ラブライブ!×ゴジラ 破壊神と九人の女神   作:Misma

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めっちゃお久しぶりです!
もうそろそろ忘れてる人の方が多いのではないでしょうか?未来怪獣です。
いやね…本当に何ヶ月かけてんだって話ですよ(涙)
誠に申し訳ないのですが、活動報告でも申し上げた通り受験やらなんやらで大変なんです~…すいません…(土下座)
今回特別に長いというわけでもなく、いつも通りの文字数です。
そういえばこの前、ゲーセンではじめて友人に協力してもらいサニソンのかよちんとエリーチカを取ったのですが、可愛すぎるやろぉ~!!(*´Д`*)本当にあの笑顔は守りたいです。
後は特に太ももが素晴ら(殴



交渉

東京都、MONARCH日本支部。

そこでは、MONARCH総合本部より派遣され、ほとんど一方的に指示権を奪ったウィリアム=ステンツ司令官の命令の下に、「Tokyos’ Beast Fire」作戦が急ピッチで進められていた。

基地の地下の指令室で、ステンツ司令官は、自衛隊から連絡を受けてきた黒人の部下に状況を聞いた。

 

「どうだ、東京都民の避難状況は?」

 

「はい、順調です。臨海地域の住民はほとんど避難が完了しました。

内地の住民の方は怪獣や火災による混乱で十分ではありませんが、自衛隊の協力も得て順調に進んでおります」

 

「ふむ。それなら問題はない。

だが、決して避難指示のピッチを緩めるな。一時間内に全東京都民を避難させろ。いいな?」

 

「了解」

 

彼は深く礼をした後、指令室から退出していった。

 

「さあて」

 

ステンツ司令官は椅子に腰を深くかけ直すと、横に向き直った。

 

「あなた方は、「アレ」をぶつけるのはいつが宜しいかな? 見てみたところなかなか決着は着いていないようだが。一時間以内には準備は完了するでしょう。奴らが何処かへ去らないうちなら、幾らでも発射は延ばせますぞ?」

 

見上げられた芹沢博士とグレアム博士は、周りを兵士に囲まれ、見張られて立っていた。

それでも、彼らは厳然とした表情を崩さない。

 

「何度も言っている。我々が求めているのは、発射の延期ではない。中止だ! 

それだけは使用してはならない!」

 

芹沢博士はステンツを睨み付けながらそう訴えた。

 

「司令官。もう一度考えなさって下さい。それを使って彼ら怪獣を殺せると本当に確信は持てるのですか?

もしそれで彼らが倒せなければ、この街の何万という人が故郷を失う結果だけが残るのですよ?」

 

グレアム博士もやや抑えた調子ながら、必死に説得を試みる。

だがその二人の意見を流すかのように、ステンツはタバコに火を点けた。

少しそれを吸った後、彼はため息をつくかのように煙を吐き出した。

 

「…そして、あなた方は九人の少女に任せれば万事解決、と言いたいのでしょうな。

それも耳にたこが出来るほど何度も聞きました」

 

ステンツは細い煙を上げているタバコを、二人に指差すように向けた。

 

「あなた方の意見こそ、常識的でないとしか言い様が有りませんなぁ。

話を聴いてみれば、やれ小人だの、やれ女神だの。科学者が言うこととは到底思えません。

それが事実で、まあ日本人少女拉致の件は誤解だったとしましょう。

しかし、その女子高生達は現にゴジラを倒せなかったのでしょう? それならば、もう彼女らの出る出番は無い。違いますかな?」

 

彼の挑発するような言動に、芹沢博士はますます顔をしかめる。

 

「今回の計画は確実性が最重要です。そんな平凡で非力な一般人に任せるか、MONARCHが長年培った技術によって生み出された、怪獣を確実に仕留める兵器か。どちらがより信憑性に足るのかは一目瞭然のはずです。

よりにもよってそんな非科学的な作戦に頼ることになるとは…博士も、余程煮詰まっていたのでしょう。哀れなことだ」

 

ステンツは、再び煙草をくわえかけた。

 

「それでは、その『科学的』な作戦で、今までゴジラを倒せましたか?」

 

彼の視線が、芹沢博士の横に向く。

 

「そうやって何人もの科学者達や政治家が頭を付き合わせてひねり出した兵器や作戦が…

ゴジラに通用した試しはあるんですか!?」

 

グレアム博士は怒りの表情を露にしながら、次々に言葉をぶつけていく。

 

「今まで何回核兵器を彼にぶつけて、何度失敗してきたと思っておられるんですか?

むしろその『科学的』な作戦が彼に毎回毎回餌を与え続け…そして今回の東京です!

そうやって何でも力で解決しようとする身勝手な思惑が、無関係な人々の命、財産、そして遂には少女達の夢までも奪ったのですよ!?」

 

ステンツは息を切らしながら堰を飛ばす彼女を、何の動揺もなく眺めていた。

やがて、ふと思い出したようにつぶやく。

 

「ヴィヴィアン=グレアム博士…確か、あの会議でも芹沢博士とともに核兵器投下に反対しておられましたな」

 

「ええ、そうですが何か?」

 

彼女は不機嫌ながら答える。

ステンツは、芹沢博士の8時15分で時が止まった腕時計を指し示すように見やりー

そして、腰を据え直して諭すように彼女に話しかけた。

 

「…いつまでこのお方の個人的な理想に付き合っているのです。芹沢博士の平和的解決を主張する気持ちは理解できないことはありませんが、はっきり言わせて頂きます。

武力無しに奴らを全滅させることは不可能です。

芹沢博士の『あのこと』に関しては同情しますが、我々が奴らによるこれ以上の損害を抑えるにはこの方法しかないのです。

ここで奴らの存在を抹消せねば、人類文明そのものの危機になりかねんのです」

 

「ステンツ司令官、私は考えを改めるつもりはありません。その会議でも申し上げたはずです。どれだけ公私混同と言われようと、私はこの人に付いていくと。

むしろ、おかしいのはあなた方ではありませんか?

彼の過去を知っているのならば、このような作戦など思い付かないはずです!」

 

一歩も引かない彼女に辟易したのか、首を横に振ってステンツは苦々しい表情を露にする。

 

「グレアム博士、あなたはいい加減目を覚ますべきだ。

そもそも怪獣を討伐する組織に入っている者が、たまたま『知り合いの身内が原爆症で亡くなった』というだけで怪獣を核で殺すな、などと…」

 

「!…そのことが問題なのではありませんか…」

 

 

「黙ってくれ!!」

 

 

芹沢博士が大きい一声を上げた。

 

 

 

思わず監視している兵士もぎょっとした顔で彼を見つめる。

しばらく部屋の中の人間の視線が、一斉に彼に向く。

 

「…」

 

しばらく芹沢博士は息を荒らげていたが、やがて息を落ち着け、静かにステンツを睨んだ。

 

「あなたが私の態度について言うのは勝手だが、無駄な昔話で時間を割かないで頂きたい。

とにかく私があなたに求めるのは計画の一時的な延期ではなく中止、そして指揮権の我々への返却だ。

本部が何を言おうと、私は決してここを離れない」

 

その目には、確固たる意志が宿っていた。

 

それをしばらく見ていたステンツは、椅子から立ち上がった。

その芹沢博士を見る瞳には、諦観と憐れみが写っている。

 

「はぁ…どうやら、何を言っても無駄のようですな」

 

ステンツは、彼らの脇の兵士らに一瞥して命令する。

 

「お二人を監視室にお連れしろ」

 

「!!」

 

「了解しました」

 

とたんに芹沢博士達は兵士達に挟まれ、無理やり両腕を組まれたかと思うと、引きずられるように連行される。

 

「待ってください、司令官! 話は終わっていません! 司令官! 司令官!」

 

グレアム博士が必死に叫ぶも、ステンツは既に背中を向け、タバコにまた火を点けようとしていた。

 

「ステンツ司令官! この作戦を実行したならば、我々人類に未来など無い! 目を覚ますべきなのはあなただ!

司令官! 聞いてくれ!」

 

もう、どうしようもないのか。

 

彼らの表情は、沈痛なものになっていた。

 

『緊急放送。緊急放送。基地内の全員に次ぐ。基地内の全員に次ぐ。』

 

その時、指令室内に放送が響き渡った。

思わず二人は天井を見上げ、ステンツはライターを点けようとする手を止める。

 

『レーダーの反応内に、巨大未確認物体を確認した。

現在、基地より南南西の方角に約1キロメートル。こちらに一直線に向かっている。速度は約時速400キロ。

視認による確認を急いでいるが怪獣の可能性が高いため、地上にいる者はすぐに退避せよ。繰り返す…』

 

ステンツの表情は、険しいものに変わった。

 

「何…?」

 

芹沢博士達はそれを聞いて息を呑み、顔を見合わせた。

 

「ラドン…ではありませんね」

 

「奴が、そんな呑気な速度で飛ぶ訳がない。そもそも目が覚めたなら、ゴジラに真っ先に向かうはずだ」

 

「だとすると…」

 

「ああ、間違いない。

…グレアム博士、どうやら間に合ったようだ」

 

その瞬間、二人の疑問は確信に変わる。

 

「お二人とも…何か知っておられるのですかな?」

 

後ろから声がかかる。振り向いて芹沢博士が言った。

 

「…ああ。我々の味方がやって来た。

信じるにしろ信じないにしろ、まずは避難の必要は無いと伝えてくれ。そして…

彼女達の話を、一度だけでも、真摯に聴いてくれ」

 

――――――

 

「やっと来たわね…」

 

絵里がそう言った時、モスラに乗ったμ’sはMONARCH日本支部ヘリポートの真上にいた。

ゆっくりとモスラは羽を羽ばたかせ、高度を下げていく。

地上に近づいたモスラは衝撃を和らげるように、そっと添えるように脚を地に着ける。

モスラが鳴き声を上げると羽ばたきの速度は遅くなり、やがて垂れるようにして止まった。

地面に着いたと分かったメンバー達は、地上を背中の上から確認する。

彼女らの下からは見知らぬ外人の兵士達の物珍しそうな視線、そして真上からはヘリコプターのライトが、彼女らに雨粒も照らして向けられる。

 

 

「こ、こんなに見られてるなんて…ちょっと緊張するよー…」

 

花陽は外人の男達の目線に縮こまっていた。

誰もが、無言で自動小銃を上にして構えている。

 

「ちょっとどころじゃないわねこれは…」

 

にこが正直いたたまれない表情でいると、小美人は平然とした様子で言った。

 

「彼らは歴とした正規の兵士です。余程抵抗をしないうちは心配ありません」

 

「…本当かしら…?」

 

彼女は疑わしげに兵士達を見回す。

だが発砲したり、銃を構えてこないだけ、そこまで警戒はされてはいないということだろう。

芹沢博士とグレアム博士が、そのステンツという男をなんとか説得してくれたのかも知れない。

 

「それで、あのステンツとかいう男はどこにいるの? 早いとこ話を着けないと、被害が余計拡大するわ!」

 

真姫が言うように、ゴジラとキングギドラの戦闘が長引いているせいで、モスラから眺めた東京の風景は僅か数時間で、一面中と言っていいほどほとんどが荒廃したものになってしまっていた。絶対に爆撃は中止させた上で、すぐにゴジラ達を止めなければならない。

 

「彼もおそらく今は避難に関する指示などで忙しいでしょうから、地下にいると思います。兵士達に着いていけば間違いないでしょう。…それではここから下ろします。動かないで下さい」

 

小美人の指示に従い、メンバー達は目を瞑る。

 

すると、両手を組んで祈るような行為をした小美人から光が彼女らを包み込む。

 

突然の出来事に、取り囲む兵士達の表情が呆気に取られたものに変わる。それと同時に思わず銃を構えそうになる者もいたが、すぐに仲間に止められる。

その眩い光が一際強くなったと思うと、光はモスラの背中から空中に浮き、そのまま移動。

周りの視線を集めてモスラの目の前の地面に30秒ほどかけて下りていくと、その輝きは消えていき、代わりに彼女らが現れた。

さすがの兵士達も目の前で起きた魔法のような現象に、お互いの顔を見合う者もいれば、彼女らを遠巻きに見つめる者もいる。

 

「…結構思った通りの反応だね…」

 

「まぁ、当たり前でしょう。私たちだって最初は戸惑ったのですから」

 

穂乃果が苦笑すると海未はそれに答え、基地を見上げた。

 

「それよりも、早く基地内に入りたいものですが…誰か先導してくれる人はいないのでしょうか?」

 

辺りを見回しても、兵士達は戸惑っているのかこちらを見ながらなにやら話しているだけで、進んで出てくる者はいない。

 

「もう、雨の中でこうしてる時間も惜しいし、無理やりにでも入っちゃおうよ!」

 

凛がその様子に痺れを切らしかけていると、向こうから靴の音が聞こえた。

兵士達はその傘を持った人物を見て、慌てて道を開けて敬礼する。

μ’sのメンバー達の視線はその男に向けられる。

男は軍服姿で肌は浅黒く、その胸には幾多の勲章が付けられていた。

 

「もしかして…あの人かな?」

 

ことりがそうメンバー達に向かって囁くと、花陽は怯えた表情をして体を震わせる。

 

「な…何だかあの男の人…厳つくありませんか…?」

 

「だ…大丈夫だよかよちん! 話せば分かるはずだよ! 話してみれば!」

 

凛がそう言って気丈にふるまおうとするが、正直彼女の体の震えも止まってはいない。

そんなことは知るはずもなく、男は歩を緩めずにまっすぐ向かってくる。

傘の下からは、いかにも軍人であると分かるような、鋭い視線が垣間見えた。

その威容に、絵里は希の肩を掴んで必死に揺さぶる。

 

「ほ、ほら、希! あなた英語喋れるんでしょ? 何か言ってみなさいよ!?」

 

「う、ウチがぁ!?…うぃ…うぃーあーみゅー…」

 

「…君たちが、芹沢博士が言っていたお嬢さん達かね?」

 

「…え?」

 

「私がここの指揮を務めている、ウィリアム=ステンツだ。話してみれば分かると彼からは聞いている。早く入りなさい」

 

そう流暢な日本語で言うと、彼は案内するように建物の扉へと歩いていった。

その背中をμ’sはしばらく見ていたが、海未がメンバー達に振り向いて言った。

 

「…どうやら、言葉に関して問題はないようですね」

 

メンバー達は、その事実に安心して良いのか分からなかった。

 

―――――

 

「…さて、話を聞かせてもらおうか」

 

μ’s、小美人が地下へと案内された先は、広い会議室であった。

一つの細長い机を軸にして、一方には彼女達、一方にはステンツが兵士に囲まれて座っている。

穂乃果が周りを見渡してからステンツに聞く。

 

「…芹沢博士達はどこにいるんですか?」

 

「彼らは監視室だ。現在は我々の作戦の障害と成りうるからな」

 

「そんな…こんな大切な場にあの人達がいないなんて!」

 

「ここはあくまでも我々が用意した、我々と君たちの対話の場だ。君たちにはそれを良く理解して貰いたい」

 

「っ…」

 

完全に相手の思うようにコントロールされたような対話の場に、穂乃果は唇を噛んだ。

 

「それでは、遠慮なく言わせてもらいますがー」

 

するとその横で、海未が口を開き、ステンツをまっすぐな瞳で見る。

 

「あなた達には、人々が住む街に核を落とすということの罪深さが分かっているのですか?」

 

「言っておくが、我々が今回使う核は放射能を出さない『クリーン』な核だ。しかも東京都民全員の避難が完了した後に発射する予定にしている。被害者は絶対に出さんつもりだ」

 

「そういう問題じゃないでしょ!?」

 

真姫がステンツの発言に突っ込む。

 

「それでどれだけの人がどれだけのものを失うと思ってるの!?

その後になっても、自分たちが育ってきた所、自分たちと共にあった所を失った人達はどうなるの? あなたや本部はそんなことどうでもいいと思ってるの?

答えてみなさいよ!」

 

「我々は怪獣を倒すためにある組織だ。アフターケアは国連の仕事。

奴らを殲滅するのには、多少の犠牲もなくてはならん。申し訳ないが、こればかりはどうしようもない」

 

「じゃあ聞きますが…」

 

希の落ち着いた口調が、メンバー達の視線を集める。

 

 

「ステンツさん…もしあなたの故郷にゴジラが現れたとして…あなたはそこに核を撃てるんですか?それを『仕方ない』と言って受け入れられる人がいる、と思えるんですか?」

 

彼の表情に揺らぎはないが、彼女はまだ続ける。

 

「私的な話になりますけど、うちらはこの一年間、この東京でかけがえのない物語を紡いで来ました。

たった一年かも知れないけれど、それだけでウチにとって、そしてみんなにとってここは大切な場所になったんです。この世界で他にそんな人が、どうして居ないと言い切れますか? 

きっとあなたの故郷にもいるし、世界中何処にでもいるんやろうと思います。

…ステンツさん、考え直して下さい」

 

ステンツは、黙りこくったままだ。

 

「…ほとんど希ちゃんが私たちの言いたいことを言ってくれたと思いますけど…私も発言して良いですか?」

 

控えめに手を挙げたのは、ことりであった。

 

「ステンツさん…私たちがここまで反対するのは…多分、ゴジラに同情しちゃってる所もあると思うんです」

 

「…同情?」

 

ステンツは首を傾げる。

 

「信じられない話と思いますけど…私たちは、ゴジラの心の中を見たんです。

そこで思ったのが…彼はどこか私たちと似てるなって」

 

「似ている」という言葉に、メンバー達も怪訝な表情をするが、ことりはそのまま続ける。

 

「似ているって、そのままの意味じゃないんです。

…ただ、大切な仲間、大切な地を想う、そういう姿に私たちと変わらないものを見つけた。

そんな気がするんです」

 

メンバー達は、その言葉を聞いて何かに気づいたように目を見開いた。

 

「でも、彼はそういうものを全部失って。

そして、自分だけになって。ずっと孤独で居続けて。ずっと何かを恨み続けて。

そうやって今まで生きてきた姿を見て、もちろん彼に壊されたものはあるけれど、それを恨むだけなのは、何か違うと思ったんだと思うんです」

 

ステンツの表情は疑心暗鬼な心情も孕んではいたが、一見柔らかい口調にこもる強い意志を感じたのか、彼女の言葉を遮るようなことはしなかった。

ことりはそこまで言うと、穂乃果の方を見た。

穂乃果はそれを汲み取ったように口を開いた。

 

「ことりちゃんの言う通りだと思います。私たちはゴジラの中で、彼の心の一部を見ました。

彼には、大切なものを奪われた怒りと悲しみ…感情といえるかは分からないけど、強い意思を感じたんです。

根拠なんか無いけれど、きっとあれは核爆弾なんかじゃ消せないと思います。

もし消せたとしても、どこかでまた新しいゴジラが現れる」

 

穂乃果は立ち上がり、ステンツに向かって朗々と語った。

 

 

「彼を今止められるのは『力』じゃなくて、彼に寄り添う『心』なんです。

みんなの総意を、この言葉に込めます!」

 

 

ステンツは穂乃果の視線に掴まえられたかのように、彼女の顔から目を離せないでいた。

しばらくして視線を下にやって軽いため息をつくと、腕組みしてメンバー達の顔を見ながら口を開いた。

 

「…なるほど、君たちの言いたいことは分かった。

どうやら私は相手が女子高生だからと見くびっていたようだ。その歳でそれだけのことを言えるのは大した度胸だ。それは認めよう。

だが、現実はそう簡単じゃあない。君たちがこの街を愛していることは十分に伝わった。

しかし、世界中の政治家どもの考えていることは、もうほとんど固まっている。

『ウチの国に来るくらいなら、他国を犠牲にしてでも駆逐すべきだ』…ということだ。

奴らにとっちゃあ、今は危険な怪獣どもをまとめて吹っ飛ばす最高の機会。

MONARCHが核を撃たなくても、どこかの国がここに向けて撃つ可能性は非常に高い」

 

メンバー達は、唾を呑んで彼の言葉を聞く。

 

「それに、私でさえも所詮は本部の『足』に過ぎん。ただ本部の意向に従い、命令を実行するだけだ。

一度だけでも本部に君たちの意見を『参考』として報告することは出来るだろうが…どちらにしろ、核発射を止めることは難しいだろう。それでも君たちは逃げないと言うのかね?」

 

そう言う彼に、にこが両手を腰に当てて叫ぶ。

 

「あったり前じゃないの! このμ’s《女神》である私たちが政治家どもなんかに従う訳ないじゃない!

私たちの力を見せてつけて、絶対にそいつらの目をひんむかせてやるわ!」

 

彼女の強気な発言に、ステンツは思わず苦笑いを浮かべる。

 

「なんとも血気盛んなお嬢様方だ。そうやって考えを変えんところは、まるで芹沢博士を見ているようだ。

…過去というものに執着するという点では、まるで違うがな」

 

「…? それってどういう…」

 

絵里がその言葉に疑問を抱くと、ステンツは首を横に振った。

 

「あぁ…すまん。口が滑った。気にしないでくれ。

…とにかく、君たちは危険を犯してでも自分たちの力を信じるのだな?」

 

「…はい!」

 

穂乃果が頷くと、後のメンバーも、お互いを見て決意を確かめ合うようにうなずきあう。

それを見ていたステンツはついに首を、僅かながら縦に振った。

 

「…分かった。そこまで言うのならば、私も出来る限り掛け合おう。だが、君たちが作戦に失敗した場合、東京は消滅する。それを分かっておいてくれ」

 

「…ありがとうございます!!」

 

メンバー達の表情が、一気にほころぶ。

司令官に、ついにμ’sの思いが伝わった。

穂乃果は礼の言葉を述べ、頭を下げる。メンバー達も、ほっと胸を撫で下ろした。

そこに、突如ドアを開ける音がしたかとするとー

一声が鳴り響く。

 

「司令官、指令室より報告です!

…ゴジラとキングギドラが北部に向かっています! 北部には未だに約5万人の避難民がいるとのこと!

一刻も早い指示をお願い致します!!」

 

 

 

彼女達は、早くも自分たちに出番が来たと確信した。

 

 

 

 




最近、怪獣がほとんど出てないことに焦る私…
いや、だったら書けよ、って言う話なんですがね(笑)
本当に小説ってバランスが難しいと思う今日この頃です。
次回は何ヶ月後になるかは分かりませんが…まあ首をながーくしてお待ちください(土下座)
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