東方絵札録~Card In The Illusion Village~   作:竹馬の猫友

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うp主「早めの投稿!」

雪茂「でもどうせ」

霊夢「えぇこんな調子いつまでも続かないわ」

うp主「…頑張るし」



本編どぞー


第35話 命令権は大切に使わねばならない

「とりあえずこの女性は僕の能力の一部です。名前は”The Strengs”。力という意味の名前です。僕は単純にストレングスと呼ばせてもらってます」

 

 ストレングスのことは華麗にスルーし3人に説明を始める。

 

「主であればどのような呼び方でも構わないぞ。例えばスーちゃんとかスッちんとかでも」

「ごめん。一旦戻って」

 

 「あぁ…」と小さく不満の声を出しストレングスは消えた。…スーちゃんて…スッちんて…。あんたそんなキャラじゃないから!どっちかって言うとスーさんのほうがしっくり来るわ!…いや、そうじゃなくて今は慧音さん達に能力の説明をしないと。

 そう思いコホンと咳をし、仕切り直す。

 

「えっと、さっきの説明から分かるように僕も能力者です。能力は”アルカナを使用する程度の能力”を持っています」

「そうか、能力者だったのか。ところでアルカナ?とはなんなのだ?」

 

 慧音さんから疑問の声が上がる。無理も無いだろう。外界から来た僕でさえ知らなかったのだ。タロットも詳しくは知らない。

 

「やはり分からないですよね。簡単に説明をするとタロットカードのことという認識でいいと思います」

「タロットカードか…なるほど了解した」

 

 慧音さんはタロットカードを知っているようだ。門番2人は………まぁ、お察しの通りだ。

 

「でもタロットカードでどう戦うんだ?」

「んーとですね…実際に見せたほうが早いかもしれないですね」

 

 そう言いつつも僕自身ぶっつけ本番でやるので成功するのか分からない。…練習だと思って気楽にやろう。しかしやり方がわからないのでスーさんもといストレングスに頭の中で会話を試みる。

 

「(ところでストレングス?)」

「(なんだ?)」

 

お、意外と簡単に会話できるのね。

 

「(ストレングスと小アルカナの組み合わせで一番分かりやすい効果って何かな?ついでにどうやって発動すればいいのかな?)」

「(少し待っていてくれ)」

 

 頭の中でストレングスと会話をする。そして数秒もしないうちに返事が返ってくる。どうやら”The Strengs”と”剣のK”の小アルカナがいいのではないかということだ。内容は”圧倒的な剣の指令”。効果は対象一人への制限時間有りの命令権。それだけ聞くとやたら強く感じるが、”死”に直結する命令は出来ないそうだ。当たり前だな。あと、それに付け加え対象の力が強ければ強いほど制限時間は短くなる、物理的に不可能な命令は自動的にキャンセル。など色々制約はある。

 ちなみに発動方法は意外と自由らしく、心の中でカードを思い浮かべて口に出すだけで発動できるらしい。物は試し。早速やってみよう。

 

「…大アルカナ”NO.Ⅷ The Strengs”。小アルカナ”剣のK”発動!」

 

 瞬間、僕の体が光を帯びる。しかしそれは一瞬で光は消える。気付くと僕の右手にはストレングスが持っていた剣とデザインが似ている片手剣、そして、頭には王冠のようなものをかぶり、赤いマントをつけていた。

 

「っ!」

 

 慧音さんがバックステップで僕から距離を取る。門番2人はなぜか腰を抜かしてしまった。3人ともこちらを見て驚愕の表情を浮かべている。まるで猫がライオンや虎と会ったときのようなイメージだろうか。

 

「あのー…どうかされました?」

「っ!…すまない。って、私が謝る必要はないような気が…。まぁいいか。いや、いきなり少年から強い力を感じたものでな。思わず警戒してしまったんだ」

「…強い力ですか?」

「(すまない主よ。一つ説明が抜けていた。小アルカナは後半の番号になるほど力が増大してゆく。正確に言えば11から力が倍増する。その反動でかなり疲れるかもしれないので気をつけてくれ)」

 

 頭の中でストレングスが遅すぎる補足説明を入れてくる。ストレングスめ……。今度出てきたらお小言の一つも言ってやらないとな。

 

「とりあえず強い力があるのは分かった。だが、それだけか?」

「いえいえ、本来の効果は違いますよ。慧音さん。『僕に愛の告白をしてください。』」

「「はぁっ!?」」

 

 門番2人が腰を抜かしたまま驚愕の表情と声を上げる。いや、僕だって普段だったらこんなこと言わないんだけどね。死に直結しない命令ならOKって言われたらそりゃね?僕だって男ですし。慧音さん美人ですし。言われてみたいじゃないですか。

 と心の中でごちゃごちゃ言っていると慧音さんが俯く。そしてそのまま僕に近づいてくる。肩もプルプルしてるし、もしかして効いて無くて怒ってるんじゃ?と思ったがそれは杞憂に終わった。

 慧音さんは僕のマントの裾をチョンと掴むと顔を赤らめこちらを向く。

 

「少年。ところで名前は?」

「え?えっと、立花雪茂と言います」

「そうか。雪茂か良い名だな。それに随分と愛らしい顔をしているじゃないか。守ってやりたくなる。だが、そんな顔をしているのにもかかわらずこの力。…惚れ惚れする」

 

 そう言って慧音さんは恍惚な表情を浮かべ、僕の顔を両手で挟み固定する。何をするのかと思ったら目を閉じこちらに顔を近づけてくる。まずい!そこまでしてしまったらさすがに失礼だ!

 …よく考えてみたらまだ慧音さん告白してないじゃん!キャンセル!キャンセル!!

 

「(あ、すまぬ主よ。もう一つ忘れていた。命令はキャンセル不可能だ)」

 

 今度飯とか言っても絶対食わせない。そう考えていると、もう目の前に慧音さんの顔が近づいている。ぶっちゃけこんだけ美人な人にキスをされるのはありがたいのだけれどさすがに断り無しでやるのはまずい。だから一旦慧音さんを止めないと。あくまで顔が動かせないだけで両手は動く。慧音さんの肩に手をやって離そう。

 そう思い慧音さんの肩に手をやり抵抗しようとしたのだが、その手は慧音さんの肩には届かなかった。

 

「まぁ、待ってくだせぇや。雪茂さん」

「あぁそうだぜ。雪茂のあんちゃんよ。折角慧音先生がこんだけ勇気を出して迫ってくれてるんだ。男として据え膳はくわなきゃあいかんねぇ?」

 

 両手を門番2人組みに抑えられてました。って、あんたら見ず知らずの男に慧音さんがキスするのを許すんかい!肯定派かよ!むしろ推奨しちゃってる感が否めないんだけど!?

 

「「おう」」

 

 心を読むなぁぁぁ!てか二人揃って了承すんなや!と、心の中で叫んでるつもりだったのだがそれが駄々漏れしていることに僕は気付かない。門番2人が返事をしたのはそのためである。

 慧音さんを拒むことも出来ず半ば諦め僕も眼を瞑る。いずれやってくるであろう、柔らかい唇の感触だけでも楽しんでおこうと割り切る。

 …やってこない?

 待っても唇には感触は来ない。片目をうっすらと空けるとそこには両目を潤ませる慧音さんがいた。

 

「どう、したんですか?」

「そんなに、目をギュって瞑って強張るということは私のことは嫌いなのだろう?」

 

 慧音さんの瞳から一筋の涙が流れる。不意に右手の拘束が緩んだので右手でその涙を拭う。

 

「そんなはず無いじゃないですか」

「だったら!お、お前から、その、キ、キスしてはくれないか?」

 

 やばい。もっと逃げられなくなった。おい。そこの門番2人。抱き合って喜んでんじゃねぇ!「あの年齢=付き合ってない暦の慧音さんにやっと伴侶が…!」「これは一大事だ。みなに知らせ、祭りの準備だ!」「おうよ!」そう言って二人は里の中へと走ってゆく。

 えー…。どうしよう。本格的に逃げられない。…そうだ!

 

「慧音さん」

「なんだ?私はいつでも良いぞ?」

 

 そう言って慧音さんは再び目を瞑りこちらに桜色の血色の良い唇を突き出してくる。その唇に視線が思わず奪われる。そしてそのまま吸い込まれるようにキスを…じゃなくって!

 

「いえ、そうでは無くて、僕のことどう思ってます?」

「ん?いきなりどうしたのだ?好きに決まって、い、る…」

 

 お!上手くいったか?慧音さんは顔をさっきより真っ赤にしプルプルと震えている。僕の顔に添えられた手も震えているので僕の頬もプルプルと揺れる。あ、何これ。若干気持ちいい。

 

「私、は今まで何を…」

「と、とりあえず両手を顔から離しません?」

「う、うむ」

 

 ふう。やっと開放された。ムカデにあったときより緊張してるってどういうことだ。

 

「…!そうだ!慧音さん早く門番2人を止めないと!」

「何かあったのか?」

「さっきの光景見て祭りがどうとか付き合ってない暦がどうとか話してました」

 

 僕がその言葉を言うよりも早く慧音さんは里の中へと走っていった。門番2人の名前を呼びながら。

 




閲覧ありがとうございます。
一回没にしようとしましたがそのまま投稿。
R-18までは言ってないのでセフセフ。

慧音さんはチョロそう。

次回も宜しくです。
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