適当だね。
「ふーいんたい、封印体はどこかな?」
封印体、それは本来ならばプラネテューヌの教会の地下に安置されていたはずのもの。だが、何時の間にか持ち出され行方をくらましてしまったらしい。
まぁ、俺は傲慢極まりない鬼畜なご主人様がちょっかいかけた結果だと思っているがどうだろう。
「まったく、あの人も人使いが荒いよなぁ。この広いゲイムギョウ界の中から古臭いハードを探すのなんざ無理ゲーだっての」
こんな事、金髪巨乳の大好きなしょーぐんさんと忍者に任せときゃ良いのに。
「愚痴ばかりじゃないか、そんなにも使いパシリが気に入らないのかい?」
人通りのない裏路地の影が蠢いた。
相も変わらず姿はハッキリとはしないが、敬愛する主人の声を聞き間違えるわけもない。
「ええ、そのとーりですよ。で?わざわざ出てくるなんて珍しい。なんの御用で?」
「ちょっと君にやって欲しい事がある」
影の中からこちらに歩み寄ってきた主人は何時もと変わらず、黒かった。
もちろん見た目の話ではない。その内面の事だ。
俺と同じく闇に侵された存在。同類だからこそ分かる。ここにいる彼女は虚像であるにも関わらず、とても大きな闇を辺りに撒き散らしているのを感じる。
それに先程は同類と言ったが俺程度では同じ括りにするのもおこがましいか。
余談だが、俺が闇と呼んでいるソレは正しくはネガティヴエネルギーというらしい。
「何をすれば?」
少々芝居掛かった手振りで問い、俺は答えを待っている。
「零次元に行ってもらいたい」
「零次元?どこですか、それ?」
聞き慣れぬ単語に首を傾げる。
それって特異点か何かなのでしょうか?
「心次元の入り口みたいな場所だよ」
「へぇー」
「まるで興味がなさそうじゃないか」
いや、別にそういう訳じゃないんですけど。心次元の入り口なら心次元で良いじゃん。なんで零次元なんて呼び方をするんだ。
「そこで面白いモノが見られる。きっと君も気にいるだろう。ああ、もちろん計画の遂行の為でもあるさ」
俺が気にいる?そんなにも面白い事があるのか。
しかし、遊びだけではないんだ。いつも頑張る俺に対するご褒美かと思ったのに。
「オレが保証しよう。あそこには君の大好きなモノがあるから」
珍しいなぁ、こんなにもこの人が何かを推しているのを見るのは初めてかもしれない。そんなにも良いモノなんだろうか。期待が膨れるのも無理はないよな?きっと今の俺は不気味な笑みを浮かべているに違いない。
「頼んだよ、オレの可愛い下僕」
そう言って、主人は俺の肩に手を乗せた。
だが、いつものごとくその手に重さはなく、また触れられた感触さえない。
それがどうしようもなく俺の心に影を落とした。
………いつか必ず俺があなたを取り戻します。だからもう少しの間だけ我慢してください。
ああ、でもきっと身体を取り戻せば俺は用済みなんですよね。だとしても構いませんよ、元からそういう契約なんだから。
「ええ、任せてくださいよ。期待の半分には答えてみせますから」
こんな感じで短い文で話が進むのでよろしくです。
次回から零次元編。
感想とか評価とかお起きに入りとか欲しいです。