「で、出来た!出来たぞ!」
「朝っぱらから大声あげてどうした兄さん・・ってうわっ!なんだそれ!」
眠い目をこすりながら、布団から起き上がり俺の操るモノを見て驚く案山子。何故、案山子が隣で寝てるかって?兄妹なら当然だろ?
「ふふふ、俺がこっちに来てからずっと研究していた・・半自立型人形!その名も!シャンハーイだ!」
自慢気にボーズをとる上海人形。
そう、こっちに来て妖力が使える様になってからずっとやりたかった事なのだ。そして、今やっと完成した・・!
あぁ、これからの生活が楽しみだぜ・・。なんたって上海人形が俺の世話をしてくれるんだからな。
・・・・あれ?でも、人形になっただけで糸でも大して変わらないんじゃ・・。
「そのために、ずっと飲まず食わず加えて寝ずに部屋に篭ってたのか・・。寺子屋が休みだってウキウキしてたのはこれか・・。もう、3日たつから死ぬぞ?」
「ふふ、安心しろ今の俺は天狗。3日やそこら・・・・ふぇ〜・・」
ドヤ顔を浮かべ立ち上がろうとすると目の前が真っ暗になり頭がクラクラする。物凄い情けない声が口から漏れる。
「はぁ、天狗がなんだって?生きてるんだからしっかり寝て食わないとそうなるよ全く」
ボテッと倒れた俺をスッと担ぎ上げさっきまで案山子が寝ていた布団に寝かせる。
先程まで案山子が寝ていたからか暖かい。おまけに案山子の匂いも残ってるし最高だね!
「私は、てきとうに何か作ってくるから兄さんはここで寝てろ」
「んー・・悪いな」
「はいはい、悪いと思うんだったら、ん」
「へいへい」
差し出された頬に軽くキスをする。すると、頬を少し赤く染め部屋からパタパタと出て行く。サイッコーですわ。
んん・・急に眠くなってきた・・
「お・!・・さ・!・きろ‼︎おい‼︎」
「んあっ⁈あ、あんだ⁈どひた⁈」
案山子の大声に飛び起きる。寝起きだから完全に呂律が回っていない。
「外だ!外を見てくれ‼︎」
案山子に腕を引っ張られ外に連れ出され指が指された方向を見る。
・・・・そこまで焦る様な事があるか?いつもの景色なんだが。
「地霊だ!しかも大量の‼︎」
「お、おぉう」
見えないからどう反応すればいいか分からないけどきっとヤバいんだろう。
「地霊ってことは、地底と何か関係があるのか?」
「あぁ、確か地霊の管理は地霊殿がやっていたはずだが」
地霊殿・・前に行ったことがあるな。失われた記憶を求めて!みたいなノリで。あそこって、旅館だと思ってたけどそんな事やってたのか。
「神様方は、なんて言ってるんだ?」
「いない。今日に限って早苗もな」
最近よく姿を消すけどまさかこれに関わっちゃいないよな・・?なんか、ありそうな話でやだな。
「で、どすんだ?」
「取り敢えず地霊殿に向かいたい。けど・・」
「?けど?」
「行ったことが無いんだ。だから、何処にあるのか・・」
知らない事が恥ずかしいのか恥ずかしいそうな仕草をする。
案山子は人里生まれだもんな。そりゃ、行ったことないわ。別に恥ずかしがること無いのに。
「それなら、任せとけ俺行ったことあるから。連れてったる」
「そっか、なら今すぐ行こう」
おぉ・・切り替え早いな。
急いで支度を始める案山子。おっと、着替えか。俺にあっちを向けとジェスチャーする案山子。ジェスチャー通り案山子と反対側を向く。
さて、俺は特別用意する物も無いし。このまま出発すればいいか。糸やら霊墜はいつも身につけてるし。
「よし、じゃあ行こう!」
準備が終わったのだろう。案山子は、安定の巫女服。もう、完全に巫女だな。お札やら陰陽玉も完璧らしいし。
「ここだな」
「ここが・・でかい穴だな」
まあ、最初はそういう反応するよね。地霊殿は、明るいのに何故か穴の途中は真っ暗。光を遮る物が何も無いんだが・・。
「中は暗いから、ほれ」
「え?うん」
案山子の手を取り穴の中に入っていく。飛んでる途中に壁に激突なんてしたら俺なら平気だけど案山子だったらシャレにならないからな。
前は、糸にぶら下がって降りたから結構時間かかったけど今回は飛んでるから抜ける速いな。
明かりが目の前に差し込み、地面を目で捉えると着地の体勢を取り、着地。
「このまま、行くぞぉ」
着地と同時に案山子をお姫様抱っこし飛び立つ。
あ、確かここって。
「ちょっと待ちなさいあんた達」
あ、やっぱり。
ここの門番なんだ。無視して通れる訳無いよな。
「よぉ、久し振りだなパルスィ」
「へ〜、随分と楽しそうじゃない。妬ましい。ここに来たのは、それを見せつけるため?」
ギロッと此方を睨むパルスィ。
手を繋いでただけでしょ手を。相変わらず嫉妬心に満ち溢れてらっしゃる。
「誰だ?こいつ」
「地底の門番みたいな奴だ。ちょっとした知り合いでな」
突然止めて来たパルスィを敵対視しているのかパルスィを睨み返している。
「ちょっと地霊殿に野暮用でさ。通して欲しいんだ」
「・・・・ダメね。そんな物見せつけられて気分が悪いの。帰ってもらえるかしら?妬ましい」
うっわ、めんどくさ!えーどうすんのこれ。このままだと、戦闘イベント発生だよ?
ほら、案山子ちゃんの手がワナワナと震えてる。だからと言って説得するのも無理そうだし、強行突破でもしようものなら何されるか分からないし。
「なぁーパルスィーそこをなんとか頼むよー」
「とっとと帰ってくれない鬱陶しい。もう鬱陶しい事すら妬ましいわ」
ドユコト・・。
こうなったら仕方ない。最も早く最もクリーンに解決するこの愚策を取るしかない。
ゴメン、パルスィ!お前に恨みは無いけど寧ろ恩すらあるけど、ここはちょっと痛い目見て頂戴!
霊墜を足に装着。妖力を込める。
「へー、やる気?妬ましいわね」
「ゴメン‼︎」
「⁈」
片方の足の霊墜を使い加速、異常な速度でパルスィのもとまで近づきもう片方の足をパルスィの腹に打ち込み霊墜を発動。
「うっ‼︎カハッ!」
パルスィの腹にもろに霊墜の爆発が入り後方に吹き飛ぶ。吹き飛んだパルスィは、壁に激突。大きなクレーターを作る。
罪悪感が半端じゃない・・。帰りにしっかり謝ろう。うん。
急いでパルスィの様子を確認しに行く。・・・・タダの気絶。霊墜をまともに食らったのに凄いな。そっか、番人だもんな。それなりた、強かったんだパルスィ。
「行こっか・・」
取り敢えずパルスィを寝かせて毛布を編んでかけてやり地霊殿へと歩みを進めた。
「ここだな」
「ここか・・」
扉を叩く前に人間に戻っておこう。いらん誤解を受けるのも説明をするのも面倒だ。
よし、
「たのm
ニャ〜
ん?猫?
扉を叩く手を止め猫の声がした方向を見る。そこには、尻尾が二本ある黒猫。おぉ、これは凄い。こんな動物までこの世界にはいるのか。妖怪の一種なのかな?
抱き上げようと手を差し伸べる。
「うぉっ⁈」
突然猫から人に姿を変え首元に噛みついてくる。
首が・・千切れる・・‼︎なんて力してやがる‼︎一瞬で天狗に姿を変え、それを引き剥がす。
「大丈夫か、兄さん‼︎」
引き剥がした拍子に首元の肉がごっそりと持ってかれる。再生するまで時間はかからないが喋れないな・・。
「ありゃりゃ?妖怪だったの?おっかしいなぁ、あたいには人間に見えたんだけど・・・・」
少女の姿に変えた猫は、俺の肉をペッと吐き何かボヤいている。
おっと、案山子が戦る気満々だよ。声が出ないためスッと手を出し制止する。
「・・ぁ・・ああ、んっんぅ‼︎」
あ、治った。
軽く声がでるかテストをして喉奥に溜まった血を吐き出す。
「いきなり、襲って来やがって何だよ?返答次第によっちゃぶっ殺すぞ」
全く、おこだよ。激おこだよ。出会い頭に肉剥ぎ取られるとか何処の過激な挨拶だよ。
美味しそうだったからとか言ったら瞬殺だよ?
「君達、地霊を見てここに来たんだよね?」
「?ああ、そうだが」
「そっか、じゃあ」
四つん這いになり再び襲いかかる猫娘。うん、ちょっと遅い。
糸を使い猫娘を縛り上げる。
「ニャ⁈」
何をされたか分からないのか驚きの表情を見せる猫娘。
「先中入っててくれ。多分すぐ追いつく」
「え?ああ、分かった」
「あぁ、ちょっと待っ・・」
直ぐに地霊殿の中へと消えていく案山子。消えて行った案山子の方を見てあちゃーという風な顔をする猫娘
「あーあ、いいの?あの子死んじゃうよ?」
「あ?お前が思う程弱くねーよ」
「そうだと、いいんだけどニャー・・」
「・・・・」
何だこいつ・・大した敵意がある訳でもなく逆に此方を心配する素振りすら見せる。味方・・なのか?
取り敢えず事情を聞こう。
と、思った矢先猫娘を拘束していた糸がプツプツと切れていく。
「・・・・?」
糸が見えてるのか?見えない様に加工したんだけど・・。誰だ?
周りを見渡し糸を切った犯人を探す
「外が騒がしいと思って出て来てみれば・・お久しぶりですね氷坂さん」
「さ、さとり様・・!」
おお!さとりじゃないの‼︎ここで知り合いの登場は助かる。
あれ?だけど、何て説明すればいい?貴方のお家で異変が起きております、調査させて下さい。か?でも、目的がはっきりしないのに入れてくれるのか?
「貴方の事は、悪い方では無いと思っていましたが・・お燐、下がってなさい」
「え?」
あれ?俺のことを怪しんでらっしゃる。しかも、戦う気満々かよ。
こんなとこで、足止めを食らう訳にもいかないんだが・・。地味に猫娘の言ってた事が気になる。流石に簡単に殺られる事はないと思うが・・
「どうやら、ネズミがもう一匹入り込んでいるようですね。お燐、中を見て来て下さい」
「は、はい」
「な⁈おい、ちょっと待て!」
やけにさとりにビクビクしている猫娘に止まるよう言うが案の定それで止まる訳でも無く。中に入って行ってしまう。
・・・・まずい。中には少なくとも実力者が二人以上・・。このままだと、最悪案山子が殺される。誤解を解きたい所だがそんな暇も無い・・か。
「戦う前に念のため言っておく。通らせてくんない?」
「通すと思いますか?」
忠告したからな。前に少し世話になったけど容赦しねぇ。心を読むんだったな・・。なら、無駄な動きは一切無しにシンプルに行く。
足の霊墜に妖力を籠める。動きが読めても動きについて来られなければ意味が無い。
「はぁ‼︎‼︎」
霊墜により、加速。全速力でさとりに近づき殴りかかる。
しかし、ひらりと躱され拳は地面を砕く。
「まだまだぁ‼︎」
地に脚が着くと同時にまた加速。さとりを追い掛けひたすら殴りかかる。だが、どれも地面を砕くばかり。
クソッ‼︎まだ、スピードが足りないのか⁈
「これならどうだ‼︎」
拳を躱され、地面を殴った瞬間に手の糸を解き矢のごとく周りに四散させる。これで、追い打ちをかければ・・!
「なっ⁈」
飛んできた糸を全て手で払いのけ再び殴りかかる俺の足を蹴飛ばすさとり。
バランスを崩し地面を転げる俺。霊墜による異常な速度により、地面に体の肉を抉られる
「グッッ‼︎ガッガガガ‼︎」
地面に糸を突き刺し体を固定し、ようやく止まる。瞬間、身体中を痛みが支配する。転げていた所は見事に血と肉が四散している。
「今ので死なないなんて随分とタフなんですね」
「クッ!」
くそッ!グズグズしてどうする!早く行かないと案山子が!
どうする・・!
「このままここで時間を潰すのも無駄ですし、終わらせますか・・」
ゆっくりと近づいて来るさとり。
何かされる、そう分かっていても身体が動かなかった。まるで、金縛りにでもあっているかのように。
「さあ、蘇らせてあげましょう貴方のトラウマを」
「⁈」
グッと俺の瞳を覗き込むさとり。
ななななななんだこれ⁈あの時の・・記憶⁈
『お父様どうして泣いて?』 『イタイイタイ』 『父さんちょっと行ってくるね』 『許さない蓬莱山・・輝夜‼︎』 『氷坂ァァ‼︎‼︎』 『ヤダ・・ヤダヤダヤダ・・‼︎』 『許さない・・‼︎』
『どうしてこんな・・』 『蓬莱の・・薬?』 『先ずは頭から見て行こうか』 『俺が父さんと母さんを殺したのか・・?』 『彼には偽の記憶を刷り込んでおいた』
『そんな愚痴を言った所で何も変わらないだろう?妹紅』
『ああ・・憎い・・この世界が・・俺を否定するこの世界が‼︎』
『『憎い‼︎‼︎‼︎‼︎』』
「うぎゃゃゃぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎‼︎」
「誰?貴方一体誰なの⁈いえ、そもそも貴方何人いるの⁈」
永遠亭
「・・・・‼︎憎しみが抑止を超えた・・‼︎」
「ですが、姫様。中途半端な思いでは逆に他人の思いに呑まれてしまうんじゃ」
「何言ってるの。こういう時こその妹でしょ?何かあれば鈴仙もいるわ。始まりよ・・またここから・・狂った世界の歯車が動き出すわ‼︎」
「にぐにぐにぐいいいあァァ⁈‼︎」
「ひっ!」
この時さとりは、直感していた。
この男の想いは、全てを壊す。必ず殺さなくては、と。だが、それと同時に勝てないのも分かった。
想いの重さがまるで違う。手を出せば、必ず殺される。
氷坂の腕は、片方だけ完全に元に戻っている。だが、まるで何かに支配されているように目には光が無い。
「さとり様ーー‼︎‼︎」
強い衝撃が氷坂を襲う。
氷坂か止まった隙にさとりを助け出す大柄な少女。真っ黒な翼に、胸から突き出る真紅の目。左腕には、多角柱の棒、背中には大きなマント。
さとりを避難させると氷坂の元まで戻ってくる。
「あ、あれー?強めに打ったんだけどなー?無傷?外したかな?」
氷坂は、未だ止まっている。別に、今の一撃を貰って狼狽えている訳でも痛いわけでも無い。敵の能力を探っていた。無意識でも、本能でも無い彼の意思で。
「うーん、ま、いっか。ふうぅ、核反応制御不能ダーイブ‼︎‼︎」
「ッッ‼︎」
猛烈なスピードの突進を腹で喰らい、吹き飛ぶ氷坂。吹き飛んだ先で壁に激突。そして、そこにまたも突撃して来る少女。
それを、片手で受け止めようと手を出すが。
「核ブレイズ‼︎ゲイザーーー‼︎‼︎」
氷坂の直前で多角柱の棒を地面に突き刺す少女。すると、轟音と共に地面から次々にマグマが吹き出し足場が崩れて行く。
足場が崩れると、最深にはマグマが流れる渓谷が出来る。
「・・・・」
氷坂は、飛ぶ様子も無く落ちていく。
そして、その身体がマグマに触れ溶け
「⁈」
無い。マグマというマグマが全て凍る。それどころか、みるみる地表を氷が侵食していく。
「む〜、これならどうだ!ギガフレア‼︎」
周りの壊氷を気にも留めず、攻撃を始める少女。多角柱の棒から、爆炎が放たれる。
「・・・・ムだだが‼︎⁈」
奇声を上げながら爆炎を凍らせ握りつぶす氷坂。そして、少女に向かって足を蹴り上げる。蹴り上げた足が描いた弧の直線上に壊氷の刃が飛ばされる。
「うわっと」
それを上体を剃らせ躱す少女。
そして、反撃を仕掛けようと多角柱の棒を再び氷坂に向け
「あれ?いな
「ガァァァ‼︎‼︎」
強烈な殴打が少女の後頭部を穿つ。
鈍い音が響き血が氷坂の視界一杯に広がる。少女は、脱力したように真下に落下して行く。
「・・・・痛っつ〜〜」
「・・・・」
しかし、意識を取り戻したのか空中で止まり後頭部を抑えて痛みに悶え始める。
氷坂は、それを以前と生気の無い目で見つめる。
「くそーーやったな〜・・」
少女がギッと氷坂を睨む。頭から血がボタボタと垂れており更に、身体がガタガタと震えている。
「・・・・」
震える腕で多角柱の棒を氷坂に向けて構える。だが、一向に撃つ気配が無い。
「あ・・あれ?」
撃たないのではない撃てない。
彼女の能力は、核融合を操る。頭をやられ身体の制御が効かないようでは核融合の制御なぞ土台無理がある。
「あ・・ンがい・・弱、よ、よわいのね。お、俺、?私が強いの、。かしら?」
「こんな・・ところでぇ〜・・」
多角柱の棒に少女がヤケクソに力を込める。すると、やたらと多角柱の棒がバチバチといいはじめる。
その様子を見て焦り始める少女。
「あ、あれ?いうこと効かない・・!あれ⁈」
段々と多角柱の棒が明るさを増していく。それととともに、少女の焦りもましていく。
「やだ・・やだ・・死にたくない・・」
涙をポロポロと流し、首を横に振る少女。
明るさが限界にまで達し、目をギュッと瞑る少女
「・・・・?」
何も起きない。
少女が目を開けると先程まで戦っていた男が目の前で自分の腕を掴んでいる。気付くと能力の暴走も止まっている。
少女は、何も分からないままその場で気を失ってしまった。
手に掴んだままの少女をポイッと投げ捨てる氷坂。少女の身体は、そのまま落下し地面でグシャッという音をたてる。
「・・・・に・・」
氷坂の身体に壊氷がまとわり付き始め氷坂の周りまで壊氷に覆われていく。
「・・・・にく・・い・・に
マスタァァァ
「・・・・?」
「スパーク‼︎‼︎」
「・・・・ッッッ⁈」
突然氷坂を襲う超火力のレーザーに身体を焼かれる。何故か先程より動きが鈍くなっている。
超火力レーザーを打ったのは八卦炉を片手に構える少女、魔理沙。
「地霊がウヨウヨしてたから来て見たけど、異変の犯人はお前だな⁈」
焼け爛れた身体を再生する氷坂を指差す魔理沙。どうやら本人は氷坂だと気付いていないようだ。
「いタイ・・イタい‼︎イタいイタい‼︎イタいイタい‼︎イタい‼︎イタい‼︎イタい‼︎イタい‼︎」
「な、なんだぜ⁈」
身をうねらせ悶え始める氷坂。
その様子をギョッとして見つめる魔理沙。しかし、周囲に異変を感じる
「・・・・雪?」
そう呟き、いや違うと言う。
そうだ、ここは地底。雪なんて降っていてもここに降ってくるはずが無い。
ガチッ
「⁈」
歯を噛み合わせる氷坂。直感か、レーザーを前方に放ちその反動でその場を逃げる魔理沙。
それと同時に雪のようなものが散っていた場所が不可視の衝撃に襲われる。
「あ、危なかったぜ・・。なんだぜ?こいつの能力は・・」
ふぅ、と汗を拭い箒にぶら下がった状態で氷坂を凝視する。
「うぅ・・グフっ!」
氷坂が口から血を吹き地面に膝をつく。
気付けば、呼吸も荒く目の焦点もあっていない。
魔理沙は、その様子を全く訳が分からないという風に見つめている。
「スゥゥゥゥ・・」
膝をつき四つん這いになっていた氷坂が突然大きく息を吸う。
今度はなんだと身構える魔理沙。
瞬間
「いっ⁈」
氷坂の口から血と壊氷が混じった極大のブレスが放たれる。その反動で氷坂の脚が地面にめり込んでいる。
回避が間に合わず、マスタースパークで応戦。若干魔理沙寄りでブレスとマスタースパークが衝突する。
両者の間で激しく衝突。
衝撃波が発生し、周りの物を吹き飛ばしていく。
「うぅおおおおぁぁ‼︎」
「あ・・⁈」
渾身の叫びと共に魔理沙のマスタースパークが更に威力を増す。
氷坂は、押され再びマスタースパークにより身を焦がす。
「あぎゃあアあアアアアアア‼︎⁈」
痛みに耐えかねその場でのたうちまわる氷坂。今回は、最早再生する余裕すら無い様子。
限界が来たのかそのまま動かなくなる。
「や、やったか?」
恐る恐る近づく魔理沙。
身体は焼け焦げ見るも無残な姿になっている。
「す、少しやり過ぎちまったぜ・・」
頭をポリポリとかき困った顔をする魔理沙。
氷坂は、ピクリとも動かない。
だが、意識はあった。燃え滾るような感情を宿した意識は。
ニクい・・
俺達を否定するこの世界がニクい
嗚呼ニクい・・
身体なんて知るか・・
どうなったっていい・・
ニクいならいっそ世界を
作り・・
「変えてやる‼︎‼︎‼︎」
「な、なんだぜ⁈」
「ああああ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
氷坂の周り、いや先程とは全く違う規模。
地底全体が、壊氷に覆われていく。
「ま、不味いんだぜ‼︎こいつ、地底を・・‼︎」
焦った魔理沙が再び八卦炉を構える。だが、何も起きない。
「くそッ!力を使い過ぎたぜ!」
あれだけのマスタースパークを打ったためかもう打てない様子。
その間も辺りが壊氷に埋め尽くされていく。
「万事休すだぜ・・」
最早周りは、壊氷に全て囲まれている。逃げる術すらない。
ん?何かが上から降ってくる。人のようだ。
「おりゃぁぁぁ‼︎どっこいしょぉ‼︎」
「ゴッーーーッッッ⁈」
落下スピード、全体重プラスで殴りつけられる氷坂の頭。
殴ったのは案山子の木槌。能力の影響もあるのか氷坂の頭は猛スピードで地面に撃墜、ピクリとも動かぬまま倒れている。
「ごめんな・・兄さん。うさぎ様‼︎兄さんを治療してくれ‼︎」
「はい!出来るだけ直ぐに治療を始めないと危険です!近場で安全を確保して下さい!」
「な!案山子に鈴仙じゃねぇか!一体こいつは何なんだぜ⁈」
目の前で起きる事に呆然としていた魔理沙がハッと我に帰り急いでその場を離れようとする案山子と鈴仙を呼び止める。
しかし、鈴仙がギョッとして魔理沙を見つめる。
「貴女も来て下さい!一刻を争います」
「な、なんだぜなんだぜ⁈今日は何なんだ⁈」
空ちゃんをもっとかっこ良く書きたかったですたい。でも、無理でした。悲しきかなボキャ貧。
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