悟飯in川神学園   作:史上最弱の弟子

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最後に清楚が使う技を改訂しました。


ガーリックの暴虐

「ガーリックJr様、ついにこの時が来ましたね!!」

 

「ああっ、未だフルパワーでは無いが、それでもこの会場に居る者達をまとめて制圧するのに十分なパワーだ」

 

 魔凶星の力によってそのパワーを大幅に増したガーリックJr。配下達はそのパワーアップに対し、祝いの言葉を投げかける。

 

「それでは、今度こそあのウルトラナメックマンとかいう奴を我等魔族の一員に」

 

「いや、その前にこの私に屈辱を味合わせたあの女にお仕置きをする」

 

 燕のことを思い浮かべ憎しみを燃やすガーリックJr。魔族の王を自称する彼が小娘如きにしかも大勢の前で恥をかかされたのだ。このまま放置するのは彼のプライドが許さなかった。

 

「そうですね。嬲り殺してやりましょう!!」

 

「いや、折角だ。この会場に居る武術家達は何人か捕らえておくことにしよう。アクアミストを取り返した暁には奴等も我等の仲間としてやろう。ピッコロ以外にも邪魔な戦士は多いからな。捨て駒位には使えるであろう」

 

「なるほど」

 

 部下の提案に対し、邪悪な笑みを浮かべるガーリックJr。それに習うように配下達も笑う。彼等の頭の中では世界征服への計画が既に動きだしており、それを実現するための行動を開始するのであった。

 

 

 

 

 

 

「それでは今日の開催内容はここまでとなります。明日に5位決定の敗者復活戦と準決勝、決勝を行いますので……」

 

「その必要は無い」

 

 会場に響き渡る閉幕を告げるアナウンス。しかしそれを阻む大声が響き渡った。その声に注視が集まる。そこに、会場中心へとゆっくりと歩をすすめるガーリックJrと配下達の姿があった。

 そして舞台中央にまで来たガーリックJrはマイクを持って語り始める。

 

「生憎だが、この大会はここで終わりだ。貴様達の内、使える者は我が配下となってもらう。そして残りの役に立たぬ人間は……この場で死んでもらう」

 

 その発言内容に会場の中の者達がざわめきを始める。

 

「えっ、どういうこと?」

 

「子供向けのヒーローショーの悪役みたい。それとも厨二病って奴?」

 

「だっさー」

 

 困惑する者。適当な解釈をし嘲る者。反応は様々であったが、これを深刻な事態と捕らえる者はほとんど居なかった。そんな平和ボケした観客達に向かって、ガーリックJrが気弾を放出する。

 

 

「!? 川神波!!!!」

 

 そのまま気弾が命中すれば数百人の死者がでていたであろう。しかし幸運にも力が放たれた方向には百代が居た。彼女は咄嗟に気弾を放つ。

 気弾同士がぶつかり相殺。それにより、被害者が出ることは回避された。

 

「くっ、ふざけたことをやってくれるじゃないか」

 

「えっ、姉さん、もしかしてあいつまじで会場ジャックを仕掛けてきてるのか!?」

 

 洒落にならない行動に怒りを噴出させる百代。それを見て事態が冗談ですまないことを理解する風間ファミリーのメンバー達。

 

「ああっ、私は今からあいつをぶちのめしてくる。大和、会場の観客を避難させることはできるか?」

 

「……難しいな。周りを見ると未だこれがアトラクションか何かかと勘違いしてる人の方が多いみたいだ。ここで、俺達が誘導したところで避難してくれるとは思えない。けど、主催者である九鬼の人達の指示なら多分従うと思う」

 

「そうか。あいつが滅茶苦茶に攻撃しだしたら私も守りきれるかはわからない。何とか上手くやってみてくれ」

 

「わかった。任せてくれ」

 

 この会場にはクラスメートも沢山来ているし、そうでなくても大勢の人が死ぬのを放っておける筈もなかった。何とか悲劇を防ごうと各自が動き出す。

 

「お姉様、こっちは任せて。私達も大和をフォローするわ!!」

 

「応、任せておけよ」

 

「ああ、頼む」

 

 気合を見せる風間ファミリーのメンバー達、彼等に後をまかせ、数十メートルの跳躍で文字通り観客席より飛び出す百代。舞台に着地する。

 

「随分なことやってくれるじゃないか。暴れたいなら私が相手になってやるぞ」

 

「ほう、中々の潜在パワーを感じるな。未だ、お前のようなものが居たのか」

 

 百代の実力を見抜き、思わぬ獲物に歓喜する察知するガーリックJr。その余裕の表情に百代はイラつくが、彼女も相手の実力を理解できていない訳ではなかった。

 

(すぐさまぶちのめしてやりたいとこだが、こいつの潜在パワー探りきれないんだよなあ)

 

 相手の実力を見切れないこと、そして相手が正真正銘の危険人物であることに流石に緊張する百代。

 一方、彼女の心中を知らない観客達は、百代の乱入に対し無責任な盛り上がりを見せていた。

 

「うおっ、モモ先輩が乱入!?」

 

「すげえ!! 最高のサプライズだぜ!!」

 

 そしてそんな気楽な彼等とは対照的に事態を把握しているものも居る。

 

「モモちゃん、大変なことになっちゃったね」

 

「モモヨ。彼は危険ダヨ。釈迦堂とは比べ物にならナイ程、禍々シイ」

 

 燕にルー師範代。大会の準決勝に残った面子であり優れた武術家である彼女等は当然、ガーリックJr達の危険性も実力も感じとっていた。

 

「ああ、わかってる。正直、私でも勝てるかわからない。最悪、時間稼ぎをしてごは……いや、ヒュームさんやウルトラナメックマンに合流してもらって一緒に戦うことも考えるつもりだ」

 

 珍しく慎重論を紡ぐ百代にルーは驚きながらも全面的に賛成。基本、慎重派と言うか事前に計画を練って行動するタイプの燕も当然、この意見に同意する。しかし、この場には後、一人存在し、その一人は百代の意見を却下した。

 

「ふっ、随分と臆病なことを言うではないか。ヒュームを待つ必要等無い。この俺が片付けてやろう」

 

 その人物とは清楚である。正確には覇王項羽状態である清楚。才能と言う点ではあるいは百代以上かもしれない彼女であったが、項羽としての人格に覚醒し未だ日の浅いこともあり、彼女には圧倒的に経験値が不足していた。そのためガーリックJrの恐ろしさを理解していなかったのである。

 

「おい、あまり調子に乗るのはまずいぞ」

 

「うん。私もここは慎重に行くべきだと思うよ」

 

 その態度に普段とは違いたしなめる側にまわる百代。それに対し、これが答えだと言わんばかりに清楚が気を解放する。

 それによって暴風が巻き起こり、埃が舞う。

 

「うわっ」

 

 その埃に一瞬だけ目を閉じてしまう百代達、その隙をついて制止を清楚はガーリックJrに向かって飛び掛ってしまう。

 

「させるか!!」

 

 それに対し、ジンジャーが立ちふさがる。当然彼も魔凶星の力によってパワーアップしており、その力は数十倍になっている。

 清楚の突き出した拳に余裕で反応して受け止める。しかし次の瞬間、吹き飛ばされたのは攻撃を防いだと思われたジンジャーの方だった。

 

「なっ!?」

 

 驚きの声をあげるジンジャー。清楚のパワーが打ち勝ったのだ。項羽のクローンである彼女の才能は圧倒的で、しかも覚醒直後よりヒュームの下で修行を行っていたのだ。覚醒直後ですら、悟飯と出会う前の百代と同等のパワーを持ってた彼女は、マヤリト大陸外最強の武術家の指導を受けたことにより変身前のジンジャーを上回る程のパワーを得るまでになっていた。

 

「喰らえ覇王哮拳!!」

 

 そして彼女はヒュームより伝授されたピンク色のエネルギー弾をガーリックJr目掛けて放つ。だがそれに対し、ガーリックJrは掌を突き出すとその攻撃をあっさりと弾き返す。

 弾き返された気弾はそのまま真っ直ぐに清楚へと向かった

 

「何!?」

 

 慌てて急停止し何とか回避する清楚。しかし、その回避の隙をついて、ニッキーが彼女へと迫った。

 

「危ナイ!!」

 

 それを見てルーが飛び出す。二人の間に割って入り清楚を庇う。

 

「がっ」

 

 腹に拳を受け、その一撃で昏倒し、その場に倒れるルー。

 その光景を見た百代は、怒りのままにニッキーに向かって攻撃を放った。

 

「貴様ぁぁぁ!!」

 

 特大の気功波。しかし、今度はサンショがニッキーを庇う。配下達の中で最も巨体なサンショはその体格に相応しいタフさで百代の一撃にも耐えて見せた。

 更に、彼の後ろからジンジャーが飛び出してくる。

 

「きぇぇぇぇ!!!」

 

 百代に向かって飛び蹴り。しかし彼の位置よりも更に高い位置にまで飛び上がった者が居た。

 

「やああ!!」

 

 その正体は燕だった。彼女は足を大きく振り上げると狙いを定め、勢いをつけて踵をジンジャーの頭部に振り下ろした。

 

「ぎぇっ」

 

 一撃をまともに受け地面に叩きつけられるジンジャー。しかしダメージは然程大きくなかったようで直ぐに起き上がると、状況を立て直すため他の配下二人の居る位置にまで飛び退いた。

 そして、そこでニッキーが進言する。

 

「ガーリックJr様、ここは我等にお任せくださいな」

 

「いいだろう。私は力を温存させてもらおう」

 

 配下の言葉を受け入れ、ガーリックJrが後方へと下がる。それにより状況はお互い3人ずつが向き合う形、3対3の戦いとなった。その光景に気楽な観客達は大盛り上がりである。勿論、この会場に居るのはそんな平和ボケした者達ばかりではない。殺意を持った戦いであることに気づいた者達も居る。しかし気づいた所でどうしようもなかった。川神院師範代であるルーですら、あっさりと脱落するレベルの戦いに介入などできる訳もない。

 

「燕、清楚、私が小さいのでかいのを倒す。残った一人は頼むぞ」

 

 魔凶星の力によって配下達の力は数十倍になっている。しかも、未だ彼等は返信もしていない。その気の強さを感じ取っている百代は彼等と対等に戦えるのは自分だけと考え、一人で二人分を受け持とうとした。

 しかしその提案を燕は受け取らず、自信を持った笑みを浮かべる。

 

「んー、気を使ってもらったみたいだけど。大丈夫だよ。私も切り札あるからね!!」

 

 そう言って、燕の姿が変化する。機械の鎧を身にまとった姿へと変わったのだ。

 そしてその装甲の一部を悟飯が見たらこう言っただろう。『べジータさんの戦闘服に似てるような』

と。

 

「それは!?」

 

「うちのおとんとマヤリト大陸の科学者さんが共同で作成した秘密兵器だよん。まっ、まさに秘密の兵器だから公式戦以外じゃ使いたくなかったんだけど、この状況で力を出し惜しみする程腐ってないからね」 

 

 燕は観客や友人を守るために全力を費やす決意を固めたようであった。

 そしてそれを見て楽しそうな声を漏らす清楚。

 

「ほう、なかなか面白いものを持ってるじゃないか。ならばこちらも切り札をみせてやろう!!」

 

 その言葉と共に髪が金色に変化し、逆立つ清楚。それは見覚えのある姿であった。

 

「その技、ヒュームさんや石田が使っていたのと同じ。けど、それって寿命を削るんじゃなかったか?」

 

「ふっ、身の丈に合わぬ技を使うからそうなるのだ。この俺やヒュームの使う技は完成度が違うからな。大した負担では無い」

 

 光龍覚醒、その力を一時的に増幅させる代わりに寿命を削る荒業であるが、ヒュームはその完成度を高めることで負担を最小限に抑えることに成功していた。

 

「わかった。頼りにさせてもらうぞ」

 

 両脇に揃う頼もしい仲間達。彼女達は戦いに挑む。一方、悟飯は未だ睡眠薬の効果が抜けず眠り続けたままであった。




元は界王拳ですが、えらく評判が悪かったので光龍覚醒に変更しました。
ちなみに「完成度が高く負担が小さい」と言うのは精神と時の部屋で修行後から使われるようになった平静な状態のスーパーサイヤ人と原理的にはほぼ一緒です。
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