苗はどうやら中でやるらしい。

 

「始めるって具体的に何をやるんだ?」

 

「そうだねえ、今は何処まで力を使えるんだい?」

 

腕を組む神奈子。腕を組んだ拍子に豊満な胸がゆさっと持ち上がる。

おお・・これはまた艶かしい・・

 

「そうだなー、天狗の力が使える程度で妖力にかんしては全然」

 

「ふむ・・なら基本的な所からだねぇ。諏訪子」

 

「んー」

 

ケロ帽子の上にのせた、水の入った器を神奈子に渡す諏訪子。

頭に乗せた状態であんなにぶらぶらしてるのに、よく零れないな。

 

「これは、特殊な水でねぇ。妖力に反応しやすくなってる」

 

「ほお。んでどうすりゃええの?」

 

そう聞くと、神奈子がその水を得意気に操って見せる。小さい水の粒にしてみたり人の形を作ってみたりと。

 

「いきなり、それか?中々厳しい気もするけどなぁ」

 

「君は、こういう類の事に関してはかなり長けていたから直ぐに出来る様になるよ」

 

相変わらずぶらぶらしながら自慢気に言う諏訪子。何が自慢なんだか・・。

霊力の操作でも数週間かかったし、気長な作業になりそうだな。

 

「私は、早苗の方を見に行くから諏訪子、見てやんな」

 

「んー」

 

水の入った器を俺の目の前に置き、神社の中に入っていく。

器の水に目を向けたまま、それを横目で見送る。

さて、集中集中。取り敢えず、霊力を操る時のイメージでいいかな。

 

〜一時間後〜

 

「・・・・」

 

おほほ、ピクリともしないでござる。なんか、段々イライラしてくるわ。

つか、一時間ずーっとこっちを見てるもんだからとても気になるんですが。諏訪子さんやぁ。

 

「あー、もう無理!こんな神経削るのお久過ぎて死ぬ!」

 

グデンとだらしなく寝っ転がる。

糸を使う時もこんなに集中しないぞ。全く。

 

「霊力を操るのとは、ちょっと違うから仕方ないよー」

 

「へーそーな・・」

 

あ゛?それ、今言う?一時間放置して、今言う?

 

「怒気怒気が止まらない♡」

 

「あ、ごめん。私、既婚なんだ」

 

「アー、ツタワラナカッタカー。ボクノオモヒ、ツタワラナカッタノカー」

 

は?と、首を傾げる諏訪子。

その首に、胴から離れる虚しさを教えてやろうか。

誰が、このタイミングで幼女に告るんだよ。ちゃんと、俺が言った言葉を漢字変換してほしかっな!

×ドキドキ→○怒気怒気だから‼︎

お前が結婚してようがしてまいがどうでもええわ!

 

「で?コツとかあるわけ?」

 

「そうだねぇ、強いて言うなら妖力も体の一部ってとこかな」

 

人差し指をピンと立ててズビシと前に突き出す諏訪子。うん、見た目が見た目なだけに全然様になってないな。うん。

 

「というと?」

 

「操る時に多分君は、完成形を常に想像してやってると思うんだ」

 

「あー、確かに」

 

無意識のうちにというかなんというか。

それを見抜くとは流石神様。伊達じゃ無い。

 

「霊力の使い方がそうだからね。でも、妖力はちょっと違う。体の一部を操作する感覚、つまり操作対象を体の一部だと思っちゃえばいいんだよ!」

 

「成る程〜」

 

ふむふむ、いい勉強になりやしたぜ旦那!

しかし、面白いもんだ。やっぱり、霊力も妖力も元の種族の性質に起因するのかな。

さて、じゃあ早速やってみようか。集中集中。

 

〜再び一時間後〜

 

「・・・・」

 

・・・・・・・・・

 

「・・・・」

 

・・・・・・・・・・・・・お?おおおお?なんか、動いてないか?水がひとりでに動いてないか?

器の水がウニョウニョと不安定ではあるが、少しずつ宙に浮く。

 

「きたああああああ‼︎‼︎‼︎」

 

そう、勝利の雄叫びをあげると水が一層不安定になり弾けて四散する。

その拍子に、水が俺にぶっかかる。

 

「ありゃ・・」

 

「おお、流石だね。たった二時間で少しでも水を操れるようになるなんて」

 

遠目で俺を見ていた諏訪子が俺に駆け寄る。

やー、それにしても疲れた。糸を使う俺としてもここまで集中するのはいつぶりか。

 

「今日は、こんな所だねぇ。疲れたでしょ。中に入ってていいよー」

 

「おう」

 

その場に諏訪子を残し、体をふよふよと浮かし神社の中へと入る。

服が濡れちゃったから着替えるかな。

飯を食べた部屋に行き、自分の荷物が置いてある場所に行く。取り敢えず中の荷物を取り出すために人間に戻り、霊力で操る。

 

「おおお、寒っ!」

 

人間に戻ったからか、寒さを敏感に感じてしまう。

ガバッと乱暴に上着だけを出し、手早く着替える。

ふぅ、どうにかして新しく糸を調達しないとなぁ・・。困ったもんだ。

 

「そういや、案山子はまだ早苗とやってんのかな?」

 

天狗に体を変え、千里眼を発動させる。

 

「⁈」

 

視界に飛び込んできたのは、おっぱゲフンゲフン!大きなお山が二つ。

どうやら、早苗と案山子は着替えている様子で早苗が着ていた巫女装束?を前に服を脱いでいる。

 

「おおお、年の割りに二人ともけしからん体をしとるのぉムフフフ」

 

いやぁ、眼福ですわ。うん。でも、欲を言えばあのおっぱゲフンゲフン!お山に触りたいなぁ。

 

「ワー、コンナトコロニキガエヲノゾクヘンタイサンガイルゾー」

 

「ん⁈」

 

後ろをばっと、振り向くと既に戻っている諏訪子。感情の籠らない声と、汚物を見るように俺を見てくる。

どういう・・ことだ・・?神様は、人の思考を覗き見ることができるというのか⁈

 

「案山子ちゃーん!早苗ー!氷坂に着替え覗かれてるよー‼︎」

 

「いやぁぁぁぁ‼︎言っちゃらめえぇぇぇ‼︎」

 

俺の悲痛な叫びも虚しく、奥の部屋の方から何やらドタドタという轟音が響く。

あ、これ詰んだわ。

 

『今すぐ、死ねぇぇぇぇ‼︎』

 

「ギャァァァァァァ‼︎」

 

この後、滅茶苦茶フルボッコされた。




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