東方絵札録~Card In The Illusion Village~ 作:竹馬の猫友
うまいこと狂気に満ち溢れている感じを出したいと思っている今日この頃です。
本編どぞー。
雪茂「あれ?今日出番無し?」
うp主「安心しなさい。本編にはちゃんと出るから。」
「おっと、そうはさせねぇぜ。」
僕がジェイドに向かって走り出そうとした瞬間足元にナイフが突き刺さる。
いや、正確に言えば刺さって
気付かぬほどの速さでこちらに投げたのだろうか。
と、少しそのナイフに目を取られていると途端に体の自由が利かなくなる。
「…君の体に干渉させてもらった。…これで終わり。」
カロンの今にも消え入りそうな声が聞こえる。
…やはり、能力か。
能力を使わずに行こうとした俺が馬鹿だった。
しかし「干渉させてもらった」と言っていたがどんな能力なのだろうか。
もしかしたら体だけでなく空気との干渉やら俺と犯人2人を干渉させないなんてことも…。
………なるほど。紫さんの言ってた「干渉できない」能力っていうのはこいつの能力のことか。
ほぼ無敵じゃないか。
「クヒヒッ。どうだ?体の自由が利かなくなる感じは?ほんとはカロンの趣味に合わせて圧死とかでも良かったんだけどな。クヒヒヒッ。」
「…趣味、違う。…僕はただ苦しむ姿が好きなだけ。それを効率よく見られるのが圧死。…よって趣味ではない。」
「あーはいはい。んで殺していいか?」
相変わらずの漫才のような会話を終え俺に向かって話しかけてくる。
…万事休す、とは言えないか。まだ能力が使えればチャンスはある。そういえば先程から宗茂さんの声が聞こえないけどどうしたのだろうか。
…まぁいいか。今は目の前の事態をどうにかしよう。
何か召喚してみるか。
「…召喚。
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1700/守1200
自分の墓地の闇属性モンスター2体をゲームから除外する事で、
このターンのエンドフェイズまでこのカードをゲームから除外する事ができる。
この効果は相手ターンにも使用する事ができる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
パァァァンという音と共に黒い忍装束に包まれた忍者が召喚される。
きっと名前からして動作は早いだろう。その早さでちょっと時間稼ぎをしてくれればいい。と考え召喚した。
こいつに撹乱してもらってなんとか打開できる策を考えなければ。
「…行け。黒い忍者。」
御意とばかりに首を縦に振ったかと思うとその場に幻影を残し相手の2m~3m後に移動したと思うとクナイをジェイドに向かって投げた。
…いや、速攻で決着付けてくれるんならありがたいんだけどさ。もっと、こう俺の考えに……っ!?
目の前で起こったことを理解するのには少し時間がかかった。
速攻で決着?なにを慢心しているんだ。分かっていたはずだ。相手がそんなに簡単な相手じゃないって事ぐらい。
じゃ無ければ祢々ちゃんだってあんなにあっさり殺されることは無かった。
そんなことをジェイドの後ろで光となって消えてゆく忍者を見て思う。
忍者が消える際に額にクナイが刺さっているのが見えた。
ジェイドを見ていたがこいつはクナイなんて持っていなかったはずだ。腕も動いた様子は無かった。
たぶん刃物を自由に動かせるとかそういった能力だろうか。
「今の誰だ?いや、”なんだ”?殺せなかったぞ。」
「なんだ?殺せなかった。」とジェイドは言った。…そうか、あくまで生物じゃないからそう言ったのか。
というかさっきので分かるのか。
「今のは俺の能力で召喚した忍者だ。」
「随分とあっけない終わりだったな。もっと楽しませてくれよ。」
「…まって、僕も
ほんとに好き勝手言ってくれる犯人だ。
いつでも殺せる状況にしているがための余裕なのだろうか。
それとも純粋に楽しんでいるのだろうか。
…どちらにせよ許せない。
「一つだけ聞きたい。」
「んぁ?いいぜ?何でも言ってみろ答えてやる。あ、一つと言わず何個でもいいぜ。」
「………。んじゃ3つ。まず1つ目。お前らはいつからここにいる?」
先程の忍者は時間稼ぎにもならなかった。なので今度は自分から時間を稼ぐ。
こいつらに話させているその間に何かカードを…。
「んーいつからだ?覚えてるか?カロン。」
「…知らない。…そんなの殺しに必要ない。」
「だそうだ。たぶんそんなに前じゃねーぜ。たぶん一ヶ月前かそこらだ。」
なるほどこいつらはそこまでここでは暮らしてないと。
まぁ俺より暮らしてる日数は多いらしい。
…にしてもなにかないか?いい能力をもったカード。
「わかった。んじゃ2つ目。お前らの能力を教えてもらうことは?」
さすがにこの質問は厳しいか。普通自分が不利になるようなことは話さないだろう。
まぁ教えても対処のしようのない能力だったら別で教えるだろうけど。
そう思っていると目の前の男は簡単に口を開いた。
「おう、いいぜ。俺の能力は”無機物を操る程度の能力”。その名の通り無機物だったら何でも操れる。ただ範囲に限りがあるけどな。さすがにその範囲は教えられない。ちなみにカロンは”干渉と非干渉を操る程度の能力”だ。説明は俺はできねーからカロンに任せる。」
「…面倒。はぁ………。さっきやったような相手に干渉する。相手から干渉されない。相手に干渉するものをシャットアウト。周りとの干渉を徐々に狭めていって圧死。そんなことが出来る能力。多分最強。だけどこれも範囲がある。教えられないけど強いて言うなら狭い。」
「…そこまで話してもらえるとは思わなかった。一応礼をしておく。」
行幸。まさか本当に教えてもらえるとは思わなかった。
ジェイドという男はたぶん普通の能力だ。しかし能力に反して使い手のほうが凶悪過ぎる。
圧倒的な殺意。そして、この男は人を殺すことに何の躊躇いも無いらしい。
そしてもう片方のカロン。こちらの能力は先程自称していたように強い。
それこそ紫さんのスキマを操る能力も使い手によって真価を発揮する操るのが難しいが強い能力だ。
その反面カロンの能力は簡単だ。例えば”あいつを世界から隔絶したい。”と考えて能力を使えば簡単に対象者は全てのものから干渉されなくなり窒息死するだろう。空気だけを干渉させて餓死と言うこともできる。
そして先程俺にやった体を干渉する。と言うことが出来るあたり何でも干渉できるのだろう。
また厄介なのが”あいつからの攻撃は喰らいたくない。”と使えばこちらの攻撃は全て効かない。…厄介だ。
…普通の人間、妖怪ならの話だが。
いいカードが思いついた。あのカードならいけるはず。
「んじゃ最後だ。今からお前らを倒すって言ったら信じるか?」
「クヒヒッ、そんなのやろうと思えば出来るんじゃねーの?お前も能力持ちだしな。ほらもっと強いやつ召喚してみてくれよ。」
随分と舐められたもんだ。
とは言っても強いカードは僕にかなりの負担がかかる。
だけど憑依なら何とかなりそうな策を思いついた。だけどまだだ。
もう少し相手に近寄ってもらわないと。
「なるほどな。だけど残念だ。俺はそこまで強いカードは出せない。」
「ふーん。んじゃもしかしてお前自身が戦ったほうが強いのか?」
「そうかもしれないな。」
嘘だ。遊戯王のモンスターはたとえレベル3でもモンスターによっては強いものもいる。
だけどあえて自分のほうがモンスターより強いと言っておく。
「だったらお前とやったほうが楽しいじゃねーか。おいカロン。」
「…はぁ。…僕にも楽しみ分けてよ。」
「次はお前にやるって。それにまだ中に3人いるだろ?」
こいつら…っ!もう俺のことなんてほとんど眼中に無いじゃないか。
っと少し冷静になれ。
たぶんこの俺の体の自由は解かれるはず。だから今のうちに。
「発動。二天一流・虎振。」
と小さな声で呟く。憑依ではなく、計略の発動。自身の武将による強化が無いため体への負担がほとんど無い。
ちなみにこの計略はSR宮本武蔵の計略。自身の武力と移動速度を上げ、チャージする(力を溜める)ことで一度だけとても大きいダメージを相手に与えることが出来、一定時間経つとダメージの与えられる剣撃(相手にダメージ与える攻撃)を使うことが出来る。
なぜそんなものを今使ったのか?
理由は二つ。
一つはこの計略はチャージを始めてしまうと自身が動けなくなってしまう。その為、相手に自由を取られ動けなくなっている状態でチャージを始めて、相手がこの拘束を解除した途端に攻撃をするため。安直だが簡単でいい。
もう一つはこのチャージは意外と時間がかかるために早めに使っておかないと相手に避けられるか反撃を喰らってしまうためだ。
とそんなことを考えている俺のことは梅雨知らず、
「…解除。」
とカロンが言った瞬間、体が少し楽になる。
だが体は硬直したままだ。
ちなみにチャージは3段階有り、現在2段階目。もう少しだ。
「お?どうしたよ。さっきの言葉はどうした?恐怖で動けなくなったのか?」
「ち、ちが…。」
チャンス。ジェイドが俺に声を描けながら近寄ってくる。これは怯えた振りをするしかない。そのまま俺に近づいて来い。…だけどこれは賭けだ。もし相手がナイフを投げてきたらうまくかわせないだろう。
タイミングが大事だ。
そう考えつつ足を振るわせるような演技をする。
「足が震えてるじゃねーか。…そんなにこえーか。なら………今すぐ俺の手で楽にしてやるよ。」
来た!
なにも警戒せずに歩いてきたジェイドを完全に攻撃の範囲に捉えた。
いける!そんな確信めいた考えを頭に浮かべつつ。
未だに震える演技をしながら弱々しく刀を居合いの構えに持って行く。
…今だ!
「喰らえぇっ!!!」
ザクッという音と共にパタタッという音がして液体が地面に滴る。
液体の正体は言うまでも無く血液。
「があああああああああああああぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!??」
「はっそんなこったろうと思ったぜ。あぶねぇあぶねぇ。」
「な、んで…?」
叫び声が聞こえる。
だがジェイドの声ではない男の声だ。
切った。確かに僕は切った。
だけど僕が切ったのは違う男だった。
目の前には丁度上半身と下半身の間を僕に切られて地面にドサリと崩れ落ちる男。
最大チャージの斬撃を喰らってその体は二等分されている。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁっっっ!!」
断末魔を上げながら首と腕は忙しなく動き、目もグルグルと回り焦点は合っていない。その目からは涙を流し、鼻と口からでた液体で顔はぐしゃぐしゃになっていた。
痛みによる苦しみ。自分の命がここで終わる絶望。そんな感情が周りから見ていて痛いほど分かる。
だが、なぜ?なんで?この人間はいきなり僕の前に現れた?
頭の中で自分の一人称が元に戻っていることを気にせず考える。
「おい。」
「………。」
ジェイドに話しかけられるが僕は言葉を口から出せない。いや、今の状況に思考がついていかず言葉が出ないのだ。
「まぁいいか。聞こえてるだろうから話す。お前が今斬ったのは里の人間だ。ちなみにカロンの能力でお前との干渉を遮断していた。だからお前には見えていなかった。それに気付かずお前は能力を使って斬る前に能力を解いたってわけだ。あとお前演技下手糞すぎるぜ。」
「………う、そだ。…き、きっと、それもお前らの能力か何かで僕に幻覚を、み、見せてるんだろ?そ、そうなんだろ?」
分かりきっているが他の希望にすがるしか今は無かった。
だが男はそんなことを気にも留めず口を再び開く。
歪に三日月のように口を歪めながら。
「Welcome. To this.お前も晴れて殺人者だ。」
「……僕の獲物が……。」
「……だ。う……だ。………………嘘だウソだうソダ嘘だあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!」
僕は悲鳴にも似た叫び声を上げた。
閲覧ありがとうございます。
いやー書いてるとき悦に入ってました。
あ、やめ、そんな目で見ないでぇぇぇぇ。
ち、違いますよ。途中で楽しくなっちゃってとかそんなの無いですから!
振りじゃないよ?
とまぁ雪茂君初殺人でございました。
ホントはシナリオ考えてるときは違ったのですが少しばかり予定変更して雪茂君をさらに苦しめるルートへと変更しました。
さて雪茂君は今後どうなるのでしょうか?
また次回宜しくですー。
※私自身は頭は正常なので上の茶番は本気にしないでくださいね。