インフィニット・ストラトス・アストレイ   作:ichika

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HOLYX'mas

noside

 

12月23日、クリスマスイブの前日、

冬休みに入って幾ばくか経ったその日、

一年の学生寮のとある部屋で二人の少女が自分の身体にドレスを当て、

あーでもないこーでもないと言いながら服装選びに勤しんでいた。

 

「セシリア~、これどうかな?」

 

その内の一人、シャルロットは自身の盟友、

セシリアに向けて、服の感想を求める。

 

彼女が自身の身体に当てているのは、

黒を主体としたドレスであり、露出は少な目に健康的な色気を醸し出している。

 

「悪くありませんわね、髪はほどいておいた方が良ろしいかと思いますわ。」

 

シャルロットにアドバイスしつつも、

セシリアは自身のドレスを選ぶ為に思案する。

 

「シャルさん、私はどれが良いでしょうか・・・?」

 

「セシリアは白が似合うんじゃないかな?

ほら、青いカチューシャと合わさっていい感じだよ?」

 

セシリアの身体の前に白いドレスを当て、

鏡の前に立たせる。

 

「確かに良いかも知れませんが・・・、無難過ぎでは?」

 

「まぁ、一夏がどんな色の服を着るか分からないから余計に決めにくいよね。」

 

互いに顔を見合わせ、二人は少し困った様に微笑む。

 

彼女達はなるべく一夏とのバランスを取るため、

服装にも大変気を使っているのである。

 

一夏もそれを察して、彼女達の手間が省ける様にと、

何処かに出掛ける際は前日までに着ていく服装を二人に教えているのだ。

 

「それにしても、明日が楽しみだね~♪」

 

「そうですわね、三人で過ごせる初めてのクリスマスですものね♪」

 

そう、彼女達はこのクリスマスイブに、

一夏とホテルでのディナーを予定しているのである。

 

その様子を想像した二人は、とても幸せそうに表情を綻ばせていた。

 

因みに、その誘いを出したのは勿論一夏である。

彼もイベントの時は必ず彼女達と過ごしたいと思っているのである。

 

それは置いといて・・・。

 

彼女達が衣装あわせを行っているのも、

一夏が秋良達を送り出しにアクタイオンへと出向いているためでもある。

 

「一夏の為にも、僕達が手を抜いちゃ駄目だよね!」

 

「そうですわね、しっかりとメイクアップしませんとね♪」

 

愛しい男に喜んでもらうために、

少女達は再び衣装選びに精を出すのであった。

 

sideout

 

noside

 

クリスマスイブ当日。

年に一度の素晴らしき日に、街は恋人達や家族で賑わっていた。

まぁ、中にはフライドチキン屋で働きながら血涙を流している者も居ないではなかったり・・・。

 

まぁそれは置いといて・・・。

都内有名ホテルの中にあるレストラン<ロッソ・ビオーラ>。

 

テレビでも何度も取り上げられ、芸能人等も訪れる有名店である。

特徴として、様々な国の料理が味わえる事が挙げられる。

 

都心にあるために、夜になれば夜の街を一望出来る、

正にデートにはうってつけの場所なのである。

 

そんなレストランにとある三名の客が入った事から始まる話である。

 

ホテルの前に一台のリムジンが停まり、

運転席から銀髪の美青年が降り立つ。

 

ミドルヘアーの銀髪を持ち、右目に大きな傷痕が残る青年は、

どこぞのタレントかと見紛う様な美しさを持っていた。

 

彼の登場だけで、ホテルの前を歩いていた者達は立ち止まり、

一斉に彼を見ていた。

 

だが、今回の主役は彼ではない。

銀髪の美青年、イライジャ・キールは後部座席のドアに手をかけ、

執事の恭しくドアを開ける。

 

中から降り立ったのは、癖のある黒髪を持つ黒いタキシードを纏う青年と、

蒼いドレスを身に纏った薄金髪の美少女、

そして、オレンジ色のドレスを纏う濃金髪の美少女の三人組だった。

 

その瞬間、遠巻きに見ていた者達は、

自分達が何か特別な祭典の会場にいる観客だと錯覚してしまう。

 

現に、黒髪の青年に手を差し伸べられた少女達は、

可憐に咲き誇る薔薇の様に微笑む。

 

その微笑みは、どんな名画よりも、

どんなモデルの微笑みよりも印象に残る美しさがあった。

 

「わざわざ送っていただいてありがとうございます、イライジャさん。」

 

「気にするなよ、良い男にはこれぐらい有って当然だ、楽しんで来いよ?」

 

「勿論です、さて、セシリア、シャル、行くとしようか?」

 

「はい♪」

 

「うん♪」

 

黒髪の青年、織斑一夏はイライジャに礼を述べた後、

二人の美少女、セシリア・オルコットとシャルロット・デュノアを促し、

彼女達をエスコートしてホテルの中に入って行く。

 

ホテルのロビーを通り抜けた所にあるエレベーターに乗らなければ、

レストランがある階にたどり着かない為、

彼等は必然的に人の多い場所を通ることになっている。

 

何処までも美しく、何処までも優雅な彼等の姿に、

ロビーにいた全ての人間の目は彼等に釘付けになる。

 

フロントで受付をしていたホテルマンも、

清掃をしていた作業員も、そして、

その場にいた一般客も彼等の姿に息を飲む。

 

雑誌の写真に載る様なモデルに有りがちないやらしさは何処にもなく、

あくまで自然な美しさが彼等にはあったからだ。

 

「予約していた織斑です。」

 

レストランに到着した一夏は、

ウェイターに予約していた事を告げる。

 

「御待ちしておりました織斑様、ご案内致します。」

 

初老のウェイターは紳士的な立ち振舞いで彼に応対し、

一夏達を席まで案内した。

 

その席は窓から少し離れた席であり、

夜景を見るのには最適とは言い難い場所である。

 

だが、一夏は自身の知名度、重要性を理解しているため、

外部から狙撃されない為にこの席を選んだのだ。

 

「当レストランにお越し頂き、誠にありがとうございます、

御客様は未成年者ですので、アルコール類の提供は致しません。」

 

「分かりました、クリスマス限定のコースを三つお願いします。」

 

「畏まりました。」

 

注文を承ったウェイターは一夏達に恭しく一礼し、

厨房へと向かった。

 

「 ・・・、やっぱり慣れないな、この雰囲気は。」

 

ウェイターが去った事を確認した一夏は、

ため息を吐き、少し困った様な表情を見せる。

 

「そうだね、僕もこの雰囲気は苦手だよ。」

 

「慣れているとは言いましても、やはり息が詰まりますわね。」

 

そんな彼の様子を見て、シャルロットとセシリアも苦笑を色濃くする。

 

「だが、お前達の正装が見れるのは有り難いな、

よく似合ってるぞ、二人とも。」

 

「至極恭悦ですわ♪」

 

「ありがとう一夏♪」

 

優しく微笑む一夏の賛辞に、

セシリアとシャルロットは幸せそうに微笑みかえす。

 

この一時こそが、彼等三人が最も大切にしている時間なのだ。

 

互いに他愛の無い会話をしていると、

ノンアルコールスパークリングと前菜が運ばれてくる。

 

彼等は前菜に手をつけるよりも先に、

グラスに手を伸ばす。

 

「先ずは乾杯といこうじゃないか。」

 

一夏の言葉に微笑みながら頷き、

グラスを顔の高さまで掲げる。

 

「「「乾杯。」」」

 

sideout

 

side一夏

 

乾杯した後、ノンアルコールスパークリングに口を着ける。

程好い酸味と炭酸がマッチしている中々に上質な物だった。

 

前菜にはサーモンが使われた一品物が、

スープもまろやかな口当たりが中々に旨い物だった。

 

「中々のお味ですわね。」

 

「うん、美味しいね♪」

 

「人気が出るだけはあるな、流石だ。」

 

どうしても舌が肥がちだから評論臭くなっちまうのだが、

それは仕方無いと思いたい所だ。

 

「お待たせ致しました、本日のメインディッシュでございます。」

 

俺達を席に案内してくれたウェイターが料理を運んできた。

メインディッシュは鶏肉をメインに、紅茶風味のソースで味付けした物らしい。

 

薫りも中々に良いじゃねぇか。

 

「ふむ、中々面白い味付けだな、旨い。」

 

「あら、意外と美味ですわね、こう言った物は初めていただきますわ。」

 

「ほんとだ、思ったより美味しい!」

 

創作料理も悪くないな、

後でソースの調合を考え直すかね・・・?

 

って、何要らん事を考えてるんだ俺は?

全然ロマンチックじゃねぇよ。

 

さてと・・・、

どのタイミングで渡すべきかね、コレ?

 

いざ本番となると、些か気恥ずかしいのもあるが、

緊張しちまうな。

 

「やっぱり夜景が綺麗だね~。」

 

「本当ですわね、見事ですわ。」

 

シャルとセシリアは食事を採りつつも、

窓から見える夜景を楽しんでいた。

 

「一夏♪デザートにケーキが付いてくるみたいだよ♪」

 

「季節のケーキにガトーショコラですか、美味しそうですわね♪」

 

「ほう、それは楽しみだな、そろそろ食い終わる頃だし、

頼んでも良いだろうな。」

 

甘いものには目がないんでな、楽しみだぜ。

 

渡すのも皿を片付けて貰ってからの方が良かろうな。

 

俺はタキシードの外ポケットを探り、

ちゃんと箱がある事を確認した。

 

「ウェイターさん、デザートの方をお願いします。」

 

「畏まりました、空いているお皿を御下げ致します。」

 

デザートをオーダーしたのと同時に、

ウェイター達は俺達の席から食べ終わった食器を片付けていく。

 

「一夏様、こんなに素晴らしいレストランに連れて来ていただけた嬉しゅうございます♪」

 

「美味しかったし、一夏とセシリアと来れてとっても嬉しかった♪」

 

「そうか、お前達にそう言って貰えるだけでも、

俺は本当に嬉しい、ありがとな、セシリア、シャル。」

 

そうやって、俺の傍で微笑んでいて欲しい、

束縛ととられても構わない、俺は彼女達にいて欲しい。

 

「セシリア、シャル、お前達に渡したい物がある。」

 

やべぇな、結構緊張するぜ。

そんな事を考えつつも、外ポケットから二つの小さめの箱を取りだし、

蓋を開け、それぞれ彼女達の前に差し出す。

 

セシリアに差し出した物の中には蒼い装飾が美しい銀色の指輪が、

シャルに差し出した物の中にはオレンジの装飾が美しい銀色の指輪が入っている。

 

「い、一夏様・・・?」

 

「こ、これは・・・?」

 

セシリアとシャルは突然の事に驚き、

呆然としているが、俺にもそんな事を気にかける余裕は無かった。

 

「俺からのクリスマスプレゼントだ、受け取ってくれたら嬉しい、

俺の傍に居てくれるお前達に受け取って欲しい。」

 

俺の傍にずっと立ち続けてくれている彼女達の為に、

俺がしてやれる事と言えば、彼女達が喜んでくれる様にプロデュースする事だ。

 

「一夏様・・・。

 

「一夏・・・。」

 

二人は少し照れているのか、顔を紅くして俯いていた。

 

「セシリア、左手を出してくれ。」

 

少し躊躇っているセシリアの左手を取り、ケースから取り出した指輪を薬指に嵌める。

 

「シャルも、左手を出してくれ。」

 

セシリア同様、少し躊躇っているシャルの左手を取り、

ケースから取り出した指輪を薬指に嵌める。

 

「俺と一緒にいて欲しい、お前達の心を、俺だけに捧げて欲しい。」

 

「はい♪貴方様の隣で。」

 

「僕達は戦うだけだよ♪」

 

俺の言葉に、二人は微笑みながら首肯した。

華やかに咲き誇る薔薇の様に美しいその笑みは、

俺に安らぎを与えてくれる物だ。

 

「ありがとな二人とも、愛してるぜ。」

 

「私もお慕いしておりますわ、一夏様、シャルさんも♪」

 

「二人とも大好きだよ、ずっと三人一緒だからね♪」

 

互いに愛の言葉を掛け合い、俺達は微笑みあう。

 

この時が何時までも続けられる様に、

俺は彼女達を大切にしよう。

 

クリスマスイブは、新たな決意が生まれる、

大切な夜になった・・・。

 

そして、今後興る事の、大きな転換にも・・・。

 

sideout

 




はいどーもです!

ちょっとスランプ気味です・・・(汗)

次回はネタとして、
残姉さん図鑑と言う閑話を書きます。

次回インフィニット・ストラトス・アストレイ
番外編 残姉さん図鑑

お楽しみに!
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