side秋良
取り敢えず女子達は引き離したけど、
思いっきり兄さん達より遅れてる。
兄さんはシャルルと先に行っちゃったし、
俺もさっさと行かなきゃね。
「遅いぞ織斑弟!!」
なんで俺だけ~!?
着いた瞬間から早速怒られてるし。
仕方ないとはいえ泣きたくなるわ。
「(悪いな秋良。)」
「(良いよ別に、気にしてないもん。)」
小声で話し掛けてきた兄さんに返しつつ、
列の中に入る。
「それではこれより専用機持ちによる実演を見せてもらう、
織斑兄、オルコット、出てこい。」
ありゃ?原作じゃあ鈴が呼ばれる筈なのに、
・・・、ってそうか、アイツ自分から攻められないんだった。
簪は四組だし、シャルルは来たばっかりだからね、
なら手加減しまくった兄さんの方が良いよね。
ま、俺がやる訳じゃないからどうでもいいんだけどね。
「よろしく頼むぜセシリア。」
「はい!今日こそ当ててみせますわ!」
そう言えば、セシリアはクラス代表決定戦からずっと兄さんに一撃すら当てられてないんだよね、
今日こそは一矢報いたいよね。
でも、相手は兄さんじゃないよ~、
凄く天然で、何も無いところで転けそうな人だよ。
「お前達にはこれより模擬戦を行ってもらう、
相手は―――」
「ひゃぁぁぁ!!ど、退いてください~!!」
姉さんが言い終わる直前、
上空から悲鳴が聞こえ、頭が痛くなるのを感じつつ上を見る。
やっぱりね、ラファール・リヴァイヴを装着した真耶先生が墜落してきた。
って!?おいおい!?あまりにも的外れな所に墜ちようとしてる!?
兄さんは助ける気がないのか、セシリアを連れて落下予測地点から離れてる、
鈴はあてにならないし、シャルルは突然の事に固まってる。
ラウラはそもそも論外だ。
しょうがない、俺が助けますか。
飛び上がりつつもルージュを展開、
真耶先生の腕を掴んでスラスターを逆噴射して、地面との衝突を避ける。
「あ、ありがとうございます、秋良君。」
「いえ、大丈夫ですよ、気を付けてくださいね?」
「は、はいぃぃ・・・、」
なんでこの人が教員なんてやってるんだろう?
普通なら保母さんや花屋の店員やってる方が似合うよね?
・・・、いや、変な所でミスしそうだから無理かな・・・。
「ハプニングがあったが、お前達二人は山田先生と戦ってもらう、
制限時間は定めないが私が頃合いを見て止める、良いな?」
「「はい。」」
うわ~、兄さんスゴい不満そう。
なんせ思いつき眉間に皺がよってるもの。
ま、俺は見てるだけだし、頑張れ。
sideout
side一夏
やれやれ、面倒な事になったな・・・。
ま、セシリアの癖は大体分かってるし、
それを上手いこと引き出して山田先生と戦わせるか。
「セシリア、ビットは使わずに山田先生が避けたところを狙撃してくれ。」
「分かりましたわ、近接戦はお任せしてよろしいですか?」
「任せろ、俺はエールストライカーで行く。」
ストライクを起動し、I.W.S.P.からエールストライカーに換装する。
セシリアはブルー・ティアーズを起動し、俺の後ろに控える。
「それでは・・・、始め!」
駄姉の合図で俺は先に飛び上がり、
エールストライカーの機動性を活かし山田先生の背後に回り込み、
ビームサーベルを抜き放ち斬りかかる。
しかし、流石は元代表候補生と言うべきか、
俺の斬撃を見事と言うべき機体制御で回避し、
攻撃後の隙をマシンガンで攻撃しようとしてくる。
けど、俺は何も一人で戦ってる訳じゃねえんだよな。
意識を俺の方へ向けた山田先生を、少し離れた所にいたセシリアが狙撃、
俺への攻撃を妨げる。
その隙にビームサーベルで山田先生の両手に握られていたマシンガンを破壊、
追撃として左手にビームライフルを呼び出し発砲しようとするが、
距離が近すぎたせいか、ビームライフルを蹴り飛ばされてしまった。
マジかよ、原作より攻撃法が荒々しいな。
だが、おもしろい、そう来なくちゃな。
ならばと急接近し、両手にビームサーベルを持ち二刀流で攻める。
流石にビーム兵器は実体兵装では防げないのだろう、
俺から距離をとろうと後退する。
しかし、退路を阻む様に撃たれるセシリアの狙撃に、
山田先生の表情は苦いモノになっていく。
これだよ、これなんだよ!
相手の苛立つところ、苦い表情を見ることこそ、
対人戦の醍醐味なんだ!
「おもしろい、おもしろいぞ!」
思わず歓喜の言葉が口から飛び出てきた、
不謹慎だし、一応心の中で謝っておく。
そろそろ止められるだろうし、一気に勝負を掛けてみるか。
左手に持っていたビームサーベルをエールストライカーに戻し、
サイドスカートよりアーマーシュナイダーを取りだし、
山田先生目掛けて投擲する。
「ッ!?」
山田先生は咄嗟に回避するが、アーマーシュナイダーに気をとられ過ぎ、
セシリアの狙撃に当たる。
「終わりだ!!」
俺はスラスターを全開にし、間合いを一気に詰め、
二本のビームサーベルでトドメを刺そうとした。
まさにその時だった・・・。
「そこまで!」
駄姉が終了の合図を掛けやがった、
良いところだったのによ。
ビームサーベルは山田先生の機体に届くか否かという所で止めてある。
流石に終了の合図が掛かってるのにヤるのはどうかと思う、
たかが模擬戦だからな。
「セシリア、お疲れさん、いい援護だったぜ、
お蔭でかなりやり易かった。」
「ありがとうございます、お役に立てました様で何よりですわ。」
ふっ、コイツもコイツで可愛いところはあるから、
気にかけてやりたくなるんだよな。
「ですので、褒美として私を調教して――」
「黙ってろ牝犬が。」
「アァン!」
訂正・・・。
ホントダメだコイツ、早くなんとかしないと・・・。
sideout
sideラウラ
ありえない・・・。
教官の足を引っ張った男があれほどの力を持っているなど・・・、
あれほどの力があれば、教官の足を引っ張る事などありえる訳がない・・・。
では何故奴は教官の足を引っ張ったのだ・・・?
分からない、理解できない・・・。
sideout
side秋良
授業も終わり、何時ものメンバーにシャルルを加えた七人で屋上で食事をすることにした。
原作ならここで箒、セシリア、鈴が一夏の為に弁当を作って来るんだけど、
特にそんな事は無く、寧ろ兄さんと俺が弁当を作って来た。
兄さんて甘い物が好きだけど、弁当は結構しっかりと栄養バランスが考えられてる。
俺の場合、どうしても辛い物が多くなってしまうから、
ちょっと羨ましい。
「うわぁ!これ全部一夏と秋良が作ったの?」
料理の豪華さ――まあオムライスに唐揚げ、シーザーサラダにサンドイッチというラインナップだけどね――にシャルルは驚嘆していた。
「まあね、俺も兄さんも料理って結構好きだし、
皆で食べるんなら手作りの方が良いと思ってね。」
「御託は良い、さっさと食べるぞ。」
「ってコラ!何一人で勝手に食べようとしてんだ兄さん!?」
「動いてたから腹へってんだよ!!さっきの授業なんもしてねぇお前に言われたかねぇ!!」
「何おぉっ!?」
つまみ食いを阻止しようと兄さんの手を払い、
いつも通りの殴り合いに発展する。
「ね、ねぇ、止めなくていいの?」
「大丈夫だ、問題ない。」
モッピーがシャルルの質問に答える様に喋っていた。
因みに俺は今兄さんを卍固めで関節をキめている。
「痛い痛い痛い!!ギブ!秋良!痛い!!」
「だまらっしゃい!!兄さんがつまみ食いしようとしたのが悪いんだろ!!」
「ギャアァァッ!!」
断末魔が聞こえた気がするけど気にしない。
「ほ、本当に止めなくていいの?」
「何時もの事だ、気にしていたら付いていけん、
それにこれはこれで萌えるしな!!」
「「黙れよ腐女子!?」」
モッピーの台詞に俺と兄さんは揃ってツッコんだ。
ホント、モッピーなんでBでLな趣味に目覚めてんの?
なんか気色わるいわ。
「秋良、そろそろ食べよ?」
「分かったよ簪、じゃあ最後に!」
「ギャアァァァァッ!?」
兄さんがスゴい声をあげて沈黙する、
まあスーパーコーディネーターだし、大丈夫だよね。
「い、一夏?大丈夫?」
シャルルが兄さんを心配して、身体を揺らすが反応が返ってこない、
まるで屍のようだ。
「はわわわわ!?え、衛生兵!衛生兵~!!」
「五月蝿いぞシャルル、俺は大丈夫だ。」
「へっ?うわあっ!?」
テンパって叫ぶシャルルの声に、
五月蝿そうに顔をしかめながらゆっくりと起き上がる兄さんを見て、
シャルルはビックリしていた。
って言うか、回復ホントに早いね。
「お、脅かさないでよ一夏~!!」
「悪かったな、これが性分なもんでな。」
「嫌な性分だね!?」
シャルル、一々俺と兄さんにツッコんでたら疲れるよ?
まあそれがシャルルの性分なら仕方ないけど。
「そんな事より飯食うぞ、腹へった。」
「それじゃあ、皆、食べよっか?」
取り敢えず騒動を終わらせ、漸く昼食にありつく。
あ、そうだ。
「(ねぇ兄さん、シャルルの事なんだけど・・・。)」
「(俺に任せてくれないか?お前新党簪なんだろ?)」
「(分かったよ、シャルルの事、頼んだよ兄さん。)」
よし、これで何の憂いもないね。
後は兄さんが上手くやってくれるから、楽でいいや。
sideout
次回予告
シャルルと同室になった一夏、
正体を見破り、ある約束をさせる
次回インフィニット・ストラトス・アストレイ
約束
お楽しみに!