こっから本格的にストーリーが始動するわけですが、
書いてる途中でいろんな案が出てきて本当に大変です(汗)
まぁ、今回は早めに投稿しましたが、これからも1ヶ月に一回は更新出来るようにしたいですね(汗)
あと、第六話の最後の穂乃果たちのやりとりを章の区切りを良くするため伸ばしました。
前回読まれた方はお手数ですが読み直した方が分かりやすいと思います(土下座)
~神田川~
「私………雪穂と亜里沙ちゃんを迎えに行く!」
穂乃果の発言に、メンバー全員が目を丸くした。
「穂乃果、本気なの!? 火の海の中に行くなんて馬鹿げてるわ!」
「その通りだよ! そんなの自分から死ににいくみたいなものだよ、穂乃果ちゃん!」
「お願い穂乃果ちゃん…思いとどまって!」
真姫、凛、花陽が穂乃果を止めようとするが、彼女は聞く耳を持たない。
「だって…今こうしてる間にも、あの子たちが危険な目に遭ってるかも知れないんだよ!?
…みんなは先に避難してて! 私は行ってくるから!」
数秒も経たない内に、穂乃果は駆け出していた。
「待ちなさい!穂乃果!!」
メンバーたちの叫びもむなしく、穂乃果はどんどん遠ざかっていく。
「は、速い……いつもの穂乃果ちゃんじゃ考えられないスピードだよ……このままじゃ穂乃果ちゃん、危険なところに行っちゃう!」
ことりが焦っていると、海未がメンバーたちに視線を向ける。
「皆さん! 私とことりが穂乃果を止めに行きます! 後の皆さんは帰宅してください!」
海未の言葉に、絵里が思わず反論する。
「待って! 二人も行くなんて余計危険だわ! 同じ姉として私が…」
絵里がそこまで言うと海未は彼女を厳しい表情で見据える。
「絵里。気持ちは分かりますが、もしあなたに何かあったらどうするんです?その時一番悲しむのは、亜里沙なんですよ?」
「でも……」
何かを言おうとして黙りこむ絵里。
「大丈夫だよ、絵里ちゃん! 穂乃果ちゃんと幼なじみの私たちに任せて!」
ことりが絵里にいつものようににっこり微笑む。
「私もことりと同じ考えです。このような時こそ、一番付き合いが長い私たちが行くべきだと思うのです。…どうか、この私たちに行かせてくれませんか?」
海未が必死にメンバーたちに嘆願する。
六人はしばらく顔を見合わせたが、絵里がやがて決心を固めた顔で、二人に視線を合わせた。
「…分かった。幼なじみのあなたたちに今は託すわ」
二人の顔が、ほっと緩む。
「でも、これだけは言わせて」
そう言いながら彼女は進み出て、一瞬戸惑う彼女達に強く言い放った。
「約束よ。絶対に…三人で無事で帰ってきて」
彼女の言葉は、二人の胸にズシリと重みを伴って響いた。
二人は、深く頷いた。
他のメンバーも、その様子を静かに見守っていた。
「…それでは、行ってきます」
「みんな…絶対に生きて会おうね!」
二人は炎が燃え盛る方へと姿を消していった。
その二つの背中を、残されたμ’sのメンバーたちは見えなくなるまでずっと見守っていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
穂乃果は、ただただ人ごみの中を走っていた。
たくさんの人が何かを叫び、喚きながら彼女とは逆方向に走っていく。
穂乃果は自分の命のことなど考えていなかった。
ただ自分の大切な者を救おうとする、その意思のみが彼女を突き動かしていた。
走り続けているうち、更に人が増えてきた。南方から逃げてきた人達がほとんどだろう。
穂乃果の体が街を行きゆく人々にぶつかるが、気にしない。
『早く…早く行かなきゃ…! あの二人のためにも、絵里ちゃんのためにも…!』
そう急く気持ちが、彼女をさらに走らせる。
必死に走り続け、やっと神田駅が遠くに見えてきた。
『やっと、神田駅だ…皆、もう避難したのかな…』
彼女がそう思った時、ふいに後ろから聞き覚えのある声がした。
「穂乃果!待ちなさい!」
「穂乃果ちゃん!そこにいるの!?」
穂乃果が後ろを振り返ると、そこには人ごみを掻き分けるように走ってくる幼なじみの姿があった。
「海未ちゃん、ことりちゃん…何でこっちに来てるの!?」
「いい加減に止まりなさい!!」
海未は声を張り上げた。
同時に穂乃果の腕を掴まえる。
そこで彼女は走るのを止めた。
「何故あなたは…自分の命を大切にしようとしないのですか!
私たちの気持ちも知りもしないで!」
穂乃果を睨む彼女の瞳には怒りがこもっていたが、少し潤んでいるようにも見えた。
「……じゃあ海未ちゃんは」
そうボソリとつぶやいた次の瞬間、穂乃果は吼えるように言葉を口から放った。
「海未ちゃんは、もし自分の家族がこんなことになってたらどうするの!?そのまま見捨てるの!?もし目の前で死にそうになってても知らんぷりできるの!?」
穂乃果の剣幕に思わず押される海未。
彼女の目はすっかり冷静さを失っている。
「っ、……私はそんなことを言ったつもりでは……!」
「じゃあ行かせてよ!!こういうことしてる間にも、何が起こってるかわからないんだよ!!」
そう言うと穂乃果は海未の腕を引き剥がし、また走ろうとする。
「ですが……!!」
海未も冷静さを失いかけたその時。
「穂乃果ちゃん!!」
穂乃果と海未は声がした方を振り返る。
ことりは両手を胸の前で握りしめた。
「ねぇ、穂乃果ちゃん…私と海未ちゃん、そしてμ’sの皆にとって、穂乃果ちゃんは本当に大切な存在なの」
穂乃果はその言葉に目を見開いた。
「ことりちゃん…」
「私たちがここに来たのだって、穂乃果ちゃんを大切に思ってるから…穂乃果ちゃんが私たちに とって欠けてはいけない存在だから…」
ことりは海未の穂乃果を掴む手に自分の手を添える。
「お願い、穂乃果ちゃん…もう、何処にも行かないで」
しばらく沈黙の時間が流れる。
「……分かってる…分かってるよ…」
穂乃果の声が震えている。
ことりと海未が彼女の顔に視線を向けると、涙が彼女の紅くなった頬を伝っていた。
「…でも…やっぱり私には無理なの!!」
「…穂乃果…」
「…穂乃果ちゃん…」
「ごめん、二人とも…私を思ってくれてるのにわがままなこと言って。
…でも、私には選べないの…μ’sの心配をするか、家族の心配をするかなんて」
いつの間にか、三人の周りには人が居なくなっていた。
まるでゴーストタウンのような街に、ネオンだけが灯っている。
三人の間に、沈黙が走る。
その時、神田駅の方面から爆発音が鳴り響いた。
『!?』
三人は一斉に視線を向こうに向ける。
その先に見えるは、崩れていく神田駅。
業火があっという間に駅を呑み込んでいき、焼いていく。
「もうこんなところまで…穂乃果!もう諦めましょう!あなたの命を危険に晒したくありません!!」
海未は必死に穂乃果に訴える。
さすがに、目の前で大爆発を見て彼女も怯んでいるようだった。
「…私は…!!」
その時ー
何かが空気を切り裂き飛んでいく音がした。
「「「きゃあっ!!」」」
穂乃果たちが驚いて中腰になり上空を見ると、複数の光弾が一定の方向へと飛んでいた。
それらが炎と煙の向こうに消えると、立て続けに爆音が鳴り響く。
光弾が飛んできた方向を見ると、そこにはヘリコプターと思われる影が五個ほど見えた。
「あれは、自衛隊…?一体何と戦っているんです…?」
海未がそう呟いた直後だった。
くぐもった低い唸り声が、空気を細かく震わせる。
「………?」
聞いたこともない音を聞き、三人は硬直した。
何かが、いる。
その感覚が、彼女らをその場に釘付けにしていた。
すると、煙の中から突如、大きなモノが姿を現す。
それが視界に入った時、三人の頭は真っ白になった。
飛んできた物体が、東京タワーだったからだ。
あちこちが折れ曲がった東京のランドマークが、頭上を通り抜けていく。
ヘリコプター部隊は避けようとするが、間に合わない。
東京タワーは五機すべてにクリティカルヒットし、爆発に呑まれる。
そのまま東京タワーは地面に落ち、地響きを起こした。
映画のような光景を見ながら、穂乃果は呟いた。
「こんなの…あり得ない」
三人は呆然としていた。
東京タワーが空を飛ぶなんて、普通そんな馬鹿げたことがある訳がない。
だが、確かに自分たちは現実を見ている。
ならば、その原因が煙の向こうにあるはずだ。
「一体…何が起こって」
東京タワーが飛んできた方向に目を向けた瞬間、穂乃果は凍りついた。
「どうしたの、穂乃果ちゃん?」
「何かありましたか?」
人形のように固まっている穂乃果にことりと海未が声をかけると、穂乃果は震えた指で空を指差した。
「…そこ…そこに…」
「……? そことは…?」
「空! 目の前の空だよ!!」
「目の前の……空?」
海未とことりは怪訝に思って空を見上げてみた。
なんと言うことはない。煙がかっているただの暗闇だ。
―ただその中に二つ、ギラギラした「目」のようなモノがあったのを除いて―
「…ぁ……………」
体が動かない。まるでそれに心臓でも射抜かれたかのように。
何も言えない。まるでそれに喉を潰されたかのように。
やがて煙をかき分けるように、黒い「山」がシルエットのように現れる。
それはそこらのビルを軽く凌ぐ大きさで、真上まで見上げないと目に捉えきれないほど。
そしてその頂点にある二つの光が、もやの中で唯一輝きを放つ。
怪物が一瞬体を仰け反らせたと思うと。
ソイツは、大地を震わす咆哮を上げた。
…というわけでゴジラと邂逅を果たした穂乃果たち。
彼女たちはこれからどうするのか?
二年生組はいいですね~。あの仲良しなら、相手が何であっても乗りきって
くれそうです(笑)まぁ、自分も分かりませんが←