リアルでのフィジカルとメンタルがディスアビリティなので筆が進みません。更にアイムビズィーなので余計に書けません。
早い話が不調で忙しいのです。
閑話休題。
今回は短めとなっています。あと少しエロいかもしれません。それではどうぞ。
海は残酷だ。
浮く意思や力を無くせば深い深い海の底に沈んでいく。
飲み込んだ者への報いなく、飲み込んだ者の血さえ残さずに飲み込むのだ。
そのような現場に送り出さなければならないこちらの身をケアするのは実質自分のみ。
海をかなり縮小化したこの檜の浴槽にも同じことが言える。
沈もうと思えば簡単に沈むし、多少切り傷が出来たところで血は溶けて見えなくなる。
僕は先程までいた加賀の残像を湯煙に浮かべながら湯をすくって顔にかける。
時はさかのぼり一時間前。
「衣装が魚臭いー!」
「今に始まったことじゃないでしょ?那珂。」
一時的に鎮守府近海の制海権を手にしたことにより、ちょっとした釣りを行った時のことだ。那珂は自分で釣った魚を危うく逃がしかけ、自分の服を使ってどうにかこうにか確保したのだが臭いが染みてしまったようだった。
「風呂入ってきな。あの海域にはもう用は無いし。」
「OFFだー!」
颯爽と艦娘用、もとい女子風呂に走る那珂。
クーラーボックスの中にある鰯を食堂に持っていき保存してもらった後に、ふと自分も臭いことに気がつき風呂の支度をしようと執務室へ向かう。
執務室近くの通路から青葉が立ったまま滑り込み、立ち塞がった。
いつも通り不敵な笑顔を浮かべこちらを見てくる。
こういう時は大抵ロクなことがない。
何も見なかったことにしようと塞ぎきれてない横を通ろうとすると寄った側に詰めてくる。
何度も横をすり抜けようと繰り返して何度目だろうか。
青葉の笑みは段々と苦しさを帯びてきたのだ。
具体的にいうと汗をかきながら笑顔をこちらに向けてくるのだ。
もう少し続けたら面白そうだと自分の中の悪魔が囁いてくるが、そんなものは理性で握り潰す。
「何の用?」
ぶっきらぼうに話を切り出す。
「おや?もう終わりですか?」
言葉の余裕さはどこへやら。膝に手を置き肩で息をしている青葉は掌をこちらに向け『少し待って欲しい』の合図。
やがて落ち着いたのか気を付けの姿勢でこちらを見据える青葉。
「時に司令官。」
「……。」
改まった青葉の顔を見て思わず顔が強ばる。
こういうときの青葉を例えるなら笑顔で点火済みのダイナマイトを咥えてくるボクサー犬だ。始末に負えない。
「青葉秘蔵の写真はいかが?」
出た。
この鎮守府内のどこかで盗撮行為を行ってはこちらに自慢気に見せて物々交換をせびってくる腹だ。何回もやっているのでその度に鉄拳を落としては今すぐ止めてファイルを削除するように勧告しているのだが、どうやら止める気はそうそう無いらしい。
綺麗な手の甲を見せてきたかと思えばいつの間にか写真がずらりと装填される。
どれもこれもウチに所属している艦娘たちのあられもない姿が写真として収められている。
「何度も言ってるけど買い取らないし受け取らないよ。」
「あれ?」
すっとんきょうな声をあげた青葉は数拍おいて、
「男の人ってこういうのを『おかず』にするんですよね?」
などと言った。
意味が分かっているのか不思議に思ったが次の青葉の一言でほっと胸を撫で下ろした。
「男の人って写真でご飯食べれるんですねぇ。」
「はぁ…。飯ならせめて食える物にしてほしいなあ。」
分かってない。
分かってないだろう。
多分。
「とにかく、元のデータとコピーとその写真諸とも処分すること。」
付け加えて何かを言おうと思ったが青葉の小指辺りにある写真に目を引かれた。
鈴谷がパフェを一口食べて喜んでいるであろう一瞬を切り取った写真だ。
「せめてさ」
手早くその写真を取って裏返し青葉に向ける。
「こういうのを交渉テーブルに持ち出して欲しいな。」
「承りましたー!」
「何も分かってないね?!」
嬉々として走り去る青葉の背中を見送る形になった僕は項垂れた。
そのまま執務室に入り着替えとタオルを持って自分用の風呂に向かう。
体と髪と顔を洗い、シェービングクリームをうっすらと塗り生えかけの髭を剃った。一人で入るには余りにも広すぎる檜の浴槽に入り深く息をつく。
「ここまでやってたら流石に慣れるか。」
何かの脈絡が無い話、という訳でもないのだがあえて脳内で弁明する。
最初の秋刀魚釣りは餌の付け方や針の外し方、釣ってから持って帰るための保存方法まで全てがおぼつかなかった。
着任して四年経った今では手が勝手に動いている。
生臭い服を着続けるのはまだ慣れないのだが…。
そんなことを考えていると浴槽の壁のパネルが浮き出てそのままパタリと倒れる。
最近無断で導入されたシステム、『提督用物資運搬経路』。
文字におこすと変な感じがするが要は風呂に入ったタイミングで軽い飲み物や食べ物が滑り込んで湯がたっぷり入った浴槽に絶妙な角度でスライディングしてくるのだ。
酒は倒れても人がいる環境でないと飲みたくないので、やってくれやがった明石に予め釘を刺してある。詰問したときは白々しい態度をとっていたが、体験してみたら存外に良かったため事後承認となった。
今日は一体何が流れてくるのか期待して倒れたパネルの元を見つめる。すると、もう一回り大きいパネルが倒れた。その大きさは人一人が滑って丁度良いほど。
この考えに至った瞬間、明石への恨み言よりも流れてくるであろう人命を優先しようと腕を構えてランディングコースで待機する。
瞬間、何かが滑り落ちてきているのが分かるくらいの風を切る音が聞こえる。
いよいよ出てきた人物は黒髪を横に結んでいて青いスカートが特徴的な一航戦のその人、加賀だった。
どっぷりと湯にダイブした加賀を何とか両手で救出した。
僕に掬い上げられた加賀はこの手の上で水を吐き出して項垂れていた。
「大丈夫か?」
声の方向に顔を向ける加賀。
「あ、提督。ど…?!」
加賀が赤面したのは彼女の横顔から見ても明らかな程の赤さ。
余程衝撃的なことがあったのか顔を一瞬で反対に向け、暴れた加賀の行き先は湯船の中。
どうしてこうなったのかが分からない。
その反応から数拍置いて自分の今の状況を俯瞰する。
僕は今、風呂に入っている。
加賀の顔は丁度僕の腰くらいの所にあった。
なるほど。
まあ……いっか。
こちらのクールダウンが終わった。
対称的に加賀は直立不動の姿勢をとっていた。
赤面しながら、目線を意図的にこちらから外しながら、クールな態度を貫通するほどあたふたと慌てながら直立していた。
しかも、彼女の水に濡れた服は体のラインがはっきりして非常にこちらの精神衛生上よろしくない。うっかり反応してしまうのは性だろうか。
さて、こんな状況で会話が出来るのか。まず、加賀が流れてきた経緯について聞こう。
「あのさ。」
ビクリと震えてこちらを見る彼女の目線はみるみる下がっていく。ハッとなるのと同時に目線を外す。この二つの動作を繰り返していることに加賀自身は気づいているのか。気づいてはいないだろう。
「もしもーし。」
手を加賀の目の前に二、三度通過させる。
「…!」
こちらには気付いたようで目線を向ける加賀。しかし、目をこちらの腰に向けてくる。
話が進まないから頭に乗せていたタオルを腰に巻く。
こちらにいつもの無表情な目を向けてくる加賀。顔全体は落ち込んでいて目も拗ねているような素振りが見え隠れしている。
「何でここに?」
「青葉に唆されました。」
「大体分かった。」
どうも待機室に青葉と入った加賀は新種の滑り台だとかと騙されて滑り込んでしまったのだろう。
「滑り台…。」
確認のために頭に浮かんだ文を投げ掛けてみると首肯した彼女は普段の態度からは想像もつかない落ち込み具合だった。子供らしいと言えばそうだがそこを含めて愛おしく感じてしまう。
「夏になったら艦娘用スライダー作ってもらおう?」
「はい…。」
びしょびしょになった加賀は風呂からそそくさと上がると去り際に一言と一礼を残していった。
「御馳走様でした。」
「お粗末様でした。」
鼻を押さえていた加賀の足元には血が一滴垂れていた。
一夫多妻へのフラグが立ってしまったと後悔するもそんなものはへし折ればいいと半ば諦め、湯船に身を沈める。
余談だが反応した愚息は萎びてくれた。
最近、年ごとのイベントにしか大したことが起きてないことに少し驚いている。
バレンタインやらクリスマスやら年越しやらそういう節目しか大きな動きがないような気がしてなら無い。
今年も師走に入り上旬、中旬と過ぎいよいよクリスマスの時期。
そんな中、僕は四年ぶりにペンを持ち適当に文字を書き殴っていた。
「うへえ…。」
口をついて出た感嘆とも辟易ともつかない声。
ただでさえミミズが可愛く見えるレベルの文字なのに書いた本人が判読不可な怪文書が出来てしまった。
こんなの部下に見られたら困るどころの話じゃない。しばらく府内はこの前衛的文書の話で持ちきりになるに違いない。それは避けたい。
愚策でしかないが字と字の間にもう一文字を隙間を形成している二文字と重なるように書く。
前衛的文書から前衛的絵画に早変わり。
「なんでだよっ?!」
頭の中の悪ふざけに思わずツッコミをいれる。
しかし、無駄にした紙と芯は戻ってこない。
別の紙を取り出して意識して美しいと思える字を書く。
「まあ、うん。…うん。」
唸って出た結論がギリギリの及第点。
赤点ギリギリのところだ。
定期的に字は書いておこうと心に誓うと共に焼却場に足を運び紙を燃やした。
どんちゃん騒ぎの大晦日と元日を経て、僕はまた筆を執っていた。
筆(毛筆)を取っていた。
「府内の標語を是非」と大淀から書道の一式渡されて困惑し、やれやれと書き始めた。
何を書こうかと思案し、四字熟語を書けばバランスが良いと思ってから頭の中に候補を挙げる。
安全第一?猪突猛進?臥薪嘗胆?一生懸命?
つらつらと出てくる単語にノイズが混じる。
安産祈願。
「ぶっ?!」
男でその標語はまずいだろうと思う理性を体は打ち破り、すらすらと筆を進めていた。
「バカヤロー!!!」
「どうしました!?」
「うわあああああああああああああああ!!!!!!!」
突如現れた大淀によってパニックに陥った僕はすずりの墨に、半紙を捩じ込んだ。
墨は半紙に吸い込まれたおかげで床にも自分にも大淀にもかかることは無かった。が、今部屋にいる二人の間にはなんとも気まずい雰囲気があった。
気まずさを振り払って話し合った結果、大淀はこっそり様子を見に来たことやこちらが中々に標語を決められないという情報を交換した。もちろん安産祈願は伏せてある。標語は家内安全となり府内に入ってすぐの丁字路に貼られることとなった。
前書きの通り暫くは忙しいのでこっちも創作の方も更新出来ません。平にご容赦を頂きたく思います。
それではまたいつか。
表現について聞きたいです。
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難しいと感じる(やさしく書いて)
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今のままでいい(書きたいように書いて)
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簡単すぎる(文学に寄せて)
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キチゲ解放求ム
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対象年齢上げて(タグ増加)