「おー、ここが」
「マヤリト大陸の家って変わった形してるよね」
「おっきいお家」
「んー、でも、世界一って割にはそこまででかくないんじゃないか?」
「しっかし、世界一の大富豪の家に訪問できるなんて、すげえ機会だよな」
「ふはははは、九鬼も世界一だぞ」
「あー、言われてみればそうか」
ブルマの自宅を訪ねる川神学院一行。家を見て、皆それぞれ盛り上がっている。彼等は今、玄関の前で待機していた。そして悟飯がブルマの姿を探す。すると庭の方からブルマがやってきた。
「悟飯君、久しぶり。そっちの皆さんが外の世界の友達?」
「あっ、ブルマさん。お久しぶりです。ええ、皆、学校で出来た友達です」
ブルマに対し、友人だと紹介する悟飯。それに応じて、皆、それぞれに自分の名前を名乗り、自己紹介をする。
「随分たくさん友達できたのね。学園生活を満喫してるようでよかったわ」
留学をすすめた立場として、また悟飯が幼い頃からの付き合いのある身として、悟飯が充実した生活を送っていることを嬉しそうにするブルマ。
そこで英雄が前に出てブルマに声をかける。
「九鬼英雄である。お久しぶりであるな、ブルマ殿」
「ああ、九鬼君。へー、あなたも悟飯君の友達だったんだ。意外といい人脈気づいてるじゃない悟飯君」
九鬼財閥とカプセルコーポレーション、マヤリト大陸の外と内、それぞれで一番の大企業。その大企業の後継者同士としてブルマと英雄は顔を合わせたことがあった。そんな英雄が悟飯の友人の中に居たことにブルマは少し驚いた様子を見せる。
「人をひきつける変な魅力があるとこ、孫君に似たのかしらね」
「ははっ、だったらいいですね。父さんは僕の憧れですから。あっ、ところでお願いした件ですけど……」
少し不安そうな表情になる悟飯。彼がブルマに頼んだのは重力制御室を使わせて欲しいということだった。しかしそこで問題になるのはその部屋は普段ある人物に占領されていることである。
「ああ、大丈夫よ。ベジータの奴、渋い顔してたけどね。1日だけって言って、きっちり空けさせたわ」
「よかったあ」
ほっとする悟飯。皆、楽しみにしていた重力制御室だったが、もしかしたら使えない可能性もあると悟飯は伝えていた。しかしそれが杞憂に終わったことに、盛り上がりを見せる。
「よっしゃあー。それじゃあ、行こうぜ!!」
特に乗り気な風間。初対面の大人の前なので流石に最低限の自重はしているが、今にも飛び出して行きそうなテンションである。それを見てブルマが微笑ましいとでも言うようには笑い、許可を出そうとし、そこであることを思い出した。
「元気ねえ。あっ、でも、その前に。悟飯君、あなた達が参加する武道大会のトーナメント表届いているわよ?」
「えっ!?」
「うちの会社もスポンサーの一つだから、先行して情報もらってるのよ。別に機密扱いじゃないから見せてもいいけど、どうする?」
重力制御室も早く行きたいが、こちらも非常に興味をひく内容であった。大会参加者は勿論、応援組も興味深々である。勿論、重力制御室の後で見せてもらう選択肢もあるが、どちらを先にするか、メンバーで意見を確認する。
そして少しだけ話し合った結果、まずは先にトーナメント表を見せてもらうことにした。
「それじゃあ、ブルマさん見せてもらえますか?」
「オッケー。じゃあ、ちょっと待ってて、直ぐに持ってくるわ」
悟飯の頼みに答え、ブルマがトーナメント表を取りに家の中に入る。そしてその場で待っていると、彼女は直ぐに戻って来た。
「はい、これがそうよ」
広げられるトーナメント表。そこには1回戦の組み合わせが書かれていた。
第1試合
ミスター・サタン(マヤリト第1シード)VSウルトラナメックマン
第2試合
天津飯(マヤリト第2シード)VSメッシ(ヨーロッパ・アフリカ予選1位)
第3試合
ウパ(マヤリト予選5位)VSカラカル・ゲイル(南北アメリカ予選2位)
第4試合
マジュニア(マヤリト予選1位)VS松永燕
第5試合
ワン(南北アメリカ予選1位)VSクリリン(マヤリト予選3-4位)
第6試合
川神一子(アジア・オセアニア予選5位)VSルー・イー(アジア・オセアニア予選3-4位)
第7試合
ヤムチャ(マヤリト予選5位)VS葉桜清楚
第8試合
ジュエール(マヤリト予選3-4位)VS川神百代(シード)
「2回戦以降は1試合目と2試合目を勝ち進んだ相手がぶつかるって感じに進むわ」
ブルマが解説を加える。それを聞いて百代が少し残念そうに言った。
「っと、いうことは、悟飯とは決勝までは当たらないということか。まあ、楽しみは後に取っておくと思えばいいか。このジュエールと言う人は強いんだろうか?」
「うーん、その人はわからないな。あっ、でもこのミスター・サタンって人がマヤリト大陸のチャンピオンらしいよ」
マヤリト大陸について下調べをしていた大和が答える。ミスター・サタンの名前だけは外の大陸でもそこそこ知られていた。
「そうか、じゃあ悟飯はいきなりチャンピオンと勝負なんだな。負けるんじゃないぞ!!」
「負けないでね。悟飯君」
「あっ、はい」
実はミスター・サタンは大したこと無いとは何となく言い辛く、応援されて苦笑する悟飯。
そして自分以外の対戦相手を見て言った。
「それより一子さんこそ、相手は強敵でしょ。頑張ってくださいね」
「ええっ、全力で行くわ!!」
相手は川神院の師範代。一子もこのところ急成長して来てるが、まだまだ格上の相手だ。それでも最初から負けるつもりで挑むつもりはなかった。闘志を燃やす一子。
「しかしクリリンさんも出るんだな。悟飯、他にお前の仲間は出ているのか?」
「ええ、実は……・」
それからしばらく、トーナメント表の話題で盛り上がり、満足した所で、重力操作室へ向かうのだった。
過去の話で外の大陸の予選突破人数が5人になったり、6人になったりしてたのに気づきました。
その辺修正して今回のトーナメント表の内容が正規になるように過去の話を修正してあります。