東方絵札録~Card In The Illusion Village~ 作:竹馬の猫友
ちょっとだけグロかったり気分を害したりしちゃうかもしれないです。
まぁそこまで酷い描写は無い(と思う)ので安心してください。
あ、ただ少しだけ霊夢がいじめられます。(精神的に)
とまぁたまには真面目な前書きで。
本編どぞ~。
雪茂が白玉楼に向かった直後―――
「なぁ。」
ぶっきらぼうな言葉で一人の男が声を掛ける。
その男は椅子に寄りかかって座っておりまるで自分は王様だとでも言わんばかりに偉そうに座っている。
まぁ本人にそのつもりは無くただなんとなくそう座っているだけなのだが。
それに見た目が完全に王様のそれとは違っている。
とても顔立ちが整っていて目はグリーン、それに足も長く一見するとモデルや俳優なのでは?と思う人がいるかもしれないような外見。
髪はブラウンでショートヘアー。と、ここまではまだいいかもしれない。
服装。それに装備。
その二つが完全にその男を王様なんて高貴な身分ではないと主張している。
上は長く黒いボロボロのロングコート。前は開けっ放しており、中には黒いシャツ。
そして下にはダメージジーンズ。というかただのぼろぼろのジーンズを履いている。
男の手の部分には鉄のガントレットのようなものが付けられており、足元にはナイフが散らばっている。
「…気付いた?」
とそんな男に声を掛けられたもう一人の男が冷たい声色で反応する。
椅子に座らず床に体育座りをしている。
先程の男とは打って変わり見た目はとても大人しそうな少年のような外見をしている。
童顔で髪はクリーム色で少し癖のあるミドルショート。
チェックのパーカーに紺のハープパンツ。
見た目は普通だ。
そして反応した少年に向かって男が口を開く。
「あぁ、動き出したみてぇだ。」
「…だね。………無駄なのに。」
二人が何かの異変を感知しそれについて話す。
しかしみなまで言わない。あまり喋りたくないのだろうか。
それともみなまで言わずとも分かるほどの関係なのだろうか。
口ぶりからしてたぶん後者だろう。
「もしかしたらこの間に攻め込むとか考えてるんじゃねぇのか?」
「…かもね。………無理なのに。」
「それか今のうちに打開策とか考えてたり、練習とかしたりしてな。」
「…そうだったらおもしろいかも。」
「だよな。」
口では”面白い”と言っているが表情は変わらない。
その一方で椅子に座る男は楽しそうにニヤリと顔を歪める。
「やっぱりよぉ二人じゃ物足りねぇって。」
「同感。…僕もそう思ってた。」
「もう一回手紙送るぞ。」
「…OK」
そう言って男は何処からとも無く紙を出現させる。
それと同時にペンも。
そしてその紙にペンで書きなぐる。
「…字、汚い。」
「ならお前書けよ。」
「…断る。……面倒。」
「なら文句言うんじゃねぇ。そもそもお前が読むものじゃねぇだろうが。」
男はそう話しながら続きを書く。
内容は簡潔。
「二人だとつまんねぇだろうからもう二人増やしていいぞ。」
簡単に言うとこんな感じだ。
「まぁこれでいいだろ。」
「…異議なし。」
「んじゃ送るぜ。」
「…異議なし。」
少年は同じ返事を繰り返す。
それ以上語る必要は無いという意味なのだろう。
その瞬間その男の持っている紙が消えた。
「にしても俺らが起こした異変てやつだっけか?あれってそんなにやばいのか?」
「…知らない。………ただ村人の一人を家族の前で殺しただけだって言うのに。」
「なぁ?」
ごく当たり前のように二人は言う。
そしてそのことを思い出したのか男はニヤリと笑う。
「にしてもあのときの殺したやつの嫁と子供、良い声で悲鳴を上げてたなぁ。」
「…うん。あれはよかった。」
クヒヒと男は笑う。
その言葉に反応した少年は笑ってはいないが若干声色が先程より明るい気がする。
内心では笑っているのだろう。
「まぁでも一人だったからあまり物足りなかったけどなぁ。」
「…うん。でも、」
「あぁ、仕方ない。これも”あいつ”の命令だからな。」
めんどくさそうに男が椅子に体を預ける。
「…ねぇ、巫女さん。」
少年が床に横たわる白と紅色の巫女服を着た少女に声を掛ける。
それに巫女は答えない。正確に言うと答えられない。
口には猿轡。その為満足に言葉を発することができない。
しかしあくまで目線はその少年に向ける。
「…自分の知り合いを目の前で殺されるってどんな感じなんだろうね…?」
なんともいえない冷たく鋭い殺気を出しながら横たわる巫女に聞く。
その言葉に目を見開き怯えた表情をする巫女。しかしそれに構わず少年は喋る。
「…わからないよね?……大丈夫。もう少しで味わえるよ…。」
そう言ってふふっと笑う。
ただし表情は笑っていないが。
そんなやり取りを聞いていたもう一人の男が口を開く。
「あんまいじめてやるなよ?カロン。」
「…分かってる。…楽しかったのに。」
”カロン”と呼ばれた少年が少し残念そうな声色で若干の抗議をする。
カロンが「でも、」と口を開く。
「ジェイドも
「まぁそうなんだけどよ。」
”ジェイド”呼ばれた男は少しだるそうに言う。
手でナイフを弄びながら。
とジェイドがヒュッとそのナイフを巫女のほうに投げる。
ザッという音と共にナイフが巫女の顔の横に刺さる。あと1cmでもずれていたら刺さっていただろう。
その事を数秒遅れで巫女が認識する。
「―――――――っっ!?」
もしかしたら死んでいたかもしれない。もし死ななくてもかなりの痛みが襲ってきたかもしれない。
そんなことが急に起こったのだ。動揺し、恐怖せずにはいられない。
目からは自然と涙が流れ、体は振るえ、じんわりと下半身の部分にシミが出来ていく。
粗相をしてしまったのにもかかわらず恐怖でそちらに気が行かない。
ただ震える。
その状態の巫女を見てジェイドはクヒヒと笑い、カロンはじっと見つめている。
「安心しろよ。おめぇは絶対殺さねーし、死なせねーから。」
「…じゃないと恐怖を味わえないでしょ…?」
巫女はその言葉にまたも恐怖する。
そして心のそこから助けを願う。
決して届くことが無いといってもそうでもしてないと心が持ちそうに無かった。
いや、最早心が壊れかけていたかもしれないが。
「早く
「…うん。…元の世界じゃこんなに出来なかった。」
「だな。」
そう、この二人も雪茂、祢々と同じく違う世界で生きていた。
ジェイドとカロンはとある殺人事件に興味を持ち元の世界で過ごしていたのだが、とある日幻想入りをする。
――もともとジェイドはイギリスに住んでいた。
今までは普通に暮らしていた。ただ少しだけほんのちょっとだけ”殺人”に興味があったことを除けば。
そして1888年イギリスでとある猟奇的殺人事件があった。
犯人の名前は、ジャック・ザ・リッパー。またの名を切り裂きジャックとも呼ばれる。
そして表沙汰にはなっていないがその事件の一年後、またも猟奇的殺人事件が起きた。
察しの良い方は分かったかもしれないがその犯人こそ、このジェイド。ジェイド・メイブラック(19)と言う男だ。
殺害方法はいたって簡単。ナイフで切り裂かれた。ただそれだけだ。
だが不思議な点があった。
それは被害者の遺体には何の抵抗もした後も無く、それに目立つような場所で切り裂かれていた。
そして被害者は全員で32人。
それだけの人数をたった一ヶ月で殺しているのだ。
誰の目にも触れず静かに殺した。
当然目立つような場所で殺されていたのだからその現場を見ている人もいる。
だがみな言うことは同じ。
「いきなり被害者が体中から血を流し叫びながら倒れた。」
そのようなことしか言わなかった。
住人はみな「
だがそんな事件もパッと人知れず終焉を迎えた。
警察に捕まったのではない。ただ犯人、そう、ジェイドが幻想入りしたのだ。
その犯人の消えた事件はそのまま迷宮入りとなった。
そしてその事件の真相はこうだ。
日頃から「人間を殺してみたい。」そう思っていた直後にあの”切り裂きジャック”の事件が起きる。
どんな殺し方をしたのか?どういった人を殺したのか?そして―――殺す気分とはどのようなものなのか?
そう思いその事件について色々調べ始めた。
さすがに気持ちまでは分からなかったがある程度までは分かった。
とある日ジェイドに異変が起きる。
特に意識していなかったのだが目の前にあったナイフを「あれが遠くから操れればいいのに。」と念じたところそのナイフがカタカタと揺れたのだ。
そう、ジェイドは能力を発現させた。
何が原因かは分からないがジェイドは”無機物を操る程度の能力”を手に入れた。
そしてためしに自分の住んでいる家の二階から道を歩いている年配の男性に向かって「ナイフよ、飛んでいけ。」とその能力を使い、ナイフを操り切り裂いた。
これを境にジェイドは殺人に楽しみを覚え、見境無しにそこら中の人間を殺した。
そして幻想入り。紫以外の人物によって幻想郷に招かれた招かざる客の一人。
もう一人の少年、カロン、カロン・クリストファーはフランスで暮らしていた。
だが少年はいつも家に引きこもっていた。
なぜか?
つまらなかったから。
学校がつまらない。
友人がつまらない。
勉強がつまらない。
運動がつまらない。
読書がつまらない。
そう、何事にも興味が沸かなく意欲も出なかった。
とある日ふと何の気なしに開いた本に目を奪われる。
その本には切り裂きジャックについて書かれていた。
なんの偶然かこちらの少年も切り裂きジャックに興味を持った。
しかしこちらは少し考え方が違った。
この被害者はどんな声で鳴いたのだろう。
殺すのではなく極限の孤独や衣食住を完全に絶てばどのようになるのだろう?
この少年は殺すのではなく、どれだけ人間を恐怖や絶望に立たせられるかを考えた。
「…完全に誰からも干渉されない空間作り出せれば完全に孤立させられるね。」そう独り言を呟いた。
今キッチンでは母親が昼ごはんの用意をしている。
もしその母親がいきなり誰にも干渉されない孤独な空間に閉じ込められたらどうなるのだろう?
とキッチンにいる母親が閉じ込められるのを想像した瞬間、キッチンから「~~~~~っ!」と声にならないような叫び声がかすかに聞こえた。
そこに行ってみると母親が見えない壁のようなものを叩いてこちらに向かって叫んでいるような様子が伺えた。
その母親のそばに行って母親の叩いているところに手を当ててみる。
すると手に冷たく硬い感覚があった。
そこには紛れも無く透明な壁があった。ただ中からこちらは見えていないようだ。
僕が手を振っても何をしても反応が無い。
それに触って分かったのだが人一人分ぐらいしかスペースが無いようだ。
たぶんこのままにしておいたら母親は窒息するのだろう。
そんな母親は喉元を押さえ肩で息をしながら見えない壁を叩き続ける。
そして数十分ほどした頃だろうか。
母親が叩くのを止め壁に寄りかかった。正確に言えば倒れるだけのスペースが無く倒れることが出来なかったと言ったほうが正しいのだろう。まだ息は合ったが時間の問題だ。
目は空ろで何処を見ているか分からない。
窒息により糞尿を撒き散らしていた。
しかし少年はずっと観察していた。救急車も警察も呼ばずただ観察していた。
表情は無表情だったがどことなくこの状態を楽しんでいるような様子が見て取れる。
目の前で人が苦しんでいる。
そしてその情景はこの少年が想像したものと同じだった。
そんな願ったものが今目の前で起きている。
「…ふふっ。」
少年は
そしてカロンという少年は”干渉と非干渉を操る程度の能力”を手に入れた。
そしてその後、この少年も猟奇的殺人事件を起こす。
こちらは4人しか殺してないがこちらも異常だった。
まずみな窒息であるのにもかかわらず首や口等にはなんの後もないということ。
それにみんな外出中であったということ。
こちらも証言者は「いきなり苦しみだした。」としか言わなかった。
そして後にこの事件の犯人は「
しかしこの少年、カロンも幻想入りをし、事件は迷宮入りとなった。
この少年も招かざる客の一人と言うことだ。
幻想入りをした二人が意気投合するのはまた別のお話。
更新が遅くなってしまい申し訳ないです。
どうもこの時期になると会社が繁忙期で忙しくなってしょうがないです。
べ、別に言い訳してるわけじゃないですよ?
と言うわけで犯人二人でした。
次回本編戻ります。
ではまた次回も宜しくです~。