インフィニット・ストラトス・アストレイ   作:ichika

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光の目醒め 後編

side簪

 

私は新しく進化したアウトフレームDのスラスターを吹かして、

迫ってくるストライクダガーにシュベルトゲベールを突き立てる。

 

「・・・!凄く動き易い!!」

 

関節の動きにしても、

運動性にしても、打鉄二式を軽く上回ってる。

 

それに、打鉄二式の時はシュベルトゲベールを振るのがやっとだったけど、

今は腰に装備されてるビームサインを片手に持って、

鞭の様に使うことも出来てる。

 

「凄い・・・!これが、これがガンダムの力・・・!!」

 

出し惜しみなんてしてられない、

友達を護る為なら私は戦う!!

 

だけど、ソードストライカーだけじゃ少し辛いなぁ・・・。

何か他に装備は・・・?

 

武装を検索している一瞬の隙に、

一機のストライクダガーの接近を許してしまった。

 

けど、そのダガーはビームサーベルを引き抜く前に、

何処からか飛来したレールガンの弾丸に撃ち抜かれて爆散していた。

 

私を庇う様に、一夏のストライクE+I.W.S.P.が降り立つ。

 

「簪、武装を探すのは良いが、敵の前で止まるなよ?」

 

「ご、ごめん・・・、でも、ソードストライカー以外に殆ど何も無くて・・・。」

 

検索結果が表示されたけど、使えるのはワイヤーとビームサイン、

そしてソードストライカーのシュベルトゲベールとビームブーメランだけ。

 

とてもじゃないけど、

これじゃあちょっとキツイ・・・。

 

「ここに使えるストライカーがあるだろ、使え。」

 

そう言って、彼はストライクEからI.W.S.P.を外した。

そう言う事ね・・・!!

 

「ありがとう!」

 

すぐにソードストライカーを量子格納して、I.W.S.P.を装着する。

 

「アウトフレームD+I.W.S.P.!!」

 

両腰に格納されていた対艦刀を引き抜いて、

レールガンの照準を合わせる。

 

意識の中でトリガーを引くと、

レールガンが発射され、ダガーの頭部と右腕を撃ち抜いた。

 

あれ?真ん中を狙った筈なんだけど・・・?

 

「I.W.S.P.は後方に重心が移動しているんだ、

発射時の衝撃で僅かに射線がズレたんだろう、少し前のめりになる感じで撃って丁度良いぐらいだ。」

 

なるほど・・・、私に教えている間も、

一夏はノワールストライカーに換装して次々にダガーを葬り去っていた。

 

強いなぁ・・・!

流石は一夏だね・・・!

 

でも、私も負けていられない!!

 

向かってくるストライクダガーを対艦刀で切り裂き、

遠くからビームを撃ちかけてくるダガーを撃ち抜く。

 

何機いるのかなんて知らないけど、負けるわけにはいかないの!!

 

sideに

 

sideラウラ

 

「行くぞ、ハイペリオン!!」

 

単機、敵中に飛び込んだ私は、

アルミューレ・リュミエールを展開させ、

ビームサブマシンガン<ザスタバ・スティグマト>を全方位に向けて乱射した。

 

周囲の攻撃を完全無効化し、

尚且つ此方の攻撃はシールド内部から仕掛ける事が出来る、

正に攻防一体の装備だな。

 

だが、消費するエネルギーの量が少し多いな、

そこは仕方無いのだが、短期決戦が望まれる機体だな。

 

「墜ちろッ!」

 

威力が低いビームサブマシンガンの残弾を考慮して、

兎に角一撃で仕留める事が出来る様にと、コアが配置されているであろう部分を撃ち抜く。

 

しかし、数が多いな、

いくら撃ってもキリがない。

 

仕留め切れていない敵機もいると来た・・・、

少し不味いな・・・。

 

エネルギーはまだ余裕があるが、

それでも無限じゃない。

 

どうするか悩んでいると、

別方向から飛来したビームやミサイルが、次々にダガーを爆散させていく。

 

「ラウラ、大丈夫だった?」

 

「ラウラさんの機体までガンダムタイプになりましたか。」

 

シャルロットのヴェルデバスターと、

セシリアのブルデュエルが私の前に降り立ち、

私の周りに展開していたストライクダガー十機を瞬く間に消し去った。

 

「ガンダムタイプの機体でしたら、私達に着いて来れますわよね?」

 

「ボーッとしてる暇なんて無いよ、ラウラ?」

 

「あ、あぁ?」

 

あまりの話の展開の早さに着いてこれない私を置いてきぼりに、

セシリアはドラグーンを展開し、シャルロットは全砲門を開く。

 

なるほど、大出力で押し切るのだな。

 

彼女達がやろうとしている事を理解し、

私はフォトンファントリーを展開、照準を合わせる。

 

「「「トリプルバースト!!」」」

 

私達三人が撃った大出力ビームやミサイルが、

既に手傷を負っていたダガー数機を呑み込み、灰塵へと還した。

 

なんと言う火力だ・・・!!

これが・・・、ガンダムとでも言うのか・・・!!

 

これ程までの力を、私は使いこなせるのだろうか・・・?

 

sideout

 

noside

 

「ひにゃぁ~~!!来ないでぇ~!!」

 

ネブラブリッツに乗る鈴は、

二機のダガーに何故か追いかけ回されていた。

 

彼女自身の戦闘能力は高いのだが、

臆病で気弱な性格故に、面と向かい合って戦うことが苦手なのだ。

 

「やめてぇぇ~~!!」

 

右腕に装備されているトリケロスで撃ちかけられるビームを防ぎ、

回避行動を取り続ける。

 

「来ないでぇ~!!」

 

追いかけてくる敵機の内、一機がビームサーベルを引き抜き、

ネブラブリッツに迫る。

 

「ひみゃ~~!!」

 

鈴は涙目になりつつ、

咄嗟に腰に装備されていたトツカノツルギを引き抜き、

ダガーを貫いていた。

 

「あ、あれ・・・?」

 

爆散したダガーを見て、

鈴は訳の分からないといった風に呟く。

 

「あ、アタシ、戦えてる・・・?」

 

もう一機のダガーがビームライフルを撃ちかけながらも、

鈴に接近してくる。

 

「ぴぃッ!?」

 

ビームを回避し、

すれ違いざまに左腕のグレイプニールを突き出すと、

その尖端はダガーの胴に突き刺さり、容易く撃破してしまった。

 

「アタシ戦えてる・・・!!」

 

初めての戦果に興奮したのか、

鈴はパッと表情を輝かせた。

 

「アタシも戦えるんだ・・・!」

 

普段、ネガティブな発想や発言が多い彼女だが、

それは自信の無さから来るためのものである。

 

そんな彼女が、自分一人の力で敵を撃破したのだから、

どうやら自分に自信がついたらしい。

 

「これがあればアタシは無敵ね!!」

 

・・・、訂正。

どうやら調子に乗ったらしい・・・。

 

「さぁさぁ!!何処からでもかかってきなさい!!」

 

調子に乗った鈴を叱る様に、

十機近いダガーが彼女を囲む様に迫ってきた。

 

「にぇっ!?や、やっぱり来ないでぇ~!!」

 

「何やってるんだよ鈴・・・。」

 

またしても弱気に戻ってしまった鈴に、

呆れた様に話しかけながら、秋良が上空から急降下し、

周囲に展開していたダガーを次々に斬り倒していく。

 

「あっ、秋良~!!」

 

 

涙目になりつつ、鈴は秋良の近くに寄り、

次々に敵の攻撃を回避していく。

 

「多分コイツらで全部片付くから、さっさとケリを着けるよ。」

 

「う、うん!!」

 

秋良の応援を受け、

鈴は表情を輝かせつつもダガーに向かって行った。

 

sideout

 

noside

 

ガンダムタイプの機体を持つ者達が多大な戦果を挙げている一方、

非ガンダムタイプの機体を持つ者達は苦戦を強いられていた。

 

「このっ・・・!!しつこい・・・!!」

 

楯無はミステリアス・レディの全能力を駆使し、

迫りくるダガー部隊相手に大立回りを演じていた。

 

だが、ストライクガンダムを模したストライクダガーを、

如何に専用機とは言えど、通常ISで相手取るのは厳しい。

 

「ダリルちゃん!フォルテちゃん!大丈夫かしら!?」

 

ダガーの猛烈な攻撃をいなしつつ、

楯無は付近で戦っていたダリルとフォルテに叫んだ。

 

「大丈夫な訳ねぇだろ!『イージス』が全く効かねぇし!!」

 

「なんなんスか!?コイツら!!」

 

ダリルとフォルテは敵を何とか近付けさせない様に戦っているが、

どうもそれが精一杯の様である。

 

(くっ・・・!!この機体、どう見ても一夏君の機体がベースになっている・・・!!)

 

楯無は敵機の形状から、

その機体のベースとなった人物の姿を思い出した。

 

(あの強さをスケールダウンして、尚且つ量産ですって・・・!?

勝てる要素が殆ど無いんだけど・・・!?)

 

ビームサーベルを引き抜き、迫ってくるダガーをいなしつつ、

ランスを突きだし攻撃を加えるが、傷をつけるだけで、

致命傷には至らない。

 

(どうすれば勝てるの・・・!?)

 

悩み、惑う彼女を嘲笑うかの様に、

一機のダガーが彼女の背後から迫る。

 

死角から現れた為、楯無は反応が遅れてしまう。

 

「しまっ・・・!?」

 

咄嗟にランスを動かすが、真ん中辺りから叩き折られてしまう。

 

既にラスティネイルを折られ、

水も大半を蒸発させられてしまった為、

楯無はとうとう攻撃手段を失ってしまった。

 

(負けられない・・・!!まだ簪ちゃんと話せて無いのに・・・!!

まだ負ける訳にはいかないの!!でも・・・、どうすれば勝てるの・・・!?)

 

喩え、武器を全て折られても、

不屈の闘志を燃やしている楯無の心は折れない。

 

だが、いくら心が折れていなくとも、

現実はそうはいかない。

 

一機のダガーがビームサーベルを振り上げ、

楯無の脳天をかち割ろうとビームサーベルを振り下ろす。

 

だが、その光刃は楯無に直撃することはなかった・・・。

 

「戦う意志があるのに、立ち止まってんじゃねぇよ!!」

 

「雅・・・人・・・?」

 

楯無の前に降り立ったのは、

タクティカルアームズを構えた雅人だった。

 

「簪と話たいんだろうが!だったらこの程度の障害なんて、

はね除けてみろよ!」

 

雅人は向かってくるダガーをタクティカルアームズで切り飛ばしつつ、

楯無に発破をかける様に叫ぶ。

 

「で、でも・・・!私にはもう武器も何も残ってないのよ・・・!?

一体どうやって戦えば良いのよ・・・!?」

 

彼女には戦う意志が残っている、

だが、いくら心が折れていなくとも、武装が無ければまともに戦うことも出来ないという事は理解しているのだ。

 

「コイツを使え!これでお前の意志を貫き通せ!」

 

雅人は自分が使っていたタクティカルアームズを放り投げる。

 

「ええっ!?ちょっ!?」

 

突然の事に驚きながらも柄の部分を掴むが、

その大きさと速度の為に、その場で一回転していた。

 

だが、それだけでたまたま近くに迫ってきていた一機のダガーが、

まるでパンでも切るかの様にあっさりと真っ二つにされていた。

 

「な、何なのよこの攻撃力・・・!?」

 

自分が使っていた武装では、傷を付ける事がやっとだった相手を、

いとも簡単に倒せてしまった事に拍子抜けしたのと同時に、

自分が振るった力の強大さに戦慄していた。

 

「大丈夫だ、お前の背中は俺が守る、だから心置きなく戦え!」

 

一瞬、力を振るう事に躊躇いを覚えた楯無に、

雅人は優しく、そして力強く声をかける。

 

「雅人、後ろは宜しくね!」

 

「オーライ!行くぞ!」

 

護るための戦いを行うことを決心した楯無は、

雅人と共にダガーの大軍に向かって行った。

 

sideout

 

side一夏

 

簪達がセカンドシフトしてから、

十分もしない内にダガータイプの大軍は瓦解、

俺達に討たれるか、若しくは撤退するかの二択しか無かった。

 

大半のダガーは俺達を討てというコマンドに逆らう事が出来ずに、

俺達に討たれていったが、一部状況が悪くなった瞬間から撤退し始めた機体もあった。

 

恐らく手駒を失うのを恐れたアイツらの主が退かせたのだろうか・・・?

 

「セシリア、シャル、損害を纏めるぞ、

他の専用機持ちに報告を求めて来てくれ。」

 

「かしこまりました。」

 

「それじゃあ行ってくるね。」

 

俺の頼みに、彼女達はそれぞれ専用機持ち達の被害状況を確認すべく飛び立って行った。

 

「(さてさて・・・、如何に亡國企業とは言えど、

ここまで狙いすました様に襲撃が出来るはずが無い・・・。)」

 

どうやら、以前手にかけた奴以外に、まだ内通者がいるみたいだな・・・、

俺も詰めが甘かったか・・・?

 

だが、それがどうした、

ここでの被害を帳消しにして、尚且つお釣りが来る位働いてやれば良いだけの話だな。

 

「これ以上の好き勝手は、お前達の命が代金となることを覚悟しておけ・・・。」

 

聞こえているかどうかもわからない言葉を呟き、

俺は自分の仕事に取り掛かった

 

sideout

 

noside

 

「何故!?何故なの!?何故あれだけの数のダガーが、

全く敵わないの・・・!?」

 

とある場所の一室にて、

金髪の女性、スコール・ミューゼルがキーボードを殴り付け、

理解が出来ないという風に叫んだ。

 

彼女が束から譲りうけたダガータイプの数は、

百機近くに上り、戦力、性能共に一般的なISを優に上回っている。

 

IS学園にある専用機等、直ぐ様片付くものだと予測していた。

 

だが、予想はあっさりと裏切られ、

大半のダガータイプは破壊され、専用機持ちを一人も欠くことすら出来ずに戦闘は終結したのだ。

 

「どうすれば奴を・・・!!織斑一夏を殺せる・・・!?」

 

「すーちゃんすーちゃん!!」

 

苛立つスコールの耳に、同盟関係を結んでいる束の声が飛び込む。

 

「・・・、ごめんなさい・・・、どうかしたの・・・?」

 

「ふっふーん!!なんとなんと!!アクタイオンインダストリーから設計図を盗めちゃったのだ!!」

 

「なんですって・・・!?」

 

スコールは驚きつつも、

束が手渡してきたディスプレイを覗き込む。

 

そこには二機のガンダムタイプと、一機のモビルアーマーの設計図が映し出されていた。

 

「素晴らしい・・・!!どれも現行ISを上回っている・・・!!」

 

「うんうん!!これさえあれば勝てるよ!!ダガーが手に入れたデータもあるし、

私達の勝ちは確定だよ!!」

 

(待っていなさいオータム・・・!貴女の仇は必ずこの私が・・・!!)

 

自分達が既に、誰かの術中に嵌まっている事を知らぬ彼女達は、

自分達の勝利を確信し、高笑いを続けるのであった・・・。

 

その先に待つものが、何なのかも知らずに・・・。

 

sideout

 




はいどーもです!

次回はアウトフレームD、ハイペリオン、ネブラブリッツの機体説明を掲載します。

お楽しみに!
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