白猫と盲目の龍人 〜断ち切れない気持ち〜   作:967

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強奪

~龍斗side~

 

 

龍斗が目を覚ます。時刻は4時半。

 

 

「結構いい時間に起きたな。さて、いつもの筋トレでもするか!」

 

 

そう言い龍斗は動ける格好に着替え、中庭に出た。

まだ、日が登って無いのか、少し肌寒いが動いていれば問題ないので龍斗は気にせずに筋トレを始める。

筋トレを始めて1時間近くたった頃、二階から誰かが降りてくる音がする。アーシアさんが起きたのだろう。

 

 

「……龍斗さん………おはよう………ございます…………。」

 

 

アーシアはまだ、寝ぼけているらしく所々間が空いている。

 

 

「アーシアさんおはようございますまだ、寝ぼけてらっしゃいますか?」

 

 

「…………いえ、………私は起きてますよ……。」

 

 

アーシアはそう言うものの凄く眠そうな声をあげる。龍斗はアーシアさんの目も前に行き、

 

 

パンっ!

 

 

「キャっ!」

 

 

猫だましをした。寝ぼけている時にはこれが一番よく効く。俺も小さい頃は父さんによくやられたものだ。

アーシアは尻餅を着いて何が起ったのかわからず周りをキョロキョロ見ている。これはちょっとやり過ぎたかな?少し後悔しながらアーシアさん手を差し延べる。

アーシアもその手を掴み立つことができた。

 

 

「すいませんでした。まさかここまで驚かれるとは思いませんでした。」

 

 

「いいえ大丈夫です。元は寝ぼけていた私がいけないのです。それを龍斗が起こそうたしただけですから。」

 

 

「そう言ってもらえると助かります。それにしても早起き何ですね。まだ、日が登ってないっていうのに。」

 

 

「え?」

 

 

龍斗がそう言うとアーシアは素っ頓狂な声をあげる。

 

 

「もう日が登り始めてますよ?」

 

 

「あぁそうでしたか。もうそんな時間ですか。因みに今何時ですか?」

 

 

「え?え~と、今は5時50分です。」

 

 

今日は筋トレに熱が入ったのか、予定時間を超えていた。

 

 

「……あの~龍斗さん?」

 

 

「どうしました?アーシアさん。」

 

 

「どうして私に時間を聞いたのですか?」

 

 

アーシアは素朴な疑問を投げかけた。それはそうだろう。変な話、自分で時計を見れば分かる事なのにわざわざ人に聞く理由が分からなかったからだ。

 

 

「あれ?話してなかったっけ?」

 

 

「なのをですか?」

 

 

「俺、目が見えないんだよ。」

 

 

その瞬間アーシアの表情が凍りつく。自分がとんでもない事を聞いてしまったからだ。

 

 

「すいません!こんな事聞いてしまって!」

 

 

慌ててアーシアが謝罪するが、龍斗は特に気にしてないみたいだった。

 

 

「話してなかった俺が悪いし、見えて無いって言っても相手の位置はわかるんで、そこまで苦労はしてませんよ。唯一苦労してるのは相手の顔が分からないって事だけですね。今もアーシアの顔は見えませんが、輪郭だけならわかるんです。」

 

 

「そうだったんですか……。っ!もしかしたら私の力で治せるかもしれません!」

 

 

「多分無理だよ」

 

 

「何故ですか?」

 

 

「俺の目、何処にも異常が無いんだよ。」

 

 

「え?」

 

 

アーシアは何を言っているのか分からなかった。正常だった見えなくてはいけないのに見えない。何故?そんなことが起こってもいいのかと思っていた。

 

 

「だから多分無理だと思う。異常が無いのに癒しても変わりはないしね。」

 

 

「そんな………。」

 

 

「大丈夫ですよ。俺は今の生活に満足していますから。」

 

 

龍斗は笑って言うがアーシアの顔は険しかった。

相手の一番聞かれたら嫌な部分を聞いてしまったのだ。罪悪感に見舞われてもおかしくはない。

すると龍斗が、

 

 

「アーシアさんが落ち込まなくてもいいよ。」

 

 

龍斗はアーシアの肩を持ち笑いかける。

 

 

「でも私は、龍斗さんの聞かれたく無い事を聞いてしまった自分が嫌なんです。」

 

 

「それはお互い様だよ。」

 

 

龍斗はアーシアの頭を撫でながら言う。

 

 

「昨日俺だって、アーシアさんの辛い過去を聞いちゃってるしおあいこだよ。」

 

 

「私の過去なんて対したことではありません。」

 

 

「いや、充分辛い事だと思うよ。自分が正しいと思った事をして教会を追われるなんてね。」

 

 

「それでも………。」

 

 

「じゃぁさ。俺と友達になってよ!」

 

 

「友達ですか?」

 

 

「そう。もし俺が助けて欲しい時は助けてくれてた嬉しいし、もしアーシアさんが助けてを求めるなら俺はいつでも助けに行くよ。」

 

 

「龍斗さん……。」

 

 

そう言ってアーシアさんが泣き出してしまった。

なんで?

 

 

「え?アーシアさんどうしたんですか?」

 

 

「…い、いえ。……嬉しくて…………グスッ。」

 

 

どうやら嬉し泣きのようだ。龍斗はホッとした。もしかしたら自分と友達になるのが嫌なのかと思ったからだ。

 

 

「じゃぁ友達になってくれる?」

 

 

龍斗はそう言ってアーシアの前に手を出す。アーシアはそれを握り、

 

 

「はい。よろしくおねがいします。」

 

 

そう言ってくれた。俺は嬉しくなって笑顔で返す。すると、

 

 

 

「いつまでイチャイチャしているんですか龍斗くん?」

 

 

「クッソー!龍斗!羨まし過ぎるわぁぁぁ!」

 

 

振り返ると、小猫ちゃんと一誠先輩が玄関からこっちを見ていた。そして何故か小猫ちゃんから負のオーラを感じるなんでだ?

 

 

「小猫ちゃんと一誠先輩は何時からそこに?」

 

 

「『じゃぁさ。俺と友達になってよ!』の所からです。」

 

 

「なら声かけてよ!」

 

 

「そんな空気じゃなかったんだよ龍斗!なんでお前アーシアとあんな雰囲気になってんだよ!はっ!もしかして昨日の夜に何かあったんだな?そうなんだな?」

 

 

一誠先輩が凄い勢いで俺に近づいてくる。

しかもなんか勘違いもしてるし。アーシアも何か言って欲しいのだが。と思いアーシアの方を見ると、

 

 

「そ、そんな……昨日の夜は……何もありませんでした!」

 

 

なんか恥じらいながら言ってる。

アーシアさん?それだとなんかあったみたいに聞こえちゃうじゃないですか。俺は恐る恐る2人の方に顔を向けるが、

 

 

「昨日何かあったみたいですね。それは聞かせて貰わないと。」

 

 

「龍斗、お前は俺の敵だぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

二人から怒りのオーラが見える。特に小猫ちゃんのオーラが凄い。

 

 

「小猫ちゃん、一誠先輩誤解です。話を聞いて下さい!」

 

 

「「問答無用!」」

 

 

そこで俺の意識は無くなった。

気が付くとみんな居なくなっており、時刻が6時半を過ぎていた為、すぐにシャワーを浴びて学校に行くのだった。勿論朝食は抜きだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み俺は部室に来ていた。

昨日聞き出した、堕天使の情報を部長に言う為だ。

その間も小猫ちゃんが不機嫌で、たまに俺の足を蹴ってくる。何度も謝る事を10分、今度の休みに2人で遊ぶ事で許してもらえる事になった。

 

 

 

「龍斗ありがとう。これで作戦が立て易くなったわ。」

 

 

「いえ、俺は当然の事をしたまでです。」

 

 

「それでそのアーシアってシスターはどこにいるの?」

 

 

「一誠先輩が学校サボってデートしてるそうです。」

 

 

俺は今朝の恨みを込めて先輩にばらす。言わないでくれと頼まれていたが、俺はそんなに優しくない!やられたらやり返す。それが俺の心情だ!

 

 

「あの子学校サボってデートしてるの。いいご身分ね。」

 

 

部長も怒ってるみたいだ。『計画どうり』とにやりと笑う。

 

 

「……龍斗くん悪い顔してますよ。」

 

 

「そんな事無いよ小猫ちゃん。気のせいだよ。」

 

 

「………………………………………。」

 

 

小猫ちゃんがジト目でこっちを見ている気がする。

やばい、これでは、また朝みたいなってしまう。

そう思い俺は話を変える。

 

 

「小猫ちゃん。今度の遊びに行く時どこに行きたい?」

 

 

「……龍斗くんの行きたいところなら何処でもいいです。」

 

 

「うーん。そう言われると困るな〜。」

 

 

俺は考える事にした。

遊園地は安直過ぎかな?じゃぁ水族館?それともショッピング?どれがいいんだろう?…………そうだ!

 

 

「小猫ちゃんって甘い物好きだよね?」

 

 

「はい。大好きです。」

 

 

小猫ちゃんが食い気味によってくる。

小猫ちゃんはいつも部室で甘い物食べてるから甘い物が好きとは思っていたけどこの食いつき様、正解かな?

 

 

「それじゃあ今度の休みケーキバイキングに行かない?」

 

 

「行きます!」

 

 

「それじゃあ決まりだね!時間とかは後で決めるから決まったらメールするね。」

 

 

「はい!楽しみにしてます。」

 

 

「そう言ってもらえて嬉しいよ。」

 

 

ここまで喜んでくれるとは思わなかった。やっぱり嬉しいね喜んで貰えると。

そして俺は小猫ちゃんの頭を撫でる。

 

 

「………ふにゃぁぁ……」

 

 

まるで猫みたいな反応を見せる。しかも声は凄く色気のある声だった。面白いなと思い頭を撫で続ける。その度に色気のある声を出してた。

 

 

「朱乃、ブラックコーヒーを入れて頂戴!しかも飛び切り濃いやつを!」

 

 

「はい、部長。私も欲しかった所です。」

 

 

部長と朱乃がこの甘い雰囲気に耐えきれずブラックコーヒーでなんとかこの甘さを紛らわす。

この時龍斗は、「部長と朱乃さん眠いのかな」と的外れな事を思っていた。

因みに小猫ちゃんは最終的に龍斗に体を預けてビクンビクン震えていた。どうしたのかな?

 

 

 

 

 

 

そして放課後、一誠先輩が堕天使に襲われてアーシアが連れ去られたそうだ。

 

 

パンっ!

 

「イッセー駄目よ!シスターの救出は認められないわ。」

 

 

「なら俺一人でも行きます。やっぱり儀式ってのが気になります。俺はアーシアと友達になったんです。このままじゃアーシアがどんな事をされるかわからないんです!」

 

 

「行けば確実に殺されるわよ!もう生き返るれないのよ!それにあなたの行動が他の子にも影響を影響を及ぼすのよ!あなたは私の眷属なのそれを自覚してちょうだい!」

 

 

部長と一誠先輩が言い争っている。

二人の意見も分かる。俺もアーシアと友達だから今すぐにでも助けに行きたいこれは一誠先輩の言う事は分かるが、同時に部長の意見も分かる。部長は自分の眷属をみすみす死なせに行かす訳には行かないし、教会に攻め行ったっという事実からまた戦争を始める火種を作りたく無いと思っている。どちらが間違いとかではない。どちらも正解だ。一誠先輩は最近悪魔になってようやく戦争の事を知った程度だ。今自分がしようとしている事の意味もあまり分かっていないだろう。

 

 

「では、俺を眷属から外して下さい。俺1人だけでも教会に乗り込みます。俺はアーシアを、友達にを見捨てることが出来ません。」

 

 

俺はおもむろに立ち、一誠先輩の前に立つ。

 

 

「なんだ龍斗、今部長とはしてるんだ!」

 

 

「一誠先輩歯を食いしばって下さい。」

 

 

「え?」

 

 

バキッ!

 

 

「っ!?」

 

 

龍斗がイッセーを殴り飛ばしたのだ。

リアス達も目を見開いて驚いていた。一番驚いていたのはイッセーだろう。何が起ったのか分からない顔をしていたが直ぐに表情が険しくなり龍斗に掴みかかる。

 

 

「何するんだよ龍斗!!」

 

 

「1回頭を冷やした方がいいと思いまして。」

 

 

「なんだと!」

 

 

「イッセーやめなさい!龍斗あなたもどうしたの!」

 

 

部長が俺とイッセーの間に割って入る。

 

 

「こんな頭が固い人は一旦落ち着かせて冷静な判断をしてもらおうとした結果です。」

 

 

「どういう意味だよ!」

 

 

イッセーは龍斗にガンを飛ばす。龍斗はそれをモロともしないで、今度は逆にイッセーに掴みかかる。

 

 

「なんで一人で行こうとすんだよ!」

 

 

「え?」

 

 

イッセーは龍斗が何を言っているかわからない。さっきまでまるで反対みたいな態度をとっていたのにと思っていた。だが龍斗はまるで自分も行くと言っている。

 

 

「力も無いくせにカッコつけて1人で行くなよ!もっと頼れよ!俺達はそんな頼りないのか?」

 

 

「そんなんじゃ………。」

 

 

「じゃぁもっと頼れバカ!一人で行って死のうとするなよヘタレ!カッコ悪いぞ変態!」

 

 

「そこまで言わなくても………。」

 

 

「もう俺は誰も失いたく無いんだよ………。」

 

 

「龍斗……………。」

 

 

そう言って龍斗と一誠は黙り込む。

そして龍斗はリアスの方を向き頭を下げる。

 

 

「一誠先輩と俺でアーシアさんの救出に行かせて下さい。」

 

 

「私からもお願いします。」

 

 

「僕からもお願いします。」

 

 

俺に続いて小猫ちゃん、木場先輩も頭を下げてくれた。これは心強いな。

 

 

「はぁ、本当に貴方達は……。」

 

 

「部長、少し……。」

 

 

朱乃さんが部長に耳打ちをする。

 

 

「大事な用事が出来たわ。私はこれから朱乃と外に出るわ。………………イッセー、『兵士』にはプロモーションっていう能力があるの。」

 

 

「プロモーション……。」

 

 

「えぇ。相手の陣地に赴いた時出来る能力よ。王以外の駒の特性を得られるようになるの。」

 

 

「それって木場の『騎士』や龍斗の『戦車』にもなれるって事ですか?」

 

 

「そうよ。イッセー最後に神器は思いの強さが強けれれば強い程、神器は答えてくれるわ。そこは覚えておきなさい。」

 

 

そう一誠先輩に行って俺の横を通る。通り際に部長が、

 

 

「イッセーをよろしく頼むわよ。」

 

 

「はい。部長もお気を付けて。」

 

 

「っ!……ほんとにあなたには驚かされてばかりだわ。任せたわよ。」

 

 

「任されました。」

 

 

そう会話して部長達が部室から出て行った。

 

 

そして龍斗は一誠先輩達を見て、

 

 

「さぁ行きましょう!アーシアさんを救出しに!」

 

 

「はい。」

 

 

「うん。」

 

 

「絶対救い出してやる!」

 

 

 

そう言って俺達もアーシアさんを救出する為に教会へ向かうのだった。




最後まで読んでいただきありがとうございます。
いかがだったでしょうか?


次回予告で次でおしまいとか言ってましたがあれは嘘だ!
多分後2話ぐらい入ります。すいません約束守らいないで


さて本編の話をなんですが。主人公が主人公してる事に驚きを隠せない回でしたね。まさか龍斗くんがあんなに熱い人物だったとは作者である私も驚きです。あんなにカッコイイと見せれて小猫ちゃんの好感度がまた上がりましたね。
やったね龍斗、好感度が増えるよ。



それではさようなら( ´ ▽ ` )ノ


感想・評価待ってます。


後、もう一つ小説を書き始めたので良かったらそちらもどうぞ。
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