何故こんな事を話そうと思い立ったのか。我の事ながら、意味不明だ。
精神的に不安定であったから判断力というか考えが回らなかったんだろう。
いや・・違うな。もっと、身勝手な理由だ・・。無意識の内に探している・・。アリスの代わりを・・・・
俺を受け入れてくれる人を・・・・
「トラウマ・・ですか?」
「ああ・・知っての通り俺には外に住んでた時期がある。そん時の話しだ」
コクコクと首を振る早苗。
「俺は、外の世界で何も無い状態で拾われた。中年の子供を持たない夫婦だ」
十数年前の記憶が鮮明に思い出される。ああ・・懐かしいなぁ・・
俺が話し始めると、早苗は黙って聞いてくれた。
「優しい人達だった・・。度々、喧嘩をしたことがあれど本当にあの時は幸せだった・・
でも、ある時俺は何者かに連れ去られて・・身体を何度も開かれた・・」
「⁈」
あからさまに、ギョッとする早苗。
「別にそれは良かった・・。いつか・・いつか、またあの幸せな日に戻れるならって思ってな。
でも、そんな日は来なかった・・。
裏切られたんだ・・、売られたんだあの夫婦に・・俺は」
「(何を・・言ってるんですか?この人は・・?)」
「それはそれは、ショックでなぁ・・。許せなくて、気付いたら全員・・」
「氷坂さんはその時、攫われた理由はわからなかったんですか?」
「⁇⁇」
唐突に質問を投げつけてくる早苗。
どう言うコと?早苗は、何言って?訳・・分から
「ですから、攫われた理由です。幾ら何でも、知らないまま開かれてたんですか⁈」
「え、それは俺が人間じゃ・・な?は⁈意ミ分からん‼︎何言ってんだよお前‼︎」
「え?あ、いや」
「おお俺は人間で・・妖怪⁈どどどど言うことだ⁈どう言うことだよおい‼︎」
「落ち着いて下さい‼︎」
ハッと我に返る。気付くと、早苗に掴みかかっていた。
あ、あれ?今までななななに話してた?おおお、覚えてない
早苗は、カタカタと震えてまるで化け物でも見るような目をしている。何故・・?
「話して頂いてありがとうございました・・私は、少し失礼しますね」
そう言うと逃げるように部屋を出て行ってしまった。一体、何があった?
「(前からおかしいとは思ってましたけど、ここまでおかしいなんて・・‼︎)」
あらまあ、行ってしまった・・。俺なんか変なこと口走ったかなぁ・・。たまに、こう言うことあるよなぁ・・。
「ん?」
ふと、扉の方からの視線に気付く。
どうやら、いつからか案山子が此方を覗いていたようだ。
「何話してたんだ?」
俺が案山子に気付いたことを知るとチョコチョコと部屋に入って来る。
「んー・・案山子の胸の大きオーケー落ち着こう。落ち着いたなら、そのお札のついた木槌を降ろそうぜ?」
全くそんなものいつから使えるようになったのか・・。妹の成長は嬉しいけどこう言うことに使われるんじゃ素直に喜べねぇなぁ・・。
しかも、俺妖怪だから冗談抜きで怖い。
ハァ、と呆れたようにため息を着くと木槌を軽く放る。ゴテゴテと、重い音が部屋に響く。
「・・昼私らを襲いに来た妖怪の集団だけど。どうやら、魔法の森から一歩もでない上に何の動きも無いらしい」
俺の隣まで来て胡座をかき、話し始める案山子。
らしいと言うことは、諏訪子か神奈子が確認でもしたのか。
「どうやら、私たちを魔法の森に近づけたく無い奴がいるらしいな。概ね、あの妖怪共は抑止力と言ったところか・・」
「考えてもわかることじゃ無い。言われた通り俺たちは休んでりゃいい」
案山子の頭をわしゃわしゃと撫でる。すると、ポテっと身体を俺に預けてくる。
「そうだな・・」
「・・・・なぁ、案山子。俺について来た事、後悔して無いか?」
ふと、浮かんだ疑問。つい、口走ってしまった。
その質問を聞くと明らかに不機嫌な顔をする案山子。
「ふざけるな。軽い気持ちでお前の妹を名乗ってない。お前の妹になった時点で何があろうとお前と一緒に生きて行こうと決めている。後悔なんであるわけ無い」
「そっか・・・・」
「・・・・ハァ、兄さんは何も考えずに色々と背負い混み過ぎなんだよ。だから、結局背負い混みきれないものが出てくるんだ」
俺に預けていた身体を起こし首を横に振る。
確かに心当たりが無いでも無い・・。
「今までやって来れたのは運が良かっただけだ。いつか絶対に切り捨てるハメになる」
「・・・・」
案山子の言葉が心に深く刺さる。そうだ、そんなこといわれずとも分かっている。
案山子の言う通り、間違いとは一概には言い切れずとも褒められたものでは無い。背負いこむと言えば聞こえは良いが、逃げてるだけなのだ。
「ま、私はそれに助けられたんだけどな。あんまり、くどく言うつもりは無いけどさ。そこら辺忘れないでくれよ」
空気を変えたかったのかパンッと、手を鳴らす。先程とは、一変して明るい話し方になっている。
「さてっ、私は早苗のところに手伝いにでも行くな」
「ああ」
俺に一言、言うと部屋から出て行く案山子。その後ろ姿に軽く手を振る。
ふと、外に目を向けるとすっかり真っ暗である。
「雪・・か」
今回物凄い少ないですね。自分でもびっくりしました。なんだこれ。
これから、明らかになっていく氷坂君の本性!さて、どんだけのクズ野郎になるのか楽しみです!
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