東方絵札録~Card In The Illusion Village~ 作:竹馬の猫友
雪茂「ごめん少し寝かせて。」
霊夢「ちょ!起きて!あ…気絶してるのね…。」
本編どうぞー。
「…ん……あ、れ?また気絶しちゃってたのか。」
先ほど見た天井。少年は先ほどと同じところで寝ていた。
どうやらまた僕は気を失っていたらしい。
とりあえず身体を起こす。
「霊夢が運んでくれたのかな?」
「いや、私が運んだんだぜ。」
後ろで聞きなれない少女の声がした。
「うわっ!?」
「わっ!?」
まさか返事が返ってくるとは思ってなかったので声を出して驚いてしまった。
その驚いた声でその少女も驚いてしまったようだ。
白と黒。その少女を言葉で表すとしたらそんな感じだろう。
白いシャツに黒いベスト。黒い帽子に白いフリルのついた黒いスカート。
まるで魔法使いのような少女がそこにいた。
「ご、ごめん。」
驚いて尻餅をついてしまった白黒の少女に謝る。
突然のこととはいえ大きな声を出して驚かせてしまったのだから謝っておくのが礼儀というものだろう。
「い、いや、別に気にしてないからいいんだぜ。」
白黒の少女はすこし震えた声で言う。
口では気にしてないというが、本当は少しの恐怖心があったのだと思う。
名も知らない赤の他人にいきなり大きな声を出されたら誰だって少しは驚くのではないだろうか。
「……ん?」
この白黒の女の子どっかで見たことあるような…?
もしかしてさっきぶつかった女の子じゃないのか?
雪茂はそう考察すると質問をした。
「あ、もしかして君僕とぶつかった子?」
「あぁ、そうだぜ。よく覚えてたな。」
あ、やっぱりそうだったんだ。
肯定の言葉を白黒の少女は口にする。
やはり自分の記憶は正しかったようだ。
「普通あんなことがあれば忘れようと思っても忘れないよ。」
「それもそうだな!それより悪かったな。あんなところに人間なんているわけないと思って余所見してたぜ。」
たしかに普通あんなところに人間はいない。
それより今更ながらに考えてみると下方向に落下している自分と横方向に移動している少女。
その両者がぶつかった。なかなかにすごいことだ。
確かに運は悪かったかも知れないが、それのおかげで能力について少しわかったのだからむしろ運が良いと捉えていいのかもしれない。
と、考えるのはこの辺にしておこう。
「まぁ、怪我も無いしもう大丈夫だから気にしないでよ。」
「そういってもらえるとありがたいんだぜ。」
自分だっていまだに信じがたいのだ。
だが不思議なのが目の前の少女もそこにいたということだ。
落下していた自分とは違い『飛んでいた』。
しかも箒にまたがって。魔法使いなのかな?
雪茂が考え事をしていると、
「あ、さっきの話だがお前をここまで運んだのは霊夢に頼まれたからやっただけだぜ。」
白黒の少女はここまで運んだのは霊夢に頼まれたからだという。
自分の中で少し冷たい少女という霊夢のイメージが変わった。
いわゆるクーデレってやつかな?たぶん霊夢の場合はそれに該当する気がする。
それより自分をここまで運んだと当たり前のように白黒の女の子は言うが、
一応それなりの身長と体重があるから女の子からしたら重いはずだ。
それなのに外で倒れた自分をここまで運ぶというのは重労働だろう。
「運んでくれてありがとうね。重かったでしょ?」
「ま、重かったけど想像してたのより軽かったから大丈夫だぜ。」
見た目によらず結構力あるんだな。
自分より背は小さいのに。
「……ん?」
そういえば先ほどから霊夢の姿が見えない。
雪茂が部屋を見回しているとその様子に気づいた魔理沙が、
「霊夢なら異変を解決しに行ったんだぜ。」
あぁそういえば気を失う前にそんなこと言ってたような気がする。
―――――『異変』それは普段見られない異常な現象のことを示す。
そんなことが幻想郷では起こってるのか。
それは人間に解決できるものなのか?
雪茂はすこし考え白黒の少女に聞くことにした。
「異変って?」
「そういえば外界の人間だって霊夢が言ってたし異変のことなんて知らないか。」
どうやら霊夢は自分のことを白黒の少女に少し説明してくれたらしい。
自分から説明する手間が省けて助かった。
また妖怪の類と思われたら誤解を解くのが面倒だ。
「っとごめん質問したのは僕だけどその前に自己紹介しよう。」
異変よりも先に自己紹介をしておこう。
そのほうがお互い話しやすいだろうし。
「そうだな!いつまでもお前じゃなんか悪いし。おっと、私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだぜ。」
普通…?魔法使いである時点で普通じゃない気もするけど。
この幻想郷だと当たり前みたいなものなんだろうな。
と、考え事はやめて自分も簡単な自己紹介をする。
僕考え癖でもあるのかな…?
「僕は立花雪茂。普通の人間だよ。ただ能力はあるみたいだけどね。」
「雪茂か。よろしくだぜ。ところで能力ってどんな能力なんだ!?」
興味津々に魔理沙は聞いてくるが説明しようにも自分がよく分かっていない。
正直によく分からないって言っておこう。
「…うーん。実は能力なんだけど、自分でもまだよく分かってないんだよね。」
雪茂は少し考えてから答える。
「まぁ幻想郷に来たばっかりだし、よく分からないのも無理はないかもな。」
早く自分の能力を理解したほうがいいんだろうな。
「って僕のことは置いておいて異変ってのはなに?」
自分から脱線させてたけど話を戻す。
「おっとそうだったな。異変ってのは………。」
そこから魔理沙は異変のことについて話してくれた。
この幻想郷での異変とは、
・誰かが首謀者となり何かしらの事件を起こすということ。
・その事件は基本的に異変解決者が解決するということ。
・そして霊夢と魔理沙はその異変の解決者であること。いわゆる警察みたいなもの?
簡単に説明するとこんな感じだろうか。
それにしても現実離れしている。
普通そんな事件起こらないし起こったとしても警察とかが解決するだろうし。
「ありがとう。でも異変を解決するってどうやって?説得でもするの?」
「いんや。どうせ犯人なんて説得なんて聞かないから『弾幕ごっこ』で勝負を決めるんだぜ。」
また分からない言葉だ…。
「……ごめん。今度は弾幕ごっこについて教えてもらえる?」
「そうか。弾幕ごっこも分からないよな。」
そういうと魔理沙はまた説明をしてくれた。
掻い摘んで説明すると、
・ただやたらめったに弾幕を撃つのはナンセンス。
・美しさを追求すること。
・そして弾幕ごっこにはスペルカードというものも存在していてそれは、一種の必殺技のようなものであるということ。
簡単にまとめるとこんな感じかな。
細かいことはよく分からなかったけど。
「じゃあ魔理沙も異変を解決しに行くの?」
「そのつもりだったけどお前のこと頼まれちゃったし今回はパスかな。」
そうだったのか。てことは今霊夢は一人で解決しに行ってるってことか。
迷惑をかけてしまったかな。
「そんなばつの悪い顔をしなくても大丈夫だぜ?一人で行った霊夢を心配してるんだろ?」
「うん。僕はもう大丈夫だから霊夢の手助けに行ってあげて。」
その間に僕はお世話になったお礼にでも神社のなかの掃除でもしておこう。
と思っていたのだが、
「霊夢から頼まれてたのは雪茂の看病だけじゃなくて、雪茂の能力とか弾幕ごっこの練習も含まれてるんだぜ。」
「能力については分かるけど…僕が弾幕ごっこ?」
「そうだぜ。今度から雪茂も一緒に異変解決しに行くんだとさ。」
……ちょっとマジですか。その話。
出来れば争いごととかしたくないんだけどなぁ。
というか外界から来た人間が異変を解決しに行っていいものなのだろうか?
「ま、安心しとくといいぜ。なんせ私と霊夢がいるんだからな。」
「え、じゃあ僕要らないんじゃ…。」
安心しとけっていうのはそれほど二人が強いということなんだろう。
だったら僕が行く必要はないはずだ。
雑用でもあるのかな?
「なに言ってんだよ。人手は多ければ多いほどいいだろ?」
…単純な理由でした。
てことは僕もその弾幕ごっこに参加するのかな?
「ま、それは置いといてとりあえず、能力がどんなのか調べるところからはじめるとするぜ。」
雪茂の思考を遮り魔理沙は言った。
「そんなの簡単に出来るの?」
魔法でも使って調べるのだろうか。
しかし雪茂の質問の答えは予想外のものだった。
「ま、とりあえず外に出るんだぜ。」
魔理沙の言葉に従い雪茂は外に出る。
外で調べるのかな?
だがそれも違うようだ。
そして魔理沙はおもむろに箒を手に取ったかと思うとすぐさま跨った。
「よし。じゃあまず雪茂の能力の解明に行くぜ。さ、はやく後ろに乗るんだぜ。」
そんな自転車の二人乗りみたいなノリで乗れるのか?箒って。
雪茂はそんなことを考えながら魔理沙の後ろに跨り箒を持った。
なんだかんだで突拍子もないことに慣れてきてるのかな。
「そんな乗り方じゃ飛んでるうちに落ちちゃうぜ?」
魔理沙は雪茂の方を見てそう言った。
跨るのがいけなかったのだろうか?
雪茂は一度箒から降りると横向きに箒に座った。
「こう?」
「あはは、いや向きじゃなくて…。」
魔理沙は笑っておもむろに僕の両手をつかんできた。
そしてそのまま自分の腰に僕の手を回した。
つまり魔理沙に後ろから抱きついているような形である。
自分とは違い華奢な体。服の上からとはいえ十分にわかる。
今自分は女の子に抱きついているんだと、否応にも意識してしまう。
魔理沙は雪茂が色々考えているとも露知らず、
「よっし!んじゃ準備OKだな?しっかりつかまってるんだぜ?」
魔理沙がそう言ったかと思うと、地面を踏んでいた感覚が無くなり、視界が少しづつ高くなっている。
飛んでいる。
先ほどまで考えてたことが全て頭から飛んだ。
というよりいきなりのことだったので雪茂の思考が停止してしまっていた。
「…はっ!?」
やばい。やばい。今また意識飛びかけてた…。
雪茂の思考が働き出したころ、もう僕らを乗せた箒は神社の上まで上がっていた。
今ちらっと見たけど下を見るのはよそう…。
「んじゃ、しゅっぱーつ!」
その一言で上に向かっていた推進力が今度は横への推進力に変わり、急加速を始めた。
確かに魔理沙の言うとおりさっきみたいな乗り方じゃ落ちていたかもしれない。
魔理沙の腰に回した手に少し力が入った雪茂であった。
あぁ^~仕事が忙しいんじゃぁ^~
更新がほんとに不定期なので次はいつの更新になるやら…。
出来る限り早く更新できるようがんばりますー。