ラブライブ!×ゴジラ 破壊神と九人の女神   作:Misma

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はぁ…この頃めっきり更新速度落ちてるなぁ…(苦笑)精進せねば…(汗)
この前、2016年公開されるシン・ゴジラのビジュアルを見たのですが、マジで怖すぎる…(ガクガク)
まるっきり初代ゴジラをそのまんま化け物にした奴じゃないですかやだー
自分の作中のゴジラのイメージはどっちかと言うと初代またはgmk寄りなのですが、こっちでもいけるかも…


宣告

 

「かよちん、怪我は大丈夫?」

「大丈夫! 頬を少し切っただけだから…」

足音が遠くに聞こえる中、二人の少女が無人の瓦礫の街を駆けていく。

星空凛と、小泉花陽だ。

彼女たちの体のあちこちに擦り傷があるが、気にしている様子はない。

「…みんな、大丈夫かなぁ…危険な目に合ってないかなぁ…」

花陽が俯いて心配そうな表情をしていると、凛は花陽の肩を、励ますようにポンポンと叩いた。

「かよちんったら心配性すぎ! みんながそんな簡単に死ぬ訳ないにゃ!」

久しぶりに凛の「にゃ」を聞き、花陽は少し安心した。

「うん、そうだよね…」

「でも…穂乃果ちゃんたちは無事かな? 海未ちゃんとことりちゃんが上手く説得してくれてたらいいんだけど…」

そう言いながら凛は自分たちのやって来た方向に振り向いた。

彼女の視界では、ビル街がまるで夕焼けに染まったように炎で一面を照らされていた。

「…携帯は?」

「ごめん、さっき瓦礫から逃げた時に落としちゃった…」

「…そっか…」

凛も、先ほど怪物によって落とされた瓦礫から逃げる時、アイドルグッズが入ったカバンと一緒に落としてしまった。これではメンバーたちと連絡を取ることが出来ない。

「二年生の行方はわからないし、残りのみんなはきっと心配してるし…私たち、どうしたらいいんだろう?」

「じゃあ、とりあえず私たちの街を目指そ!そうすれば家族とも会えるかも知れないし、みんなもいるかも知れない!」

「そうだね、凛ちゃん!」

目的が決まった彼女たちは、早速記憶を手がかりに廃墟になりかけた街の中を走っていった。

 

 

数分後、彼女たちはゴハンヤの前にいた。

花陽がお気に入りであったこの店は、今や天井は崩れ落ちてポッカリ穴が空き、中は柱やら瓦礫やらでぐちゃぐちゃになっていた。唯一、倒れて弱々しく点滅している看板が、目の前の景色がかつてその店であったと語っている。

「もう…あのキラキラしてて美味しかった白米、食べられないんだ……うぅ…あの時穂乃果ちゃんとダイエットした時でも、もっと食べておけば…」

歩きながら、今にも泣きそうな顔をする花陽に、凛は励ましの言葉を送る。

「かよちん、白米はいつでも幾らでも食べられるよ! ちょっとの辛抱だから!」

「でもぉ…」

その時だった。

 

 

 

「ヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ」

 

 

 

怪音が響いた。

思わず二人ともビクッと体を震わせ、辺りを見回す。

甲高い、まるで何かを擦り付けて出しているようなそれは、笑い声のようでもある。

あまりの喧しさに、二人は耳を塞ぐ。

「か、かよちん、変な声出さないでよぉー!」

「こんな音人間が出せるはずないよ、凛ちゃん!」

そう言っている間にも、謎の高音は耳の中でますます音量を増幅していく。

「一体何の音!? どこから響いてきてるの!?」

「ど、どうやらお店のカウンターから聞こえてるみたいだけど…」

花陽の視線につられるように、凛もカウンターの方を見る。

見たところ、何もない。ただ落ちてきた天井の柱や、窓ガラスが散乱しているだけだ。

だが一瞬、そのカウンターの物陰で何かの影が動いた。

「…ん?」

凛がもっとはっきり見ようと目を細めた瞬間。

大きな物音がしたかと思うとー

 

体長8メートルはあろうか巨大なヤゴのような生物が、周りの物をハサミで吹き飛ばし姿を現した。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「ダ、ダレカタスケテェー!!」

 

 

「!?」

 

 

車の中の芹沢一行は、突然聞こえた助けを呼ぶ声に驚きを露にした。

 

「い、今のは!!」

 

芹沢博士が小美人の方を振り向くと、彼女たちは緊張に張り詰めた顔で頷いた。

 

「おそらく…私たちが探している人です!」

 

「何かあったのかしら!?」

 

「嫌な予感がします…早く急いで下さい!」

 

芹沢は思い切りアクセルを踏み込んだ。体が座席に押し付けられる。

 

「どこにいる!?」

 

「そこの交差点を右です!!」

 

小美人の言う通り、芹沢は眼前の十字角を右方向へ急カーブした。

芹沢たちの目に飛び込んで来たのは、街灯に背中を付けて抱き合って震えている制服姿の二人の少女にハサミを掲げてにじりよっている怪物の姿であった。

 

 

 

「…メガヌロン…だと…!?」

 

 

 

芹沢は、驚愕の表情を浮かべた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

「もう…駄目だよ、凛ちゃん…」

 

花陽は顔を涙でぐしゃぐしゃにして、凛にピッタリ抱きついていた。

その視線の先には、彼女たちをそのハサミで引き裂かんと迫る、巨大ヤゴの姿がある。

 

「まだ…何か、生き残る方法があるはずだよ」

 

そう凛が言うと同時に、ヤゴは右のハサミを構えた。

 

「かよちん、しゃがんで!!」

 

花陽が凛の言葉に反応し、頭を下げた直後、ヤゴのハサミは街灯の柱を挟み込んだ。

二人の頭上で、メキメキと柱が折れる音が鳴る。やがてぶつ切りにされた街灯は重力に従い、二人のすぐそばに落下した。二人の目の前で、頂上に据え付けられたライトがガシャンッと音を立てて割れる。

 

「ひぃぃぃぃぃぃっ…」

 

座ったまま後ずさろうとする花陽と凛。

小賢しく逃げ回る獲物に、ヤゴは忌々しげな鳴き声を上げる。

 

「もう…もう、ダメ…」

 

覚悟を決めて目を瞑る。

 

その時、二人と一匹をまぶしい光が照らした。

何だろう、と凛たちは薄目を開けてその方向を見ると。

二筋の光がエンジン音を立てて猛スピードで凛たちに迫っていた。

 

「……車……?」

 

花陽がそう小声で呟いた瞬間、いきなり甲高いクラクションが鳴る。

 

「…!!」

 

凛は何かに気づき、ヘッドライトを怪訝に見つめているヤゴを見ながら、花陽に叫んだ。

 

「かよちん、あの車を避けて!」

 

花陽は突然のことに戸惑いを見せたが、すぐに彼女の意図を理解した。

 

「…うん!」

 

二人は車の進行方向上からすぐさま走って離脱する。

獲物に逃げられたことに気づいたヤゴは二人を追いかけようとした。

だが、横から入ってくる二つの光が視界を遮ってくる。

それを鬱陶しく思ったヤゴは目標をその光に変え、ハサミを振り上げた。

 

 

直後、自分がそれに吹っ飛ばされ、絶命するとは知らずに。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「あっ…ありがとうございますっ!!」

 

花陽がさっきから何度も頭を下げて芹沢博士に礼を言う。

 

「ま…まさか車が突っ込んでくるとは思わなかったにゃ…」

 

凛が未だに信じられないといった顔で見た先には、仰向けになったヤゴの死体と、ヘッドライトが壊れた車があった。

 

「怪我はないか?」

 

「大丈夫です!」

 

「凛も!…でも、何でおじさんたちは凛たちを救ってくれたの?」

 

芹沢が少し返答に困っていると、車の中からグレアム博士が上半身を乗り出した。

 

「お嬢さんたち、申し訳ないけど、ちょっと今は状況説明している暇が無いの。詳しくはあなたたちの仲間を救ってから話すわ」

 

凛と花陽は「仲間」という言葉を聞き逃すことはなかった。

 

「『仲間』…? 何でおじさんたちがμ’sのことを知ってるの?」

 

警戒心を抱く凛に、花陽が進言する。

 

「…凛ちゃん、ここはこの人たちに付いていこう? 私たちを救ってくれたんだし、みんなに会えるかも知れない…」

 

花陽の言葉に、凛は少しの間の後、黙ってコクリと頷いた。

 

「時は一刻を争う。すぐに乗ってくれ」

 

芹沢はそう言って後部座席を指差すと、運転席に戻っていった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

暗闇の中、黒き山が背中に青い光をたぎらせながら、業火の中を動いていく。

場所は神田及び秋葉原付近。

誰もいない街で、真姫やにこたち四人は怪物の進行方向と並列するように走っていた。

 

「嘘でしょママ!?まだみんな避難してないって…もうすぐそこに来てるのよ!?」

 

スマホを片手に通話しているにこの表情は、焦燥に駆られている。

 

「…そう、あの子達が……何を言っても、引きずってでも連れていって。そのままじゃ、全員巻き込まれるわ。うん、分かった。じゃあね」

 

メンバーたちが心配そうに見つめる中、にこは通話を終了した。

 

「…妹達が、家から離れたくないって言ってたらしいわ」

 

「…やっぱり、にこっちのところは大変なようやね」

 

希にそう言われたにこは希に振り向いた。

 

「みんなの家族はどうなの?もう避難したの?」

 

「真姫ちゃんのところは、パパママ両方避難したって。

えりちのところは、亜里沙ちゃんがまだ行方不明。

穂乃果ちゃんたちのところには今から電話するつもりやで」

 

「……本当に…何が起こっているの? こんなの…信じたくない」

 

さっきの熱線を見たショックからか、真姫は体育座りになって顔を両足に埋めていた。

 

「…とにかく…私はどこか安全なところで家族と連絡しながら落ち合うべきだと思うわ。今に、ここにも火の手が迫ってくるわよ」

 

絵里がそう言って視線を後ろに向けた先では、怪物の通った後から発生した火事が、次々に範囲を広げつつあった。

 

「ねぇ…」

 

にこの突然の呼び掛けに、三人は何事かといった顔で彼女の方を見やる。

にこは携帯の画面を見ながら緊迫した声で呟いた。

 

「みんな、ヤバいわよ」

 

メンバーたちの空気が、一瞬のうちにピンと張り詰める。

「…え? どういうこと?」

「海未から送られたメールなんだけど…

 

 

化け物がオトノキの方に向かってて、穂乃果がそれを追ってるって」

 

 

―――――――――――――――――

 

「穂乃果! 待って下さい!!」

 

「穂乃果ちゃん! 待って!!」

 

制止の声を振り切って、穂乃果は学校へ走っていた。

 

それはつい五分ほど前のことだった。

 

―――――――――――――――――

 

穂乃果たちは神田駅の辺りを北上した後、遥か遠くに見える火事を見ながら、火花が舞う廃墟の中を歩いていた。

海未が辺りを見回す。

 

「…ひどい光景ですね」

 

彼女たちが見慣れていた日常風景は、原型を留めぬほどに破壊されていた。

そこは、いつも彼女ら三人が、学校から帰る道中で別れる、万世橋。

橋は何かで焼ききれたように真ん中で崩れ、溶けた鉄骨が痛々しく露出している。

ことりは高温のせいか溶けた水飴のように変形した手すりを擦り、そこに流れる川を見た。

その流れを彩るのは、かつての深く濁った緑ではなく、薄暗くどんよりとした灰色。

ふいにことりは川の表面にたくさん浮かんでいる何かを見つけ、彼女は言葉を失った。

 

「…カメさんたちが…」

 

ことりが毎朝コンクリートの護岸に張り付いているのを見る度に、挨拶して手を振っていたカメたち。

その彼らが今はプカプカと水上に浮かんでいる。

 

「原因は分かりませんが…恐らくあの光が川に当たって急上昇する水温に耐えられなかったのでしょう…」

 

海未が気の毒そうに言うと、ことりの頬を涙が伝い、声もしゃっくりが混じり始める。

 

「…何で…こんなことするの…」

 

すると、穂乃果が川を見下ろしながら呟いた。

 

「あ、何かたくさん流れてくる」

 

穂乃果の言葉に、二人は同じ方向に視線を移した。

確かに、何かが向こうからゆっくりと川を下ってくる。

やがてそれが何であるかはっきりと分かる時になり――彼女たちは思わず悲鳴を上げた。

 

人々の焼けただれた肉体。

 

川を埋め尽くすほどのそれらが、何の音も出すこともなく、不気味なほど静かに彼女たちの前を通り過ぎていく。

それは皮膚がめくり上がり、骨が露出し、目は飛び出、お化けのような姿で、性別すら分からなかった。

彼女たちは何も言うことすらできず、青ざめた顔でしばらく硬直していた。

 

「これ以上は気がおかしくなります!」

 

海未は沈黙を破ってそう叫び、目を背けた。

それに従うように、穂乃果とことりも川から目を離した。

 

「……でも…ここからどうやって家に帰るの? 万世橋は壊れちゃってるのに…」

 

家が神田川より向こうにある、穂乃果の視線が恨めしげに万世橋に向けられたとき、ことりのスマホが着信を伝えた。

 

「あっ…お母さんからだ」

 

ことりはスマホを耳に当てると、相手と会話を始めた。

穂乃果と海未は黙って手すりに腰を下ろし、ことりの会話が終わるのを待っていた。

 

「うん…私たち、万世橋にいるの…良かった、お母さんはもう避難したんだね。

…え?」

ことりの表情が凍りつく。

彼女に向けられる、二人の視線。

ことりは少しの間の後、ゆっくりと確認するように呟いた。

 

「…本当なの?

 あの生物がオトノキに向かってるって」

 

見開かれる、穂乃果の瞳。

海未はビクッとして彼女を見つめる。

ことりは、今の事実を驚きそのままに言ってしまったことを今になって後悔した。

特に、穂乃果の前で言うのは禁物だった。

 

「うん、分かった。じゃあ、また連絡するからね…」

 

ことりは少し急ぐようにスマホの通話を切ると、すぐに操り糸が切れた人形のように手すりに座っている穂乃果の方に向いた。

 

「…私たちの…学校に…」

 

フラフラと手すりから腰を上げると、穂乃果は亡霊のような消え入りそうな声で呟いた。

 

「あの…化け物が…」

 

二、三歩足を踏み出す。

 

「ほ、穂乃果、ダメです! 今行って、どうなると言うのですか!?」

 

「そうだよ、穂乃果ちゃん! まずはみんなと会おうよ!」

 

「…行かなきゃ…」

 

幼なじみの声も耳に入っていないのか、彼女は止まるどころか走り出した。

 

「穂乃果!!」

 

「穂乃果ちゃん!!」

 

――――――――――――――――

 

「…私があの時、大声を出さなければ…」

 

ことりが穂乃果を追いかけながら、自分を責めるように俯く。

 

「アレで驚かない方が不自然ですよ。それに、今でなくとも穂乃果はきっと、いつかは学校に向かっていたでしょう」

 

海未は決して誰のせいでもないと、ことりを宥めた。

 

「…それよりも…本当に学校にアレが向かっているのでしょうか…どうかルートがそれてくれれば良いのですが…」

 

「…私は来て欲しくない。あそこは…この大切な街の中でも、一番思い出の詰まった場所だから…」

 

数時間前に三人で目を瞑ったあの時にちょうど誓ったばかりだ。

あの場所は、自分たちの今までの悲喜こもごもを込めた思い出、想いに溢れた、μ’sにとって、みんなにとってなくてはならないモノなのだと。

 

「…どうか…来ないで下さい…!!」

 

―もうすぐでみんなの物語が叶えられるのに、突然訳も分からずやって来て壊さないで。

これ以上この街を、人々を、夢を傷つけないで―

 

 

少女たちは、切実なるも儚い願いを抱いていた。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

鬱陶しい。

 

 

足元に絨毯のように広がる、ただ鬱陶しく、そして憎たらしい光。

それを踏みつけて潰す度、熱線を吐いて焼きつくす度、足下の「蟻」達は呆気なくプチプチ死んでいく。

それらを、彼は瞬きもしない目で見下ろしている。

その目は、もはや生き物がして良い目ではない。

血も涙もない、怪物としての目である。

もっと、もっと壊さねば。

呼び掛けてくる本能に答え、彼は歩を進める。

 

目の前にある無限の光を、全部踏みにじるため。

 




まぁ、残念ながらゴジラさんには皆の願いは届かないようです…orz
次は前半クライマックス、といった具合ですかね。悪い意味で(殴
イヤーsidは良いですね~。μ’s一人一人に愛着がめっちゃ湧いてきますw
小説書く上で、資料にもなるし、モチベーション上昇にも繋がります!
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