のんびり艦これ   作:海原翻車魚

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お久し振りです。

突然ですがタイトル警告はしました。
この回は作者がかなり焦っていた時期の慢心による事故とでも言いましょうか……後述に託します。とにかく、自分でケジメとしてこの話を書きます。


提督の方々はこの様な稀有なケースが起こりうるということを思慮に入れて嫁艦の育成に励んで下さい。

2017年1月19日より追記。
 同じようなことが最近着任した知人にも起こりました。人柱島ですね(半ギレ)


~轟沈_Lost~

~柱島泊地~

 

──通信室

 

 「大淀さん、話があるの」

 「……そのぉ、取りあえず尾行で部屋の割り出しは止めて下さい。心臓が止まりそうになりました」

 「ごめん、すぐに聞きたかったから」

 好奇心で体が勝手に動いた。正直、軍師に知恵者は必要とされる戦において僕はへっぽこの軍師に相当する。

 ならば知恵者は大淀さんしかいないだろうと思い先程大淀さんが言った尾行だ。

 「…わかりました。それで」

 「先の戦闘においての新艦種の事なんだけど」

 正直に言うと船なんて文明の領域ではなく怨念が具現化した異形の化物というのがこちらの印象だが、あくまで敵対行為を働くのをみすみす船という言葉で片付けずに艦というのが適当だろう。

 正直、足りない情報は状況証拠でロジックを組み立てて補填しなければならないというのが現状であるためあっているかどうかが定かではない。

 早い話が船か艦だかは知らないが敵対する浮遊物がゆえに艦と呼称することにしたというだけだ。

 「軽空母ヌ級、ですね……。」

 「名前なんてあるの?」

 名前が付けられてるとは思わなかった。

 ただ艦種は分かる。が、"ヌ"は一体どこから出てきたのかが引っ掛かった。

 「そこから説明する必要がありましたね、こちらの説明不足です。すいません。」

 「いいんです。それで?」

 「政府は日本国の貿易の邪魔をする深海棲艦を艦種と強弱に合わせていろは歌にて区別をつけています。」

 なぜいろは歌なのかを聞きたい。

 でも、興味を持つのはそこではないと自制し話を聞く。

 「強さの序列は?」

 「艦種ごとに決まっていますが基本的に『艦種中、後に出る文字』になるにつれて強くなります。例を挙げるとするなら駆逐イ、ロ、ハ級がいます。能力が高いのはハ級です。ただ軽空母はヌ級しかいません」

「…ありがとう。」

少し飲み込めないこともあるが質問したことは大体分かったため一礼して部屋を立ち去った。

 

 

──執務室

 

 

「司令官、今日も開発・建造をしていくわよ。」

 叢雲の一言で寝惚けていた瞳をシパシパさせる。

 昼下がりというのは眠くなるものだろうと心の中で言い訳していた。

 

 最近、タブレットでオーダーが出せる機能を見つけたのでとても便利である。デイリーの建造三回おわったあたりでハッとする。

 建造が終るとタブレットの電子音が一、二回鳴って知らせてくれる仕組みで今日もそれのお陰で意識を戻した。最近作業染みてきてこの操作中はよくボーッとしている。

 デスクの正面をみると金剛が頬杖をついてこちらをはにかみながら見ていた。この娘は何をしたいのだろうとぼんやり見つめる。

 こちらの目線に気付いて朗らかな笑顔を見せながら

「提督ぅ~朝からきゃっこいいネエェ!」

 と言った。

「びっくりした……。」

 びっくりして口をついたのがこれだ。

 ボーッとしてたら目の前に美女がいるなんてザラにあるシチュエーションじゃないからしょうがないと思う。

「金剛さん、離れて下さい。司令官が困っているでしょう?」

「oh!sorry men!」

「舐めた口を聞くのは止めて下さい」

チロリと叢雲が金剛を睨め付けると先程の笑顔と比べると少ししょんぼりとした顔になっていた。

「sorry」

「宜しい。」

 

それにしても、叢雲は一体全体どこで金剛を抑圧するだけの威圧感があるのだろう。先輩後輩の関係を金剛が知ってしまったのだろうか。

仮に威圧感ではないと仮定するとなんなのだろう。闘志だろうか。何をするためだろうか。奪い合いかもしれない。何のだろう。恋人とかの取り合い?叢雲にそんな意思が微塵もあると感じられないのだが。

 

「司令官~天龍ちゃんは~?」

「ん?今日の出撃で来たけど……」

「早く言って下さいよ~」

「ごめんね?天龍型一番艦って聞いた時にはどうもピンと来なかったから」

「気をつけてねぇ~」

 

突然、屋根から音も無く降ってきた女性。彼女は軽巡洋艦クラスに相当するらしい。黒みがかったショートヘア。天使にしては黒い輪が頭に浮いていて、黒を基調としたワンピースのような服を着ている。龍田というのがコードネームらしい。そんな彼女は質問するだけしていって音もなく天井に跳ねて行った。天井を見やると一部のタイルだけ外されていた。怖い。しかも、少し黒い笑みでタイルを戻していった。余計に怖い。

 

<提督、第2艦隊が解放されました!任務の報酬はこれです。>

「任務名どころか内容すら分からないよ!」

館内放送が響く。常備のヘッドセットを起動して大淀さんに繋げる。

『失礼、『天龍型軽巡洋艦』を2隻集めれば良いという任務です。』

「なるほど。それで、第2艦隊っていうのは別動隊が作れるって事かな?」

『はい!詳しくは端末にて!チュートリアルにあたる任務をインストールしておきました!』 

「仕事が早い。助かるよ。」

 

 放送をかけて戦闘が出来るメンバーを召集する。改めて思うのが全員が紛うことない美少女であることだ。全員の顔を観察する暇が無かった訳ではない。今、見て純粋にそう思っただけだ。この娘達の笑顔を誰一人失わせる訳にはいかないし、怪我を負わせることも極力避けねばならない。前線で指揮を執る者としての自覚を持たねば勝てる戦も勝てばしない。

 

 「本日より第二艦隊の運用が可能になった。艦隊の編成を行うにあたり皆を集めたんだ。早速、本題に入るよ。第一艦隊、旗艦は金剛、随伴として龍田、叢雲、弥生、那珂。第二艦隊旗艦は天龍。随伴は響、神通、弥生。」

『はい!』

 

 

大淀さんから貰った端末のスリープを解くと第2艦隊は遠征に出すことが可能らしい。かなり平たく言うとお使いだ。しかし、旗艦という事は僕も行かなければならないのでは?

 

『ちなみに提督。』

「大淀さん、なあに?」

『第二艦隊は提督が搭乗する必要はありません。』

「そうなんだ……じゃあ、初めての遠征とか任務がありそうだから代わりに受けといて欲しいな。それで初めての航海に第二艦隊を連れていっておいて下さいよ!」

『承け賜りました。』

 

 

──南西諸島海域(通称:2-1)

 

 今、羅針盤を回して移動している最中だ。戦闘に関してもこのタブレットが使用されるとは思わなかった。今タブレットに表示されているのはこの海域の略図だろう。他の海域だと違った図が表示される。いつも図中の破線を少しずれて艦隊は移動するが、この略図通りのルートで進行しているので政府が測量でもして明記しておいたのだろう。

 

端末を確認するに緑のマスに止まろうとしている。それらしい所に泊まると極少量の鋼材を手に入れまた進み始めた。

 

「レーダーに敵、感あり!敵艦載機見ゆ!」

 

キィィィィィン!

 

大した面積のない翼がジェット機の様に空気を切り裂く。

そして、放たれた凶弾は配属されたばかり龍田に目掛けて何かを落とした。その何かは運悪く彼女の眉間辺りに炸裂した。炸裂したのは爆弾なのか硝煙の臭いが鼻腔をくすぐる。龍田の頭は奇跡的かは分からないが原型を留めていた。龍田の艤装であるリングはすでに彼女の足元の水面を漂っていた。

 

予想していなかった光景に呆然とした。ロジックを頭の中で練ろうとした。それよりも早く龍田の足の装置が煙を上げて剥がれ落ちた。

彼女の沈没が現実に差し迫っていると思った瞬間

「龍田あああああ!」

 僕は彼女の名を叫び金剛の頭から飛び降り、駆け寄った。

 ここから先、細かいことは覚えてない。

 

 水面の際に沈みゆく龍田の手を取り胸の中で出血している彼女の頭を抱き締めた。病的な龍田の肌の白さが海の深淵の暗さと合わさって映えた。そんなこちらの様子を見て察したのかどうかはわからないが彼女は己の最期を悟ったのだろうか、あるいは、何かが見えているのは分からないがこの一言が僕の心に野太い杭を深々と打ち込んだ。

 

「派手にやられちゃったあ~…あ~天龍ちゃんの戦う姿が見える~……」

 

この言葉が彼女の生涯の幕を引くかの如く抱き締めた僕の腕をすり抜け水面に沈む……。龍田はこちらに手を伸ばしていたが届かなかった。十秒もないはずの彼女の沈みゆく時間が恐ろしく長く感じた。彼女を殺したという罪悪感と救えなかった無力感に酷く腹が立った。歯を噛み締め怒りを堪える。

 

やがて、虚ろな目で沈み行く龍田はこちらをただただじっと見ていた。

 

 「司令官!指示を!」

 敵の弾が黒風白雨の様に降り注ぐ中、龍田の沈んでいくところを涙ながらに見ていた。嗚咽を漏らすまいと歯を食い縛り必死に脳裏から沸き立つ甘美な激情の波に耐えていた。

 子供のように喚き散らして済む問題でも無いことは分かってる。

 けれども、この激情は吐き出したい。楽になりたいと葛藤していた。そのような中、叢雲はこちらに指示を仰いだ。

 同僚の死に際になんてことを言うのだろうと一瞬思ったが、叢雲は涙を流しながら応戦していた。他の皆も泣きながら応戦していた。泣きわめくのではなく、ただ口を真一文字に食い縛ってひたすらに涙を流していた。 

 僕はただ悔しかった。同時に自分を許せなかった。みすみす龍田を沈めてしまったこと。激情を理性で縛り付けて葛藤して自分のせいだと批難されることへの逃げ道を自分の中で作ろうとしたこと。何よりも目の前を向いて仇討ちの形でも戦おうという意思を持てなかった自分が許せなかった。

 

さあ、地獄を作ろう。

奴等の死体を積み上げ三千世界のカラスが集る程の修羅場を。

 そう思うと、自分の涙が引いた。同時に口からするりと指示を出していた。

 

 

「総員に告ぐ。敵艦隊を粉微塵すら残さずに粉砕せよ!」

 

 悪魔の宣告とも捉えられる指示の下、皆の奮戦の甲斐もあり敵艦隊は全滅。僕の望み通り死骸は形を保つどころか完全にこの世から蒸発した。

 しかし、得も言えぬ喪失感が僕の、皆の胸を穿つ。

 

 

 

 鎮守府に帰ってきて入り口から府内に一歩入ると大淀さんが立っていた。全員が泣いているのを見ると、事態を察してくれたのかペコリと一礼して執務室に帰ってくれた。

 

 丁度、遠征から帰ってきた天龍が後ろから来た。朗らかな天龍の呼び掛けの返答する声が上ずった。初めての遠征が楽しいということをほんの少し喋った天龍は第一艦隊の面子を見てあることを聞いてきた。

 「提督、龍田は?」と。

 「龍田はな、どこか遠くに行ったんだよ。手も届かないどこかにさ。」

 「そうか、龍田のやつ何処ほっつき歩いてんだろ」

 散歩だと勘違いしてくれたのか天龍はニコニコと入り口を颯爽と走って府内に入っていった。天龍の無知な笑顔を見ているのが本当に辛かった。

 

 まさか無傷・疲労無しの艦が沈むなんて事があるわけがないと思っていたからだ。




………皆さんも、バグの巻き添えは食わないようにしましょう。

何でしょうね、運営に言ったんですが返事が帰ってきません。(事件は5ヶ月前、報告は2週間前)

次は、復帰と新しい仲間………それによる反抗の加速を書きます。

何故あの時、この任務を受諾しなかったのだろうかと今でも思うくらいには思い出というか因縁が深い出来事です。

表現について聞きたいです。

  • 難しいと感じる(やさしく書いて)
  • 今のままでいい(書きたいように書いて)
  • 簡単すぎる(文学に寄せて)
  • キチゲ解放求ム
  • 対象年齢上げて(タグ増加)
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