インフィニット・ストラトス・アストレイ   作:ichika

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誘われし者 ダリル&フォルテ編

sideダリル

 

「篠ノ之!?」

 

無人機の攻撃を何とか回避していた時、

後輩の篠ノ之がいた方向から赤い光が見えた。

 

まさか撃墜されちまったのか・・・!?

 

嫌な予感が脳裏を過り、反射的にその方向へと意識を向けた。

 

だが、その方向には、紅椿の残骸等は一切無く、

代わりに赤い光の繭が見えた。

 

「なっ・・・!?」

 

今までに見たこともない光景に、アタシは言葉を失った。

しかも、よく見れば光の繭がどんどん膨れあがり、

周りに展開していたダガータイプ数機を弾き飛ばしていた。

 

「あれは・・・、まさかセカンドシフトか・・・!?」

 

だが、繭の中から出てきたのは、

タクティカルアームズⅡLを背負った赤いガンダムタイプだった・・・。

 

「なっ・・・!?篠ノ之までガンダムに!?」

 

篠ノ之の機体が姿を変えたのを、

アタシは呆然と眺める事しか出来なかった。

 

篠ノ之が操るガンダムは、

腰に装備されていた刀を抜き放ち、ダガーを一刀両断してみせた。

 

その光景に、アタシは絶句してしまった。

さっきまで苦戦していた相手を圧倒するその力に、

一抹の恐怖を覚えたのかも知れない。

 

だが、それ以上に悔しさもある。

 

後輩達が必死に戦ってんのに、

アタシはただ護られる事しか出来ない・・・!

それが悔しくて悔しくてたまらなかった・・・!!

 

アタシは何の為に代表候補生になった!?

 

男を虐げ、優越感に浸る為?

そんなちっぽけで、そんじゃそこらのクズ女が考える様な事と一緒にすんじゃねぇ!!

 

アタシはダリル・ケイシー!!

IS学園三年唯一の専用機持ちだ!!

 

後輩一人護れねぇのに、そんな肩書きなんざ恥ずかしくて呼ばれたくもねぇ!!

 

あぁ、願わくは私に、

敵を切り裂き、仲間を護り抜ける刃を授けてくれ!!

 

心から渇望したその時・・・。

 

『貴女方が力を欲する時に使用してください、きっと貴女方の力となるでしょう。』

 

以前、一夏がアタシにUSBを渡した時の言葉が頭を過る。

 

そうだ、アタシは今、敵を切り裂き、仲間を護る力を欲している・・・!!

今使わないで、何時使えというんだよ!

 

拡張領域内に保存していたUSBを機体に挿し込む。

 

その瞬間からデータの読み込みが始まり、

新しくウィンドウが開かれた。

 

『汝、力を欲したな?何の為にその力を振るう?』

 

赤みがかかったオレンジ色の背景に、真っ白い文字で質問するような事が書かれていた。

 

そんなもん、尋ねられるまでもねぇ、

アタシの振るう力、それは後輩や相棒を護る為にある!

 

だから欲しい!仲間に仇なす敵を切り裂く力が!!

 

『汝の覚悟、しかと受け取った、ならば行くが良い、護る為に斬り続ける道を。』

 

上等だ!

どれ程の苦境だろうが、アタシは切り裂いてみせる!

 

「行くぜぇぇ!!」

 

『CompulsionSift Ready・・・。』

 

強制移行か、

上等だ、アタシは進むだけさ!!

 

その瞬間、アタシはオレンジ色の光に包まれた・・・。

 

sideout

 

sideフォルテ

 

「あれが・・・、ガンダムの力・・・。」

 

篠ノ之が操るガンダムタイプの力をまざまざと見せ付けられ、

私は途方もない虚無感に襲われた。

 

私が全く歯が立たなかった相手を、後輩達が次々に倒していく事と、

私が役に立てないという不甲斐なさの連続のせいかもしれないんスけどね・・・。

 

でも、私は何の為に代表候補生になったんスか・・・?

そんじゃそこらのゲスが考える様に、

男を虐げる為だったんスか・・・?

 

違う・・・。

そんな事の為に、私は力を求めない!!

 

私は、誰も傷つく事が無いように護り抜く力が欲しかった!

だから私は代表候補生になったんスよ!

 

そうッスよ・・・!

今ここで護れなくて、何が代表候補生ッスか!?

 

願わくは私に、仲間を護れる力を与えてくれ・・・!!

 

渇望が極まった時、以前一夏会長が言ってた事を思い出した。

 

『貴女方が力を欲する時に使用してください、きっと貴女方の力となるでしょう。』

 

そう言って、一夏会長は私達に何かUSBを渡して・・・。

 

そうだ・・・!!今、これを使う時が来たって事ッスよね・・・!

 

すぐさまバッスロット内からUSBを呼び出し、

機体のプラグに挿し込んで読み込みを始める。

 

『汝、力を欲したな?何の為にその力を使う?』

 

水色の背景に、真っ白い文字で質問するような事が書かれたウィンドウが新しく開く。

 

そんな事、聞かれるまでもないッスよ!

私が望む力、それは周りの仲間達を護り、敵を葬る力が欲しい!

 

『ならば我の受け取るが良い、そして汝が敵を葬るが良い!』

 

待っててくださいよ、皆!

今、私が加勢するッス!!

 

「行くッスよ~!!」

 

『CompulsionSift Ready・・・。』

 

強制移行ッスか、上等ッス!!

意気込んだその時、私は水色の光に包まれた・・・。

 

sideout

 

noside

 

第3アリーナ内に、新たに赤めのオレンジ色の光の繭と、

水色の光の繭が姿を現す。

 

色は違えど、それは紅椿を包み、レッドフレーム改へと変化させた物と似ている。

 

その二つの光の繭は徐々に大きさを増し脹れあがり、

たまたま近くにいたダガーを弾き飛ばしていく。

 

その光はある一定の大きさに達した瞬間に、

弾ける様に晴れていく。

 

光が晴れ、そこには二機のガンダムタイプが佇んでいた。

 

一機は背中に二本の対艦刀を背負い、

肩部にはビームブーメランを装備し、

胸には大型の砲口が装備された赤めのオレンジ色の機体。

 

もう一機は甲羅の様なバックパックを背負い、

右腕部マニピュレーターにトライデントを保持し、

何処か水中に生息する生物を思わせる水色の機体。

 

「さっきまではよくもコケにしてくれたな?」

 

「覚悟は出来てるッスよね?答えは聞いてないんッスけどね。」

 

ダリルは機体背後より対艦刀<シュベルトゲベール>を一本抜き放ち、

フォルテはトライデントを構える。

 

「フォルテ!さっきまでの無様を、ここで挽回しようぜ!!」

 

「勿論スよ!先輩こそ遅れないでくださいッスよ~?」

 

「へっ、言ってくれるぜ!」

 

軽口を叩きあいながらも、

彼女達の闘志は目の前のダガー達に向けられていた。

 

「ダリル・ケイシー、ソードカラミティ、斬るぜ!!」

 

「フォルテ・サファイア、フォビドゥンブルー、行くッスよ~!!」

 

各々に叫び、ダリルとフォルテはダガー達に向かっていく。

 

それに気付いたダガーは、

彼女達にビームライフルを撃ちかけ、接近を阻もうとする。

 

「そんなもん!当たるかよ!!」

 

ダリルは見事な機体操作でビームの光条の間を縫って飛び、

右肩からビームブーメランを引き抜き、投擲する。

 

ビームブーメランは弧を描いて飛び、

線上にいたダガーを切り裂いた。

 

「すげぇ威力だな!これなら戦える!!」

 

更に速度を上げ、

右手に保持するシュベルトゲベールで一閃、一度に二機のダガーを切り裂いた。

 

「ひょぉ!なんて切れ味!」

 

あまりの威力に驚嘆しつつも、ダリルはもう一本シュベルトゲベールを保持し、

向かい来るダガーを頭から真っ二つに切り裂く。

 

「流石はダリル先輩ッスね~、私も負けないッスよ~?」

 

ダリルの奮戦に感化されたか、フォルテは一機のダガーに急接近、

トライデントの一撃で貫く。

 

「うひょ~、凄いッスね~!!」

 

あまりに強力な破壊力に驚きながらも、

地上でも使用可能なスーパーキャビテーティング魚雷を発射、

牽制しながらも手近なダガーをトライデントで突き刺し、

別のダガーへ放り投げ、フォノンメーサーで纏めて撃破する。

 

「これでも喰らいやがれぇ!」

 

ソードカラミティの胸部に搭載された大型ビーム砲<スキュラ>を撃ち、

射線上にいたダガー数機を、纏めて消し飛ばした。

 

(戦える!アタシだって戦えるんだ!!)

 

(護るッスよ!今までのツケ、ここで支払うッス!!)

 

己の意思を得物に籠め、

ダリルとフォルテは敵を葬るべく戦い続けるのだった・・・。

 

その想いを、自らの思惑に利用している者がいる事も知らずに・・・。

 

sideout

 




はいどーもです!

ソードカラミティとフォビドゥンブルーが出ました。

では次回予告
シャルロットの救援を受けた真耶とナターシャは、
己の不甲斐なさを憎み、新たなる力を手にする。

次回インフィニット・ストラトス・アストレイ
誘われし者 真耶&ナターシャ編

お楽しみに!
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