インフィニット・ストラトス・アストレイ   作:ichika

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明かされる秘密

side一夏

さてと、今日で過去との決別が出来るのだろうか・・・?

 

俺の心にはまだ零士としての感情が残っている。

悪いとは思わない、だが、これから俺が織斑一夏で在るためには邪魔でしかない。

 

それをキレイサッパリ捨てないと、俺は女神から承った命を遂行出来ない。

だから、俺は俺で在るために、嘗ての自分を棄てる。

 

暫く待っていると、秋良がセシリア達を連れて戻ってきた。

 

「呼び出して悪いな、お前達に話しておかなければならないことがある。」

「いえ、構いませんが、一体何を?」

 

セシリアが一同を代表し、

俺に話の内容を尋ねてくる。

 

「重要な話さ、俺と秋良の真実、

そして、お前達の今後を左右する程にな・・・。」

 

俺の言葉に、部屋の空気が一気に変わる。

動揺、怪訝、様々な感情が伝わってくる。

 

「覚悟は良いか?

この話を聞けばもう何も知らずには居られない。

そして、これから起きる戦いから逃れられなくなる。」

 

『・・・!』

俺と秋良が発する雰囲気に、

全員が固唾を呑み込む。

 

ここに来た以上、

いや、俺達に関わっている以上、

知ってもらわなければならない。

 

「(覚悟は良いな、秋良?)」

「(当然だよ、流石に黙ったままは辛いからね。)」

 

秋良とアイコンタクトを交わし、

俺は一度息を吐く。

 

「これから話す事に、何も言わず聞いてくれ。」

「信じるか信じないかは、皆の裁量に任せるよ。」

 

俺と秋良の言葉に、全員が無言で頷き、

話を聞く体勢を取る。

 

さて、何処から話そうか・・・。

 

「こんなことを言っても信じないだろうが、

俺と秋良は一度、死んでいる。」

 

『・・・!?』

駄姉も含め、全員が目を見開く。

 

「今から15年前、いや、もっと前かも知れないが、

俺と秋良はこの世界ではない、別の世界の住人だった。」

「その世界は11年前までの世界と同じだった、

大国主義の世界だったけど、今の世界より随分マシな世界だった。」

 

俺は事実だけを話すように語り、

秋良は何処か懐かしむ様に語る。

 

「その世界で、俺達はしがない普通の学生だった、

だが、ある時、俺はトラックに轢かれそうになった子供を助ける為に。」

「俺は海で溺れていた子供を助ける為に命を落としたんだ。」

 

「普通なら、そこで死んで終わりだが、

俺達は謎の空間へと連れて行かれた。」

「そこで俺は兄さんと初めて出会い、意気投合してた所に、

女神と自称する人に新しい命を授けられてここに居る。」

 

この能力と機体の事は伏せて話すコイツの舌も、

なかなか侮れんな。

 

「ま、大まかな事はこんな感じだ。」

「ははっ、怪しいでしょ?」

 

俺は肩を竦め、秋良は自嘲する様に笑う。

 

ま、この程度で信じて貰うには無茶と言うべきだな、

こちらが見せて良い手札の中から言葉を選ぶ必要があるな。

 

「何か聞きたい事は無いか?」

「このままじゃ信じるにも信じられないも判断出来ないでしょ?」

 

俺と秋良が呼び掛けると、

簪がおずおずと手を挙げた。

 

「おう、簪、何かな?」

「一夏達の話を鵜呑みにするなら、

どうしてこの世界になったの?」

 

あ、そう言えばその辺りを説明してなかったな。

どういう風に説明しますかね?

 

「なら逆に質問しよう、

簪、お前が愛読しているラノベの世界が有るとしよう、

その世界に行きたいとは思わないか?」

「それは・・・。」

 

簪が思案するような表情をし、黙りこんでしまう。

 

まあ、いきなり言われても難しいわな。

「!?ちょっと待ってください!!」

「どうしたラウラ?」

 

何かに思い至った様な顔をし、

ラウラが声をあげる。

 

「兄貴は先程ラノベ、小説の世界へと言いました!

と言うことは・・・!?」

「流石だなラウラ、その通りだ、

この世界も、元々は小説の中の世界だ。」

 

流石は俺の妹分、頭の回りも中々の速さだ。

誉めてやるぜ。

 

「残酷な言い方だろうが、この世界は小説家が書いた世界に行きたいと願った俺達の心を読んだ神が作った世界だ。」

「だから、俺と兄さんはISの使い方を大体理解している、

どういう風に動くかもね。」

 

何も言えないのか、

全員が押し黙ってしまっている。

 

「だが、幾つか分からない事がある・・・、

どうもこの世界が小説そのままと言う訳では無くなっている。」

「どういうことですか?」

 

俺の言葉に、ラウラが尋ねてくる、

ここから先は俺達にも推測の領域でしかない。

 

「まず一つ、お前達の性格だ。

あまりにも違い過ぎたから、本当に望んだ世界と同じか疑ったぜ。」

「二つ目、簪の登場時期と専用機だね、

本来、俺もしくは兄さんとかち合うのは10月、

その上、一夏の機体開発の煽りを受けて機体が製作途中で投げ出されていた。」

「他にも色々有るんだが、多すぎで列挙に暇が無い。」

 

全部挙げたら確実にキリがないからな。

ここいらで止めとくのが一番だ。

 

「ま、こんなこと言っても、詭弁だと思われかねないのは分かってるよ。」

秋良が半分信じてもらうのを諦めたのか、

苦笑しながら肩を竦めた。

 

だが、疑心暗鬼を抱かれたままでは、

ここから先の戦いで確実にボロが出る。

 

それだけは避けたい所だ、

何せ、仲間を喪う事ほどの苦痛は無いからな。

 

「だが、俺は織斑先生だけが知っていて、

お前達に知らされていない事実も知っているぜ?」

 

そろそろ、ジョーカーをきるとするかな?

 

「亡國企業、これが俺達が相手どる事になる敵だ、

コイツらは、各国のISを強奪している、例えば・・・、

アメリカ軍、アラクネ、そして、イギリス、ブルー・ティアーズ系二号機、

サイレント・ゼフィルス等が既に奪われている。」

「そんなっ!?」

 

サイレント・ゼフィルスの件でセシリアが驚愕の表情を見せていた。

 

「言っておくが、俺はセシリアから、サイレント・ゼフィルスの情報を聞き出したりはしていない、そうだろうセシリア、シャル?」

 

俺が確認の為にセシリアとシャルに問うと、

全員が彼女達に注目する。

 

「はい、私はその情報を一夏様にお話した事はございません、

聞かれなかった事もありますが、やはり自分の鍛練を第一にしておりますし・・・。」

 

「今のセシリアの言葉に嘘は無いよ、

だって、何時も一緒にいる僕も聞いたこと無いもの。」

 

セシリアには確認の為に、

シャルにはセシリアの発言の信憑性を高める為に発言してもらった。

 

「信じて貰えたか?俺達はこの世界で生きる為に色々やってきた。」

「不用意に世界を乱さない様に、かなり気をつけてきたよ。」

 

ま、そろそろ俺は完全に織斑一夏になるだろうがな。

 

そんな時、駄姉が口を開いた。

「・・・、何故今まで黙っていたんだ・・・!?

何故私に話してくれなかったのだ!?

私達は姉弟だろう!?何故なんだ!?」

 

確かに、今まで言わなかったのは俺の判断だ、

それが駄姉には嘘を吐かれている様に感じたんだろう。

 

だが・・・。

 

「そうだな、俺達は姉弟だ、

だが、それだけだ、同志でも何でもない、

アンタだって俺達に黙っている事も沢山ある、

俺達が知らないと思っている方が間違いなんだよ。」

 

「・・・!」

「兄さん!」

 

駄姉が絶句し、秋良が何か喰ってかかるが、

俺は気にも留めない。

 

「自分の秘密をベラベラ喋る様な人間を、

俺は信用しない、ただそれだけの事さ。」

 

話はこれ迄だな・・・。

最早語る事は無い。

 

そう思って、俺は部屋を出た。

 

sideout

 

side秋良

兄さんが出ていった後、

部屋の空気は凄まじく悪くなった。

 

仕方無いとは言え、

流石に言い過ぎだよ兄さん・・・。

 

セシリアとシャルロットは互いに顔を見合わせた後、

兄さんを追って部屋を出ていった。

 

姉さんは凄く落ち込んでるけど、

慰めとかは得意じゃ無いから放っておこう。

 

取り敢えず俺も部屋を出て、

一昨日、兄さんと卓球をした所にある自販機までやって来た。

 

別段、喉が渇いたとかじゃないけど、

無性に何かを飲みたくなったんだ。

 

テキトーにボタンを押してみると、

出てきたのはサイダーだった。

 

プルタブを引き、飲み口を開けて一気飲みの如く口に入れていく。

 

普段はこんなことしないけど、何故かそうしたかったんだ。

 

らしくない、けど、何故だか分からない。

 

半分位まで飲み干し、息を吐く。

 

何でだろう、凄くモヤモヤする、

 

「秋良。」

 

呼び掛けられた声に振り向くと、

簪と鈴、そしてラウラと箒がやって来た。

 

「やあ、どうしたんだい皆揃って?」

「簪達がお前と話をしたそうだったんでな、

一緒に着いてきただけだ。」

 

箒って、なんだかオカンに見えるよ、

腐女子だけど。

 

「何か失礼な事を考えていただろうが、

取り敢えず聞かないでおこう。」

 

何故だ、何故か思考を読まれた・・・。

 

「あー、それで何を話そうか?」

『・・・。』

 

箒は俺達から少し離れた所に立ち、

俺達を見守る様にしている。

 

「秋良は、どうして黙っていたの?」

簪が何か躊躇いを振り払うかの様に、

俺に尋ねてくる。

 

「・・・。」

かーっ・・・、面と向かって言われたらなんて答えて良いか・・・、

全然分からないなぁ・・・。

 

どうするべきか・・・。

 

「俺は・・・、俺は・・・。」

 

そうか・・・、今漸く分かった・・・。

 

俺は、恐れていたんだ・・・。

真実を明かす事で、孤独に苛まれる事を・・・。

 

「俺は・・・、恐かったのかもね・・・。

この事を話す事で、孤独になるのがね・・・。」

『・・・。』

 

「そう・・・、俺は、孤独なんだよ。

一度全て失った・・・、友も、家族も、全部・・・。」

 

ゼロからのスタートだった、

新しい命を与えられ、新しい家族を与えられても、

兄さんとは所詮、他人だった・・・。

 

一緒に過ごした事だけが真実なら、

それ以外は偽りになってしまうから・・・。

 

「だから、もう二度と失いたくなかったんだ・・・、

ははっ、笑っちゃうでしょ?恐れるなと言った俺が恐れてるんだ。」

 

さあ・・・、言いたい事は全て言った、

後は彼女達が判断すれば良いさ・・・。

 

「秋良は、私達を気にかけてくれた事も、

物語の進行の為に、必要だったから気にかけてくれたの?」

簪が何かを決心したかの様に尋ねてくる。

 

鈴も、ラウラも何かを言いたそうだ。

 

簪の言う通り、さっきの話し方じゃあ、

物語の進行の為と捉えられても仕方無いかもしれない・・・。

 

けど・・・。

 

「違う!!今更信じて貰えるなんか思ってないけど、

君達に構ったのは、俺の心がそうしたいと思ったからだ!!」

 

今の俺の言葉に嘘偽りは無い!!

これが俺の心だ!!

 

「それが聞きたかった・・・。」

簪が微笑み、ラウラは呆れたように笑い、

鈴は・・・、何時も通り頭の上に?を浮かべていた。

 

「それで良いの、秋良、

私の心は秋良に救われたから、貴方の心が本当なら、

私は貴方を信じる。」

 

「私は秋良と兄貴に闇を払って貰った身だ、

その心の強さ、立ち振舞い、全てが信頼できる。」

 

「それは私もだ、力は相手を傷つける物だと思い込んでいた私に、

光明を諭してくれたのは、他でもないお前達だ、信頼できない訳がないではないか。」

 

簪も、ラウラも、そして、箒に鈴も、

俺の、いや、俺と兄さんの事を信じてくれている、

それが伝わってくる。

 

俺は、それが嬉しかった・・・。

「皆・・・、ありがとう・・・。」

 

sideout

 

noside

「どこに行かれたのでしょうか・・・?」

「さあ・・・?完全に見失っちゃったね。」

 

秋良が簪達と話している頃、

旅館の外の海岸では、

セシリアとシャルロットが一度を探し続けていた。

 

二人は一夏が教諭室を出て、

少ししてから後を追った為、完全に彼を見失っていた。

 

「やはり・・・、一夏様はニンジャですわ、

これ程探しても見つからないんですもの。」

「う~ん・・・、あながち間違いじゃないかもね・・・。」

そんな会話を交わしつつ、

二人はゆっくりと海岸を歩いていく。

 

因みに二人とも水着に着替えており、

一夏が海に入っていても、一緒にいれる様にしている。

 

「それにしてもセシリアってやっぱりスタイル良いよね、羨ましいよ。」

 

「何を仰いますか、シャルさんの健康的なスタイルには勝てませんわ。」

 

二人は互いの体型を誉めつつも、

一夏を探し続ける。

 

だがその時・・・。

 

「お前達二人の身体は最高だ、どっちが良いかなんてねぇよ。」

海の方から一夏の声がし、

二人はそちらに目を向ける。

 

視線の先には、浮き輪らしき物に寝そべり、

ぷかぷかと漂っている一夏の姿があった。

 

「そこにおられましたか。」

「探しちゃったよ、一夏。」

「ふっ、悪いな二人とも。」

 

一夏を見つけた二人は、彼の下に行こうと海に入る。

 

「ひゃっ!?」

「冷たい!!」

水の冷たさに、二人は揃って声をあげてしまう。

 

如何に夏とは言え、

まだ日も昇っていない内はまだ水は冷たいのである。

 

「ははは、お前達には少し冷たかったか?

俺はこれぐらいの方がリラックス出来て良いんだ。」

 

一夏は浮き輪から降り、

泳いで二人の下に行く。

 

「二人してどうしたんだ・・・?

・・・、いや、俺に言いたいことがあるだろ?」

 

海から浜に上がり、一夏は何時も浮かべている笑みを消し、

二人に問いかける。

 

彼のそんな様子に、

セシリアとシャルロットは彼の後ろに闇を見た気がした。

 

「・・・、一夏様は・・・、

何故私達を選んで下さったのですか?」

 

ふと、セシリアが一夏に尋ねた。

 

一夏がそれを受け、シャルロットの方を見ると、

彼女もその答えを知りたがっていた。

 

「今更言っても眉唾物だろうが、

俺はお前達に心惹かれたんだ、それだけは嘘ではない。」

 

一夏は静かに、だがそれでも力のある言葉を二人に語りかける。

 

「信じるか信じないかはお前達の自由だ、

だが、俺はお前達を想っている事だけは理解してほしい。」

 

一夏は真剣な眼差しを二人に語り向ける、

彼とて恐れが無い訳ではない、寧ろ、今まで襲われた事がないほどの不安に襲われる。

 

三人の間に暫くの沈黙が横たわる。

一夏は何も言わない、セシリアとシャルロットも何も言わない。

 

どれ程の時間が過ぎただろうか、

不意にセシリアが口を開く。

 

「私は、一夏様を信じています!

私の闇を消して下さったのは、一夏様ですわ!」

 

「僕も、僕も信じてる!

一夏が何だって構わない!僕は僕を助けてくれた一夏を信じる!!」

 

セシリアの後に続き、

シャルロットも言葉を発する。

 

「信じてくれて有り難う、だが・・・。」

 

一夏は柔らかい笑みを見せるが、

再び笑みを消す。

 

「誰にも話していない秘密がある、

駄姉にも、そして、秋良にも語っていない物がな・・・。」

一夏の笑みが深く、より自嘲に近い表情になる。

 

その雰囲気を察したセシリアとシャルロットは、

一様に表情を固くし、一夏の次の言葉を待った。

 

「福音にやられた俺は、精神世界で女神にこう言われた、

それは――」

 

ーザザァァン!!――

 

一際大きな波音が響き、一夏の言葉を掻き消した。

 

だが、二人にはしっかりと聞こえた様だ。

 

「そん・・・な・・・。」

「なんで・・・、なんで・・・。」

 

二人は喘ぐ様に口を動かすが、

上手く言葉が出て来ない。

 

そんな二人の様子を見て、

一夏は何処か哀愁の様な色をその笑みの中に浮かべる。

 

「俺はそんな理不尽を受け入れることにした、

俺はそれで良いんだよ、俺は俺のままこの任務を行うから、

お前達にまで苦難を強いる気はない。

今、この事を話したのは、俺がお前達を信じているからだ。」

 

彼とて、いくら自分の女とは言えど、

光の世界に戻れた者を、再び闇に引き摺り戻す事には躊躇いがあるのだ。

 

「一夏は・・・、一夏はそれで良いの・・・?」

シャルロットが震えた声で一夏に問い掛ける。

 

「良いも悪いもないさ、俺は恩に報いる、

お前達に逢わせてくれた女神にな。」

 

一夏は自嘲の度合いを深め、肩を竦める。

 

何時もと変わらない、だが、

何処か哀しげだった。

 

そんな中・・・。

「私に、手伝わせてくださいまし!」

「セシリア・・・!?お前、何を・・・!?」

 

セシリアの申し出に、

一夏は驚いた表情になる。

 

「僕も手伝うよ!」

「なっ!?シャルまで何を言ってる!?」

「一夏ばっかり傷付いて!!僕達だけが無事何て絶対嫌だ!!」

「ッ!!」

 

シャルロットも一夏に言い出し、

自分の気持ちをぶつける。

 

彼女達にとって一夏は、

光よりも何よりも眩しい存在。

 

彼が自ら汚れを被ると宣言した今、

彼女達に見て見ぬ振りは出来ない。

 

「たとえ罪を被ろうとも、一夏様の隣にいたいのです!!」

「一夏の為なら、僕は罪も汚れも、そして痛みも全部受ける!!」

 

二人は一夏に自分の覚悟、そして、

想いをぶつける。

 

「良いのか?もう戻れないぞ・・・?」

 

一夏は二人に確認をとる様に尋ねる。

 

一夏と歩むと決めれば、間違いなく闇が待ち受けている。

 

「愚問ですわ。」

「僕達にとっておきをいの一番に見せるって言ったのは誰かな?」

 

二人の覚悟の籠った言葉に、一夏は何も言えなかった。

 

その様子は、迷い、躊躇いを捨て去るように見えた。

 

「分かった、そこまでの覚悟が在るなら、

輪廻の果てまで俺の隣に立っていろ、離れることも、逃れることも赦さん、

お前達の魂はこの俺が縛りつけてやる。」

 

一夏は三日月型に口許を歪め、

二人に高らかに宣言する。

 

「はい、永久に貴方様の隣に。」

「立ち続ける事を。」

「「誓います。」」

 

二人は先程までの真剣な表情を、

愛する男を慈しむ様な表情に変える。

 

 

「ですから、私達にも。」

「手伝わせてね?」

「分かった、これでごねたら後が怖そうだ。」

 

一夏は肩を竦め、二人の覚悟を受け入れた。

 

(協力するのは良い、だが、お前達はこの俺が必ず護る。)

 

新たな決意の下、彼らは歩み始める。

この夜明けから、全ては始まる・・・。

 

sideout

 

side一夏

セシリアとシャルと文字通りの永久の誓いをたてた翌朝、

俺達はIS学園に戻るべく、準備を始めていた。

 

荷物の搬入も終え、俺は自販機で二、三本のペットボトル飲料を買っておいた。

喉が渇くといけないからな。

 

バスに戻る途中、青いカジュアルスーツを着込んだ金髪女性が俺の前にやって来た。

 

「君が織斑君?」

「まあそうですが、貴女は?」

「私はナターシャ・ファイルス、福音のパイロットよ。」

 

ふーん、前世で見た挿絵より美人じゃねぇか。

スタイルも抜群、髪も綺麗だ。

 

だけど俺の守備範囲外だな、

この人はどちらかと言えば姉系だからな。

 

「はあ、もう動いていいんですか?」

「ええ、大丈夫よ、打撲が酷いだけだから。」

 

・・・、それ完全に俺のせいだ・・・。

超加速で海に叩きつけたんだし・・・。

 

「そうですか・・・、まあお大事にしか言えません、

そろそろ出発なので失礼します。」

「ええ、引き留めてごめんなさいね?攻撃手さん。」

 

俺はナターシャさんと握手を交わし、

バスへと戻った。

 

「さてと、戻りますかね。」

あの人とはまた会う気がするな、

まあ、それは運命が決めてくれるさ。

 

こうして、波乱に満ちた臨海学校は終わりを告げ、

舞台は再びIS学園へと戻る。

 

新たな戦いの予感を感じながら、

俺は密かに笑った・・・。

 

sideout




はいどーもです!

ちょっとこじつけな説明だったとは思いますが、
一応説明出来ました。

それでは次回予告
臨海学校から戻った一夏は、
生徒会長として理事長から呼び出される。

次回インフィニット・ストラトス・アストレイ
任務

お楽しみに!!
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