ファンクルー・シルヴァリン
性別:男 年齢:21歳 性格:冷静、上昇志向
武器:グローブ 特技:格闘、電撃
奈落峠出身。格闘一族の血を継ぐ。雷臓という特殊体質を持ち、電気を生み出せる。
自らの力を高めるために特攻部隊に志願した。
切り替わった画面には、配属部隊とその横にその部隊の合格者の名前がズラリと並んでいた。アキラ達は後方にいたせいで、あまりよく見えない。シスキーは前にいる志願者達を掻き分け、画面を見る。ストルスは不安からか、あまり積極的には画面を見ようとしない。その時、シスキーが人混みの中から自分の名前を見つけ叫んだ。
「あったああー! 特攻部隊Gだー!」
そう叫びながらアキラ達の元に戻ってくるシスキー。特攻部隊Gはビギナー部隊の中で一番優秀な部隊。それを聞いて少し緊張が増すアキラとライドとストルス。三次試験まで残っていた156人中合格したのはたった41人。不合格者の方が多く、画面の前から少しずつ人が減っていった。落胆しそのままフロアを出る者も多いのに対し、喜びのあまり叫ぶ者もいる。そしてアキラ達はついに画面をしっかり見ることができた。
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12217年度 特攻部隊入隊試験 合格者配属部隊一覧
受験者合計615名 合格者41名 不合格者574名 合格倍率15.0倍
【ビギナー部隊】
〇特攻部隊A 合格者10名
ネオ・ライバー、カスキー・タント、メイツ、アント・マイク、ニジエンス・テト、
サンティ、デルアラ・ロック、サハ・ラビルト、ウルアナ、エソマー・リード
〇特攻部隊B 合格者8名
レン・カーダー、ミックス、シータ・ガール、ストルス、スルー・マイク、
ラダル・リン、ビスパー・ルーズ、イーム
〇特攻部隊C 合格者7名
マイク、ベアーズ・アース、インザグール、フルムヴァー・コート、ラッタン、
シリリン・ベルト、クエハン・チーカー
〇特攻部隊D 合格者4名
ロン、フレム・ガト、ロード・ロム、アギア
〇特攻部隊E 合格者4名
マルフィ・ロッド、シルク・スカット、タイガー・ラキジーク、コンス・タント
〇特攻部隊F 合格者3名
ジン・リベラスター、ゼロ・スザイク、ペド・マーカー
〇特攻部隊G 合格者3名
アキラ・ロドルフ、シスキー・スネイド、ライド
【三流部隊】
〇特攻部隊H 合格者2名
ファンクルー・シルヴァリン、スペル・クライス
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「特攻部隊G!」
「俺もお前らと同じだ…三人共特攻部隊Gか!!」
「いえーい、これからもよろしくなー」
アキラ、ライド、シスキーの三人は特攻部隊Gへ配属決定。上出来である。三人共、三次試験での実力が高く評価されたのであろう。喜びながら二人と肩を組むシスキー。対するストルスは、
「あった! 特攻部隊Bです!」
「ほら言ったろ! おめでとう」
特攻部隊Bへ配属。アキラ達とは差が開いてしまったが、ストルスは合格できたことがこれ以上ないほど嬉しかった。三次試験では相手が悪かったものの、さまざまな種類の魔法を使えていた点が評価されたのだ。例年ではビギナー部隊までの7つの部隊に配属されるのだが、その上の特攻部隊HIJKLMN、いわゆる『三流部隊』の合格者が二人もいたことにフロア全体の合格者は驚いていた。
「いつもは、最高でもGまでしか合格者は出ないはずだろ…」
思わずそういう声も出ていた。特攻部隊Hの合格者は、あのファンクルーともう一人であった。アキラ達より上の部隊の合格者が出ていた事にシスキーは憤怒していた。アキラ達が周りの合格者に聞いたところによると、スペルという男は一次試験を1位で通過したパーティの一人だという。三次試験でもアキラ同様、相手を数秒で倒したらしい。
「そのパーティは、スペル、ゼロ、ジン、タイガーっていう四人組らしい。全員特攻部隊E以上に合格してる。一次試験を残り時間40分以上残してクリアしたらしい。恐ろしい奴らだよ」
アキラ達がダンジョンに転送されたのとほぼ同時にクリアしているのだ。上には上がいるのだ、とまだ思い知らされた瞬間であった。やがてフロアに残ったのは合格者41人のみとなる。ファンクルーやペドの姿もみえる。機械音声が流れる。
「「合格者41名以外の全員の退室を確認しました。これから上のフロア地下四階に移動し、入隊式を行います」」
そう言い終えると、彼らの前の画面の横の階段へ続く扉が開いた。全員は階段を昇り、地下五階から地下四階へ移動する。
彼らが到着したのは、地下四階の一室。小さな部屋だ。部屋の前方には段があり、檀上には三人の男が立っている。右側に立っているのは、巨体の男、特攻司令官グラナドウである。合格者全員が部屋に入り、三人が立つ段の前に整列したのを確認すると中央に立つ男がゴホンと咳払いをした。その男は、二メートルには少し届かないが長身で金色に輝くマントを着用している。口周りからは長く白いヒゲが生え、白髪で長髪。年齢を重ねているのか、顔にはしわやシミが多く見える。男が口を開く。
【ライトレイ王国国王兼総司令官 グリウズン・エンバルト】
「合格おめでとう、諸君。わしはライトレイ王国国王グリウズン・エンバルト! 王国総司令官も務めている」
国王グリウズンはそう言った。アキラ達を含め、王を直接見るのは初めての経験の者がほとんどであり、全員の緊張は極限まで高まっていた。すると右側に立つグラナドウが言う。
【ライトレイ王国特攻司令官 グラナドウ・ゴウメクバード】
「二回目の自己紹介だが、俺は特攻司令官グラナドウ・ゴウメクバード! これからよろしくな!」
二メートルを超えるその巨体はかなり目立つ。両の拳には鋼鉄でできたナックルを装備している。グラナドウとは反対側の、グリウズンの左側に立つ男が目を開けた。これまでずっとまるで瞑想をしていたかのように目を閉じていたのだ。男は黒髪で長髪、後ろで髪を結び、背中に垂らしている。和服を着ており、両腰に複雑な模様が描かれた刀を一本ずつ装備している。まるで侍のようであるその男が口を開いた。
【ライトレイ王国護衛司令官 キズナ・シノノメ】
「私は護衛司令官のキズナ・シノノメ。君達とは関わる事は少ないと思うが、以後よろしく頼む」
この三人がライトレイ王国のトップ3。総司令官と特攻司令官と護衛司令官という最高権力である。続けて国王グリウズンが喋る。
「41人か、いつもより多いな。さらに特攻部隊Hの合格者まで出ているとは、かなり優秀な代だよ。…さて、本題に入ろうか。諸君らには、これから特攻部隊の一員として存分に力を発揮してもらいたいと思う。知っていると思うが、現在の大陸の状況は決して安定した状態とは言えん。我々ライトレイ王国、大陸北西部のラギ帝国、魔界の魔連合国の三国による三つ巴の戦闘が各地で度々繰り返されている。その戦闘も次第に激しくなりつつあり、本格的な戦争もやがて起こりうる状況だ。そこで、我々特攻部隊はライトレイ王国の最高戦力として最前線で戦い、王国を勝利へ導くために戦わねばならない! 諸君らの力が必要だ! ここで諸君らに特攻部隊隊員としての心得を授けたい」
再び咳払いをし、続ける。
「一つ、常に作戦の成功を何よりも最優先事項とし行動すること! 一つ、常に戦えるように準備すること! 一つ、常に向上心を持って鍛錬に励むこと! 一つ、常に仲間との良いコミュニケーションを保つこと! 一つ、常に命令には従うこと! 一つ、常に特攻部隊としての誇りを持ち行動すること! 以上だ」
グリウズンがそう言い終えると、アキラ達を含めた41人全員が王への敬意を込めて片膝をついて下を向き忠誠を誓った。まだ特攻部隊隊員になったという自覚はないが、彼らは誇りをもって片膝をついていた。
(特攻部隊Zを目指す! 必ずなってやる)
(記憶を取り戻せる可能性を少しでも増やすため、まずは強くなるしかない)
(俺は…大陸の平和を…いや、奴らへの復讐を!)
(僕は必ずこの世界を平和にする力になるんだ)
アキラ、ライド、シスキー、ストルスの四人はそれぞれの思いを胸に特攻部隊へと合格したのであった。
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「よし、計画は進んでいるな、パリスガルト」
銀髪の男はそう言った。ここは大陸北西部中央に位置するラギ帝国首都にある拠点『天空城』の最上階。玉座に座る男の横に立つ男パリスガルトが口を開いた。
【ラギ帝国第一将軍 パリスガルト・ブリークス】
「はっ。実験段階はほぼ終了でございます。あとは量産するのみです。デアディン様」
【ラギ帝国皇帝 デアディン・デリーグ】
「そうかそうか。順調だな」
彼はラギ帝国の皇帝である。横にいるパリスガルト・ブリークスは帝国が誇る四人の将軍『四大将軍』の一人。デアディンの左腕は改造されており、機械で出来ている。ラギ帝国は高い科学技術を誇る帝国。多くの兵器を抱え込んでいる兵器帝国と言える。デアディンは高く笑い、大陸全土の地図を手元に広げた。
「どっちを攻めようか…、やっぱこっちが先だと思ってるんだが」
デアディンはそう言いながら地図のある一点を指で押さえつけた。
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ここは大陸北東部にあるベガキ樹海を抜けた先にある魔界の門、それをくぐった先に広がる魔界である。魔界の五つの小国それぞれの王『魔界五天王』が魔界の中央にある『魔王城』の最上階の魔王の部屋へと集まっていた。王座に座る、薄紫色の皮膚をした魔王モルドバル・ゼファードが口を開く。
【魔連合国魔王 モルドバル・ゼファード】
「よく集まったな、魔界五天王。実にひさしぶりだ」
魔王の横には側近が二人。だが全く喋ろうともしない。モルドバルの前に集まった魔界五天王が口を開き始める。
【魔界リビロ国王・魔界五天王『L』 エルバンドウ】
「お久しぶりです、魔王様。本日はどのようなご用件で」
【魔界テイガス国王・魔界五天王『Z』 ゼトリム】
「エルバ、てめーこの前俺の部下殺しただろう!? 許さんぞ!」
【魔界ビルン国王・魔界五天王『G』 ジークグレイ】
「ゼトリムが先に手を出したんだろ、どうせ?」
【魔界アステンダーツ国王・魔界五天王『V』 ヴィルヴァンダ】
「まぁまぁお前ら、騒ぐなよ。魔王様の前だぞ」
【魔界ファスタ国王・魔界五天王『I』 アイズロー】
「もっと寝ていたかったぜ。めんどくせ」
魔王の咳払いで、五人は静かになって整列した。魔界五天王はモルドバルの前に跪く。
「…戦力も整ってきた。これから本格的にガンドラ大陸侵略へ作戦を開始する。よく聞いていてくれ」
「はっ!」
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それぞれの勢力がほぼ同時に、静かに、動き始めようとしていた。
―――第一章【旅立ち】 終
第一章、完結です。
第一章は物語の世界観の説明、伏線などばかりになりましたね。。
次の章ではいよいよ特攻部隊となったアキラ達が活躍する話となっていきます!
このようにマイペースですが、頑張りますのでどうかこれからもよろしくお願いしますm(__)m
それと、読みやすいように一話あたり3000~4000字程度の文字数にしてきていましたが、これからは増えたり減ったりするかもしれません。。