〜龍斗side〜
ザザンを探し始めて早2時間、何処にもいない。
だがここでやっと気づく事ができた。
「この森、魔獣が少ないな……。」
そうこの森には魔獣が少ないのだ。
昨日と今日合わせて、魔獣を見たのは十匹程度だった。
これはおかしい。どういう事だ?と思っていると、
「あんたここで何してんだ?」
声がする方を向くと悪魔が立っていた。一瞬敵かと思い、戦闘状態をとったが、この悪魔から殺気が一切感じ取れなかったので、戦闘状態をといた。
「俺は、はぐれ悪魔狩りの賞金稼ぎだよ。」
「人間のお前がか?……もしかして、神器持ちか?」
と男は尋ねてくる。なるべく自分の情報は漏らしたくないのだがこいつにはいいだろう。
「そうだよ。」
「ふーん。どんな神器なんだ?」
「それは企業秘密だな。」
流石にそこまで教える必要は無いだろ。それにしてもこの悪魔結構強いな。闘った手こずるだろうな。
そんな事を考えていると、男はつまらなそうに、
「そうかよ。」
と言ってきた。だが、そこで話は終わらなかった。
「もし良かったら、俺とザザン狩らないか?報酬は山分けで。」
と提案をしてきたのだ。確にそっちの方が楽で安全だ。
俺がはぐれ悪魔狩りをするのは生活費の確保だけなので正直言って報酬の半分でも1ヶ月は過ごせる。
「いいよ。俺は『死神』。お前は?」
「へ〜。あんたが有名な『死神』か。俺はクロス、名前の売れてない賞金稼ぎだ。」
クロスと言う男はそう言って、握手を求めてくる。
俺は無言でクロスと握手をする。
それから俺達は、ザザン探しを再開するが、なかなか見つからい。探している間にはクロスと談笑してなかなかいい時間を過ごした。
〜ザザン捜索から6時間後〜
「お〜い。こっちに何かあるぞ!」
クロスが何か見つけたらしく俺を呼んでいる。
俺は急いでクロスの元に行く、ひときは大きい洞窟があった。その中から血の臭いがする。多分ここだろう。
俺はクロスと合わせて洞窟の中に突入する。
そこに無数の魔獣の死体があった。まだ入口に入っただけこの量、奥の方はどれだけあるか分からない。それに、奥から肉が腐った様な臭いはする。
俺とクロスは顔を見合わせて奥に走る。
奥に進む程、腐臭が濃くなる。正直自分には厳しい。吐きそうになる。その吐き気を抑えて走る。
洞窟は思ったよに深かったが、やっと最終奥地に着いたところで何か居ることに気づく。俺はクロスに止まるように指示し、様子をうかがう。するとクロスが、その正体が分かったらしく呟いた、
「ドラゴンゾンビかよ…。」
ドラゴンゾンビとは、自分が死んだ事すら知らずに動き回るドラゴンだ。ドラゴンゾンビの1番の厄介な所はなかなか死なない事だ。もう死んでいる為、首を落としても死なないし、心臓を潰しても死なない。倒す方法はもう消し飛ばすしかないのだ。それ故、S級危険生物に認定されている。
「ドラゴンゾンビは居るがザザンは居ねーみたいだけど、どうする?倒すか?」
「倒そう!報酬が増えるかも知れないしな。」
「待ってたぜその言葉!」
クロスは楽しそうな声をあげて、ドラゴンゾンビに斬撃をあびせる。
「グギャァァァァァァァァッッ」
ドラゴンゾンビが叫び声をあげながら、クロスに尻尾を振り降ろすが、クロスはいとも簡単に避けて、ドラゴンゾンビの横腹に斬撃を入れる。その斬撃で腹が破れ、腐った内臓がこぼれ落ちる。
「やはり強いなクロスは。俺も負けられない!」
そう言って俺はドラゴンゾンビに飛びかかる。俺は肉弾線が得意なのだが、魔法もそこそこ使える。俺は右手に魔法陣を作り、
「ファイヤッ!」
そう叫ぶと巨大な炎の塊がドラゴンゾンビへ向けて放たれる。ドラゴンゾンビも当たるまいと逃げようとするが、
「逃がすかよ!」
クロスが前足を切り落とし、身動きを取れないようにする。
「ガギャァァァァァァァ」
と叫び、口からブレスを吐く。炎の塊とブレスがぶつかり合い、相殺された。爆風が洞窟内を揺らす。爆風が晴れると同時にドラゴンゾンビは龍斗を見た瞬間凍りついた。
「フリーズ。」
そう、ドラゴンゾンビ本体が氷ずけにされたのだ、ドラゴンゾンビは氷を砕こうと力を入れるがびくともしない。
徐々に体の芯まで凍っていき、遂に完全に凍ってしまった。
「これでドラゴンゾンビの捕獲完了。後は……」
龍斗がそう呟くと、後ろから何か来る気配を感知しその場から飛び退く。
「チッ、避けられたか。」
龍斗がさっきまでいた所に斬撃が振るわれていた。
そこには斬撃を振るったであろうクロスの存在があった。
「やっぱりお前だったのか、クロス。いや、ザザンって呼んだ方が良いかな?」
「やっぱり凄いなお前!俺がいつザザンってわかったんだよ。」
ザザンは心底楽しそうに聞いてくる。
「さぁどうなんだろうね。」
と笑って答える。するとザザンは、
「1つ聞きたい事があるんだが聞いていいか?」
「答えれる物ならね。」
「噂で『死神』は目が見えないって聞いたことがあるがそれは本当か?」
とザザンが聞くと龍斗の体が一瞬震えた。
「なるほど、本当らしいな。なら次の質問だ。なんで目が見えない状態で俺の攻撃を避けられる?」
そんな誰もが抱く質問を投げ掛けてくる。
それはそうだろう目が見えないのにザザンの速い斬撃を避けれるはずがない。ならばどんな仕掛けがあるのかと、ザザンは思っていた。
それを龍斗は、
「音と魔力探知の応用だよ」
そう答え、続けた
「俺は常に相手には聞こえない超音波を放っている。それの反響を使って地形を把握したり、相手の位置を探る。まぁ蝙蝠が使うそれと変わりないね。それと、魔力探知の応用だけど、お前たちは、常に魔力が体を覆うように発している。俺はそれを探知し輪郭だけだが、お前の体が見えるんだよ。これらを組み合わせて地形と相手の位置を把握出来るようにしているってわけだよ。俺は見えて無いようで見えているんだよ。わかった?」
「ハハハハ…。やっぱりお前は凄いな!お前に殺されるなら本望だよ!」
ザザンは楽しそうに分かっている。
こいつは俺に勝つ気がないのかと思っていると、
「まぁ負けねがな!さぁお喋りはお終いだ!始めようこれが最後の殺し合いになるかも知れないからな。最後まで楽しみながら殺し合おう。」
そう言ってザザンは俺を殺そうと襲いかかる。
「俺も負けねよ!」
龍斗もそう言ってザザンを殺そうと襲いかかる。
ザザンが高速移動をし龍斗の後ろに回り込み剣を振り下ろす。龍斗はそれを素早く避け、ザザンに肉薄する。ザザンも近寄らせまいと素早く斬撃を放ち距離を取る。
龍斗は自分の足元に魔法陣を出し、
「エアロ!」
風魔法を体に当て一気に加速しザザンを殴りつける。
「ガハッ…!」
龍斗の一撃でザザンは血を吐いた。だが、龍斗の攻撃はここまでで終わらなかった。顔面、溝内、腹、いたるところに連打を叩き込む。ザザンは意識が一瞬飛ばされそうになるがなんとか持ち直し無理矢理に距離を取る。
今の攻撃でザザンの左腕を粉砕骨折、内臓を幾つもやられていた。もう立っているだけで限界の状態だった。
「…ハァ……ハァ……ハァ……………ハハハハハ!………ゴホッ…。」
ザザンは血を吐き楽しそうにしている。
「……やっぱ……強いな。………なぁ最後に……頼みたいこと……がある…んだが……いいか?」
ザザンは満身創痍のなか龍斗に尋ねる。
「なんだ?」
「……俺が死ん……だらこの剣を……貰って……くれないか?……俺の宝物……なんでな。……お前に……貰ってもらいたい。」
ザザンは騎士の命である剣を龍斗に託そうとしたのだ。
龍斗は断ろうとしたが、ザザンの真剣なオーラを感じ断れずに、
「わかった。お前が死んだら俺が引き取ろう。」
そう言うと、ザザンは、
「…サンキューな。……こいつは『妖刀 紅』っていうんだ。……俺は道を間違えたが……お前は間違えずに使ってやってくれ……。」
龍斗は無言で頷いた。
「じゃぁ最後だ!……全力でいくぞ!」
そう言ってザザンは『妖刀 紅』の能力を発動させ、俺に近づいてくる。
俺は、
「お前が全力で来るなら俺も神器を使って全力で相手をしてやる!」
そう言って、龍斗は叫ぶ、
「
龍斗の右手に金の宝玉が現れそれをそれを中心に真っ黒なドラゴンの籠手が現れ、龍斗はザザンに向かって疾走する。
次の瞬間森の一部が消し飛んだのだった。
龍斗の一撃によって。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
思いのほか、ザザンが長引いたので一旦ここまでです。
次のこそはバイサーまで行きます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。