東方絵札録~Card In The Illusion Village~   作:竹馬の猫友

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祢々「お父さん…。」

雪茂「ちがうよ!?」

祢々「パパ…。」

雪茂「君の時代その言葉まだ日本に伝わってないよね!?」

祢々「ダディ(キリッ)。」

雪茂「誰だお前。」



はいはい茶番茶番。
本編どぞー。


第17話 もう一人の祢々

戦国時代が好きな人ならば知っている人が多いであろうあの立花宗茂の魂が僕に…。

それに歴史上ではいないとされた宗茂の子供が今目の前にいる。

これは現代ならば大騒ぎになるほどの事態だ。

 

「先ほど雪茂君は立花家の人間か?と聞いたわね。」

 

と紫さんが祢々ちゃんに向かって質問する。

だがその答えを待たずに紫さんは口を開く。

 

「そのとおりよ。雪茂君は立花家の人間よ。」

 

何を言ってるのだろうか。

当たり前じゃないか。立花姓の家に生まれたのだから僕は立花家の人間だ。

祢々ちゃんもよく分からなかったのか首を傾げている。

 

「ごめんなさいね。分かりやすく言うわね。雪茂君はあなたの子孫よ。」

 

一つ間を空けて。

 

「「えええええええええ!!?」」

 

祢々ちゃんと僕は揃って驚きの声を上げた。

 

「つ、つまり祢々ちゃんは僕の先祖ってことですか!?」

 

紫さんは「そうよ。」と言って頷く。

妖夢ちゃんはぼけーっとこちらの様子を見ている。

話が飛躍しすぎて付いていけなくなったのだろうか。

祢々ちゃんはあわあわと擬音が聞こえるかの如くあたふたしている。

 

「なんでそんなことわかったんですか?……あぁ境界ってもしかして操れば過去にも飛べます?」

「鋭いわね。その通りよ。ちょっと気になって見てきたのよ。」

 

ちょっと気になったから時空を飛ぶと言うのは科学者が聞いたらどれだけ羨ましがられることやら。

もしかしたら祢々ちゃんも僕と似たような感じで過去に死に直面し紫さんに助けられたのだろうか。

でももしそうだとしてこのまま祢々ちゃんがこちらに居たら僕は生まれないことになってしまうのでは…?

 

「なにか難しいこと考えてるかしら?」

「あ、いえ、その…。」

「大丈夫よ。あなたと今目の前に居る祢々は違う時間軸の人間だから。雪茂君の生きていた時間軸の祢々はこちらに居ないわ。」

 

ついに時間軸という言葉も出てきた。

いよいよSFチックになってきたな。と思ったがそもそも僕がここに居る時点でファンタジーじゃないか。

と自分に突っ込みをいれる。

それよりも僕の考えを読まれたのに驚く。

 

「んーとりあえずなんとなく分かりました。」

「んじゃとりあえず伝えることは伝えたから私は行くわ。それじゃあ。」

 

そう言って紫さんはスキマを出現させ中に入って消えた。

「なんのために伝えに来たのだろうか。」そう考えた雪茂だったが答えは出なかった。

そして紫さんが消えてから3人でしばらく放心していた。

それを幽々子さんが見つけて「あなたたち何を呆けているのかしらぁ?」といつもの間延びした声で話しかけたところで3人の意識が現実に戻された。

 

意外と長い間話聞いていたようでもう外は日が落ちかけていた。

 

「そろそろお夕飯にしましょうか。」

「賛成~。」

 

と妖夢ちゃんの提案に幽々子さんが真っ先に声を上げる。

それを聞いて妖夢ちゃんが立ち上がり台所に向かう。

お昼の時と同じように祢々ちゃんも一緒に着いていく。

僕も料理が出来れば手伝うんだけど…。

 

「雪茂君は私の話し相手よ。」

 

どうやら僕の周りは読心術が使える人が多いらしい。

 

そこからはお昼と同じような流れだった。

ただ違う点を挙げるとすれば祢々ちゃんが僕のために卵焼きを作ってくれていたことだろうか。

幽々子さんが羨ましそうに見ていたが幽々子さんは幽々子さんで他の物を大量に食べていたので分けなかった。

あともう一つ。

先ほどの紫さんの話があったため少し祢々ちゃんと少し気まずくなるかなと思っていたが存外僕も適応力があるようで普通に接することが出来た。

祢々ちゃんはそんな僕の態度で緊張が和らいだのか先ほどより自然に話してくれるようになった。

 

「少し休んだらお風呂にしましょう。」

 

と妖夢ちゃんが言って立ち上がり「用意をしてきます。」と言って部屋から出て行った。

祢々ちゃんは「刀の手入れをしてきます。」と言って自室に戻っていった。

二人残され少し考え事をする。

何気なく一日が終わりに近づいてるけどここって博麗神社から遠いのだろうか。

外を見ても何てことない…いや、何てことあるか。

なにやら白いふわふわしたものがそこら中に浮いている。

それさえなければ普通の景色なんだけれど。

なんなのだろうか。

…どちらも聞いてみたほうが早いか。

 

「幽々子さんすみません。」

「何かしら?」

「そういえばいきなり連れられてきてなんとなく流れでここにいますけどここって博麗神社から遠いんですか?」

「えぇかなり遠いわね。というか普通だったら来れないわね。」

 

来ることが出来ない?

…どういう意味だ?

 

「来れない…と言うと?」

「ここは”冥界”。まぁ簡単に言えば生と死の境目って言うところかしらね。」

「…僕死ぬんですか?」

「んもうそう悲しい顔しないの。紫に連れてこられたのならあなたは死なないわ。」

 

そこから少し話を聞いたところ幽々子さんはここで魂の管理をしているらしい。

成仏させたり元の体に戻したりだとか色々あるらしい。

詳しくは話しても分からないだろうからと端折って説明してもらった。

 

「じゃあそこら辺に浮いているのは魂なんですね。」

「そうよ。ちなみに妖夢は半人半霊よ。」

「…なるほどあの白いのも本体なんですね。」

「もう驚かないのね?」

「はい。そうじゃないとやっていける気がしないので。」

 

そんなこんなで話していると妖夢ちゃんが戻ってきた。

 

「あと30分ほどしたら沸くので沸いたら雪茂さんお先に入ってください。」

「え、なんか申し訳ないんだけど。いいの?」

「お客様ですから当然です。」

 

と笑顔で返されたので一番風呂をいただくことにした。

まぁたしかに女性の後に入ると言うのは色々と気が引ける。

そう思っていたので少し安心した。

 

 

それから30分。これといって何かあったわけでもなくゆっくり時間が過ぎていった。

 

「そろそろ沸いたと思うので雪茂さんどうぞごゆっくり。」

「うん。ありがとう。そうさせてもらうよ。」

 

と二人に告げお風呂場に向かう。

ちなみに祢々ちゃんはまだ自室らしい。

と大事なことに気付き部屋に戻る。

 

「…すみません。お風呂場何処でしょうか。」

 

妖夢ちゃんに案内してもらいお風呂場に到着する。

 

「ありがとね。あと色々世話掛けちゃってごめんね。」

「大丈夫です!むしろもっと頼ってもらって構わないんですよ?」

 

随分と嬉しいことを言ってくれる。

と自然と妖夢ちゃんの頭に手が伸びる。

 

「ふぇっ!?な、なな、なんですか!?」

「えっと、お礼?」

「何で疑問系なんですか!?」

 

顔を真っ赤にして僕に突っ込んでくる。

 

「あらあらお暑いわね~。」

「うえっ!?」「ひゃうっ!?」

 

いきなり声を掛けられたので二人で声を上げて驚く。

さっきまで部屋にいたんじゃ…。

 

「妖夢がすぐに帰ってこないものだから雪茂君に襲われちゃってるんじゃないかと思って見に来たのよ~。」

「しませんよ!」

 

なるほど。なんだかんだいって妖夢ちゃんのことが大切なんだな。

それで心配して…。

 

「それと渡すものがあるのと妖夢に一つ命令があるわ。」

 

と真剣な顔をする幽々子さん。

思わず生唾を飲んでしまう。

妖夢ちゃんも真剣な顔をして幽々子さんのほうを見る。

 

「まず妖夢。」

「はい。」

「あなた雪茂君と一緒にお風呂に入りなさい。」

 

………。

 

「な、何を言い出すと思ったら!」

 

妖夢ちゃんが噛み付くぐらいの勢いで幽々子さんに詰め寄る。

だがそれをヒョイと避けて僕のほうに来る。

 

「はい。あとこれ雪茂君に。」

「…へ?僕ですか?」

 

つい幽々子さんの言葉にびっくりして呆けていると幽々子さんから小さいビニールの個包装の袋を貰う。

 

「これは?」

「いずれ必要になるわ。」

 

なんだろうか。と渡されたものをじっくりと見る。

…待て。なぜこれがここにある。

というかなぜ幽々子さんはこれを渡した?

渡されたものは所謂男用の避妊具。

それを幽々子さんは満面の笑みで渡してきたのだ。

 

「ありがとうございま…っていりませんよ!」

 

ビターンと音が鳴りそうな勢いで床にたたきつける。

 

「軽い冗談よ。ゆっくり浸かってきなさい。あ、妖夢は冗談じゃないからちゃんと命令通りにするのよ?」

「はいぃぃぃ!?」

 

と妖夢ちゃんが驚いて大きな声を上げたのを見て心底愉快そうに部屋に戻っていった。

残された二人の間に微妙な沈黙が出来る。

しかも足元に先ほどの避妊具。

 

「エ、エットヨウムチャン?」

「ナ、ナンデショウカ?」

 

お互い片言になる。

さすがに一緒に入るつもりは無いが一瞬でもその想像をしてしまったため僕は若干気まずいのだ。

もしかしたら妖夢ちゃんも同じなのかもしれない。

 

「一緒には入らなくていいからあとで適当に話を合わせよう。」

「そ、そうですね。宜しくお願いします。」

「こそこそするのは気に入らんな。」

「へ?」

 

と声のするほうに顔を向ける。

そこには祢々ちゃんがいた。

ただ刀を持っているが。

 

「祢々ちゃんどしたの?」

「先ほど妖夢の声が聞こえたから来てみたらちょうど二人が話しているのが聞こえたのだ。あとちゃん付けはよせ。」

 

…?なんだろう先ほどの祢々ちゃんとかなり雰囲気が変わっている。

妖夢ちゃんが小声で「今の祢々のことはあとで説明します。」といわれたのでうなずいて了解したことを伝える。

と祢々ちゃ…祢々が口を開く。

 

「そうだ。私も入ろう。それなら構わないだろう?」

「いや構うよ!僕が!」

「強情だな。まぁそれもいいだろう。私を倒した男だ。それぐらいの強情さがあったほうがいい。」

 

とスタスタと脱衣所の中に祢々が入っていってしまった。

 

「どうしよう。」

「どうしようもないです。あれになった祢々はかなり厄介です。」

「あれって?」

「あの子は刀を持つと人格が豹変するんです。」

 

そうだったのか。

じゃあ最初に会ったあの時とさっきまでの雰囲気が違っていたのはそのためなのか。

ならお風呂に入るときは服を脱ぐために刀を離すだろうから安心だ。

と少し外で待っていると中から「あれ?私さっきまで刀の手入れを…って何で脱いでるの!?」という声が聞こえてきた。

そして脱衣所のほうから服を持った祢々ちゃんが出てくる。

 

「え…?」

「え、えっと…。」

 

僕と祢々ちゃんの視線が交差する。

後ろでは妖夢ちゃんが「あちゃー。」と言って姿は見ていないがたぶん額に手を当てている気がする。

 

「~~~~っ!」

「ご、ごめん!大丈夫!何も見てないから!」

 

目が合った瞬間僕は自分の手で目を隠した。

幸い祢々ちゃんは服で隠していたために何も見えなくて済んだ。

 

そして一人心の中で「最近こういうこと多いなぁ。」と思う雪茂だった。




また暴走しかけてたのであっち路線に行きそうでした。
色々修正してたのでおかしいところ多々あるかもしれません。
あとこの話の番外編はほぼ決定ですね(ニンマリ)。
もう別の小説でRの付く話を書けばよかろうとか思ったことは何度もありますが一旦これはこれで集中したいのであとにします。
この小説何話ぐらいで終わるんだろ…?
もっとペースアップしたほうがいいかなぁ~。

また次回も宜しくです~。
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