白猫と盲目の龍人 〜断ち切れない気持ち〜   作:967

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正体

 

〜龍斗side〜

 

 

ザザンを討伐し、マスターの待つバーに帰る途中にある人物から連絡が入ってきた。

 

 

「はい、もしもし。」

 

 

『やぁ龍斗君、サーゼクスだよ。』

 

 

電話の向こう側から聞こえて来たのは、サーゼクスと名乗る人物だった。

 

 

「魔王様が何かようですか?」

 

 

『今日学校休んだって聞いてどうしたのかなと思って電話したんだよ。何かあったのかな?』

 

 

そうサーゼクスさんが言ってくる。このサーゼクスさんは魔王で、駒王学園の理事長なのだ。そして、俺の身体的障害を知っている人物でもある。

 

 

「いや、はぐれ悪魔狩りに夢中になって学校行くの忘れていただけです。」

 

 

『そう。学校はどうだい?君の体の事言ってないみたいだけど。』

 

 

龍斗がわかり易い嘘をつくが、サーゼクスは構うことなく聞いてくる。今1番聞いて欲しくない事を。

 

 

「凄く楽しいですよ。皆とたのs『龍斗くん!』…………。」

 

 

龍斗とが話しているとサーゼクスは言葉を遮る様にいう。

 

 

『君のことは君の担任から話は聞いているんだ。龍斗くんクラスに馴染めてないみたいじゃないか。』

 

 

「知ってるなら、聞かないで下さいよ。」

 

 

俺は少し口調を強めて言った。それはそうだろう。今自分の状況を知ってるのに龍斗自身からそれを聞こうとするのは拷問に近い。それが恩人になればなるほど。

 

 

『言った方がいいんじゃないかな。クラスの子達だって受け入れてくれるよ。』

 

 

「受け入れられなかったら?」

 

 

『…………………。』

 

 

そう言うと、サーゼクスは押し黙る。

 

 

「俺は、昔打ち明けて何をされたのかサーゼクスさんも知っていますよね。」

 

 

『ああ。』

 

 

「もうあんな目にあうのは嫌なんですよ。」

 

 

『龍斗くんの言いたいこともわかる。けど、今回は違うかもしれないんだよ。』

 

 

「サーゼクスさんありがとうございます。心配してくれるのは嬉しいんですが、……………すいません。」

 

 

サーゼクスさんは本当に俺の事を心配してくれるのは痛いほど分かる。けど俺はもう裏切られるのは嫌なんです。失うのは嫌なんです。

 

 

『わかった。この件に関しては龍斗くんに任せるよ。後もう一ついいかな?』

 

 

「…ありがとうございます。はい、大丈夫ですけどちょっと待ってもらっていいですか?」

 

 

『うん、大丈夫だよ。』

 

 

そう言ってくれたので俺は、三回程深呼吸をし、気分を落ち着かす。

 

 

「すいません、お待たせしました。それで何ですか?」

 

 

『これは『死神』としての君への依頼なんだ。』

 

 

一気に空気が変わる。さっきまでの暗い雰囲気ではなく、ピンっと張り詰めた空気になる。俺はもう一度、深呼吸をし、耳を傾ける。

 

 

「はい、何ですか?」

 

 

『そこまで難しい仕事では無いんだが、駒王町にはぐれ悪魔がいるようなんで、君に討伐をお願いしたいんだよ。』

 

 

「いいですよ。それでそのはぐれ悪魔の名前は何ですか?」

 

 

『バイサーってはぐれ悪魔だ。駒王町の廃工場にいると報告を受けているんでね、よろしくね。』

 

 

「わかりました。討伐報告後、討伐に向かいます。」

 

 

『あれ、報告の途中だったのか、済まないことをしたね。』

 

 

サーゼクスさんが謝ってくる。

ほんとサーゼクスさんは優しいな。俺なんてただの赤の他人なのに俺によくしてくれるなんていつか恩返しをしなくてわ。

そう思い、

 

 

「大丈夫ですよ。サーゼクスさんは気を遣いすぎですよ。これくらい平気ですよ。」

 

 

『ハッハッハ、性分なんでね。』

 

 

「いつもありがとうございます。」

 

 

俺は心からの言葉をサーゼクスに投げかける。

 

 

『ふふ、別にいいよ。それじゃあそろそろ切るね。』

 

 

「はい。」

 

 

そう言って電話を切る。

そして龍斗は足早にバーも目指すのだった。

 

 

 

 

 

〜人間界〜

 

 

マスターにザザンの討伐報告を済ませ、今駒王町の廃工場に来ている。中から悪魔の気配がある。それにこの血の匂いここで間違い無いだろう。

そう思い龍斗は廃工場の中に入って行く。

 

 

そこには、なんとも言いようが無い異型の悪魔がいた。

 

 

[あら、こんな所に来るなんて可哀想な人間だ事。私が美味しく食べてあげるわね。]

 

 

そう言うと、龍斗に襲いかかるが、龍斗は逃げようとはせず、

 

 

「こいつの試し斬りには打って付けだな。」

 

 

と言って、腰に着けていたザザンの愛刀『妖刀 紅』を抜く。その刀身は名前の様に紅で染まり、血を連想させる物となっていた。

バイサーは龍斗を踏み潰さんとばかりに前足で踏みつける。

龍斗はそれを最小限で避け、バイサーの前足に紅を振るった。紅はバイサーの前足を豆腐を切るかの様に切り裂く。

 

 

[ギャァァアァァァアァァアァ!]

 

 

バイサーは甲高い声をあげ怯む。龍斗は剣術を習ったことがない為、そこで試し斬りをやめ、魔法で相手をすることにする。

 

 

(今度から、剣術でも誰かに習おうかな。)

 

 

と思いバイサーに意識を集中する。

 

 

[人間風情がよくも私に傷を負わせたなぁぁあぁ!グチャグチャにしてやる。]

 

 

といい持っていた槍を龍斗に突き刺そうと突進して来る。

俺は小さな魔法陣を周りにいくつも作り、

 

 

「オール・ファイヤッ」

 

 

龍斗が詠唱すると魔法陣から小さな火の塊がバイサーに殺到する。バイサーは避けようとするがもう遅かった。バイサーの体中に火の塊が炸裂する。

 

 

[ガァァァァ…ァァ…………ァ………………………。]

 

 

段々とバイサーの叫び声が小さくなっていく。そこで俺は魔法陣を消す。

爆炎が晴れるとそこには、体の至る所に火傷や消し飛んでいるバイサーの姿があった。

 

 

[………ァ…………………ァ…………ァァ……。]

 

 

龍斗はバイサーにとどめを刺そうとした時、

 

 

「はぐれ悪魔バイサー。貴方を消滅させに来たわ。」

 

 

声のする方を向くと、悪魔が5人いた。

 

 

「そのはぐれ悪魔は、貴方がやったのかしら。」

 

 

と1番強そうな悪魔が聞いてくる。

 

 

「…………………………………そうだが。」

 

 

俺は答えるか迷ったが面倒事に巻き込まれると思い答える。すると悪魔が、

 

 

「そういえばあなた、前に会ったことあるわよね。一誠が死んだ時いたわよね?」

 

 

「さぁどうなんだろうな。あまり覚えていないな。」

 

 

そう言って俺は廃工場を後にしようとするが、悪魔が龍斗を取り囲む。俺はため息をつき、

 

 

「これはどういう意味だい?」

 

 

「このまま貴方を帰す訳にはいかないわ。この町は私の管轄なの。はぐれ悪魔狩りが私の領地で何をしているか聞かなくちゃいけないのよ。」

 

 

そう言って悪魔達が戦闘態勢を取る。俺も戦闘態勢に入ろ。

 

 

「もしかしてやろうっていうの。この戦力差で。しかもあなた、人間なのよ。」

 

 

「俺は人間じゃねーよ。俺は……………バケモノだよ!」

 

 

と叫び襲いかかる。

龍斗はまず小柄な悪魔に接近し、殴りにかかる。

小柄な悪魔も龍斗に接近しする。

 

 

「えい。」

 

 

そう言ってパンチを放ってくる。俺はそれを避け、殴りかかろうとするが、魔力を感じ飛び退く。すると轟音と共に俺がさっきまでいたところが消滅する。

 

 

「チッ」

 

 

俺は舌打ちをし、魔法陣を展開する。

 

 

「ファイヤッ!」

 

 

と叫び悪魔に向けて炎の塊を放つが、

 

 

「雷よ!」

 

 

雷によって相殺される。龍斗は顔をしかめるが、後ろに気配を感じ避ける。

 

 

「今の避けられちゃうか。」

 

 

そう言って男の悪魔は刀を持ち再度接近してくる。俺は斬撃を全て躱し、距離をとったところにまた小柄な悪魔がまた攻撃を仕掛けてくる。龍斗は小柄な悪魔の渾身の右ストレートをうまく掴み地面に叩きつける。

 

 

「グッ」

 

 

小柄な悪魔は叩きつけられたことでうめき声をあげる。

俺は、その悪魔に全力で殴ろうとした時、

 

 

「「「「小猫(ちゃん)!」」」」

 

 

と他の悪魔が叫ぶ。そこで龍斗の手が止まる。

 

 

「塔…城…さん……。」

 

 

そう言って龍斗の動きが止まる。

 

 

「え……?」

 

 

これを期にと男の悪魔が龍斗を取り押さえる。

だが、龍斗は抵抗しなかった。いや、できなかった。

まさか自分が戦っていたのが、クラスメイトだったことに驚き動けなかった。

 

 

「よくも私のかわいい下僕を。」

 

 

と言って、悪魔は魔力を溜めている。

 

 

「消す前に、あなたの顔を見ておくわ。祐斗」

 

 

「はい、部長。」

 

 

そう言って男の悪魔が龍斗の包帯取り始める。

 

 

「おい!ヤメロ!」

 

 

そこで龍斗は抵抗するが、遅かった。

 

 

「中島……君?」

 

 

「小猫知ってるの?」

 

 

「……はい。クラスメイトです。」

 

 

「そう。………中島君と言ったかしらね。あなたを今からオカルト研究部の部室に運ぶわ。同行を願えるかしら。」

 

 

そう龍斗に投げかける。

龍斗は無言のまま頷くだけだった。

 

 

「ありがとう。帰ってから詳しく話を聞かせてもらうわ。それじゃあみんな帰るわよ!」

 

 

「「「はい、部長!」」」

 

 

そう言って悪魔達と俺はオカルト研究部の部室に転移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます。
宣言道理バイサーを倒すとこまで書きました。

さてさて次回のお話は龍斗君の秘密がいよいよわかります。龍斗君の過去に何があったのかを書いていきたいので楽しみにしていて下さい。


それとお気に入り登録が40になっていたのにはびっくりしました。こんな駄文にお気に入り登録していただきありがとうございます。よかった感想も欲しいです。


それではおやすみなさい…………。
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