悟飯in川神学園   作:史上最弱の弟子

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今回は早く投稿できました。
次もなるべく早く投稿できるように頑張ります。


大会本戦編
日常


 本戦出場を決めた百代達、大会目指して一心不乱に修行中……っと、言う訳ではなかった。勿論、修行はしているし気合も入っている。

 しかしそれはそれ、普段の日常、仲間達との触れあい彼女達にとっては大事なことである。今日は何時もの秘密基地にゲストとして悟飯を招き、マヤリト大陸への旅行プランを立てていた。

 

「そんじゃあ、期間は冬休み丸々の2週間ってことでいいか?」

 

「ああ、勿論。足りない位だぜ!! くぅー、滅茶苦茶楽しみだ」

 

 大和の言葉に風間が興奮を示す。

 大会は1月3日より3日間で開催される。百代達はそれよりも前、21日からマヤリト大陸に入り、観光と修行の仕上げを実施する気でいた。

 

「みんなで旅行なんて楽しみだわ!!」

 

「一緒に出かけたことは何度もあるけど、2週間なんて長期は初めてだね」

 

「ぐふふ、俺様の魅力でマヤリト大陸の美女をゲットしてやるぜ」

 

「無理だと思うけどまあ、頑張って。そして私は大和とこの旅で卒業。旅先は気持ちが軽く」

 

「お友達で」

 

「あわわ。私は友達と旅行なんて初めてです」

 

「ううっ、えがったなあ。まゆっち」

 

 皆、期待に胸を湧かせているようである。しかし彼等は学生である。長期連休を丸々旅行に費やすなら当然ある問題が付随してくる。

 

「けど、それだと宿題もっていかないと駄目だね」

 

「うっ、悟飯萎えること言うなよ」

 

 そう冬休みの宿題である。真面目な主張だが、やや空気の読めない悟飯の言葉に岳人が不満を漏らす。しかしそこで悟飯に味方するものが現れた。

 

「だが、そう言う所はケジメをつけなければ駄目だろう」

 

「まあ、俺達も来年は受験や就職が関わってくるしな。ここで内申を落とすようなことは避けておいた方が無難だな。まあ、今回は特別だからある程度答え教えたりするのも許可する。休みの最初の方でさっさと片付けてしまおう。悟飯、お前も手伝えよ」

 

「あっ、うん」

 

 クリスが倫理面から大和が利害面から正論を主張。これは流石に効いたようで文句を言った者達も大人しくなる。それに成績優秀者達の手伝いと言う言質を得たのだから彼等にとっても悪いことばかりではなかった。

 

「それでだけど、マヤリト大陸の見所ってどんな所があるの?」

 

 問題は一応片付いたことで、話をバカンスへと戻す。モロの質問に、悟飯が今日の話し合いのために準備してきたものを取り出した。

 

「うん、これ、知り合いに送ってもらったガイドマップだけど」

 

 鎖国から解放されて未だ1年、交流は一部に限定されている。そのため、ガイドマップ1冊とっても、なかなか入手困難な代物であった。皆、興味深深、全員がその本に飛びつき、我先にと言う勢いで中を見る。

 

「あっ、この遊園地凄い。島全体が丸ごとリゾート施設なんだ」

 

「あっ、そこ聞いたことがある。トランクスが行きたがってたとこだ」

 

「楽しそうですね。私、遊園地なんて行ったことがないからちょっと行ってみたいです」

 

 海と森に囲まれ、豚の丸焼きのような凄い料理やショッピング、ショーも楽しめる巨大テーマパークに目をとめる一子。由紀江を始め、女子勢は皆、関心を持ったようだった。反対に男子勢はいまいち乗り気では無いようである。

 

「確かにすげえけど、これなら海外でも似たようなもん探せばあるんじゃね? それよりももっとこうマヤリト大陸でしかって場所に折角だから行こうぜ」

 

「だな。それに俺等の小遣いじゃきつくね?」

 

 冒険家の風間が反対を示し、岳人もそれに便乗する。女子勢は不満気だが、納得できる理由でもあった。交通費と宿泊費、食費は九鬼より支給されるが、流石に遊ぶ金の大半は自腹である。高級リゾートに近い遊園地は学生にはいささか身に余る場所であるのは確かだったのだ。

 

「確かにそうかも。じゃあ、ここなんてどう?」

 

「何々、おー!! いいじゃねーか!!」

 

 却下されたリゾート島に代わる場所を探して京がガイドマップをぱらぱらとめくりある場所を見つける。それは恐竜サファリパークであった。その名の通り、恐竜を見ることができる大公園であった。

 

「恐竜は男の子のロマンだよなあ」

 

「あたし、女子だけど恐竜は好きだよ」

 

「自分もだ」

 

 大和の呟きに一子とクリスがのっかかかる。そこで百代がポツリと言った。

 

「恐竜か。ちょっと戦ってみたいかもな」

 

「百代さんなら楽勝だと思いますよ。恐竜位なら4歳の時の僕でも勝てましたから」

 

「4歳!? てか、恐竜と戦ったことあんのかよ!!」

 

「姉さんの発言も大概あれだけど。悟飯は更にぶっ飛んでるな」

 

 非常識人達の言葉に呆れた表情を浮かべる大和。

 そして気を取り直し、旅行の話へ戻る

 

「まあ、でもまずはこの恐竜サファリパークが第一候補でよさそうだな。キャップも滅茶苦茶乗り気だし。さて、次の候補は……そうだ悟飯、こういう本だけじゃなく、お前、地元民としてどこかお勧めとか無いのか?」

 

「確かにこういうのはガイドマップより、地元の人に聞くのが一番と言いますね」

 

「えっ?」

 

 行き成り話を振られて困った顔をする悟飯。腕を組んで考えこむ。

 

「うーん。確かにマヤリト大陸出身だけど僕はずっと山奥の方で暮らしてたからあんまり……。あっ、そうだ。カリン塔とかどうかな?」

 

「カリン塔? 有名な観光地か何か?」

 

 ふと思いつき、あげた名前に百代が疑問顔で問い返す。

 

「そう言う訳じゃないんですけど、天まで伸びる塔があるんです。スカイツリーよりも何倍も高いんですよ」

 

 日本では高い建物が観光地になることから思いついたアイディアである。その狙いは見事に当たり、皆、興味をひかれたようだった。

 

「へえ、それは凄いね。流石はマヤリト大陸の科学力」

 

 感心したように言うモロ。どうやら彼はカリン塔を科学の産物と勘違いしたようである。その誤解を悟飯は解く。

 

「いえ、そう言う訳じゃないんです。カリン塔ってのカリン様って言う、仙猫、猫型の仙人様が居る神秘の塔なんです。昔、僕のお父さんがその塔を登って、カリン様に修行をつけてもらったそうですよ」

 

「へえ、仙人なんてのも居るんだ。本当になんでもありだねマヤリト大陸って」

 

「まっ、川神もあんま他のこと言えないけどな」

 

「それにしても仙人様に修行をつけてもらえるなんて凄いわね。あたし、ちょっと登ってみようかな」

 

「まっ、登るかどうかは置いといても一見の価値はあるかもな」

 

 悟飯の答えは皆の興味をより一層ひいたようだった。こうしてカリン塔も観光で周る場所の候補となる。

 しかし旅の期間は長い。皆の興味は次の候補へと移る。

 

「俺様は美女の居る所がいいぜ。後は、俺様の筋肉が光る所だな」

 

「筋肉が光るって言うとトレーニングとか? あっ、だったらべジータさんの重力室を使わせてもらうよう頼んでみようか?」

 

 岳人の言葉に対し、少々ずれた答えを返す悟飯。しかしそのボケに百代が興味をひかれた。

 

「重力室? なんだ、それは?」

 

「あっ、はい。ブリーフ博士って言う凄い博士が作った部屋で重力を500倍にまで自由に操作することが出来るんです」

 

「重力を操る!?」

 

「500倍!?」

 

 色々な意味で規格外なその答えに驚く風間ファミリーのメンバー達。

 

「そういえば燕も重力を操る装備をしていたが、なるほど、マヤリト大陸の技術だったのか。しかし、そんな場所簡単に使わせてもらえるのか?」

 

「ええ、知り合いなんで大丈夫だと思いますよ」

 

「へえ。悟飯って意外に顔が広いんだね。僕は高重力なんて、ごめんだけど、逆に低重力とか無重力とか体験できるなら言ってみたいな」

 

 こうしてブルマの家も訪問先へと含まれる。ブルマの家がある西の都はマヤリト大陸の中で有数の都会なのでそういう意味でも観光先へはもってこいであった。

 そしてとりあえず3つ候補が決まったことで、少し別の話題へと移った。。

 

「そう言えば燕は向こうでは、清楚や武士道プランの皆と一緒に行動するらしいな。何日かは一緒に行動しないかと誘われているが」

 

「んー、ずっとだと嫌だけど2、3日位ならいいよ」

 

 思い出したように言った百代の言葉に対し、メンバーの仲では一番排他的な京、妥協案的な答えを返す。彼女も最近は少しずつ変化してきていた。

 そして彼女が了解を示せば他に反対する者は居ない。

 

「俺様は大賛成。美女が増えるのは大歓迎だぜ」

 

「はあ、岳人は何時もそうだね」

 

「まあ、俺としては反対する理由はないよ。寧ろ賛成かな」

 

「人数多くなりすぎると動き辛くなるけど、2、3日なら全然OKだぜ」

 

 楽しい旅行計画。友人との旅行と言う初めての経験と雰囲気に悟飯は少しわくわくしていた。ただ、悟飯はずっと風間ファミリーと同行すると言う訳では無かった。この機会に里帰りをし、家族に顔を見せに行くことにしているからである。

 

「悟飯君は大晦日とお正月に実家に帰るんだよね。そう言えば悟飯君って一人っ子?」

 

「あれ、言ってませんでしたっけ。弟が一人居るんですよ。悟天って言うんです」

 

「ほう。お前の弟か。やはり武術を習っているのか」

 

「いえ、母が嫌いなので多分修行とかはしてないと思いますよ。僕の場合は、ちょっと色々ありまして」

 

 実は弟が既にスーパーサイヤ人になっていることも父親のことを間接的にでも伝えようとする親心からチチが武術を教えていることを知らない悟飯は悟天は武術を習っていないと答える。

 これにより、才能のあり過ぎる天才少年によって百代や一子がそのプライドを完璧にへし折られる危機が免れるのであった。


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