ティンクル☆くるせいだーす~最高神と流星の町~ 作:TRcrant
第15話になります。
今回はかなり短いです。
そして、今回からチュートリアルを行う必要があるときは、その先頭の前の話に書くことにしました。
それに伴いまして、本話のあとがきのほうにチュートリアルコーナーがあります。
最後のほうで不自然な終わり方をしていますが、仕様ですのであしからず。
それでは、本編をどうぞ!
11月2日
某職業の人に出される食事がカレーであるとされる金曜日のこの日、プリエではある変化が起きていた。
「今日ここでウエイトレスをやることになった……」
「パスタにゃ」
赤い髪に赤い目をした小さな女の子がウエイトレスとして働くことになったのだ。
一見すれば普通のウエイトレスなのだろうが、今回の場合はものすごく普通ではなかった。
まず、着ている服はウエイトレスとしてふさわしいだろうが、頭には猫耳のようなものがあり、なおかつしっぽまでもついている。
これはいくら何でも異様すぎるため、彼女の正体が魔族であるということは一瞬で分かってしまった。
(ここまであからさまに魔族が来ると、驚きを通り越して拍子抜けするな。もしかして、あれでばれないと思ってるのか?)
あまりの堂々としたその姿に、考えを巡らすがいくら考えても答えは出るわけがないので、僕は考えるのを打ち切った。
「彼女の教育係は西田さん……は無理だから大森君。あなたに頼むわ」
「酷ッ!?」
「自分がですか?」
神楽のツッコミ口調の言葉をスルーしつつ、僕は紅林主任に聞き返した。
自分は厨房で料理を作るのが仕事だ。
決してウエイターではない。
「あなたの言葉使いとかから判断したのよ。普段それだけ礼儀作法が出来るのなら、彼女の教育もできるはずよ。やってくれるかしら?」
「……分かりました」
主任の評価に、喜んでいいのか迷いながら頷く。
確かに、僕は一通りの礼儀作法は学んでいる。
仕事以外の時はのびのびと自然体でいるが、仕事の時は癖でやってしまうのだ。
それがいいことなのか悪いことなのかはわからないが。
「あ、そうだ。しばらくの間厨房の仕事は休んでくれてもかまわないわ。そうね………大体3日ぐらいあれば十分よね」
「分かりました」
こうして僕は、3日限定のウエイターになった。
こうして僕は新人ウエイトレスである、パスタの教育係を務めることになった。
……なんだかいろいろと不安ではあるが。
パスタにはウエイトレスとしての態度や仕事の流れを出来る限り丁寧に説明していった。
飲み込みはいい方であった。
あったのだが……
「何だお前ら。金がないなら出て行くにゃ、貧乏人はいらにゃいのにゃ!」
「お前なんか水で十分にゃ!」
「ここではお金を払う人だけが偉いのにゃ!」
これはパスタがお客さんへ言い放ったの暴言の一部だ。
もう一度言おう、
そしてそのたびにトラブルが起きるのだ。
「なッ!? あなた何様よ!」
「うるさいにゃ、注文しないのならとっとと出て行くにゃ!」
今もこうやってトラブルが起きている。
「こっちの方からお断りよ!」
そう言って立ち上がろうとする女子学生のテーブルの方に、僕は慌てて駆け寄る。
「すみません。すみません。彼女のほうには私からきつく言いますのでどうか私に免じてお許しください」
私の仕事は教育指導というよりは彼女の尻拭いになっているような気がする。
そう思うほど謝り続けているのだ。
……これほど謝り続けたのは”あの時”以来かもしれない。
「ま、まあ……今回は許してあげるわ。だからA定食をお願い」
「本当に申し訳ありません。お詫びというわけではありませんが、今回のお代は結構ですので」
何度も何度も頭を下げ続ける僕に、同情したのか何とか相手の怒りも収まってくれたのか、注文をしてきたのでそれをとると一例をして女子学生から視線を外す。
向ける先は隣で”どうだ”と言わんばかりに堂々とした態度で立っているパスタだ。
「パぁスぅタぁっ!」
「何だにゃ?」
僕はパスタの頭のこめかみに両手の拳を当てる。
そして両手の拳に一気に力を込める。
いわゆる梅干しというやつだ
「この大馬鹿者がぁッ!!」
「うんにゃああああああっっっ!!」
そんな梅干し攻撃に、パスタは断末魔のような悲鳴を上げると一瞬で気を失った。
「西田さん。馬鹿を仮眠室に」
「う、うん」
神楽は引きつった表情を浮かべながら、パスタを引きずって仮眠室に向かって行く。
(これで大丈夫なのか?)
彼女を採用した人物が誰なのかは……微妙に想像ができるが色々な意味で不安になってしまう。
「すみませーん」
「あ、はい!」
そんな一概の不安を抱きながらも、僕はいなくなったパスタの穴を埋めるべくオーダーを取りに向かうのであった。
11月5日
放課後の生徒会室では、プリエに対するやがて苦情の話がされていた。
「なんでも、プリエの新人アルバイトが横暴で、ウエイターがかわいそう……だそうよ」
「なにそれ?」
シンの疑問に答えるように聖沙が苦情の内容を口にすると、ナナカは首をかしげる。
「会計さんは無知ですね~。きっとウエイトレスさんがウエイターさんを傘の上仁載せて回してるんですよ。」
「どこの大道芸だい、それはッ!?」
胸を張って苦情の内容の意味を口にするロロットに、ツッコミを入れるナナカ。
「取りあえず、行ってみよっか」
そんなやり取りをしている二人をしり目に、リアの出した提案によって生徒会メンバーは、プリエへと向かうのであった。
★ ★ ★ ★ ★ ★
僕がパスタの教育係になってから、三日ほど経った。
パスタに対する教育は、今日で形式上では一通り終わることになる。
そう、あくまでも
「すみません。すみません。私に免じてお許しください。彼女には私の方からきつく言いますので」
今日もまた僕hは、パスタの暴言の尻拭いに奔走していた。
最近になって謝るのが得意になってしまいそうな危機感を感じ始めていたりする。
そんな僕をよそに、彼女の暴言の勢いはどんなに日が経っても無くなることはなかった。
いや、さらにひどくなってると言っても過言ではない。
「何だお前ら。金がないなら出て行くにゃ。貧乏人はいらないのにゃ」
(……本当に次から次へとトラブルを招き入れてくれる。不幸の招き猫か? あいつは)
再び聞こえてきたパスタの暴言に、思わずため息が漏れそうになる。
一回の溜息をつくと一つの幸せが逃げていくらしいが、それが本当なら僕は数百以上の幸せを捨てていることだろう。
もっとも、実際に猫ではあるのだがいい意味の招き猫になってくれればどんなにいいことかと考えだせばきりがない。
「これが早く新メニューになると良いにゃ~。そうしたら毎日たかるのにゃ」
そんな僕の心情など知らないとばかりに、聞えてきたパスタの言葉が再び僕の怒りの導火線に火をつけていく。
「パスタはん」
彼女に気づかれないように背後へと近づく僕だが、長めの橙色の髪のほんわかとした雰囲気を纏う女子学生には見えていたようで、パスタに声を掛ける。
「なんだ良い人間? もう一つくれるにゃ?」
後に僕が忍び寄っていることをまったく気づく様子もなく、さらにたかろうとしていた。
「厨房のおばちゃんと、後ろの料理人がメンチきってはりますえ」
「っ!?」
女子学生が言い切るのと同時に、僕はぽふっと音がたてながら、逃げられないようにパスタの肩に手を置いた。
「ふふ……ふふふ」
自分でも恐ろしいほどに出てきた低くて、冷たい笑い声に彼女の前にあるテーブルに座っていた人たちが一歩後ずさる。
「今日でお前の命も終わらせてくれようか? 都合よく今日で僕の教育係の任もおしまいなのだから、お望みならば僕が介錯してやろう」
パスタを睨みつけながら、告げるものの彼女はこちらに振りかえようとはしない。
彼女の恐怖に満ちた顔が見えないのは残念だが、まあこれはこれでいいだろう。
「明日はねこ鍋定食にでもするとしよう。そうだ……どうせなら今日まで暴言を吐いたお客様の目の前で解体ショーでも開いてくれようか? パスタ君。さぞかしいい光景になりそうではないか?」
我ながらすさまじいことを言うなと心の中で冷静に思っていると、パスタは肩に置かれた僕の手を振り払う。
「ぎにゃああああ!! また折檻されるにゃあ! 絶壁悶絶唐辛子~地獄の三丁目~は嫌なのにゃ!」
大きな声で叫びながら、逃げ出すパスタだったが、すぐにパスタはあっさりと紅林主任に掴まった。
「はい、それじゃ、ちょっと逝きましょうか?」
「字が物騒だにゃ!」
意味の分からないことを叫びながら紅林主任に連れて行かれた先は、こちらから死角となって見えない場所であった。
そして数秒ほど経った後
「ふにゃああああっっっっ!!!」
凄まじい悲鳴がプリエ中に響き渡る。
どうやら折檻されたようだ。
残されたのは、膨れ上がった怒りをどう対処すればいいのかに悩む僕と、暴言を吐かれていた学生たちだった。
「お疲れ様どす」
「本当に申し訳……ありません」
労いの言葉をかけてきてくれた女子学生に、僕は途切れ途切れではあったものので謝った。
最近、違う意味での疲れを感じているような気がするのは決して気のせいではないはずだ。
「ん? 君たちは生徒会の……何か用ですか?」
「あ、うん。ちょっとウエイトレスさんが横暴だって苦情が入ったから、どんな感じなのかを見に来たんだ」
僕の問いかけに答える咲良君の言葉で、この問題がかなり大きなことになっていることを知った。
いや、そもそもそう思っているべきだったのかもしれない。
「……本当に申し訳ない」
そんな彼らに、僕はさらに肩身が狭くさせながら謝罪の言葉を口にする。
もしかしたら僕は何か罰でも下されるのではないかという不安が脳裏をよぎる。
主に監督不行き届きという理由でだが。
「あ、いや……大森さんが謝ることじゃないよ」
「そう言ってもらえるとありがたい」
そう言いながらも思わずため息が漏れてしまう。
一体この三日間僕はどれほど彼女の一件で謝り、そしてため息をつき続けただろうか?
回数など分からないが、かなりの値をたたき出すのは明らかだった。
「彼女は物覚えはいいし、根は優しいんだけど………」
「………苦労してるんだね」
思わず言葉を濁してしまったが、どうやら僕の言わんとすることは相手には伝わったみたいで、咲良君から同情の言葉がかけられた。
「でも、あの様子じゃ数日で首になるのがオチのような気が」
夕霧さんの洩らした言葉に、何も言えないのが彼女のひどさを物語っているような気がする。
ちなみに、これは厨房で一緒に働いているシェフの人に教えてもらったことなのだが、
「と、撮るな……ガク」
四肢を震わせているパスタを無情にも写真に収めている、女子学生の姿があったらしい。
その真相は闇の中だが、ここは本当に謎の多い学園であることを改めて思い知ることになる一幕であった。
チュートリアルコーナー
~浩介編・その2~
浩「またまた僕について話さなければいけないことがある」
?「面倒と思わずつきあってくれな」
浩「僕は敵に正体を……神であることを隠さなければいけない。でも敵は待ってくれず、私の前に立ちはだかることがある」
?「そんなわけで講じたのが、神としての力を解放せずに神剣を使った戦闘スタイルということか」
浩「そう。正確には気の力を神剣に纏わせるだけだけど、十分に戦力にはなれる」
?「後は敵にばれるか否かの問題というわけか。で、性能のほうはどうなんだ?」
浩「力をかなり制限しているから攻撃力がかなり低い」
?「まあ、あの嬢ちゃんよりはましだろうけど」
浩「しかも打たれ弱くなっているから、攻撃を受けると少し遠くに吹き飛ばされてしまうんだ」
?「とはいえ、それで普通の状態なんだけど」
浩「でも、その分素早さのほうに力を避けるようになったからかなり素早い動きができる」
?「防御力も弱いままであるのを除けばそこそこバランスが取れているな。しかも変な方向に」
浩「でも、最大の特徴は攻撃属性とレベルにあるけど」
?「なんだか、ものすごく嫌な予感がするな」
浩「僕は力を大幅に制限しているから属性も”無”で、レベルも0になる」
?「お前、また縛りプレイか?」
浩「プレイじゃない。ただ、私は不器用だから」
?「そんな不器用聴いたことがないっ。まさか、あの敵の体力を10倍にする奴も動いているとか言わないだろうな?」
浩「動いてるけど、何か?」
?「問題ないだろみたいな言い方で返すな」
浩「私はどのような敵に対して手は抜かない。強大な敵? どんとこいさっ」
?「お前のその戦闘マニアは狂戦士にも匹敵するな」
浩「……ごほん。それで僕のEXアタックだけど、種類は二つある」
?「あからさまに話題を逸らしたな。それで、どんな奴だ?」
浩「まず一つ目が”高ノ月武術”様々な効果を持つ武術で相手を翻弄する」
?「凄そうではあるんだが、ランダムで効果が決まるというのがな」
浩「そこはまあご愛嬌ということで」
――――
・高ノ月武術
私の剣はただ振りかざすだけではない!
浩介が習得した武術を繰り出す。
主な効果は次の4つからランダムに発動する。
鎮:敵一体に全力で剣を突き刺す。敵に対して中程度のダメージを与えSTUNゲージを一気に3つ削る。また、バリアをも破壊することができる
圧:敵一体に気を纏わせた権を振りかざす。敵へ小程度のダメージを与えノックバックさせることができる。
散:目にも止まらぬ速さで切りつける技。攻撃対象のそばにいる敵に対しても誘爆する形で斬りつけ、その対象のそばにいる敵もまた攻撃を受ける。攻撃を受けた敵の数分STUNゲージが減少する。
激:気を込めた剣を自分の足元に突き刺す。味方全員のステータスを2倍に強化する。効果時間は強化された味方が次に行動可能状態になるときまで。なお、重ね掛けしても効果は増さない
―――
?「それで次は何だ?」
浩「次は因果律修正。僕の持つ神の力をさりげなく利用したもの」
?「本当に危ない橋を渡るが好きだよな、浩介は」
浩「力と力のぶつかり合いになると、僕は必然的に負けることになるけど、これが発動するとどのような状況でも”必ず勝利する”ように因果律を書き換えることができるんだ。しかも、初同時に一番攻撃可能状態になる敵の位置まで戻るから確実にランブルすることができる」
?「強制ランブルに、強制勝利……どこかで聞いたような気がするんだが気のせいか?」
浩「気のせいだろ」
――――
・因果律修正
世界の常識を書き換える。
世界の意志である浩介の力を限定的に使用したEXアタック。
因果律を書き換えることによって、たとえ属性やレベルで負けていても一度だけ勝利になる。
また、敵の攻撃可能状態になるまで一番早い敵の位置まで移動する。
――――
?「浩介についてはこんなもんか」
浩「そうだね。ところで」
?「なんだ?」
浩「いや、いきなり出てきているけどお前が誰なのか知らないだろうから自己紹介をした方がいいと思うんだけど」
?「そう言えばそうだったな。それじゃ、ごほん」
浩「どうでもいいけど、変な自己紹介をしたらすぐに終わらせるからね」
?「大丈夫だって。では……皆初めましてだな! 俺の名前はオッパイマスターにして浩介の―――――――