迷いの竹林
銀髪の少女に突然攻撃を受け、対峙する。それから数十分。
俺は
「う゛あ゛あ゛あ゛‼︎‼︎あ゛づい‼︎‼︎なんだごれぇぇ‼︎」
燃えていた。
今回ばかりは、相手が悪い。妖力を扱う腕に関しては、明らかに俺とは別物。その上、扱うのが火であるため糸を使えば直ぐに焼き切られてしまう。
更に、こいつやはり妹紅ってやつ本人みたいだ。殺しても死なない・・輝夜と同じ蓬莱人。
体についた炎を消し体制を立て直す。でも、これで終わりじゃない攻撃手段ならまだある。
「弱くなったな」
興ざめという顔をする、少女。やはり、俺と昔に面識があるようだ。
どうせ、何故攻撃をする?とか聞いても逆に怒らせるだけだろうから今は聞けないが。
霊墜を両足に装着する。
「それは、勝てる相手に言うもんだぜ?」
挑発気味にニヤリと笑みを浮かべ言う。
思った通りみるみる怒りに表情を変えていく。
「試してやろうじゃないか‼︎」
また、拳に炎を纏い殴りかかってくる。
瞬間、地面が爆ぜ少女の炎を纏っていた腕が切り落とされる。
「ッッッ⁈」
驚いたのか俺と距離を取り腕を抑える少女。
さて、何をしたのか?蹴り上げただけ。ただし、霊墜の反動を利用して威力を上げた足で。
妖力の操作も強化も完璧。全く痛みもない。
殺すことも、糸で拘束することも出
来ないなら四肢をもいだ上で無力化し満を持して逃げる。
何回か殺して気分的にはスッキリしたしね。
「さっきは、よくもボコスカ殴ってくれたな。今度はこっちのばんだからな‼︎」
「⁈⁈」
霊墜を作動、爆発を起こす。
初速からの異常な速度。少女は、その速度について来れず苦し紛れに拳を振る。
その拳をよけ、腕を掴む。そのまま腕は速度に耐えきれず千切れる。
「ッッッ‼︎‼︎」
「次は、脚だ」
持っていた腕を投げ捨てまた、霊墜に妖力を込める。そして、脚目掛けて突進・・!
「と、思ったけどやめたー‼︎」
「なっ⁈」
深追いすると、返り討ちにあう可能性があるし。
霊墜の反動で飛び上がりそのまま飛び去る。このまま逃げ切れればいいんだけど。
「逃がすかぁぁぁ‼︎‼︎」
そう上手く行かないよね・・。
炎の羽を背中に生やし飛んで追いかけてくる少女。
「だから、満を持しての糸トラップ‼︎」
少女の進行方向に仕掛けた糸のトラップを使い少女の脚を引っ張り体制を崩させる。
そこに、追い打ちをかけるように少女の顔面に蹴りを入れる。死なない程度に。
蹴りを食らった少女は、地へと落下していく。
「今のうちに逃げるんだよ〜」
全速力でその場を去った。
「って言うことがあったんたよー。全く酷い目にあったー」
「今頃そいつ血眼になって兄さんを探してるだろうな」
神社にて、さきの出来事を案山子に話した。
冷静に考えるとあの娘は、俺に恨みがあって攻撃して来たのにある程度返り討ちにあった上に逃げられたんだから、もう、ブチギレだろうな。
「うわぁ・・外出が思いやられるわぁ・・」
「兄さん、昔その娘に何したんだろうな・・ふふ」
「おいコラ、他人事みたいにゆな!」
いやまあ、他人事なんだけどさ。全く・・お人好しの昔の氷坂君が何をやらかしたかはちょっと気になるけどあれじゃあ聞き出しようが無いし・・。
「今日来た、けい・・けい・・けいとだっけ?」
「慧音?」
「ああ、そうそれ。その慧音とやらに聞けばいいんじゃないか?」
どうやら、案山子ちゃんは興味の無い人の名前を覚えるのは苦手なご様子。
・・・・俺の名前覚えてるかな・・
「俺の名前は?」
「夜麻鳥 氷坂」
「よろしい」
うん、流石俺の妹。
突然何だと言う風に首を傾げる案山子。ふふふ・・愛の証明さ・・。
・・・・え、気持ち悪い今、愛の証明とか言ったのだれ?お巡りさんこいつです。
「慧音か。明日早速行って聞いて見るかぁ。案山子も来るか?」
「うーん。どうしようかな・・」
「行けばいいじゃないのさ」
「あ、神奈子」
部屋の入り口から声をかけてくる神奈子。そういや、昨日の夜見なかったけど何処いってたんだろう?
「行きたくなくとも里で得られる物は少なからずあるだろうさ。ついでに、信仰も集めて来てくれると嬉しいねぇ」
ふむ、後者が本命と見た。なかなか薄汚い神様だ。
でも、行ってることは本当なんだが。
「まあ、行ってみればいい。何か案山子にするようだったらあんな連中
「殺すなよ?」
「・・・・シメてやるからな!」
「信仰が減るからやめておくれよ?」
「あははは、分かってますってもう冗談キツイなー。そんな、ガチになって釘をささなくってもーあはは・・・・絶対しません」
目が完全にヤる気じゃ無いですかやだー。そんな目されたら土下座しかないですよもう。命が惜しいもの。
「取り敢えずあんたは、食事の前に風呂に入んな。血やら何やらで随分と汚いじゃないか」
言われてみればそうだな・・、外の世界だったら捕まるレベルで服がボロボロだし。
「じゃあ言葉に甘えさせて貰って入ろうかな」
「はぁ」
一戦後の風呂は気持ちいいな〜。なんて。風呂場に残る沈黙。沈黙の中、今まであった事が次々に頭の中をよぎる。
今日のあの少女、途中で逃げてなかったら確実に勝てなかった。もし、あそこで判断を違えていれば確実に死んで力が暴走。また、多くの命を奪っていただろう。
ふと、糸の腕も外された、腕があった所を見る。そこには、当然何も無い。だが、痛みは在り続ける。きっと、俺が弱ければ一生付きまとうだろう。なぜなら、この痛みは俺の弱さというトラウマなのだから。
でも、でもいつか必ず力を使えるようになってこの痛みを払拭する。いつか、必ず・・!
あ、これまた短い。前回のは何だったのか・・。よ、よぉし次は6000目指して頑張るぞー
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