side箒
「そこだっ!!」
セシリアが駆るブルデュエルデーストラ目掛け、
私はビームライフルを撃ちかける。
しかし、セシリアは涼しげな表情のまま、
ビームの光条を回避し続ける。
(えぇい!私は射撃が上手く無いんだ!
こんなもの使ってもエネルギーの無駄だ!!)
確かにビームライフルは強力な武器だが、
ハッキリ言って、私は格闘戦にしか能がない。
ならばこんなもの、私には無用の長物だ。
そう思ってビームライフルを投げ捨て、
左腰からガーベラストレートを引き抜き、
向かってきたセシリアのビームサーベルと切り結ぶ。
何故実体剣がビームサーベルと切り結べるのか等と考えてる暇はない、
相手はあのセシリアだ。
最強と名高い一夏の片翼を務めている彼女の強さは本物、
少しでも気を抜けば瞬殺される事は間違いない。
「行きなさい!ルーヴィアドラグーン!!」
彼女の掛け声と共に、
ブルデュエルの背後から四基のドラグーンが射出され、
高速で移動しながらも私を囲む様に展開してくる。
「くっ!」
いきなりドラグーンか!
力量を買ってくれるのは純粋に誇らしいが、
まだそれで攻撃されるのは辛いんだ!!
「さぁ、箒さん、貴女の躍りを見せて頂けませんこと?」
「生憎!私は日本舞踊しか踊れんのでな!」
四方から撃ちかけられるビームを回避しているのだが、
反撃する暇が無い!
「そこですわ!」
「ちぃっ!!」
セシリア本人も、
一夏がよく使っているグレネードランチャーを装備したビームライフルを撃ちかけてくる。
なんて多角的な攻めなんだ・・・!
これでは反撃するどころか、五分と持たない・・・!!
「クッ!ヴォワチュール・リュミエール!!オープンデルタ!!」
タクティカル・アームズⅡLの機能、
ヴォワチュール・リュミエールを展開し、
推進速度を大幅に増幅させ、ドラグーンの射撃を回避する。
「速度が上がった!?この速さは・・・!」
驚きながらも攻撃の手を休めないのは流石だ、
私が回避しようとする先々にドラグーンが待ち構えている。
ドラグーンを操作しながらも、機体の操縦、
そして攻撃を同時に行う器用さ、否、彼女の能力の高さに私は純粋な尊敬すら覚える。
もっとも、相手にしている方はかなりツラいのだがな・・・!!
そんな事を考えている内にも、
私はタイガーピアスを引き抜き、二刀流でセシリアに迫る。
セシリアはビームサーベルを二刀流で保持し、
此方に高速で接近してくる。
「「ハァァァァッ!!」」
共に烈迫した気合いを込め、
己の得物を相手めがけて振るう。
元々は遠距離戦が得意だった筈のセシリアだが、
一夏にどんな風に鍛えられたのかは知らないが、
私より格闘戦の能力が高い・・・!!
彼女が振るう光刃がレッドフレームのボディを掠める度に、
私の背筋に冷たい汗が流れ落ちる。
これが恐怖と言うものなのか・・・!!
これを克服すれば、私は更に強くなれる!!
そう確信しながらも、
私は何度もセシリアとぶつかった。
sideout
sideフォルテ
フォノンメーザーを撃ちながらも、
デュノアの機体、ヴェルデバスターシーストラから撃たれるミサイルをなんとか回避する。
フォビドゥンブルーに搭載されたゲシュマイディッヒパンツァーのお陰で、
デュノアから撃たれるビームは無効化してるんスけど、
あの数のミサイルは厄介ッスね。
それに、彼女はまだ殆どの装備をこちらに見せてないから、
こちらとしてもヘタに動きづらいッスね。
「そこっ!」
「うわっ!?」
あ、危ないッスね・・・!!
まさかビームサーベルと思ってた所からビームが飛んでくるなんて・・・!!
コイツの機能が無けりゃ、危なかったッスよ。
「このっ!!」
こちらも負けじと、スーパーキャピテーティング魚雷をミサイル代わりに発射、
彼女が撃ってくるミサイルとの弾幕合戦を展開する。
にしても、恐ろしいセンスと戦闘能力ッスね・・・!!
流石は最強の一角を担うだけの事はあるんスね!!
(と言うか、遠距離戦は流石にキツいッスね!)
この機体は中近距離戦は結構強いんスけどね、
向こうは本物のオールラウンダー、何処の距離でも一定の戦力を維持できる。
あぁ、本当に戦いにくいッスよ!
牽制も上手いし不意討ちも畏れ入る。
けど、こっちの本領は近接格闘戦にあるンスよね。
向こうは近距離でも戦えるには戦えるみたいッスけど、
そこまで得意じゃ無さそうッスね。
そんじゃ、そろそろ近付いて戦うッスよ。
「いくッスよ!!」
トライデントを構え、
ミサイルをサイドバインダーで防ぎながらも、
ヴェルデバスターに急接近する。
「!!」
デュノアもこちらに気がついたのか、
私の方に向け、長大な実体剣を構えて迫ってくる。
「「ハァァァァッ!!」」
トライデントの叉の部分で実体剣をなんとか受け止めたのはいいんスけど、
デュノアはその可憐な見た目からは想像も出来ない程の力で剣を押し込んでくるンスよ。
(何処にこんな力があるんスか!?私より綺麗な腕してるってのにぃ!!)
戦士としても女としても、
なんか私ぼろ負けしてる気がスルッスよ!!
「この距離なら、外しませんよ?」
デュノアは何故か背筋が凍る様な感覚を覚える微笑みをこちらに向けつつも、
両肩に搭載されているミサイルポッドを開く。
「!?ちょっ!?それは反則ッスよ!?」
そんなモンをこんな至近距離で喰らったらマズイッスよ!?
ちくしょう!ここままやられてたまるもんスか!!
「えぇい!!」
一か八か!ここで勝負をかけてみるッスよ!!
覚悟を決め、フォノンメーザーを意識の中でトリガーを引いた。
sideout
sideダリル
「はぁっ!」
シュベルト・ゲベールを振り、織斑会長と互いに打ち合うが、
男女の筋力差、鍛え方の違い、そして一日の長がある織斑会長の刃は重く、
アタシは完全に力負けしていた。
「力だけで押し切ろうとしない方が良い、
シュベルト・ゲベールを振るには一定の柔軟さがいる。」
「やっぱ強ぇなお前!!」
アタシがこんだけ力込めてんのに、
どうしてこの男は涼しげな表情のまんまなんだよ!
「だが、これならどうだ!!」
スキュラを至近距離で発射し、ダメージを与えようとしたが、
奴は見事にスキュラのビームを避け、アタシから距離を取った。
「今のは不意討ちとしては実に良い、
だが、俺が予想してなかったとは思わない事だ。」
「ヘッ!最強がこの程度でヤられる訳ねぇってことぐらい!
最初から織り込み済みだっての!!」
口ではそう言うものの、
まさかあんな不意討ちを余裕を持って避けられるとは思ってもみなかった。
だが、これでハッキリした、
アイツには小手技、搦め手なんて一切通じない。
ならアタシの身体を全部使った大技で、
アイツに向き合ってやるだけさ!!
左背のシュベルト・ゲベールも抜き放ち、
二刀流で構える。
「行くぜ!!」
アタシは地面を踏み締め、
ISによって増幅された脚力を使い、一気に織斑会長との距離を詰める。
「ハァァッ!!」
「チッ!」
流石に二刀流を一刀では受け止められないのか、
彼は新たに長大なレーザー対艦刀を呼び出していた。
「良いねぇ、この躍動感、たまらねぇな。」
「ケッ!受け止めといてよく言うぜ!!」
悔しいが今のアタシの技量じゃ掠り傷一つつけられねぇだろう。
だが、それがどうしたってんだ。
勝てないからこそアタシは彼に目にもの見せたくなる!
「ハァッ!!」
なんとか剣閃をずらし、彼から距離を取りながらもパンツァーアイゼンを射出、
攻撃を叩き込む隙を作ろうとする。
だが、彼も左手のパンツァーアイゼンを射出、
アタシが射出したパンツァーアイゼンを相殺した。
「チィッ!!」
ならばと、左手に持っていたシュベルト・ゲベールを地に突き刺し、
右肩からマイダスメッサーを引き抜いて投擲する。
「フッ!」
だが、奴は絡まったままのパンツァーアイゼンのケーブルを手繰り寄せ、
アタシが投擲したマイダスメッサーに切断させ、
一気にこちらに迫ってくる。
勿論、引っ張られた事でアタシの体制も崩されてる・・・!!
「オォッ!!」
烈迫した気合いと共に、
織斑会長がシュベルト・ゲベールを構えて迫ってくる。
敵を討つには絶好のタイミング、
アイツはこのタイミングを逃がしはしないだろう。
だが、こんな事でアタシは負けねぇ・・・!!
アタシは強くなりてぇ!!
だったらこんな所で諦めてられっかよ!!
「アタシの戦いは・・・!!こっからだぜぇぇ!!」
地面に突き刺していたシュベルト・ゲベールを上手いこと蹴り上げ、
突進してくる織斑会長目掛けて飛ばす。
それと同時に、アタシは地をしっかりと踏み締め、
飛び掛かる準備をする。
当たりはしなくとも回避すんのにちょっとは速度も落ちるだろう!
「行くぜ!!」
頭から突っ込む様な形で飛び出す。
不恰好極まりねぇが、この際気にしてらんねぇぜ!!
「なるほどなぁ、良い攻めだ。」
だが、アタシの目の前に、
アタシが蹴り飛ばしたシュベルト・ゲベールを保持した織斑会長が待ち構えていた。
「なっ・・・!?」
どうしてアタシのシュベルト・ゲベールを持てるんだ・・・!?
「だが、相手の真のスペックを知らないまま突っ込むのは、
戦術的な面で見ても奨められんな。」
織斑会長はそう言いながらも、
自分が元々持っていたシュベルト・ゲベールと重ね合わせながらも振り下ろしてくる。
クソッ!!終わってたまるかぁぁぁ!!
彼に対抗するため、
アタシは下段からシュベルト・ゲベールを振り抜いた。
sideout
次回予告
それぞれの訓練を終えた一夏達の前に、
新たな挑戦者が現れる。
次回インフィニット・ストラトス・アストレイ
慣熟訓練 後編
お楽しみに!