のんびり艦これ   作:海原翻車魚

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 皆様、海原でございます。それとお久しぶりです。
 今回は書きたい物のためにこっちを切り上げすぐにあげようと思い端末をフリックしました。
 今回の話はこんなのも書いてみようかレベルの話なのであんまりな感じだとは思いますが平にご容赦をば。
 


トライ&エラー

 EVENT海域を少ししか制圧してないことに落胆してから暫くした7月のとある頃、明石からのメールが来た。

 内容によると発明品の相談やらテストがしたいのだそうだ。

 この手の相談、もとい実験は年に十数回はあるため今回も含め足繁く通うことになるのだ。

 

 「ねえ、何を作ってくれちゃってるの?」

 説明を最後まで聞いた上での怒気を孕んだ僕の声がまともに聞こえているのか分からない位明石の表情はにこやかだった。

 「ですから、透明になれる薬ですって。」

 さも当然のように言う明石。

 「他にもあったよね?」

 「ええ!フックを打ち込んだ場所に引っ張る拳銃に、太い杖の形状をした対深海棲艦用徹甲弾を装填したショットガン、千里眼とも言われるくらいによく見える目薬とか。今回も色々作りました。」

 「うん、そこまでは問題無いの。」

 そう、ここまでは。

 「まだ報告することあるよね?」

 「ええ、便利そうに見えますけど欠陥がありまして。」

 「例えば?」

 デメリットについて聞いたのはこちら側だが明石の天然産物がごとき白々しさに頭痛がしてきた。むしろ、天然なのかこれが分からない。

 「透明化薬品は服用後に激しい腹痛が服用者に起きます。」

 「他の発明品は?」

 頭痛に頭をもたげ言葉を紡ぐ。

 「鉤爪発射式移動銃は引っ張られた勢いで肩を脱臼する可能性が大です。散弾銃の方はデザインを重視したため発射口と引き金が分からなくなりました。目薬は瞳孔が開きっぱなしになります。」

 「だから、何を作ってくれちゃってるの?」

 「どうしました?物忘れですかね?」

 「僕がボケてるとかじゃなくて、なんで高性能な発明品にサービス精神で壊滅的なデメリットを付けてるのかってこと。作ろうと思えばデメリット無視の発明が出来るのにさ。」

 何とか平静を取り繕いながら明石に顔を向ける。

 すると、にこやかに明石はこう言った。

 「だって、高性能なだけじゃ可愛げが無いでしょう?」

 「えぇ…。」

 これが今回だけならまだ良かったが、足繁く通った結果が致命的欠陥品の紹介を毎度のようにされるため少々負の感情が起こる。

 これだけなら一蹴した後に帰れば良いがそうはならないし、そんなことはしない。

 「それらの発明品はおいておこう。虎の子はあるんだよね?」

 「勿論です。」

 舌をちろりと出しながらこちらに背を向ける。

 「この辺にしまったような…。あっ!あった!」

 例の物を見つけたであろう明石がこちらに向き直った時に彼女の手には、スクエア型フレームの眼鏡が存在していた。

 「これは?」

 「提督用の艤装、もとい装備です。」

 「というと?」

 「敵の戦闘力やウチに所属している艦娘の総合力が分かります。勿論、機能はこれだけじゃないです。フレームに付いているボタンを押すと景観の拡大や縮小が出来ますし、特定のまばたきのリズムで写真が取れます。ところで…。」

 すらすらと喋っていた明石の歯切れが悪くなった。

 「どうしたの?」

 「寄り目とか出来ます?」

 「出来るけどやらないよ?」

 過去に友人や家族からかなり引かれたことがあることがトラウマで自重している。だから明石を含む艦娘には絶対見せない。というか、見せたくない。

 「えー。」

 「だって気持ち悪いでしょ?」

 「私個人としては面白いと思うんですけどね。」

 「見せないよ。で、寄り目をするとどうなるの?」

 「提督に対する艦娘の好感度が見られます。」

 「それはあまり使いたくない機能だなあ。」

 「あのぉ…。」

 無言で少しむくれたかと思えば、何か思い付いて気まずそうな雰囲気を漂わせ始めた明石。彼女の意味の分からない挙動を僕の目は捉えた。 

 「どうしたの?」

 「前から思っていたことが有るんですけど言っても良いですか?」

 「良いよ。」

 「では、お言葉に甘えて。提督はご兄弟はいらっしゃいます?」

 「一人っ子の長男だよ。」

 「親御さんは厳しかったですか?」

 「まあ、ね。」

 「親御さん達から『しっかりしろ。』とか『堂々としろ。』とか言われて育ちました?」

 「そうだね。」

 そこから明石は考え込む素振りをしてこちらを時折見た。

 数分したころ、明石の目には同情と悲しみを帯びていた。

 「提督に就任するまで、大変でしたね。」

 「そう思ってくれる?」

 今ので僕の抱えている物のおおよその見当をつけた明石は僕の言葉に首肯した。

 「ええ。」

 「もっと人を頼っても良いんですよ?人は生きている時は迷惑をかけるものなんですから。」

 「頑張ってみるよ。」

 その場の空気は重苦しいものになっていたが、こういうときは前に歩みを進めないといけないことを僕はよく知っている。

 「他の機能はあったりするの?」

 「…えぇ、ありますよ。片方だけ寄り目をすることによって透視が出来ます。」

 「それもあまり使わないな。明石が想像するような使い方は特にやらないから。」

 「ですよねー。というか出来るんですね。」

 恐らく売り文句は『アノ娘のあんなところやこんなところが丸見え』とかだろう。出来るけど絶対にやらない。

 「あとは開発者オプションみたいな感じで、装着した人の別の人格が発現するようになる機能を付けて見ました。」

 「起動する条件は白目を剥いたらでしょ?」

 「バレました?」

 「まったく…。まあ、持ち歩きに便利なカメラとして使ってみるよ。」

 明石の手から取った眼鏡の度はいつ視力を測定したのかということをすぐに疑問に思う程よく見える代物だった。

 

 付け心地を確かめた後に眼鏡を自分の物に付け替えた。服の襟に明石の作った眼鏡を引っかけ、明石と向かい合う。

 「まだテストがあるよね?」

 呼び出された用件の内、相談しか行っていないことを思い返し明石に本題のテストについて催促する。

 「そうでしたね。ちょっと待って下さいね。」

 椅子から立ち上がった明石は、廊下とは繋がっていない部屋に入っていった。

 その部屋は電気がついておらずどの様な部屋かは相も変わらず分からなかったが、発明品の話で入ることから開発室兼倉庫なのだろう。臭いは鉄と油、硝煙が主な物であると思う。不確かな言い方なのは未だに嗅ぎ慣れてない異臭であるため判別が困難であるためだ。

 直ぐに帰ってきた明石の手には地味な色合いどころか漆黒のブーツをベースにとある装置が付いた物だった。装置には若干の見覚えがあった。大分前に見た叢雲や摩耶、赤城達の戦闘用の靴とそっくりだった。

 何故見たことがあるかの話は省くが、同様の装置だと断定出来るほど酷似していた。

 「これが何なのか当ててみます?」

 「僕用の靴でしょ?」

 「正解です。まあ、今の話の流れならそうなりますがね。」

 「そうだね。」

 早速履き心地を確かめようと靴を脱ごうとすると止められた。

 「どうしたの?」

 「概要を聞いてから然るべき場所で試しましょう、提督。」

 大分自信があるのか胸の張り方がさっきまでと段違いだ。それを口にすれば間違いなくセクハラに抵触するだろう。

 「どんな靴なの?」

 「薄々は気付いていると思いますが提督専用の水陸両用靴です。提督が出撃の際に履いているものの改良版で安定さや快速性抜群です。私の主義は捨てて開発していますのでかなりの良作だと思います!」

 「なるほどね。」

 捨てられる主義なら捨ててしまえと言いたいが余計なことだろうと口をつぐんだ。

 「それでは早速、出立しましょう。」

 「あいよー。」

 ギシギシと軋まない床に改修してからどのくらい経ったのだろうと益体もないことを考えて歩く僕。明石は自信に満ち溢れた顔をしながら廊下を闊歩していた。

 浜辺に出た僕はいつも履いてる改良前の両用靴のまま水面に片足を浸けた。少し大きめの駆動音が鳴り始めると同時に足の底から押し上げられる様な浮遊感を覚える。そのままもう片方の足を浸けて浮遊感が出るまで待つ。

 両足の底から力強い駆動音と浮遊感が現れた後は浜辺沿いを走ってみる。この靴は艦娘達の艤装の様に水面を滑るのでは無く水面を文字通り歩行及び走行するタイプの靴なのだ。

 「提督、何やってるんです?」

 「どういう違いなのか体で知っておきたくて走ってみたんだ。」

 「やってもらおうと思ってたことなので別にいいんですけども…。」

 「ごめんて。」

 水面から降りて浜辺の砂を踏むと同時にスニーカー型の靴は駆動音と浮遊感を完全に消した。

 「では、今回の靴を試してみて下さい。」

 脱いだスニーカーをマット代わりにしながら慣れないブーツを履く。

 「一応ゴーグルを着けておいて下さい。提督はこのタイプに慣れていないので水面に頭を突っ込むことになる可能性があります。」

 「はいはい。」

 「他の貴重品や機器なども預かっておきます。」

 「部屋に置いてきたから大丈夫。無線機は必要無いだろうとは思ったけど持ってきた。」

 「リアルな感想が聞きたいので装備していて下さい。」

 「了解した。」

 男物のブーツというからどのような物かと思ったが、厚底になっていること以外はスニーカーと履き心地は変わらないと思う。

 あくまで陸で棒立ちしている限りの話だが。

 水面に爪先を浸けようとした瞬間、静かにしかし力強い浮力に持ち上げられる。爪先だけで耐えられないものでは無いが少々出力の具合に驚いた。

 浸けようとした瞬間にこの出力が可能ならばと思い、一気に水面に飛び乗った。

 予想通りに体が水面に浮く。

 そこまでは良かった。

 「うべぢょぼぼぼぼぼぼぼぼ?!」

 「まあ、そうなりますよね…。」

 コケた勢いでゴーグルがめくれ海水がモロに目に入る。

 痛い。

 小さい頃の旅行の懐かしさよりも顔が擦りむけていないかの心配を真っ先にする程に痛い。

 当然、靴の出力は続いているため海面に顔を埋めながらセルフ水上スキー状態。

 奇跡的に浜辺に打ち上げられるまで僕の眼球と海水は仲良し小良しだった。

 その後、何十回とセルフ水上スキーを繰り返しどうにか艦娘達と同様の移動が出来るようにはなったのだが次の日には風邪をひいて寝込んだ。




 8月末にイベントが始まりましたね。
 作者は9月始めから夏休みなので執筆出来る時間があまりございません。
 作者の書きたいものは10月中にはハーメルンで出ると思うので興味が御座いましたらご一読願います。ちなみに完全オリジナルの異世界物です。チートは(今のところ)無いですね。

表現について聞きたいです。

  • 難しいと感じる(やさしく書いて)
  • 今のままでいい(書きたいように書いて)
  • 簡単すぎる(文学に寄せて)
  • キチゲ解放求ム
  • 対象年齢上げて(タグ増加)
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