キャラの心情とか考えると時間がかかってしまうんですよねぇ…
シンゴジラの予告、本当にすごかったです!十五回ぐらいは見直してしまいました!
棒立ちが良く批判されますが、むしろあの棒立ちが不気味さと絶望さを醸し出していて…!
それまでが不安>期待だったのですが、今回でそれは完全に反転しました!
豪華俳優陣、そしてまるで生きているようなゴジラの映像!
現実対虚構、シンゴジラは、一体どんな物語を我々に見せてくれるのかっ…!?
あと、ラブライブサンシャインの新pvも公開されましたね~
「熱いお茶を飲んだから海の中で呼吸が出来る」って…
なんだそりゃw
後、今日は渡辺曜ちゃんの誕生日ですね!おめでとう!ヨーソローッ!
ぽっかりと空いた、少女達の心。
それを通り抜けるように、灰色の空から降ってくる無数の水滴が地面に落ちて無数の音を鳴らす。
上半部分が崩れたビルの玄関の下で、穂乃果、雪穂達はその音を聞いていた。
無言の時間が、雨の音によって塗り潰されていく。
幸い、μ’sのメンバーは全員生存していた。怪我こそしてはいたが、いずれも打撲や擦り傷といった軽症で済んでいた。
「穂乃果ちゃん…」
穂乃果の横に体育座りになったことりが、顔を組んだ両腕に埋めて聞いてくる。
「…何?」
遠くからの爆発音をぼんやりとした顔で聞きながら、彼女は答えた。
「これから…私たち、何をすればいいんだろう? あんなに勢い込んでたのに、こんなことになるなんて…
これじゃ私たち、芹沢さん達に会わせる顔が無いよ…」
涙ぐむことりに、にこが答える。
「仕方ないわよ…あの時は、本当に勝つことしか考えていなかったんだから。
…でも、こんなところで燻ってる場合じゃないわ」
彼女は立ち上がり、メンバー達の前に走り出た。
「失敗なら、今までも経験したじゃない。
次こそは絶対勝って、輝かしい未来へと―」
拳を振り上げて熱弁を振るおうとした時、声が上がった。
「にこちゃん、もうやめて!!」
「…穂乃果…?」
にこが口に出した人物にメンバー達が目をやると、彼女は悲しそうな顔をしてにこを立ち上がって見つめていた。
「もう無理なんかしないで…もう私たちはゴジラに立ち向かうべきじゃない」
「…あんた…本気で言ってるの?
悔しくないの?
目の前で大切なものが無くなっていくのが!!」
激しくなっていく剣幕に、彼女は静かに答える。
「もうないよ…そんなの」
「…!」
「だって、さっきにこちゃんも雪穂ちゃん達から聞いたでしょ?あのニュース」
雪穂が拾って来た小型ラジオが、彼女の傍らに置かれている。
「あの時芹沢さんは説明してなかったけど、ゴジラは熱線を吐き散らす度に放射線物質を撒き散らすんだって…」
「…」
「私たちは、永遠にあの夢の続きを見ることなんて出来ない。もうあれではっきりした。
私たちは、ゴジラに絶対に勝てないって」
「…あんたねぇっ!!」
にこの怒声が響き渡り、歩み寄って穂乃果の襟首を掴み上げた。
「にこちゃん、駄目!」
真姫が二人の間に入り、にこに抱きつき動きを止める。それに負けじとにこは体を暴れさせる。
「離しなさい…離しなさいよ!
あんた、この状況を許せるの!?
ここまでやってきたことが、全部無かったことになっちゃうかも知れないのよ!?
叶うはずだった夢が全部…全部!!」
穂乃果が苦しげな声を出しながら相手の腕を掴んでもがく姿に、様子を見ていた雪穂達も立ち上がった。
「お姉ちゃん!」
雪穂が叫ぶ横で、亜里沙は何も言えずびくびく震えている。
「止めなさい!!」
襟首を掴むにこの腕の動きが止まる。
大きな声の持ち主は立ち上がったツバサだった。
彼女はにこと穂乃果の間に割り込むと、にこの腕を強く掴み、両者を睨んだ。
「あなた達、ここで仲間割れしてる場合?
私たちに打ち勝ったμ’sの絆はこんなものだったの?」
初めて彼女から向けられた怒りに、にこは何も言わず襟首から腕を離した。
真姫も体の拘束を解く。穂乃果はうつむいたまま襟首の乱れを直した。
ツバサは、再び冷静な口調で穂乃果に語りかける。
「穂乃果さん、今の言葉、正直あなたが言ってるとは思えない…私達A-RISEに絶対勝つと言った時も、私がμ’sの原動力の理由を聞いた時も、あの夕方に約束した時も、いつも私に見せていたあの笑顔は何処に行ってしまったの?
今のあなた…いつも私が見る穂乃果さんじゃないわ」
そう言われた穂乃果は、うつむいたまま小さく唇を動かした。
「…です」
「…何?」
「もう、ダメなんです」
その言葉は酷く震えていて、水滴が顔から滴り落ちていた。
「学校を壊された時は本当に絶望に押し潰されそうだったけど、この九人ならあの怪物に勝って、物語を再開出来る、もう一度みんなを笑顔に出来る日が来るんだって思ったんです。
でも…やっぱり、私たちは負けちゃったんです。
普通に考えれば勝てる訳無いのに、私たちは自分たちの力を過信してたんだと思います。
あの時は運が良かったから助かったんです。
次に会った時は…必ずみんな潰される。
だから、私はもうμ’sの出る幕は無いと思います」
無音に近い雨音の中、穂乃果の声だけが響き渡った。
そこにいる人間すべてが、呆気に取られた表情になっていた。
「…みんな、ごめん」
そう言うと、穂乃果は走り始めた。
ツバサは、彼女がすぐ近くを涙を散らしながら走り抜けたのにも関わらず、振り返って声を掛けることすら出来なかった。ただ、魂が抜けた顔で突っ立っているだけだった。
「皆さん! 穂乃果は私とことりが追います! 少しだけ待って下さい!」
海未とことりは立ち上がると、真っ先に雨の中に飛び出し穂乃果の背中を指差した。
他のメンバーもあの三人の絆の深さを良く知っているのか、反対する者はいなかった。
メンバー達が、離れていく彼女達の背中を見つめる中で、ツバサは未だに何処を見ているのか分からない目をしていた。
「あの穂乃果さんが、どうして…」
「…お姉ちゃんは…怖いんです。すべてを喪うのが」
横に視線をやると、声の持ち主は雪穂であった。雪穂もまた、今は見えない穂乃果の背中を見ていた。
「きっと、これ以上みんなが傷つくのを見たくない、みんなを危険な目に合わせたくないんです。
すべてを喪ったゴジラの心の中を見てしまったから、そういう風に考えてしまったんだと思います」
にこは、三角座りで黙りこくったまま何かを抱え込むような表情をしてじっとしていた。
真姫は彼女の側に座り、時たま彼女の表情を確認するように視線を向ける。
絵里は何も言わず、希の体に抱きついており、彼女はそれに答えるように、そしてどこか自らも絵里にすがるような表情をして、無言でその髪を撫でている。
凛と花陽は、手を繋いで雨の向こうの景色を見続けている。
「夢なんてどうでも良い。とにかく今目の前にあるものが大事なんだって」
やがてツバサは口を開いた。それは、今は見えぬ穂乃果に向けて、周りに聞こえないような声で。
「…でも…穂乃果さん。
あなたの力を必要とする人はたくさんいるの。みんなが、あなたを待っているの。
だから…『夢』を捨てないで」
雨音の向こうで、遠く禍々しい咆哮が轟いた。
―――
水に浸された地面に小さな水飛沫を散らす。
顔にかかる雨に、穂乃果の涙は流された。
だが、もちろんそれで涙が止まるということはない。
むしろそれは、走るうちにますます溢れてくる。
『もう戻らないんだ、あの日々が…あの日常が…』
放射線に汚された大好きな街。大切な人達。
巨大な存在達はそんなことなどお構い無しに、彼ら同士の闘いを続ける。
どれだけ人々から恨まれようと。どれだけ人々が悲しもうと。
彼らにとって、人間という生物はあまりに小さすぎるのだ。
『こんなに無力な癖に、無駄に張り切って…
私があの時止めようって言わなかったから、みんな傷ついたんだ』
彼女が自分自身に責任を押し付け始めた時、左手の複数のビルが吹っ飛んだ。
強烈な風圧と吹き付ける雨に、穂乃果は顔を手で覆う。
見上げると、その原因は横からすっ飛んできた「黒い物体」だった。
その先を目で辿っていくと巨大な黒くゴツゴツした塊に突き当たり、そこではいくつもの白い剣山が鈍い光を放っている。
「…ゴジラ」
するとその向こうで、三本の首を持つ宇宙ドラゴン怪獣、キングギドラが一斉に電子音のような鳴き声でいなないた。
「「「―――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
おそらく向こうからかなりの距離を突き飛ばされたのだろう。
ゴジラはラドンも相手にしていた為か、少し動きが鈍っているようだった。
キングギドラが挑発するように唸る。
彼女は、何度も地面に打ち付けられる彼の尻尾を見つめていた。
それが叩きつけられる度に巨大な水飛沫と土煙が上がり、地震のような震動が伝わってくる。
かなり危ない位置だったが、彼女はただそれを見つめていた。
むしろ、しばらくすると彼女はフラフラとした足取りで、何かに操られたかのようにそちらに向かって歩み始める。
虚ろに開いた口から、独り言を呟き始めた。
「私が…居なくなればいいのかな。
あそこに行けば、みんながもう傷つかずに…済むのかな」
近づく度、どんどん視界と風圧がひどくなってくる。
あの尻尾に巻き込まれれば、人間の少女など一瞬にして肉塊と化すだろう。
目の前に、またしても土煙が吹き上がる。
次に落ちてくるであろうそれに向かって、右腕を伸ばした瞬間だった。
「穂乃果!!」
「穂乃果ちゃん!!」
腕を掴まれ、反対側へと凄まじい勢いで引っ張られる。
「…何で…何で、こんなこと…!!」
声を上げる暇もなく、彼女はその声の主に目を向けた。
「海未ちゃん…ことりちゃん…」
―――
「モスラ、墜落! ゴジラとキングギドラ、再び戦闘行為を開始しました!」
ヘリから送られる映像に合わせて、ノイズが入った無線が基地の司令室に響き渡っていた。
「モスラに搭乗していた少女達の安否は、この地点からは特定できません!」
そう続く声を、二人の科学者は大きなモニターの画面の色に照らされながら、黙って聴いていた。
やがてしばらくして、モスラの背中を映す映像がズームアップされる。
切り替わる度に少し経ってから解像度を上げていく画面。
やはり二人は何も言わなかったものの、その表情は今までで最も固い。
「現在、細部を解析しています…」
そして、画面いっぱいにモスラの背中が表示された時、二人の顔はさらに固くなった。
何処にも居ない。
結界が崩落した時点で薄々感じていた、最悪の予測が当たってしまった。当たったと思いたくなかった。
「九名…視認、出来ません」
「…そんな…!!」
二人のうちの一方の科学者、ヴィヴィアン=グレアム博士はそれまで保っていた冷静な表情を崩し、両手で顔を覆う。
もう一人の科学者、芹沢猪四郎博士が直ぐにでも机を叩きたくなる気持ちを堪えながら、マイクに向かって静かながら苛立ちを含んだ口調で命令した。
「…まだ決めつけるのには早過ぎる。もっと周囲を捜せ!」
了解、と返答が返ってきたのを聞くと、芹沢博士は煮詰まった表情で机に両肘をつき、頭を抱えた。
「一体、奴は、ゴジラは何者なんだ!」
「…もし彼女達に万が一のことがあったら…
早くしなければ…!」
「分かっている!」
グレアム博士の言葉に、芹沢博士は苛立たしげに答える。
「小美人から連絡は来ないのか!?
μ’sの一番近くにいたのは、彼女達だったはずだ!」
彼女らにはテレパシー能力があると、自身が言っていた。ならば、彼女らの今の状況ぐらい直ぐにでも伝えられるはずだ。
「ひょっとしたら小美人にも何かがあったのかも知れません…ですが、私たちも此処で作戦の指揮をせねばならない身…彼女達の安否は私も一刻も早く知りたいですが、我々はここにいることしか…」
「その必要はありません、お二人とも。」
突然かけられた低い男性の声に、芹沢博士達の心臓が一瞬止まった。
信じたくない一心で後ろにいる存在に、同時に目を向ける。
それは軍服に身を包んだ、浅黒くたくましい男だった。その胸には多くの勲章が付いている。
その後ろからは銃を持った男達が銃口を上に向け、無言でぞろぞろと管制室内に入ってくる。
「三年前のMONARCH世界総合計画会議以来でしたかな、こうやって直接お会いするのは」
その白髪でやや老けながらも厳格な顔を見て、芹沢博士は心の中で舌打ちをした。
男が二人のところにやってくる前に芹沢は早足で近づき、これ以上は行かせないと言うかのように彼を睨み付けた。
「ステンツ総合本部司令官!
あれほど私は警告し申しあげたはずだ。彼らに現在の人類の科学力では歯が立たないと!
ここはあなた方が口を出すところではない!」
「そう言われましても、上で決められたことは決められたことなのでね。あなた方のように手をこまねいて、これ以上被害を拡大する訳にはいきません。それとなにやらよからぬ噂を聞きますが、本当なのですかな?
『九人の日本人少女を基地内に拉致、監禁した』というのは?」
「何っ…!?」
芹沢博士が反論しようとするのをよそに、ステンツは彼に代わって室内のマイクに向かって叫んだ。
「諸君!!このMONARCH日本支部は、今から本部の意向により派遣されたこのウィリアム=ステンツの指揮下に置かせてもらう!実行している作戦行動を中止し、現時点より総合本部が既定した作戦に沿って行動せよ!!」
ウィリアム=ステンツ司令官、2014年の作品「GODZILLA ゴジラ」では米軍の少佐として出てたお方です。見られた方はこの後この人が何をしようとするのか、お分かりだろうと思います(笑)