インフィニット・ストラトス・アストレイ   作:ichika

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海だ水着だ!秋良編

side秋良

兄さん達が水着を買いに出た翌日の日曜日、

俺は鈴、簪、そしてラウラを連れてモノレールに乗り込んだ。

 

ラウラは昨日兄さん達と買い物に行けなかったのが少し寂しいのか、

少しいじけていた。

 

「ラウラ、落ち込んでたら駄目よ?」

簪がラウラの頭を撫でながらそう言う。

 

「むぅ・・・、だがな、兄貴と行けなかったのは少し悔しいぞ。」

「そこまで?」

「うむ、では聞くが、お前達ならどうだ?

秋良と行けないから兄貴と行くことになったらどうなのだ?」

 

その問いに簪は複雑な顔をし、

鈴は?を頭の上に浮かべていた。

 

「なんで?一夏と遊んでも面白いよ?御菓子買ってくれるし。」

「鈴、そういう事を言ってるんじゃないからね?」

鈴・・・、完全に兄さんに餌付けされてるなぁ・・・、

まあ、それを言うならラウラもそうなんだけど・・・。

 

「そう言えば、秋良って泳げるの?」

「ッ!!」

 

アァァァ!!

忘れてた!俺泳げないんだった!!

 

ヤバイぞ・・・、兄さんに触発されて来たのは良いけど、

前世での死因が原因で俺泳げないんだった!!

 

「お、俺は泳ぐよりビーチバレーとかの方が好きなんだよ!

兄さんは物凄く泳ぐの上手いけどね。」

「そうなの?」

 

兄さんの件は本当だけど、俺の件は殆ど嘘だよん。

 

取り敢えずそろそろ着くし、三人を促して席を立った。

 

sideout

 

sideラウラ

モノレールを降り、レゾナンスと言う名のショッピングモール内を四人で暫く歩いていくと、

目当てとしているらしい水着を取り扱っている店までたどり着いた。

 

因みに秋良はトイレに行くとか言って、

何処かに行ってしまった。

 

今まで軍の中でしか生きていなかった私にとって、

これ程までの量の水着が列べられているのは初めて見る物だった。

 

「皆はどんな水着が良いの?」

簪が自分も陳列されている水着の中から自分に合いそうな物を探しながら、

私と鈴に向けて言葉を投げ掛けてきた。

 

「むぅ、そう言えばまったく決めて無かったぞ。」

大真面目にそう返すと、

鈴も簪も何故か呆れたような顔をしていた。

 

「ラウラ、それじゃダメ、ラウラも女の子なんだから、

しっかりと身嗜みを考えないと、一夏や秋良に構ってもらえないよ?」

 

むっ、それは嫌だな、

兄貴にも秋良にも構ってもらいたいな。

 

「しかし・・・、正直言って私はこういう物に疎いんだ・・・、

どういった物を選べば良いのかもまったく分からないんだ・・・。」

 

そう考えれば、私はどれだけ無知であったのかがよく理解できた。

それと同時に自分の生まれを少し呪った・・・。

 

「じゃあこう言うのは?ラウラならこれぐらい着ても良いと思うよ?」

そう言いながら簪が渡してくれたのは、黒いレースで飾られた水着だった・・・。

 

いや、それはいいんだが・・・。

「布の面積が少し小さいのではないか?」

 

水着の良し悪しに疎い私でも、

パッと見で感じるのだから・・・。

 

「これぐらいでも大丈夫、

だって私達、身体の起伏殆ど無いしね・・・。」

 

簪がそう呟いた瞬間、

私は何かが割れる様な音を聞いた。

 

多分、割れたのは私達のハートだろうな・・・。

 

「言うな・・・、言わないでくれ・・・、

今まで気にした事はなかったが、最近気にする様になったんだ・・・。」

「うぅ・・・、なんで私達には胸が無いの・・・。」

 

空気が一気に通夜の様になってしまった・・・。

鈴もかなりヘコんでる・・・。

 

「と、取り敢えずそろそろ決めるとしよう。」

「そうね、私はどれにしようかな・・・?」

 

死んだ空気をなんとか持ち直させ、

私達は互いに議論しながら水着を選んでいった。

 

sideout

 

side秋良

「やれやれ、あの人は何処かなっと・・・?」

 

俺は一人、レゾナンスの喫茶店まで歩いてきた。

 

と言うのも、ついさっきアクタイオンの関係者に呼び出されただけなんだけどね。

 

なんで今日に限ってとは思うけど、

一応俺も社員だから呼び出されたら従う以外無いからね。

 

「おっ、いたいた。」

目当ての人を見つけ、俺は彼に近付く。

 

「見付けましたよ、ロウ・ギュール。」

「んぁ?おお、呼び出してワリィな秋良!」

 

長めの茶髪を立たせ、額に緑色のハチマキを巻いた男性が席から立ち上がり、

俺を呼び寄せる。

 

彼の名前はロウ・ギュール。

本来ならSEEDアストレイシリーズの主人公だが、

恐らく女神がこの世界を創るにあたって、呼び寄せたのだろう。

 

しかし、彼ほどのメカニックがこの世界での味方ならかなり心強い。

 

「元気そうで何よりです、兄さんは思いっきり羽伸ばしてますよ。」

「ははは、アイツらしいな。」

 

雑談を交わしつつ、俺はウェイトレスに珈琲を注文。

長い話になりそうな予感がしたからね。

 

「それで、今日呼び出しのって、やっぱり仕事の事ですか?」

「おう、まあ早い話、これを見てくれりゃぁ分かる。」

 

そう言いつつ、彼は書類の束を俺に渡した。

 

何事と思い、それを読んでみる。

 

そこには目を疑いたくなるような内容が書かれていた。

 

一つは新型ストライカーの設計図、

だが、もう一つは違った。

 

「ガーベラストレート、タイガーピアスのどちらでもない刀、

なんですかこれは・・・?」

「ガーベラストレート、タイガーピアスは元々俺が打ったIS用の日本刀だ、

違う銘の刀を打つことなんて楽なモンだ。」

 

ロウはオレンジジュースを口に含みながら語り始める。

 

「だが、ガーベラストレートとタイガーピアスはお前らに折られちまったからな。」

「・・・、面目の次第もございません・・・。」

 

実は、俺達はIS学園に入学する前、

アクタイオン社で本格的な訓練と、アストレイ世界の武装を試していた。

 

その際、ストライクとルージュを、

ガーベラストレート系の刀を扱う為にチューンし、

お互いに満身創痍になるまで打ち合った事がある。

 

それだけなら良かったんだが、

加減を知らない俺達は、ガーベラストレートとタイガーピアスの両方を折ってしまったんだ。

 

「まあそれは良いんだ、取り敢えずお前らに決めて欲しいのはコイツの銘だ、

なんだっていい、二つ考えてくれ。」

「良いんですか?普通は打った貴方が考えるべきでしょう?」

「まあお前達が使うんだ、それぐらいはさせてやりたいんだ。」

 

そう言われてもなぁ・・・、

兄さんの意見も聞きたいし、パッと思い付く物でもないしね。

 

「取り敢えず決まりましたら連絡するんで、

今日はこれで失礼します。」

「おっ?女の子と待ち合わせでもしてるのか?」

「ええ、かなり待たせてますよ。」

 

ヤバイな・・・、かれこれ三十分も経ってる、

こりゃ皆怒ってるだろうな・・・。

 

「そいつは悪い事をしたな、ここは俺が払っとくよ。」

「すいません、樹里さん達にもよろしく言っておいてくださいね?」

「おう、じゃあな。」

 

手を振り、見送ってくれるロウに頭を下げながら俺は水着売場までの道程を走る。

 

さて、どう言い訳するかな・・・。

 

sideout

 

side簪

三人ともようやく水着を選び終え、

私達は店の外に出た。

 

因みに選んだのは、ラウラは私が選んだ黒のレース。

鈴は橙色のタンキニ、私は水色のワンピースタイプ。

 

会計を終えた私達は、

今だ帰って来ない秋良を探しに行く事にした。

 

「何処にいるのかな・・・?」

「分からん、だが、この中にはいるだろう。」

「この中ってかなり広いのよ?」

 

何度も来てるから分かる、

ここは色んなお店があるから一つ一つ回ってたら日が暮れる。

 

「だが、探さない訳にもいかんしな・・・。」

「まあそうだけど・・・、なんで勝手に何処かに行くのかな・・・。」

 

まあ一夏ほどじゃないとは思うけど・・・。

 

さて、困ったなぁ・・・、

下手に動いたら確実に迷子になる。

 

そんな時だった・・・。

 

「オーイ!」

秋良が向こう側から手を振り、走ってくる。

 

手には何かの書類が握られていた。

「ごめんごめん、ちょっと仕事で呼び出されちゃってさ。」

「もう・・・、それならちゃんと言ってよ。」

 

それなら仕方ないと言ったら仕方ないかな?

 

「ごめんね、何か埋め合わせはしっかりするからさ。」

「分かった、でもその前に、秋良の水着を買いに行こっ?」

「そうだね、行こうか?」

 

私達は男性用水着を取り扱っている売場まで行き、

秋良の水着を選んだ後、秋良行き付けのカレー店で昼食を取った後、

IS学園に戻った。

 

sideout

 

side秋良

買い出しから戻った俺は、

ロウから渡された資料を兄さんに報告すべく、

兄さんの部屋を訪れていた。

 

「兄さん、俺だよ?居るかい?」

扉をノックし、呼び掛けても中からの反応は無い。

 

「兄さん、居ないのかい?」

さっきより大きめの声で呼び掛けるけど、

あい変わらず反応は無い。

 

いないのか?

おかしいな・・・、今日はアリーナも開いてないし、

何かトレーニング施設を使うとも言ってなかったし・・・。

 

・・・、もしかして寝てるのか?

 

そうなら叩き起こしてやるかな?

 

そう思い、ドアノブに手を掛け、回してみると、

どういう訳か、向こう側から扉が開いた。

 

「五月蝿いぞ秋良・・・、折角気持ち良く眠ってたのによ・・・。」

 

扉が開き、上半身裸の兄さんが気怠そうにしながらも出て来た。

 

「ちょっ・・・、兄さん、不用心だよ?

もしそんなところを腐の方々に見られたらどうすんだよ?」

「良いじゃねえか別に、俺達に実害が有るわけでも無いしな。」

 

・・・、なんだ・・・?

なんか兄さんの様子が変だな・・・?

 

「兄さん、昨日の夜何してたの?」

「知りたいか?」

「まあ一応。」

 

だって気になるし。

 

兄さんは俺の言葉に暫く考えた後、

溜め息をつきながら扉を一際大きく開ける。

 

「後悔すんじゃねぇぞ?」

「?」

 

何を後悔するんだ・・・?

 

そう思いつつも兄さんの後に続き、

部屋の中に入る。

 

「なっ・・・!?」

兄さんのベッドの上で穏やかに寝息をたてているセシリアとシャルロットが眠っていた。

 

しかも胸元が見えてるって事は、全裸という事になる・・・。

 

「兄さんこれはどういう事だよ!?」

「黙れ、寝てるレディを起こすな。」

 

思わず怒鳴り声とも取れる声をあげた俺を、

兄さんはめんどくさそうに制した。

 

他人に迷惑をかけるのはあまり好きでは無いし、

取り敢えず落ち着く。

 

落ち着いてこの状況を吟味すると、

ある一つの絶対的な結論が浮かび上がる。

 

「まさか兄さん・・・、ヤッたのか・・・?」

 

どう考えてもそうとしか考えられない。

二人は兄さんに惹かれている、それに兄さんは二人を受け止める度量がある。

 

「まあな。」

 

うわぁ・・・、ドヤ顔ウゼェ・・・。

この人は俺の上を行き続けるのか・・・。

 

「朝までヤッてたから、寝たのはテメェらが出たのと同じよう位だな。」

「そんな事聞いてないよ、まあ良いさ、取り敢えずこれを見てくれ。」

 

頭を掻きつつ、俺はロウに渡された資料を兄さんに手渡す。

 

資料を読み込んだ兄さんの眼が細められる。

 

そりゃそうだろう、なんせ新型ストライカーの設計図と、

ガーベラストレート系の武装のデータだからね。

 

「ディバインストライカー・・・、こんなの何に使うんだ?

それならまだバズーカストライカーの方が役にたつ。」

「そうだけどさ、無いよりはマシじゃないかな?

でも、俺個人としてはエールストライカーが欲しいね。」

 

なんせI.W.S.P.は扱い辛いし、ライトニングストライカーは使いどころが無いし、

今ではソードストライカーしか使って無いしね。

 

「ま、そう言うのは技術屋に任せるとしよう、

でだ、これをどうしろと?」

 

兄さんはストライカーの設計図をしまい、

ガーベラストレート系のデータを指差す。

 

「ロウがさ、俺達に銘を考えて欲しいんだとさ。」

「成る程な、なら、俺は景光にちなんで、シェイドリュミエールと銘打つとするか。」

 

シェイドは英語で蔭(景)、リュミエールは仏語で光か・・・。

兄さんめ、自分の女の母国語に掛けたね。

 

流石と言うしか無いんだけどね。

 

「で?もう一本はどうすんだ?

俺のは決めちまったし、テメェが決めな。」

 

と言われましても、そんなポンポン浮かんで来るもんじゃありませんぜ?

 

「んー、御神刀の石切丸にちなんで、ロックスライサーにするかな?」

「良いんじゃねぇか?それで?」

 

俺と兄さんはそれぞれ、茎(なかご)に景光と石切丸の銘を書き加える。

 

これで後はロウに渡すだけだね。

 

「んじゃ、用も済んだことだし、邪魔者は去るとするよ。」

「まあ待て、取り敢えずテメェにもこれをやる、

簪達と励むこった。」

 

帰ろうとする俺を引き留め、兄さんが渡した物は、

煙草の箱の様な物だった。

 

うん、見ただけで分かる、

これってもしかしなくてもゴムだな。

 

「こんのバカ兄貴・・・!」

「とっとと出てけアホ弟。」

 

殴り掛かろうとしたけど、

兄さんの方が先に動き、気がつけば俺は部屋の外に放り出されていた。

 

「クソッ!嫌がらせかよコンチクショー!」

 

そう思いつつも、一応ありがたくもらっとくよ。

俺だって男だし?事前策さ。

 

sideout

 




はいどーもです!

次回は番外編として腐女子組合会合第二回を書きたいと思います。
だって箒の出番無いし・・・。

ではまた次回に!
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