東方絵札録~Card In The Illusion Village~   作:竹馬の猫友

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雪茂「そういえば霊夢との絡み全然無いなぁ。」

うp主「ちなみに第一話のボツ話でなら霊夢との絡みはかなりある。R付いちゃうけど。」

雪茂「っ///」

うp主「顔赤らめんな気色悪い。」

雪茂「ひどいっ!?」





本編どぞー
あ、今回の茶番に出てきたボツ話は番外編で公開するかもしれません。
番外編はR-18なのであしからず。


第12話 激昂

雪茂が祢々を背負い階段を上り始めて10分ぐらい経った頃―――

 

 

「………ん…、は、こばれ、てる?」

「あ、起きました?」

 

どうやら後ろにおぶっている祢々さんが目を覚ましたようだ。

無事でよかった。内心、やっと軽くなる。と思ったのは内緒だ。

まぁ、祢々さんは小柄なためさほど重くは無いのだが、階段を上るとなるとやはりきつい。

ぶっちゃけ降りてもらうととても楽だ。

ちなみに祢々さんの大太刀は幽々子さんに持ってもらっている。

 

「だ、誰?…っていうか男の人!?いやっ!!すぐに降ろして!!」

「え…?だ、ちょ、まって、暴れないで!今降ろすから!」

 

一瞬誰かと思うような言葉遣い。

先ほどの迫力はまったく無く、見た目相応な女の子のような言葉遣いになっていた。

そんなことを考えながら暴れる祢々さんを何とか降ろす。

そして幽々子さんの後ろに隠れてしまう。

 

「ごめんね、いきなり目を覚ましたら知らない男の人の背中なんてびっくりしちゃうよね。ごめん。」

 

なんというか、先ほどの反応を見ると男性恐怖症なのだろうか。

もしそうだとしたら申し訳ないことをした。と思い、謝り頭を下げる。

 

「ち、違うの!ただ、ちょっとびっくりして…。それにそんな丁寧な言葉遣いの人だったら悪い人じゃなさそうだもん。こちらこそごめんなさい。」

 

そう言って祢々さんも頭を下げる。

あ、この子いい子だ。詐欺とか引っかかっちゃう子だ。

 

「ならいいんだけど。それより、もう一人で歩ける?」

「う、うん。大丈夫、だと思う。」

「駄目だったら言ってね。」

「は、はい!」

「あなた達自己紹介はしないのかしら?一応初対面でしょ?というか私に隠れてないで出たらどう?」

 

「はい…。」と少し恥ずかしそうに祢々さんが幽々子さんの後ろから出てきた。

ん?初対面?さっき一応会ってるんだけど…?

まぁあれじゃ顔を合わせたとは言えないか。

ここは幽々子さんに従っておこう。

 

「そうですね。えっと、僕は立花雪茂。一応、一般人。よろしくね。」

「は、はい。私は、五月雨祢々(さみだれねね)と申します。よ、よろしくおねがいします!」

 

そういって祢々さんはまた頭を下げる。

祢々さん…というより祢々ちゃんの方がイメージ的に合っているかな。

今度からそう呼ぼう。

 

「さ、じゃあそろそろ歩き始めましょうか。」

「はい。」

「は、はい。」

 

祢々ちゃん、緊張しいなのかな?

でも、さっきの戦闘の時と…、

 

「ほら、雪茂くん置いてくわよ~。」

「は、はい!」

 

まぁいいか。今は幽々子さんの家に行こう。

 

 

 

 

 

「ここが我が家、白玉楼よ。」

「お、大きい…。」

 

純日本家屋というような感じだろうか。

それと庭がとても綺麗だ。所謂日本庭園というやつだ。

ここの庭師さんはきっと腕の立つベテランの方なのだろう。

きっと鉢巻とか巻いて元祖江戸っ子とかそんな人物像が頭に広がる。

 

「妖夢~。お客様連れてきたわよ~。」

「はーい。」

 

玄関に着くと幽々子さんがおもむろに声を出した。

それに反応して帰ってきたのは女の子の声。

 

「いらっしゃいませ。白玉楼へようこそ。」

 

とても礼儀正しそうな銀髪ボブヘアーの女の子が出迎えてくれた。

たぶんこの子が妖夢という子だろう。

随分物騒なものを腰に二本ぶら下げてることを除けば普通の女の子…って周りに浮いてる白いのなんだろう?

 

「ところで、幽々子様が迷惑かけませんでしたか?」

「へ?いや、うん、ぜんぜん大丈夫だったよ?」

「なぁに妖夢?私がいつも迷惑かけてるような言い方じゃない。」

「い、いえそんなことは、そ、それより、お客様もいて立ち話もあれなので中に入ったらどうでしょうか?お茶菓子もありますよ?」

 

…話をそらしたな?って、幽々子さんがお茶菓子と聞いて即行中に入っていったんだけど…。

 

「はぁ…。」

「なんていうかお疲れ様。」

「いえ、いつものことですので。あ、祢々もおかえりなさい。」

「ただいま妖夢。」

 

祢々ちゃんもそう言って靴を脱ぎ中に入る。それに僕も続く。

僕が上がったのを確認すると妖夢ちゃんは歩き出した。

たぶん付いて来いということだろう。

少し歩くとそこは広い茶の間だった。

…えっと、幽々子さんがどら焼きをすごい勢いで食べてるのが見えるけど気のせいかな?

 

「えっと、いつものことですので…。」

「あ、はい…。」

 

思わず妖夢ちゃんに同情してしまう。

これは食費がかさむなぁ。

 

そんなことを思いつつ茶の間に通され幽々子さんの正面に座る。

ちなみに右に妖夢ちゃん、その正面に祢々ちゃんだ。

そして何時の間にやらどら焼きは全部無くなっていた。

 

「改めて、えっと、紫さんの能力でここに連れて来られました。立花雪茂です。」

 

妖夢ちゃんとは初めて会うので改めて自己紹介をする。

 

「私と祢々はもう済んでるからいいわね。じゃあ妖夢、自己紹介しておきなさい。」

「はい。魂魄妖夢と申します。ここの庭師兼幽々子様の護衛兼家事全般をやっています。宜しくお願いします。」

 

そういって妖夢と名乗った子は頭を下げる。

さっきのイメージ通り礼儀のなってる子だなぁ…って、庭師!?

 

「君が、庭師!?この広い庭を?一人で?」

「は、はい。そうです。」

「すごいね!最初庭師がいるって聞いておじさんをイメージしてたけど、君みたいな可愛い女の子がやってるなんて!」

 

思わず少し興奮気味に話してしまう。

それほど、衝撃を受けたのだ。

さきほどの庭の手入れはとても行き届いていて、雑草も無く、木々はきちんと剪定をされており、所謂枯山水、その模様もしっかりしている。

それを目の前の少女が全て一人でやっているというのだ。家事もやりながら主人の危機を守り、なおかつ本業の庭の手入れの手を抜かない。完璧じゃないか!

………はっ!?つい、衝撃を受けて頭の中で熱弁してしまっていた。

 

「…か、可愛いなんて…。」

 

と、妖夢ちゃんは顔を赤くして俯いてしまう。

 

「雪茂君、あなた”たらし”ね。」

「…へ?何がです?」

「いえ、何でも無いわ。(自覚無いのね。)」

 

何も僕はたらしていないけど?何のことだろうか。

で、妖夢ちゃんは顔真っ赤にして俯いたままだし、祢々ちゃんもなんかこっちジトッと見てるし、幽々子さんはこちらの様子を微笑みながら見てるし、どういうこと?

 

 

「まぁそれは置いておいて、紫から色々聞いたわ。随分と厄介なことになってるのね。」

 

どうやら紫さんが説明してくれていたようだ。

説明の手間が省けて助かる。

 

「はい。それでこちらに師匠がいると聞いたのですが、どちらにいらっしゃいますか?」

「んもう言葉が硬いわねぇ。まぁいいわ~そのお師匠さんはここにいるわよ。」

 

そういって幽々子さんは祢々ちゃんと妖夢ちゃんを指差す。

 

「…え、はい?ほんとですか?」

「ほんとよ~大真面目よ~。というわけで後はゆっくり話し合ってちょうだいな。私は自分の部屋に行くわ~。頼んだわよ二人とも。」

「「はい。」」

 

祢々ちゃんと妖夢ちゃんが同時に返事をする。

それを聞き届けた後幽々子さんは部屋を出た。

 

「えっと、君たちが僕の師匠?」

「はい。そのように聞かされています。」

「わ、私も言われたのですが、私なんかじゃ師匠なんて無理ですよぉ。」

 

妖夢ちゃんはしっかり受け答えるが、祢々ちゃんのほうはどうも師匠はやりたくないらしい。

 

「祢々だって刀持てば大丈夫だよ。あれだけ強いんだから。」

「そ、それは、そうかもしれないけど…。」

「そういえば祢々ちゃんはさっき戦ったときと雰囲気がまったく違うんだけど気のせい?」

 

先ほどから気になっていたことを口に出す。

 

「い、いえ気のせいではないです。実は私は二重人格のようなもので、刀を持つと人が変わっちゃうというか、豹変するというか。」

「なるほどね。なんとなく分かったよ。だからさっきはあれだけ迷いも無く切れたんだね。」

「ほ、本当にすみませんでした!」

「大丈夫だって。傷も無いしね。ただ、服は切れちゃったけど。」

 

全力で頭を下げてきたので笑いながら言う。

しかし最後の言葉は余計な気もする。

 

「ごめんなさい!い、今すぐ着替えを…!」

 

そう言って祢々ちゃんが立ち上がりどこかへ行ってしまった。

 

「えっと、妖夢ちゃん?」

「え、は、はい!(ちゃん付けで始めて呼ばれた。)」

「とりあえず、これから宜しくね?…祢々ちゃんにも後で言っておかないと。」

「は、はい!不束者ですが!」

「…それ、お嫁さんに来た人が言うやつだよ。」

 

笑いながら軽くつっこむ。

 

「お、お嫁さん。…はうぁ。」

 

え、倒れた。

顔を真っ赤にして、後ろに倒れた。

 

「えー…どうしよ。」

 

まぁ家の中だしこのままでもいいだろう。

ただ体勢だけ少し直しておいてあげよう。

 

「て、いうか初日からこれで大丈夫なのかな。」

 

あ、ていうか時間止まってるんなら今のうちに霊夢を助ければ…、

 

「それは出来ないのよ。」

「うわっ!ってだからいきなり話しかけないでくださいよ!」

「仕方ないじゃない。」

「ていうか心読まないでください!」

 

先ほどまで誰もいなかった僕の隣にいきなり出てきて話しかけられたら誰だってびっくりするだろう。

 

「読んでないわ。ただあなたから心の声が漏れてたから聞いてただけよ。」

「え、ほんとですか?」

 

考え事をしているとそこらへんは散漫になってしまうのか。

初めて知った。

 

「まぁそれはいいとして、どうして無理なんです…って、そうか。干渉できないんでしたっけ。」

「えぇ、ちなみに今、例の犯人と霊夢は動けているわ。」

「そうなんですか……、って、え…それってまずいんじゃ…?」

「そうね。まずいわね。」

 

さも当たり前のように紫さんが言う。

 

「じゃあなんで!」

「そうじゃないといけないのよ。霊夢には悪いけど。」

 

それじゃあ…まるで…。

 

「見捨てるっていうんですか!?」

 

この異変に気付けば犯人はたぶん霊夢を殺すだろう。

 

「大丈夫よ。殺されはしないわ。それは分かってる。」

「どうしてそんなことが分かるんですか!?」

「まぁ、そんなに声を荒げないでちょうだいな。あなたらしくも無い。」

「すみません…。」

 

最近僕変だな。前より感情的?になったのかな。

 

「…この幻想郷には運命を操る程度の能力を持った妖怪がいるわ。そいつに頼んで見てもらったのよ。」

「なるほど…。でも、なんで殺さないんでしょうか。」

 

普通の犯人であれば頭にきて人質を殺すというのはよくある話だ。

なにか考えがあるのか…?

 

「それがね、犯人はかなりの変人みたいね。」

「変人…ですか。」

「えぇ、二人いるうちの片方がね。それとさっきちょっと様子を見てきたのだけれど、こんなことを言っていたわ。―――時間が止まっているから日は過ぎない。つまり二日後はこの時間が直るまで来ない。かといってそれを行った犯人に頭にきてこの巫女さんを殺すのは些か綺麗じゃない。だから時間が直るのを待とう。―――って言ってたのよ。」

「…ふざけてますね。」

 

少しばかり、いや、かなり頭にきた。

人を殺すのにためらいが無いばかりか、それに美を求める?

ふざけてる。人として狂ってる。

胸焼けするような怒りが込み上げてくる。

 

「と、まぁそんなことがあってそちらのほうは心配は無いわ。だからあなたは今、自分のことを考えなさい。」

「…はい。わかりました。」

「わかったならいいわ。それじゃあがんばるのよ。」

 

それだけ言うと紫さんはスキマの中に入って消えた。

 

「……少し冷静になろう。熱くなっても仕方ない。やっぱりいつもの僕らしくない。」

 

自分の心に言い聞かせる。

軽い自己暗示のようなもの。

心から熱が引いていくような感じがする。

 

「………よし。」

 

だいぶ頭が冷えた。

さっき紫さんも言っていたように今は自分のことを考えなければ。

…とりあえず妖夢ちゃんを起こそう。

今日はそれからだ。

 

 

 

―――時間が戻るまであと6日と約12時間。




5000文字もうちょいで行きそう。
どのぐらいの長さがいいんだろうなぁ。
目安に出来る文字数考えとこーとか考えてる竹馬の猫友です。
最近雪茂君の感情が豊かですねぇ。
なにかいいことでもあったのかい?と聞きたくなります。
とまぁ更新早めにがんばってます。
この調子でいきたいなぁ。
ではまた次回宜しくですー。
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