転生して主人公の姉になりました。ダンまち編《凍結》   作:フリーメア

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先月は投稿できず申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁあ!!!(スライディング土下座 )
和葉「そして今月はもう一つの作品が投稿出来ない、と。そして相変わらず駄文ですね」
いや、うん、ホントスミマセン…
和葉「さて、言い訳はありますか?」
…受験で忙sザシュ「ダウトです」ギャァァァァァア!?
和葉「君、推薦取れたでしょう?他には?」
…チーン
和葉「返事がない、ただの屍のようだ。まぁ、茶番はさておき、どうぞ」


ソーマ・ファミリア

「いけません、ベル様!足元っ!」

 

「えっ?」

 

現在、ベル達は七階層にいた。《ヘスティアナイフ》を手に、キラーアントへと向かっていったベルはリリルカの警告に間抜けな声を出した。だが、ベルは数秒後に警告の意味を悟る。

 

『キィッ!』

 

「!?」

 

ニードルラビット。額に鋭い角を持つ兎のモンスターが死角からベルに迫った。武器の材料に重宝される程のその角で、ベルの左足を狙う。ちょうど踏み込みの足だったため回避は間に合わない。

 

「っ!」

 

そのためベルは左足を折り曲げ、プレートを装着している膝を突き出した。瞬間、寸分違わず一角兎の角は膝当てにガードされる。甲高い金属音が聞こえ、ベルはバランスを失いながらも、すれ違いざまにニードルラビットの首をはねた。

 

『グシャァァァアっ!!』

 

そのタイミングを待っていたかのように本来の目標だった二匹のキラーアントが、両足が地に着いていないベルに襲いかかる。空中にいるベルに避けるすべはない。

 

「ふっ!」

 

だがベルは、振り払われた四本の鉤爪を空中で回転し斬り落とす。着地し難を逃れたと思い油断していたベルに、残りのキラーアントが迫る。まずいと思ったときにはもう遅い。顔を上げたベルの目の前には、口を大きく開いたキラーアント。死が近づくにつれベルの思考は真っ白になっていった。ベルが喰われるかと思い、リリルカが腰からなにかを出そうとしたその時、キラーアントが縦に真っ二つになった。

 

「全く、なに油断しているんですか」

 

キラーアントを斬ったのはため息をついている和葉だった。いつの間にか周囲にいたキラーアントも絶命していた。そして和葉はそのままベルの説教を始める。リリルカはベルが無事で安心しホッと息をついたのだが、思った。

 

(ここで説教しなくてもいいのでは?)

 

確かに今はダンジョンの中、しかも安全空間(セーフルーム)ですらないのだ。いつモンスターが産まれるか分からないのに何故、今説教をするのか。答えは簡単、産まれた所で即座に和葉が倒すからだ。和葉の気配察知を駆使すれば、産まれた場所に魔法で攻撃をするぐらい容易だ。(余談だが、リリルカが和葉の説教を見たのは初だ。)

一通り説教が終わったのか(ベルは魂が抜けたような顔をしている)、唐突に和葉はリリルカに気になったことを聞いた。

 

「そういえばリリルカさん、先ほどベルが襲われそうになったとき腰からなにかを出そうとしてませんでした?」

 

「うっ...気づかれてましたか」

 

本当ならリリルカは()()を見せたくはないのだが、この二人なら大丈夫だろうと思い腰から出した。リリルカが手に取ったのは、小さな紅のナイフ。それを見て和葉は興味深そうに呟いた。

 

「ほぉ、『魔剣』ですか」

 

『魔剣』とは魔力が籠もっている武器のことではなく、魔法を放てる武器のことだ。『魔剣』には使用回数があり、それを超えると壊れてしまう、威力も“一部の物を除けば”、正式魔法(オリジナル)より弱い。だが、これを使えばどんな冒険者でも魔法を使え、武器を振るうだけなので詠唱も必要ない。そのためかなり価値が高い。

 

「それは何を放出するタイプですか?」

 

「リリの持ってる『魔剣』は炎を放出するタイプです」

 

「それで助けてくれようとしてくれたんだ...。ありがとう」

 

「か、勘違いしないでくださいねっ!?ベル様を助けようとしたのではなく、ベル様がいなくなったら稼ぎが悪くなるから助けようとしただけですからねっ!?」

 

「え、えっと...?」

 

ベルが対応に困っているとリリルカがハッとなり「リリは何を言っているのですか...?」と頭を抱えた。さすがにフォロー出来なくなり、ベルは話題を変えた。

 

「と、所で、リリって『魔剣』持ってたんだね」

 

「え、ええまぁ。たまたま、リリの所に転がり込んできて...」

 

「ですが『魔剣』は使いすぎると壊れてしまいますよ?」

 

「和葉様の言うとおり、使いすぎると壊れてしまうのでリリはここぞという時にしか使わないようにしています。ですが、ベル様達を助ける為なら出し惜しみはしません!」

 

さっきと言っていることが真逆なのだが、リリルカ自身は気づいているのだろうか?

 

 

リリルカがモンスターから魔石を取り終えた後、三人は休憩ついでに昼食を取るために空間(ルーム)の中央に陣取る。壁際だとモンスターが産まれた瞬間に殺られる可能性があるのでダンジョンで休憩を取るときは大抵この位置で取る。

 

(そういえば、シルさんから貰ったバスケット返してないや...)

 

和葉の作った昼食を食べながらベルは、昨日シルから貰ったランチのことを思い出す。『豊饒の女主人』に通い始めてから、なにかと理由を付けられてシルからランチを受け取って(押しつけられて?)いるのだ。昨日はダンジョンから出たのが夜遅くだったので朝返そう、と決めたのだが...

今朝は寝坊をしてしまい、『豊饒の女主人』を寄る暇がなかった。そろそろ返しに行かないと後が怖い。

それから和葉達は雑談に興じた。コロコロと表情を変えるリリルカを見ながら、ベルは意を決してずっと思っていたことを言った。

 

「...リリ、昨日は【ファミリア】に行ってたみたいだったけど大丈夫だった?」

 

その言葉を聞いた瞬間、リリルカの顔が固まった。

 

「…何故そんなことを聞くのですか?」

 

「えっと...前聞いたときリリと身内(ファミリア)の人の関係があんまりよくないと思って...」

 

以前ベル達は、【ファミリア】でリリルカが孤立していることを彼女の口から直接聞き、敏感になってしまっている。リリルカが一人で【ファミリア】に戻ると聞いて心配するほどに。

 

「…心配していただきありがとうございます。ですがベル様達の心配しているようなことはおきていません」

 

「本当ですか?」

 

「はい。昨日は一ヶ月に一度ある集会のようなものでしたので」

 

「集会?」

 

「…長くなるので詳しい説明は省きますが、ようは一人一人が定められた金額を集めて納品する日です。先に言っておきますが、別にノルマを達成出来なかったからといって何か罰を受けることはありません」

 

「では逆に、ノルマをクリアすれば何か褒美はあるのですか?」

 

「はい。そして【ソーマ・ファミリア】の団員達は…ご褒美を受け取るために、ダンジョンに潜っている方がほとんどです…」

 

和葉の質問を肯定したが途中から言葉を濁し、最後の方の声は冒険者になっていなければ聞こえないほどに小さくなっていた。

 

「そ、そういえばさ、確か【ソーマ・ファミリア】ってお酒も販売してるんだよね?」

 

すぐにこのままではまずいと思ったベルは咄嗟に話題を変え、それに和葉も便乗する。

 

「あぁ、確か【ソーマ・ファミリア】の販売しているお酒はとても美味しいと評判ですよね。僕も一度でいいから飲んでみたいです」

 

「そう言えばオラリア(ここ)に来てから、まだ一度もお酒飲んでないね。ん~、そろそろ僕も何でもいいから飲みたいかも」

 

「ベル様達はお酒がお好きなのですか?」

 

ベルと和葉が酒好きなのが意外なのか、リリルカは首を傾げながら聞いた。

 

「ええまぁ、村にいた頃はよく祖父から分けて貰っていましたね」

 

「まぁ僕達がお酒を飲むようになったのもおじいちゃんのせいというかおかげというか…」

 

どういうことかとリリルカが聞けば、まだベル達が小さい頃、八歳くらいの頃に無理矢理、祖父に酒を飲まされたとのこと。そのせいでベルが二日酔いに陥ったようだ。和葉は?とリリルカが聞けば、自分はどうやら酒に強いらしい、と和葉は返答する。

 

「姉さんは本当に強いからねぇ。今まで一回も酔ったところ見たことないもん」

 

「【ソーマ・ファミリア】で販売されているお酒がどの程度強いか分かりませんが、多分いけるでしょう」

 

「お楽しみにしているところ申し訳ございませんが、『あれ』は失敗作ですよ」

 

リリルカの発言に、ベルは軽く目を見開いた。

 

「え、でもとても美味しいって評判なんでしょ?」

 

「失敗作ですら、それほどの美味だということです」

 

ベルは想像した。失敗作ですら数々の人が美味と称しているなら、本物はどんな物なのか。

 

「それなら僕も一度飲んでみたいかな」

 

「…やめといた方がいいですよ」

 

ベルは冗談で言ったつもりなのだが、リリルカに真面目に返され少し困惑した。

 

「お酒を造っているのは団員達ですか?」

 

和葉は空気を変えるためにまた話題を変えた。リリルカはそれに気づいていないのか、それとも気づいていてなにも言わないのか、和葉に便乗した。

 

「いえ、ソーマ様自身が造っています。それが、ソーマ様の()()のご趣味なので」

 

リリルカ曰く、神ソーマは完全な趣味神であるために、毎日趣味である酒造りに没頭しているらしい。眷属(自分)達には見向きもせずに。

それを聞いた二人は眉をひそめた。

 

「それって…」

 

「…ソーマ様はリリ達にステイタス更新とノルマのご褒美を与えてくれる以外はなにもしてくれません。団員達をまとめることも【ファミリア】の方針を決めることも…。よって、現在【ファミリア】の支配権を握っているのは事実上団長です」

 

「〖酒守(ガンダルヴァ)〗、でしたっけ」

 

和葉の呟いた名は【ソーマ・ファミリア】団長、Lv.2第三級冒険者であるザニス・ルストラの二つ名である。

リリルカの話を聞いた和葉は【ソーマ・ファミリア】の悪い噂の原因はザニスにあると予想した。と同時にザニスが自分の嫌いなタイプの人間だと確信した。

 

(少し、探ってみますか)

 

ベルとリリルカの為に調べるつもりのようだ。

一方のベルはというと

 

(なんか、嫌な予感がするなぁ…。具体的には近いうちに誰かが余計なことをして姉さんがブチ切れそうな予感が…。

 

 

 

…本っ当になにも起きませんようにっ…!)

 

祈っていた。和葉のスイッチが入らないように(自分のトラウマが刺激されないように)

だが、その祈りが無駄になることを知るのはもう少し後になってからである。




テッテレー、ベルがフラグを立てました~
和葉「…本当に僕ブチ切れるんですか?」
本当だぜ。今回のサポーター編で二回ブチ切れる予定


和葉「話題変えすぎじゃありませんか?ていうか話題変わってるんですか?」
うん、ゴメン。でも仕方ない、何故なら俺だからだ
和葉「何開き直ってるんですか。切り刻みますよ」
…もう…やって…んじゃん…ガク


あ、ベルの酒好きはオリジナル(のはず)です。実際に好きなのかは分かっておりません
和葉「君、ダンまちの小説持っているでしょう」
まぁね
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