ラブライブ!×ゴジラ 破壊神と九人の女神   作:Misma

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またまたまた遅くなってもうた…すいません!(土下座)
春期セミナーやら、ファイナルライブやらで疲労したり、泣きすぎて喪失感に苛まれたり、いろいろ有りまして…(汗)
本当にファイナルライブは途中で手足の痙攣が止まらなくなって後輩の隣で涙を流してしまうほどでして…改めてラブライブ!という作品を好きになって良かったと思います。
さあ、次はサンシャインとシンゴジラだ!あぁ、両方とも…ちゃんとやってくれよ?(汗)
後、また私のお気に入りユーザーの方がサイトから消えてまして…最初から応援してくださっていた方だけに実に悲しいです。理由は不明ですが、また無事でいられて気が向いたら、足を運んで下さったら嬉しいです。


竜王

 

火の玉。

 

 

 

 

赤々とした火の玉が、秋葉原の上空に出現していた。

雪穂達は二匹の怪物めがけて飛来しつつあるそれを、避難した人たちと共に食い入るように見ていた。

それが視認出来たのは、海からやって来た黒き巨獣を囲むように、蝶か蛾のような怪物が黄色い結界のようなものを張って一時間ほど経った後のことだった。

一見隕石のようだが、飛来してくる速度は隕石にしては遅く、そして巨大だ。

しかもそれは、ちょうど狙いすましたように二匹の怪物を目指すように飛んで来ている。

ただの隕石にしては、明らかに異様な光景だ。

 

「次は何…また怪物がやって来たの…!?」

 

どよめきの中で、亜里沙が雪穂の腕を震えた手で強く抱き締める。

 

「二匹の怪物の後に巨大な火の玉…か。全くと言って良いほど状況は掴めんが、ますます厄介なことになりそうだな」

 

二人の後ろで突然起きた出来事を静観していたA-RISEの一人、統堂英玲奈が厳しい顔で腕組みをし、あんじゅ、ツバサを一瞥する。

 

「いくら離れているとはいえ、ここも完全に安全とは言い切れん。一刻も早くここから離れた方が良いんじゃないか?」

「賛成ね。彼らのサイズから見ても、ここに長居するのも却って危険だと思うわ」

「それなら早く逃げましょう。ほら、雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん、手を繋いで付いてきて!」

 

二人の言葉を受けたあんじゅがそう言うと、雪穂の手を捕まえる。

だが、彼女は蝶の怪物の方を見ながら呆けた顔をして、全く動こうとしなかった。

 

「何してるの、雪穂ちゃん! 早く逃げないと死んじゃうかも知れないのよ!?」

 

あんじゅは手を引きながら声量を高くする。

亜里沙が怯えた表情で、その視線をあんじゅと雪穂の顔の間を行き来させる。

 

「……あっ…す、すいません…ぼんやりしてました。誰かの声が聞こえた気がして…」

 

数秒経ってから、気づいて慌てるように返事をする雪穂。

その答えに、あんじゅは疑問を抱く。

 

「…誰かの声?」

 

「はい。…女の人の声が、頭の奥に響いた気がしたんです」

 

そこにいるメンバー達は少しその言葉に引っかかるものがあったが、今この状況でずっと立ち止まっている訳にも行かない。

「きっと気のせいよ。あまり不安に思いすぎない方が良いわ」

 

あんじゅがそう語りかけると、雪穂は首を縦に振り、共に走り始めた。

だがその一方で、内心どこかで釈然としないものを感じている。

 

『やっぱり気のせい…かな。でも、何だか本当に何かの声がした気がするんだけど…』

 

その時、いきなり背後から黄色い光が自分たちを照らす。

思わず反射的に後ろを振り向いた瞬間、顔面に叩きつけられる硝煙と衝撃。

 

火の玉が、爆発を起こしたのだ。

 

一瞬のうちに都市を飲み込む強烈な風圧。

悲鳴が避難民の間で一斉に沸き起こる。

そのビル街の上空に生成された巨大な焔を、彼女らは細めた瞼の裏から覗いていたが、やがてその顔は驚愕の表情へと変わる。

 

「火の玉が…!」

 

火が、空中でまるで生き物のように収縮していく。

やがて炎は、一つの定まった姿を作り始める。

フェニックスのように大きく翼を広げた体から伸びていく、三本の「首」と二本の「尻尾」。

一旦は小さくなったかに見えた焔は、爆発よりも巨大なモノの姿を生み出した。

 

 

それは、黄金のドラゴン。

 

 

全てが金に輝く鱗に包まれ、どれもが凶悪で恐ろしい面構えの三つ首によって全ては俯瞰され、世界を覆い尽くすかのような広大な両翼が大きく広げられている。

それは、まさに宇宙より降臨した「竜王」の姿。

 

 

「――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!」

 

 

三つ首の口内から同時に、地上へ「宣戦布告」の咆哮が放たれる。

それはおそらく、二体の怪物、そして人間達全員に向けられたものだろう。

二体の怪物はもう気づいているようで、彼へ早くも敵意の視線を向ける。

金のドラゴンはそんな彼らを挑発するようにもう一回咆哮を上げる。

すると、怪物のうち黒き巨獣の方が相手に向かって真っ先に、仕返しのごとく雄叫びを上げる。

だが蛾の方は同じような意味を持つであろう甲高い鳴き声を上げつつも少しずつ後退していく。

まるでそれは、「背後にある」何かを守ろうとするかのようだった。

ドラゴンは、それぞれの反応を示している怪物達を首一本ずつで捉えながら地上に足を下ろす。

そして、ドラゴンは二匹の怪物の間に張られている半透明の結界を睨むと、その三つの口を開ける。

 

同時にそれらの奥がまばゆく光ったのが見えた直後、三本の雷が放たれた。

 

雷は結界の表面を抉って突き破り、内部にいた二体に降りかかり、そして反対側の表面をも突き抜けた。

それらが行き着く先は。

 

「…嘘」

 

雪穂達のいる地点だった。

一本の首から放たれた雷が、彼女達含む避難民達を両断した。

彼女達のすぐ隣を、閃光が駆け抜ける。

直撃した人々は、訳が分からないまま蒸発していった。

雪穂達は死というものを覚悟した。

しかし、雷はそれ以上は飛んで来なかった。

向こうを見ると、早くも巨獣とドラゴンが取っ組み合い、その周りを蛾の怪物が様子を見るように距離を離しながら飛んでいる。

雪穂達は路地裏に逃げ込み、息を整えながら三体の怪物の姿を確認した。

 

「あの巨大蛾…ドラゴンに徹底的に狙われているな」

 

英玲奈の言うように、蛾の怪物はドラゴンの吐く雷を危うげな様子で避けていた。

ドラゴンは、蛾の方はほとんど何もしていないのにも関わらず、自分の前を通りかかる度々光線を執拗なほど吐いていた。

時々光線に掠って羽根の端が焦げるが、それでもなお蛾は姿勢を保って飛び続ける。

やがて、蛾は北側に旋回して二体の前に来ると、その羽根を羽ばたかせ始める。

すると、その前に強烈な風圧が発生し始める。

二体は、想像を絶する突風にうめき声を上げる。

蛾が発生させた風は、いつの間にか怪物達以外の範囲内にあるもの全てを吹き飛ばし、更地にしていた。

二体の何万トンの身体が、少しずつではあるが動き始める。

 

「すごい…」

 

素朴な感想が、雪穂の口から漏れでる。

 

「…だけど、どこか変なところがない?」

 

「…変なところ?」

 

あんじゅの言葉に、一同は疑問を浮かべる。

 

「あの蛾…なぜ背中を向けようとしないのかしら?…まるで向けちゃいけないっていう風に」

 

彼女が言っているのは事実だった。光線を避ける時も、普通に飛んでいる時も、蛾としては不自然な飛び方をしていて、決して背中を見せようとはしていなかった。

 

「…もしかして…何か大切なものを守っている?」

 

あんじゅはそう言う間にも、三体は激しい死闘を繰り広げる。

巨獣とドラゴンがいまだに止まず自分たちを押し続ける風に痺れを切らしたのか、光線と熱線を吐いて辺り構わずぶん回し始める。

巨大蛾は、なおも細かい飛行調整で光線を避けながら強風を巻き起こすが、結界で体力を大分使ったのか動きが鈍くなっていた。しかも避けるのは一度に四つの光線である。いつまでも避けていられるはずがない。

 

そして、その時は当然のごとくやって来た。

 

風も相当弱まり、ある程度二体が動けるようになった頃、ドラゴンと巨獣は風によってかなり蛾から距離を離されていた。

ただ、相手が疲弊しているのを理解していたのか、二体はずっとそれをじっと睨んでいた。

 

そして、蛾が遂に一瞬攻撃の手を弱めたその時。

 

二体は、同時に四本の光線を放った。

 

その青い閃光と黄色い雷は瞬時にして空を切り裂きー

 

 

 

巨大蛾の羽根を、直撃すると共に焼いた。

 

 

 

容赦の無い四撃。

火花が散り、壮麗な模様が焦げて煙が出て、巨大蛾は悲鳴にもとれる鳴き声を上げる。

幸い燃えるようなことは無かったが、飛行不能になったらしく、そのまま地上に倒れ伏した。

それでもなお蛾は、喧しいほどに「近寄るな」という風に鳴く。

だが、ドラゴンは容赦はしないつもりか、ゆっくりと歩み寄っていく。

 

「…やっぱり、殺すつもりなのかしら」

 

ツバサが言うと、英玲奈はそれに頷いた。

 

「そうして貰った方が良い。此方としては脅威が一つ減る訳なのだからな」

 

ドラゴンの三つ首の口内が、また光り始める。蛾は、いまだに地上でもがいている。

ーもう、終わりだー

皆がそう思った時。

 

 

 

突然ドラゴンの身体が前のめりになり、倒れ込んだ。

 

 

 

何が起こったのか理解出来ない彼女達は、彼の後ろを見た。するとー

 

巨獣が、ドラゴンの二本の尻尾を掴んでいた。

急な出来事に対応出来ないのか、ドラゴンは尻尾を掴まれたまま地面に擦り付けられてぶん回される。

二回転ほどすると巨獣はその手を離し、ドラゴンを投げ飛ばした。

 

「あの巨獣が…蝶を助けた…?」

 

亜里沙が唖然とした表情でいると、ツバサは首を横に振った。

 

「いえ…おそらく、あれが彼にとっては最大のチャンスだったのよ。あの蛾はまた後でゆっくり始末出来るし、まずは一番厄介な相手を倒そうと思ったんでしょう

…ん?」

 

ツバサは途中で言葉を途切らせる。

なぜならそれは、雪穂が突然表通りに出て蛾がいる方向を見つめ始めたからだ。

他のメンバーも、怪訝な顔で彼女を見る。

 

「雪穂ちゃん、危ないわよ!すぐこっちにいらっしゃい!」

 

あんじゅが叫ぶと、彼女は目線を同じ方向に向けたまま答えた。

 

「やっぱり、私、彼処から聞こえます。

 私のお姉ちゃんの声が」

 

「…え?」

 

そこにいる者全員が、彼女の口から出たことを信じることが出来なかった。

 

「…気のせいじゃ…ないの?」

 

あまりにも真面目な表情に、亜里沙の語尾が疑問形に変わった。

 

「さっきは小さくて、誰のものかすら分からなかったけど…今は本当に感じる。お姉ちゃんとμ’sのメンバーが何かに苦しんで、助けを呼んでるって…!!」

 

詳しい説明も疎かにし、雪穂は駆け出した。

 

「雪穂!!」

 

亜里沙が叫んでも、走るのは止まらない。

彼女を放っておく訳にはいかず、彼女達も追いかけ始める。

 

「穂乃果さんの声が聞こえた…?あの子、あまりに心配で頭がおかしくなっちゃったのかしら」

 

あんじゅが走りながらそう英玲奈に聞くと、彼女はしばし考え込む表情をしてから答えた。

 

「実際は本人にしか分からないと思うが…私はそうは思わん。少なくとも、そう簡単に自分を見失うような子にはみえん。彼処まで必死になるのは、それなりの確かな理由があるとしか…」

 

英玲奈も分からないのなら、雪穂の言葉が真実か嘘なのかはここでは決められない。

 

「…こうなったら、実際に行って確かめてみましょう」

 

―――

 

 

それから、一時間ほど後、巨大蛾の腹のすぐ側。

目の前には、制服姿の9人の少女が横たわっている。

 

「…お姉ちゃん! μ’sの皆!」

 

「…嘘でしょ…こんな…こんなことが!」

 

A-RISEのメンバーも、驚きを隠せない。

雪穂が真っ先に駆け寄り、眼を閉じた穂乃果の頬に手を添え、額から出た血に掌を染める。

おもいっきり姉の耳に自分の口を近づけ、喚き叫ぶ。

 

「お姉ちゃん…返事してよ!!今、周りは大変なことになってるんだから!!

九人ともこんなところで寝てたら、本当に死んじゃうよ!!」

 

同時にどこからか、聞いたことのある咆哮と光線の発射音、殴り合う音が耳を遠くつんざいた。

 

「――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!…!!!!!!!!!!!!!!!」

 

赤と茶に汚れた穂乃果の顔を、雪穂の涙が濡らした。

彼女の胸に顔を埋めて咽び泣きそうになるがー

すぐ近くで聞こえた声で、雪穂は涙が一瞬止まった。

 

「ゆき…ほ?」

 

自分の耳のすぐ側で耳に入ってきたか細いそれに、彼女は目線を上げた。

そこには、弱々しくもこちらに向かって目を開けた、姉の顔があった。

 

「…お姉ちゃん?…生きてる?生きてるの!?」

 

思わず握っていた手を、勢いのあまり更にきつく握りしめた。

 

「生きてるよ…雪穂はケガとかない…?」

 

「ちゃんと生きてる!亜里沙とツバサさん達も一緒だよ!」

 

「そっか…良かった」

 

「お姉ちゃん…お姉ちゃん達は、一体何があったの?何でこんな所に倒れてたの?何でー」

雪穂は多くのことを聞こうとしたが、出来なかった。

なぜなら、穂乃果の頬を涙が伝い始めたからだ。

 

「…っ……うぅっ…」

 

「お姉ちゃん…」

 

「ごめんなさい…ごめんな…さい…守れ…なくて…」

 

彼女は、天を雨が覆い、怪獣の咆哮が響く中、静かに謝り続けた。

 

雨が、彼女達を責めるように降っていた。

 

 




ファイナルライブ後にこんな感じの話を書くのは罪悪感があるのですが…
て言うか穂乃果ちゃんの口調こんな感じだっけ?不安だなぁ…
まぁ、自分は今後のことを考えねば!
というわけで、付き合って下さる方は今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m
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